称名滝から立山・大日岳周遊剣御前からの剱岳
富山方面から室堂に登るバス。左に大日岳を見ながら草原の中を走ります。いいとこをバスで素通りしてしまうので、そのうちゆっくり歩いてみたいなと思っていました。今回は弘法から天狗平の少し手前までの区間ずっと雲海の海中。上はスッキリ晴れててよかったけど、目的のバス通りの大半がガッスガス…。ちょっとガッカリ。ガスの中ではありましたが、このコースは紅葉よりも花の季節が楽しそうなことが判明です。 ◇10月10日(金) 称名滝−弥陀ヶ原−雷鳥沢キャンプ場 剣御前往復 ガスのち快晴!2週連続台風襲来!体育の日3連休の後半にやってきそうです。久しぶりに池ノ平や仙人池に行くつもりでしたが、台風にかかりそうだったのでヤメ。で、このコースに変更となりました。この季節、称名滝へのゲートが開くのは7時。その時間を狙って4時前に家を出たら、30分ほど早く着きました。今日は平日なんですが、ちょこちょこと登山者あり。ほとんど大日岳っぽい。
まずは称名滝に向かって車道歩き。大日岳への登り口を過ぎてしばらくで八郎坂の登山口。大日岳にしても八郎坂にしても、こんな断崖絶壁によくも道を付けたと感心させられます。斜面は急ですが、登山道はきっちりジグザグが切られていて、急坂を見上げながら登るわけではなかったです。ただ、石がヌメヌメで登りでもよく滑ります。下りは怖そう…。
八郎坂の道のウリは何と言っても称名滝の眺め。要所要所で滝の展望台があって、登るにつれて滝を見下ろすようになっておもしろかったです。紅葉も滝の落ち口あたりが見頃。ただ、曇っててイマイチ彩りに欠けました。残念…。いかにもキツそうな八郎坂でしたが、滝を見たり、高度感を楽しんだりしてるうちに終わり、美女平からの道と合流です。
楽しみにしていたバス通りに出ましたが、なんとなんと雲の中。雰囲気的に雲海に突入っぽい。問題は雲海の厚みだなあ。どこで抜けるかなあ…?アルペンルートのホームページからライブカメラを見てみます。室堂はスカッ晴れ!だけど弥陀ヶ原は真っ白…。室堂が晴れで安心したけど、まだかなりの時間ガスの中を歩くことが判明。複雑な気持ちであります。ライブカメラを見ながら歩くのはハイテクで変な感じではありますが、ここは立山(観光地)なのでヨシとしましょう。
紅葉の見頃は八郎坂の上部。弘法に出るとほぼ終わりの状態。紅葉見頃の区間は垂直移動であっという間に通り過ぎ、見頃を過ぎた弘法からはダラダラと水平移動。なんか損した気分。事前の情報でだいたいわかったはいたけど、もうちょっと紅葉が残ってると思ってました。…というか、紅葉する木があまりない。ほとんどお花畑か笹原でした。ここはやはり『紅葉よりも花』ってことか…。
アルペンルートの車道を絡めながら進みます。歩道はほとんど木道です。正面遠くに立山、左手に大日岳を見ながら歩くはずなのに、濃い雲の中で景色はなくて寂しい雰囲気。雰囲気は寂しいんですが、バスはひっきりなしに通ります。音を立てて。なんだか歩く人が増えてきたかと思ったら、弥陀ヶ原のエリアに来たようです。このへんを散策する人がたくさんいました。
相変わらず雲の中を歩きます。弥陀ヶ原のエリアからはずれると、一ノ谷を渡るようになります。ここがまさかの難所。とくに登りは岩場の連続で鎖まで付いていたりで…。急な登りで足に堪えます。どこまで登るんだ…。部分的ではあったけど、八郎坂よりもキツイ登りでした。心構えがなかっただけに…。
対岸に渡ってもガッスガス…。ただ、酔いそうなくらい濃かった雲が、少し疎らになってきたような気が…。2100m付近のちょっとした急坂を登り切ると青空出現。雲海の水面に出て来たようです。左に大日岳、正面に立山三山がやっとこさ見えました。長い長いオアズケでした…。雲海の海中にいる間は残念でしたが、花の時期にまた来るとしましょう。
