ヘッドランプを灯してテントたたんだのなんて記憶がない・・・。空は少しずつ白んでくるけど、なかなか太陽は出てこない。御来光を待つなんて何年ぶりだろう・・・?5時に外に出て結局日の出は5時半だった。30分間が寒かったので、山頂で腕立て伏せとかしていた。明るくなるとともに、雲が増えてきたのが気になる。
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小笊と富士山でござる |
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なかなかですな |
北上開始!笊ヶ岳から笹山まで、直線距離でも16キロ以上ある。標高差的には前半は細かいアップダウンで、最後に笹山の登りが750mある。コースタイムも12時間弱だったか・・・。ほぼ中間の伝付峠で魔の水補給が待っている。荷の軽い前半で稼がねば。
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布引山と深南部の山々 |
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これから目指す北の山並み ちらりと北岳も |
太陽は登ったものの、薄雲が遮って日が差さない。ひと下りで椹島への分岐。ひとコブ越すと上倉沢源頭の水場分岐。ここにテン場が2つあった。ここから前半最大の登り、偃松尾山の登り。ここで2人組に出合ってビックリ。生木割山にでも泊まっていたのか・・・?振り返ると、たまに笊ヶ岳が見える。
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樹林の間から荒川岳 |
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水場分岐付近の稜線 |
この稜線は針葉樹が大半で、たまにシャクナゲとかが生えている。まあパッとしない稜線なんだが、開けた時の西側の展望が素晴らしい。北は荒川岳から赤石岳、真横が聖岳と上河内岳。深南部はあまり興味なし。今のところ・・・。南アルプスは一つ一つがデカイなあと思うと同時に、全て緑緑している。南アルプスでも北部とは山容が違う。
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笊ヶ岳 |
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左は上河内岳 右が聖岳 |
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目指すは生木割山 |
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大井川下流の山 |
偃松尾山には寄らず。ちょっと時間的にねぇ・・・。下ったとこでガレの縁を歩くが、ここからの展望はすこるぶ良好!生木割山には山の割に立派な看板が立っていた。ケーブルテレビだかの施設も立っていた。生木割山は広い山頂で、頑張れば10張りくらい張れそうなスペースあり。
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生木割山には立派な看板 |
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よいテン場になってました |
生木割山を下ると針葉樹の下草がシダになっている、まずまず雰囲気のよろしい道に。少し進むと張りっぱなしのテントがあった。さっきの2人の物だろう。天上小屋山を過ぎると、高低差がほとんどないトラバース道になる。ここでまた2人組とスライド。スタスタ歩けて距離は稼げるが、ただ歩くだけなのでおもしろくない。でも、西の山々の見える角度が刻一刻と変わるのが楽しい。尾根に復帰したらしばらくで林道に。林道といっても使われてないので、シラビソの幼木がうるさいくらいに生えていた。
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シダ地帯 |
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赤石岳 |
このまま林道を進むと伝付峠。古い地図には「転付峠」とあるが、「伝付峠」に統一されたのかなあ・・・。ここに10時までに着けばなあ・・・と考えていたけど、なんとかかんとか15分前に着くことができた。前に二軒小屋から伝付峠を越えて下った時、水場はアッという間だった記憶。わざわざ汲みに行くとなると、遠く感じてしまう。実際は下り5分、登り10分くらいのもんなのだが。ビニール袋に5Lぶら下げて10分登ったら腕が疲れた。
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ほぼ水平なトラバース道 |
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伝付峠 |
10分腕が疲れるのはご挨拶。これから笹山まで5キロ増しのザックを背負わなければならない。コースタイムにして6時間45分。5時までに着ければ・・・。奈良田越までの林道歩きは気が重かったが、実際は明るい林に囲まれてるところが多くて気持ちがよい。ただ、結構な傾斜のアップダウンが多く、重くなった荷物にはこたえる。左の真横はすでに蝙蝠尾根。朝は聖岳が真横だったのに。水平道やら林道が多くて、とにかく距離は進む進む。もう悪沢岳は反対側から見る格好だ。
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林道がなかなか気持ち良かった |
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悪沢岳 |
今まではずっと樹林帯だったが、林道歩きになると後ろから太陽を浴びる。暑い。この林道の間、前半に2人、後半に2人すれ違った。白峰南嶺は南下する人の方が多いのかなあ・・・?まあ、南下の方が断然楽だわな。でも、やっぱり北上でしょ。だんだん山がよくなるわけだし。最後を北岳にするにしろ、広河内岳にするにしろ、一番高いところを最後にするのが、目指す感じがあって好きだ。
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林道終点 |
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看板は尾根上にあった |
長い林道の終点が奈良田越。広場になっている。吸い殻入れなんかもあったりして、現場ムードが漂っております。終点だけど、なんとなく右が道なりになっている。一応どん突きまで見に行く。どん突きは違うっぽい。やっぱり吸い殻入れのところを右に入る。ちょうど尾根に上がったところに「奈良田越」の標識が立っていた。こんなに立派な標柱を立てるくらいなら、林道終点に看板立ててくれてたほうがありがたいのに。
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こんな立派な看板 |
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白剥山付近の様子 |
今まで割合楽な道が続いていたが、本日最後の試練の始まり。笹山までは部分的に急坂は出てくるものの、通して傾斜は緩め。道も明瞭なので、仮に迷ったとしても、すぐに違うとわかるレベルだ。11年前の情報では、枝付きの倒木があちこちにあって、それを突破するのに骨が折れるということだった。現在はそんな箇所は全くなく、踏み跡はやや薄いものの、普通の登山道並みに歩くことができる。
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露地に出ると笹山が |
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笹山南峰の一段下はテン場だらけ |
笹山南峰が樹林帯とのことだったので、ずっと樹林帯かと思っていた。が、2600mくらいでヒョッコリ森林限界に出た。正面には笹山が・・・。あれが笹山か・・・。もう近いぞ。ただ、ハイマツ帯になったことで、もれなくハイマツ漕ぎが付いてくる。尾根伝いから東側の巻き道へ入ると、再び針葉樹林帯に。するとしばらくでまた開け、快適テン場がズラズラ。ここで泊まるつもりになったけど、一応南峰の山頂までは行っておこう。すると、南峰の山頂には快適テン場が。ここで泊まろう。
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笹山南峰山頂でお泊り |
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笹山ダイレクト尾根の看板あり |
これまで北上する人には会っていない。笹山南峰のテン場にも誰もいないってことは、誰もいないってことなのか・・・?カンバ林に囲まれた円形の山頂部。独り占めでとても気分が良い。笊ヶ岳以降、休憩のたびに携帯を出していたが、通じるのは伝付峠と笹山だけだった。「←奈良田」の看板があった。「ダイレクト尾根」というコースのようで、昨年(?)道が整備されたらしい。奈良田から直で笹山に登ることができる。奈良田から笹山〜広河内岳とループで回れるし、笹山だけなら日帰りも可能。2010年版のエアリアには、まだ残念ながら載っていない。
今日は16時到着ということで、ヒマを持て余すことはない。まずビールを開け、ダラダラとテントを立てる。本体が乾くのを待ってからフライをかける。メシ食って、つまみ食って、酒飲んだら、薄暗くなってきた。4時着というと常識的には遅い到着だが、忙しくもなく、ヒマもこかない、理想的な到着時間のように思う。1人の時は。
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