中央アルプス縦走 摺古木山から将棋頭山へ2日目 安平路避難小屋から越百小屋跡雰囲気は良さそうに見えるけどヤブなんです〜
いよいよ薮の日。中央アルプスのメインどころと言えば越百山から木曽駒ヶ岳でしょうけど、全山となるとこの難敵の薮薮区間を歩かなければ行ったとは言えない…かな?いくら薮と言っても登山地図に破線ながらも載ってて、コースタイムも出てて、歩いている人もそこそこいるはず。まあ大したことはないだろう…と想像してました。ところがどっこい!きつかった… ◇9月21日(日) 安平路避難小屋−奥念丈岳−南越百山−越百小屋跡 晴れ安平路避難小屋で泊まりましたが、テントの方が暖かいし落ち着きます。寝付きは良かったけど、間で目が覚めた時まだ22時はショック。その後も何度も目を覚まします。窓から星が見えてて天気が良いことはうかがい知れました。起きなければいけない時間になると眠くて寝袋から出れない悪循環。リンガーハットのインスタントラーメンを食べたけど、具ナシでは美味しくなかったです。
まずは安平路山へ。昨日はコルから西に降りて水を取りましたが、エアリアにある水場マークのとこにも水場あり。安平路山は樹林に囲まれてて展望ナシ。200名山に入ってるんですけど、どうかなあ…という印象。周囲から見てもそう目立つわけでもないし…。とりあえず200名山ゲット!ゆっくり休んでこの先の薮に備えます。
安平路山から進む尾根の方向は東北東。でも、地形図に載ってる道はいったん北に振ってからUターンするように尾根に乗ります。山頂からは東寄りに進む踏み跡もありましたが、ここは北寄りの踏み跡を追ってみます。途中ピンクテープとかありましたが、そのうち踏み跡がわからなくなりました。踏み跡をはずすと足が通りにくくなりペースダウン。でも、仕方がないのでテキトーに方向を定めて進みます。
尾根地形になってからは踏み跡がバラけないのか、踏み跡はわりと明瞭になります。尾根が広くなったり、斜面みたいになると踏み跡がわかりにくくなります。尾根に乗ってしばらくは楽で、シラビソだけで笹のない区間もありました。こんな感じだと楽勝だなあ…と思いながら歩いてましたが、そうは問屋が卸してくれませ〜ん。
松川乗越の前後はヤブが深くて高かったです。下りは踏み跡をはずしても強引に進めますが、登りは大変です。笹は下に向かって生えているので、丹念に笹をかき分けて足を通しやらなければいけません。横着して力づくで進もうとすると、笹の束が足に絡んできてしまいます。松川乗越からの登りは踏み跡をほとんどみつけられず、袴腰山まで気力体力ともに浪費してしまいました。
袴腰山は字の消えたかまぼこ板があるだけの山頂。笹に覆われて何もナシ…。この稜線、道さえちゃんと付いていれば悪くないんですけどね。笹とダケカンバの稜線なので明るいです。如何せん藪が…。樹林が薄くなったところからは左に御嶽山、右に南アルプスを見ながら歩くことができます。今日は天気も良いです。今日は藪との格闘なので、こんなに晴れてもらわなくても…。明日からの快適な稜線歩きでちゃんと晴れて欲しいです。
奥念丈岳は名のあるピークなので寛げると思っていたら違った…。登山地図には『展望良い』とあるけど、たいして良くない…。快適な山頂ではなかったけど、良い区切りなのでゆっくりすることにします。今回はビールを3本ザックに入れていました。1本は安平路避難小屋で。そして2本目はここ奥念丈岳で開けます。相当体力使ったので、グビグビと飲んでしまいます。今日は割と涼しいと思われるのにこの暑さ。真夏にこの稜線歩いたら死ぬだろうなあ…。
奥念丈岳から南越百山までの間のコースタイム、ここまでに比べると距離や標高差のわりに短いコースタイム。しかも、登りと下りと差が付いていません。ってことは、もう強烈な藪はないってこと?そのうち道がハッキリしてくるだろうと期待しながら歩きます。しかししかし、一向に歩きやすくなる気配なしです。笹の丈も高くて、ところによってはボクの身長以上の高さになります。
こんへん笹薮の中に倒木が横たわっていて、何度もスネをぶつけてしまってした。同じところを何度もぶつけるもんで、しまいには堅めの笹が当たるだけで痛くなりました。道は良くなるどころか、笹薮に加えてシャクナゲやハイマツ、シラビソも加勢。余計に手強いヤブ漕ぎとなりました。ところどころ西側のガレの縁を歩く場面があり、そこは景色も良くてオアシスみたいでした。
ホント疲れました…奥念丈岳から南越百の間。コースタイム2時間半のところちょいオーバー。それまでは着実にコースタイムを縮めていただけに、いかにこの区間がはかどらなかったかわかります。ホントは1時間間違えてて3時間半じゃないのかと思えます。ここの登りは相当手強かったので、特にこだわりのない人は、この区間を下りに持ってくることをお勧めします。
高い木がなくなり、ハイマツの割合が増えてきました。最後の試練でありますハイマツ漕ぎをこなし、ひと登りで南越百山。あーー長かった!精根尽き果てました。藪から解放です。この間のヤブの印象としては…登山道レベルの藪ではない!沢登りの詰めの藪と考えても、かなり手強い方に入りそうです。しかも距離がアホみたいに長い。エアリアはよくぞこの区間に点線とは言え登山道の線を引いたものだ。ちなみに古い地図には載っていません。
南越百山は展望すこぶる良好です。南には藪の始発駅であります安平路山。その向こうには恵那山。東は南アルプスがズラリと。北には仙涯嶺と南駒ケ岳。西に御嶽山。360度素晴らしい眺めです。ヤブ尾根縦走の終点に相応しいピークと展望ですね。ヤブ尾根を縦走してきて達成感はかなり大きいですが、それ以上に二度とこの稜線を歩きたくないと思いました。
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