車道があって、そこをバスが通ってて、ホテルとかもあって…で不思議な感じだけど、景色は素晴らしいです。車道の路肩には10mの竿が立っています。春の除雪の目印なんでしょうね。天狗平山荘の向かいには除雪車が待機。いつ雪が降ってもおかしくない時期。11月末まで開いているので、これから何度も出動するんだろうな。
天狗平からは石畳の道になります。登るにしたがって観光地に近付くという妙なシチュエーション。地獄谷経由だと雷鳥沢キャンプ場は近いけど、有毒ガスが濃いので通行止。御嶽山で噴火があり、焼岳や焼山は避けておこうという頭はあったけど、ここ立山も常時火山ガスが噴出する活火山。これを見るまで活火山という概念がなかったです。立山で噴火が起きたら御嶽山どころの話ではなくなってしまう…。
室堂のメインルートに出ると観光客ウヨウヨ。聞いてると半分は中国語や韓国語のような…。観光客に混じって遊歩道を進みます。思いっ切り観光地なんですが、みくりが池からの立山は素直に素晴らしい景色だと思いました。その他にしても観光の範囲でこれだけの山岳景観を見れるんですから、アルペンルートってのはスゴイと思います。登山のアプローチと考えると高額ですが、観光なら高くないような。ま、晴れないといけませんが…
室堂から雷鳥沢キャンプ場が意外と長いんですよね。逆は登りだからさらに長くてキツイ。さすがに平日でテントは疎らです。キャンプ場の受付にビールが売っていない…。ビールを飲みながらテントを張るのが好きなのに…。テントを張る前に雷鳥沢ヒュッテまでビールを買いにいきました。『400円』は安いと感じて3本(テント張る時の1本、これから向かう剣御前で1本、テントに戻ってきた時用に1本)買ってしまいました。でも、よく考えたらここは室堂。微妙な価格設定ですね〜。
雷鳥沢キャンプ場は2度目ですが、キャンプ場としてのロケーションは超一級品!俗っぽいのは少し減点になりますが、それでもこのロケーションはスゴイ!この景色の中でのんびりしてようかとも思ったけど、時間はまだ2時。ヒマだなあ…ということで、剣御前まで登ってくることに。夕方の剱岳を見に行こうという魂胆。明日の朝も見えるけど、朝は恐らく逆光だろうから…
登りは新室堂乗越経由で。チングルマすごいなあ〜。もちろん既に紅葉&綿毛ですけど。咲いている時に一度来てみたいもんだ。ヒマだから登ってきましたが、スペック的にはちょっとした日帰りハイキング〜。最後は疲れました…。合計すると標高差2000m超えたかな?剣御前小屋からさらに登って、剣御前の山頂へ。
夕方前の太陽に照らされた剱岳はクッキリ鮮明!もちろん今の空気が澄んでるからですが…。誰もいない剣御前の山頂で、さっき買ったビールを飲みながらボケーッとします。弥陀ヶ原から下はいまだに雲海です。雲海の勢力が増してきたのか、さっきまで晴れていた新室堂乗越を越え、雷鳥沢の方にまで流れ込んできました。テン場も雲海に飲み込まれそうです。上から見てるとよくわかって面白いです。
いつまでもいれそうでしたが、暗くなる前には戻らなければ…。帰りは雷鳥坂を一気下りです。テントに戻ると既に陰っています。立山三山は夕日を浴びて赤く染まっています。これまた素晴らしい景色です。それを見ながら3本目のビールをプシュ!寒くなってきたのでテント内で夕飯。雷鳥沢は電波がバリバリなので、暇をこかずにいられました。 ◇10月11日(土) 雷鳥沢キャンプ場−大日岳−称名滝 晴れのちガス起きたら6時前。よく寝てしまいました。目覚まし鳴らなかったか…?明るくならないと起きれないです。今日のコースタイムは長いけど、最悪ゲートが閉まるまでに降りれれば。朝飯は定番のラーメン(サッポロ一番塩)。夜はそんなに寒くなかったような。テントに霜が貼り付いていません。遅い出発ですが、ここは張りっぱなしの人が多いのかテントはたくさん残っています。
昨日歩いたばっかりの新室堂乗越への道。朝と夕ではずいぶん表情が違います。昨日はクッキリだった立山三山は逆光でシラ〜ッとなってます。進行方向の西が順光でクッキリなんですが、あるのが大日岳だけなのが残念なとこ。若干きのうより空気に水分が多いのか、透明度は低いような気がします。逆光の反射も激しいのかも。
