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オプタテシケ山⇒トムラウシ山

 山域  北海道 十勝連峰
 山行日時  2002年7月27(土)〜29日(月)
 登山形態  縦走
 メンバー  T世
 行程  1日目 白金温泉⇒美瑛富士避難小屋
 2日目 美瑛富士避難小屋⇒オプタテシケ山⇒三川台
 3日目 三川台⇒トムラウシ山⇒ヒサゴ沼⇒天人峡



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■7月27日(土)  1日中霧   白金温泉⇒美瑛富士避難小屋

おとといあたりからツバを飲むとノドが痛かった。きのうからは食欲もない。それに追い討ちをかけたのが、温泉からの帰りの雨。どうやら風をひいてしまったようだ。天気は暗〜いくもり。予報では回復傾向なので出ることにする。

美瑛富士登山口(9:05発)⇒林道終点(10:04〜19)⇒地図上の登山口(10:37〜45)⇒1150m付近(11:50〜12:05)⇒森林限界付近(13:07〜18)⇒美瑛富士避難小屋(14:00着)


美瑛富士へは白金温泉から登ることにした。腰とヒザがビリビリするので、熱があるかもしれない。霧雨の中公共駐車場に車を置いて出発、車道を1時間ほど歩くと登山口。さらに20分ほどで地図上の登山口と思われるところに着いた。登山ポストを見ると、けっこうたくさん入山しているみたいだ。その中のほとんどがオプタテシケ山の往復のみ。4人組が双子池に向かっているようだ。

本格的な登山道になるが、傾斜はずっと緩く、なかなか高度を上げてくれない。粘土状の滑る土で、雨上がりでなおさら滑った。ストックで強引に体を持ち上げたりしていた。天然公園という晴れていれば良さそうなところがあったが、深い霧なので良くも何ともない。木が低くなり、チングルマが残っているだけの、小規模なお花畑が出てきた。最後まで傾斜が増すことなく避難小屋に着いた。

小屋には7人ほどいた。小屋に誘われたが、テントを張ることに。水場を聞いたところ、もう水は出ていないとのことだった。水はあまり持って上がってきてないので困った。仕方なく探しに行くことに。登山道をまた下り、途中で道から離れて沢を下る。このあたりはだいぶ下っても伏流しているようで、水が出てきそうな気配はなかった。ところどころ岩からきのう降った雨がしみ出ていたので、それを辛抱強く汲んだ。

避難小屋周辺は大きな岩がゴロゴロしている。ナキウサギの声がしたので探しに行った。そこら中で鳴いていたが、姿を確認できたのは1匹だけだった。依然として濃い霧が出ている。明日は晴れそうなので、朝に期待したいところだ。

■7月28日(日)  晴れ   美瑛富士避難小屋⇒三川台

天気は上空に薄雲があるものの、山はしっかり見えている。風邪がきのうよりは良くなっているようだが、朝イチなのでイマイチよくわからない。

美瑛富士避難小屋(4:40発)⇒べべツ岳(5:35〜45)⇒オプタテシケ山(6:52〜7:13)⇒双子池(8:14〜40)⇒コスマヌプリ手前(9:46〜10:06)⇒ツリガネ山手前のピーク(11:15〜33)⇒ツリガネ山(12:20〜35)⇒三川台(14:15)


きのうはテン場も小屋もほぼいっぱいになった。その人たちがゾロゾロとオプタテに向かう。みんなピストンだけのようで、ザックが小さい。石垣山の登りでナキウサギを発見。このあたりにはたくさん棲んでいるようだ。あとはユキウサギを目撃しなければ・・・。風が強く、少し寒いくらいだ。ベベツ岳を越えてオプタテへ。

オプタテ山頂まではコースタイムの3分の2くらいで来ている。今日はあわよくば南沼まで、最悪三川台までは進まなくては。山頂から少し進むと、はるか下に双子池が・・・。標高差は500mもある。せっかく登ったのにもったいない。下りにかかると風がなくなり、とたんに汗が吹き出てくるほどの暑さに。

双子池は知床の二ツ池と似たような感じで、湿っぽいテン場だった。念のためここで水を汲んでいく。例年だとオプタテ方面の雪渓が遅くまで残り、水には困らないそうだが、今年は残雪が少なくて、もう涸れる寸前だ。これ以降来る人は、水に苦労するかもしれない。

