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知床連山縦走/羅臼岳⇒硫黄山

 山域  北海道 知床連山
 山行日時  2002年7月18日(木)〜7月19(金)
 登山形態  縦走
 メンバー  T世
 行程  7月18日 岩尾別⇒羅臼岳⇒三峰キャンプ場
 7月19日 三峰キャンプ場⇒硫黄山⇒湯の滝



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■7月18日(木)  晴れ   岩尾別⇒▲羅臼岳⇒三峰キャンプ場

セイコーマートで行動食を買出しして、登山口の木下小屋へ。ここは駐車場が少なく、ほぼ満車状態。国民宿舎のほうの未舗装部分の一番端にギリギリ入れたので良かった。登山者名簿に記入するが、すでにたくさんの名前が書いてあった。しかし、みなさん日帰りのようで、硫黄岳へ縦走する人は一人もいなかった。

岩尾別(6:35発)⇒銀冷水(9:30〜50)⇒羅臼平(10:42〜57)⇒羅臼岳(11:43〜58)⇒羅臼平(12:50)⇒三峰キャンプ場(13:24着)


樹林帯の歩きやすい道が続くが、いきなり汗タポタポ。少し登ると「熊注意!」の看板。650m岩峰まではアリがたくさんいて、それを食べに熊が出没するらいい。現に数日前にもここで目撃情報があった。オホーツク展望というところが休憩ポイントだったが、「熊注意」の範囲内なので、休まずしばらく進むことに。

与三吉水を過ぎると傾斜が緩み、極楽平という平坦地に。平なのは楽だけど、あまり長く続くと次の登りでこたえてしまう。思ったとおり、仙人坂の急登はこたえた。今日泊まるところに水がなかったら困るので、銀冷水で2Lほど汲んでおいた。

三峰からの羅臼岳ここからひと登りで雪渓が出てきた。これを登り切れば羅臼平だが、これがけっこうしんどかった。雪渓のステップは下りの人のもので、歩幅が合わずに苦労した。羅臼平に着くと、これから山頂を目指す人、山頂から降りてきた人で賑わっていた。羅臼平は別天地。人が多すぎるのがたまにキズかな。ザックをデポしている人はいない。ということは、この中には硫黄岳方面に行く人はいないということだ。

ザックをデポして山頂へ。山頂にはガスがかかったり晴れたりしている。硫黄岳方面の展望が楽しみだったが、あいにく東側はガスがかかりっぱなしになってしまった。斜里岳は見えているが、スッキリとは見えない。きのうの斜里岳もそうだったが、百名山のガイドブックを持った人が目立った。雌阿寒とともに、3日で3山やっつけられるので、効率が良いのだろう。知床は硫黄岳まで縦走しないと意味がないように思うのだが・・・。

羅臼平から三ツ峰へと向かう。登り切ったところからテン場までの間は、チングルマの大群落があり、今が盛りという感じで咲いていた。羅臼岳ピストンだけだと、花が咲いているところはあまりない。でも、少し足を伸ばすだけでこのお花畑。このお花畑を知らずにピストンしている人たちがかわいそうに思えた。

三ツ峰キャンプ場に着く。もちろん誰もいない。タイム的には次のテン場である二ツ池まで行けたが、水の心配があったし、ここが快適そうだったので、今日はここ泊まりとした。ここはヒグマ対策で、フードロッカーが設置されている。食糧をそこに収納し、そこから一番離れたサイトにテントを張る。そして、その真中で食事をすることにした。まだ早かったので、食事エリアに銀マットを敷いてゴロゴロしていた。

旭川方面では大雨になっているらしいが、ここはそんな気配は微塵もない。しかし、天気方では夕方から明日の午前中にかけて、少し崩れるようだ。最悪大荒れになったら、来た道を戻ればいいか。今日も落日を見るが、水平線の上に薄雲があり、海に沈まずにその薄雲に沈んでいった。

■7月19日(金)  くもり時々晴れ   三ツ峰⇒▲硫黄岳⇒湯の滝

夕べはテントの外に熊除け鈴をぶら下げて寝た。その時は無風で、風がないとぶら下げても意味がないなあと思っていた。夜になると風が出てきて、今度はうるさくて寝れなかった。予報では昼まで雨とのことだが、薄曇は出ているが崩れそうな雰囲気はない。朝から北海道の1300mとは思えないくらい蒸し暑い。