新室堂乗越に出ます。反対側のカガミ谷は滑ると気持ちよさそうです。谷の下の方は色とりどりに紅葉してました。剱岳が見えてくるんですが、やっぱり逆光で真っ黒け。きのうの夕方見ておいてよかったです。雷鳥沢のキャンプ場にはそこそこ人がいたはずだけど、大半は立山三山縦走か剱岳かな。大日岳は歩いてる人少ないです。
奥大日岳に近付くと軽装の人とすれ違うようになります。室堂やキャンプ場からのピークハントかな。奥大日岳は大日連山の最高峰ってのと、日本二百名山?に入ってるので、ピストンしに来る人が多いみたい。奥大日岳からの剱岳は時間とともに日当たりがよくなってはきてるけど、まだまだ逆光で冴えません…。
奥大日岳から先はめっきり人が減りました。中大日岳へは結構下ることになり、しかも岩場にハシゴとかあったり。ピストンするにはキツイですね。左手には立山高原バスが通る長大な溶岩台地。きのう歩いてきたところです。ホント長大です。そっち方向もシラ〜っとなってて写真写り悪くて残念です。
奥大日岳から200mくらい下るんですけど、中大日岳へは100mの登りですみます。いったん登り切ったところが『七福園』といわれる場所。日本庭園風のところです。これといってパッとした感じではないです。ひと登りで中大日岳。越えた鞍部に赤い屋根の大日小屋があり、その先に大日岳が聳えるという格好です。大日小屋はこの3連休でおしまいなんでしょうか、バタバタしてる様子でした。
一度登ったことあるので大日岳はパスでもいいかと思ったけど、せっかくだから登っておきましょう。分岐にはザックが放置。みなさん空身で登るようです。ボクはザックを背負ったまま向かいます。ポリシーでもなんでもないんですが、みなさん空身でピストンするとこも背負って登ることが多いです。空身になっても言うほど変わらないし、今度また重いの背負った時のショックが大きい…。槍の穂先とか紀美子平から前穂のような岩場は、さすがに背負って登らないです。
大日岳のピークで家から持って上がったビールをプシュ!剱岳も見納めです。だいぶ日が当たるようになってきました。今日は晴れ予報なんですが、下界はあまり良くないのか…。今日も雲海になってます。昨日みたいにビッシリの雲海ではないですが。毛勝三山も雲海に浮かんでいます。さあ、あとは下るだけですな。
大日小屋から大日平へ浅くて広い谷を下ります。谷というよりほとんど斜面です。この斜面は地形図で見ても、対岸から見ても、真上から見ても、滑って下さい!って斜面です。一度滑ってみたいとは思うけど、どこから取り付けばいいんだろ…?称名川をクリアするのが厳しそうです。どこかに弱点があるのか…?この斜面は紅葉もよさそうです。今はもう散ってますが…。大日平に近いところで辛うじて残っている程度でした。
大日平山荘はチェーンソーがうるさかったので、少し進んだところにある立派なベンチ付休憩所で
大日平は緩く下るんですが、途中から雲海に突入です。今日もかよっ!昨日もそうだけど、紅葉の良いところが雲海の中。雲海のラインは全体的に昨日よりは低くて薄い傾向。急坂の途中まで雲海の中でした。登山道は八郎坂よりこっちの方が険しいです。とくに牛首あたり。急傾斜の岩盤でできてます。岩を削って階段状にしてくれてます。岩は一見滑りそうだけど滑らなくて助かりました。下の方は普通のジグザグ道に。
車道に出ると観光客がたくさんでした。称名滝の上の方は恐らく雲海の雲がかかっているんじゃ…。駐車場も滝に近いところは満車。離れるほど空きアリという状況。山から少し離れると晴れてきました。雲海といっても山際だけの雲のようでした。『立山グリーンパーク吉峰』という温泉に入り(610円)、家路を急ぎます。明日が晴れ予報になったので、戸隠山に登ることにしたのでした。
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