風がなくなり、太陽も高くなってのここからの登りは大変だった。ここまでなんともなかったが、急に体調が悪くなってきた。体はだるいし、ノドは乾くし、息は切れる。また、アブがたくさんいて、服の上からも食いついてくる。ツリガネ山の手前の三角点があるピークでビールを開けた。この世のものとは思えないくらいおいしかったが、飲み終わってからはむなしさだけが残った。ツリガネ山あたりで振り返ると、なだらかな高原状のコスマヌプリがあり、その向こうに鋭く尖ったオプタテがそびえていた。

ツリガネ山からは大きく下って、三川台に登り返している。そのコルには人がいて、どうやらそこで泊まるようだ。稜線に出る手前に笹の中の踏み跡があり、そこに入ると水場があった。まだ大きな雪渓が残っており、その下はジャージャーと水が流れていた。稜線までは最後の力を振り絞って登った。ことのほかきつかった。

三川台に到着。時間的には南沼まで行けたが、もうすでに精魂尽き果てていたので、ここで泊まることにした。誰も来ないだろうと、廃道との分岐にテントを張る。少し雲が出てきて、たまに太陽が隠れるようになる。その時は涼しくてよかったが、また太陽が出てきた時は地獄だった。虫が多くてうっとおしい。

通行止の道から2人が来てビックリ。話によると、最近開通した道があるらしく、ここへの最短のルートらしい。その人たちは少し先でテントを張った。メシの後、2人が来てしばらく話をしていた。1人は岐阜県多治見市の人で、妻の実家のとなり町。そんなことで話は盛り上がった。くちびるを虫にかまれ、ポンポンになってしまった。

■7月29日(月)  くもり   三川台⇒▲トムラウシ山⇒天人峡

8月1日のフェリーを予約している。今日のうちに下山できれば、ニペソツ山にも登る時間ができる。天気は上空の薄雲くらいで、視界は良好だ。ここからのトムラウシはきれいだ。今日は朝から体がだるく、食欲もない。

三川台(4:30発)⇒▲トムラウシ山(6:45〜7:05)⇒日本庭園(8:13〜20)⇒▲化雲岳(9:26〜42)⇒第2公園(11:26〜35)⇒天人峡(13:50)


三川台からのトムラウシ三川台からトムラウシの間にある、ハクサンイチゲの群落は跡形もなく終わっていて残念。南沼は三川台に比べると大変な賑わいで、まだ10張りくらいのテントが残っていた。テン場は賑わっていたが、トムラウシの山頂は2人しかいなかった。大雪〜十勝の真ん中にある山なので、展望は申し分ない。

下り始めると、ヒサゴからの人が押し寄せてきている。トムラウシの北側は岩がゴロゴロしたところが多い。化雲岳周辺は吹きさらしで、逃げ場はなさそうだが、この辺はどこにでも岩陰があって、風をしのげそうだったのに。どのあたりで遭難してしまったのだろう。

日本庭園で休憩。すると登山道から少し離れたところに死体が!頭から足までカッパにくるまった状態で、岩陰でピクリともせず横たわっている。遭難があったばかりで、まだ残っているのかもしれない。一人で確認しに行くのが恐かったので、近くにいた人と一緒に行く。大声で呼びかけると、ムクッと起きあがった。ただ寝ていただけだった。なんで朝っぱらから寒くもないのに、カッパにくるまって変なところで寝ていたの?

ヒサゴの分岐までは大下りで、化雲岳まで大登り。結構疲れた。ここからは前回台風の中を歩いた道だ。前回はたくさん残雪があり、お花畑ももう少しで見頃というタイミングだった。3週間たった今は、もう終わりかけといった感じだ。今日は展望がよく、前と比べたら天国だ。終始、旭岳から白雲岳の山並を見ながら歩く。道も前回川や池だったところも、かなり歩きやすく快適。ただ、この尾根は今日も風がビュービュー吹いていた。悪天時のエスケープルートには使わない方が良いと思った。

バスまでの時間を利用して天人閣で温泉に入る。岩壁をそのまま利用して作った内風呂、忠別川に面した露天風呂、となかなか気に入った。バスでまず旭川に出る。乗り換えて白金温泉へ。乗換え時間を含めて3時間バスの移動だった。そして、白金温泉の国設キャンプ場でテントを張った。



北海道登山の旅(2002年)


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