三ツ峰⇒サシルイ岳(5:45〜53)⇒オッカバケ岳(6:57〜7:14)⇒南岳(8:27〜50)⇒知円別岳(9:45〜10:05)⇒硫黄岳分岐(10:58)⇒硫黄岳へ(11:20〜55)⇒硫黄沢出合(12:50〜13:00)⇒登山口(14:48)



サシルイ岳からの羅臼岳縦走路は何日人が通ってないのだろう、クモの巣がうっとおしい。きのうサシルイ岳への登りを登っていたらしんどかっただろうが、今日は朝イチなので問題なし。サシルイ岳手前からの羅臼岳は絵になる。硫黄岳も見えたが、まだ気が遠くなりそうなほど遠い。しかも、間にはいくつも山があり、先は大変そうだ。

二ツ池のテン場はぬかるんでいた。池の水も飲む気にはなれない。きのう三ツ峰で泊まって良かったと心底思った。池周辺は道もぬかるんでいて地獄。ここから南岳までのクモの巣は尋常ではなかった。普通、登山道のクモの巣は横1本とかだが、ここのは人が通らないせいか、完成されたクモの巣がたくさんあった。その真ん中には、家主が待ち構えている。ストックを持ってきていて良かった。

硫黄岳への稜線南岳に登り切ったら、向こうから4人組が歩いてきている。これでクモの巣地獄から開放される。下山するまで誰にも会わないつもりだったでビックリ。女の人ばかりの4人組だった。話を聞くときのうは第1火口で泊まり、今日は三ツ峰の予定だそうだ。硫黄岳に登る雪渓に生々しい熊の糞があったと言っていた。

知円別岳への巻き道にあったチングルマの群落は、他のどれよりもすごかった。エゾコザクラとの競演もお見事。本州のチングルマは葉っぱばかりで、花はポツポツ程度だが、しれとこのチングルマは花の密度が比較にならないほど濃い。ここまで高原状だった稜線は、知円別岳を境に荒涼とした火口壁の景色に変わる。ここにはシレトコスミレが咲いていた。硫黄岳の肩の部分に登るルンゼ状のところがしんどかった。ここで一気に疲れてしまった。

ここまでくもりだったが、気圧の谷が通りすぎたのか、太陽がガンガンに照りつけるようになってきた。ノドが乾く。今日は天気が悪いつもりでいたので、水は少な目にしか持っていなかった。失敗だ・・・。空身で山頂に向かったが、空身でもヨレヨレ状態。硫黄岳は羅臼から知円別にかけての稜線から少しずれているため、西側の山並の展望がすこぶる良好。少し霞んでいるのが残念だが・・・。

下り始めるとすぐに雪渓となる。羅臼の詰めの雪渓よりも規模が大きかった。熊ノ糞を見たというので、気を配りながら歩いていた。雪渓から離れるところに登り返しがあり、もう登りはないと思っていた体には拷問のようだった。新噴火口ではところどころ噴気が上がっている。沢を覗くとカムイワッカの滝で入浴中の人々が見える。車道も見えたが、路駐の車でいっぱいだった。水はあと3センチくらいしか残っていない。ここで2センチ飲んで、下山後に残しておく。

車道に下りてからバス停までは15分くらい。フラフラで歩いていた。何台か車が通ったが、乗せてくれないかなあ・・・と思いながら歩いていた。バス停に着く。とりあえず荷物を降ろし、座りこんだ。ザックの中に日本酒があるのを思い出した。水分には変わりないと飲むが、ノドが焼けそうだった。

暑いのでカムイワッカの最下部で水を触る。仮設の売店があって、そこではレンタルのわらじがあった。見るとその横でジュースを売っているではないか!一目散に買いに行った。ビール500mlとポカリ500mlをゲット。飲みながら沢で体をふいたりしていた。水分を摂って、水を触っていたら、さっきまでの疲れがウソのように元気になった。岩尾別へのバスは乗客3人のみだった。



北海道登山の旅(2002年)


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