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湯檜曽川本谷 (沢登り)

 
 山域  谷川 湯檜曽川本谷  
 行程  1日目  土合⇒武能沢出合⇒十字峡⇒40m大滝上河原
 2日目  テン場⇒二俣⇒朝日岳⇒白毛門⇒土合
 山行日時  2005年8月20日(土)〜21日(日)
 登山形態  沢登り
 メンバー  M田、T世
 温泉  上牧温泉 風和の湯(500円)   その他の温泉・・・水上町観光協会




湯檜曽川本谷は入渓してから水が枯れるまで、間延びするような退屈な部分がほとんどなく、終始快適な沢登りが楽しめました。水量豊富で豪快な大滝あり、シャーシャーと流れるナメ滝あり、白く明るい岩に囲まれたゴルジュあり、水はきれいで周囲の木々は明るい緑・・・。う〜ん、楽しい沢だったなあ・・・。下山さえ長くなければ・・・。


■8月20日(土)   晴れのち雷雨   土合⇒武能沢入渓点⇒十字峡⇒40m大滝上の河原

湯檜曽川本谷は2年くらい前から5回も計画しながら、台風や秋の長雨にたたられてことごとく中止に。なかには、まあまあの天気の時もあったが、せっかくの湯檜曽は晴れの時に行きたかった。今回もお盆前からの不安定な天気が続いており、予報は芳しくない。まあ現地まで行ってからの判断ということで・・・。当日の朝の最新予報によると、午後からは雷雨がありそうだが、日中は晴れの予報に!大滝を越えておけばエスケープは色々考えられるので、早めに大滝を抜けられるように頑張ろう!

土合(6:00)⇒武能沢入渓点(8:00〜25)⇒赤淵(9:20)⇒十字峡(10:00〜10)⇒七ツ小屋沢(11:30)⇒40m大滝下(13:10)⇒大滝上(13:50〜14:00)⇒大滝上の河原(14:10)

久しぶりの前夜発で睡眠時間は2時間くらい。寝起きは悪かったが、起きてしまえばこっちのもの!6時に土合の駐車場を歩き始める。湯檜曽川の右岸につけられた新道を使って、入渓点である武能沢まで退屈なアプローチ。濁ってこそいないが、湯檜曽川は水量が多そうに見えた。武能沢で沢に入る準備をしていると、あとから5人組(男:3、女:2)がやってきた。

まずは魚止めの滝6m
魚止めの滝のあとのゴルジュ
ゴルジュを抜けると開けた河原に

武能沢を5分ほど下降すると湯檜曽川の広い河原に降り立つ。湯檜曽は河原からして気持ちが良い。河原はすぐに終わり、まずは魚止めの滝の一連のゴルジュへ。残置シュリンゲのある核心のリッジは、酒とつまみの入った重いザックを置いて空身で乗り越す。そのあと沢通しは無理なので、潅木の中の踏み跡を追って抜ける。またげそうな幅だったゴルジュを抜けると、沢は広〜い河原に。平凡なただの広い河原なのだが、湯檜曽川はとても雰囲気がよろしい!

赤くないけど赤淵
水量多くて豪快なヒョウングリの滝

のんびりと河原を歩いていると、でかい釜のある堰堤のような滝や足の届かない深い淵が現れる。正面のルンゼには雪塊が残っていた。そこを直角に右に曲がると、お馴染みの赤淵。まるで人工的に作られたかのように両壁は垂直で、一直線に伸びている。寒くないし、せっかくなので泳ぐ。あとの2人は上を歩いて通過。流れてないように見えたが、泳いで見るとかなりの圧力。水流って感じではないが、全体的に水がこっちに向かってくるような感じだった。赤淵の直線が終わり、今度は直角に左に曲がる。曲がるところに豪快なヒョングリの滝が・・・。やっぱり今日は水量が多いようだ。

淵から這い上がるT世
淵をへつるMキー
3段30mのナメ滝

ヒョングリの滝を左から越えると、正面に抱き返り沢の50m滝が。ちょうどここが十字峡。右から入る大倉沢も水量が多く、取り付きにくそうだ。この交差点を左折すると湯檜曽川の本流。本流は幅こそせまいが妙に明るい。天気が良くて岩が白いからかなあ・・・。周りの緑も明るいし。せっかくなので、十字峡で一休み・・・。

抱き返り沢の50m滝(十字峡)
十字峡先の明るいゴルジュ
ゴルジュの通過は難しくない

さてと、今のところ快晴だけど、いつ雷雨になるかわからないので先を急ぐとしよう。十字峡の先のゴルジュは一ヶ所いやらしいへつりがあり、残置シュリンゲに頼って通過。それ以外は快適そのもの!楽しくて楽しくて仕方が無いという感じだ。ウキウキで歩いていたら、右からすごい迫力の滝が・・・。抱き返りの滝20mだ。

抱き返り滝20m(左から巻く)
う〜ん・・・これは登れない。水量がメチャクチャ少なければ、水流通しに登れそうだが、稀に見る水不足でもない限りそんなことはありえないだろう。

水流脇を1段登り、そこから左へ巻きに入る。最初のところがチョッピリいやらし目だが、足がミシンを踏むほどではない。潅木と笹藪帯に入り、踏み跡を追いかける。さすがに人気の沢で踏み跡バッチリだなあ・・・とか思っていたら、薄い踏み跡があちこちに。あやうく上に追い上げられそうになりながらも、うまく沢に戻ることができた。

抱き返りの滝を越えると沢は穏やかとなり、まるで赤木沢を思わせるような天国系の沢となる。空は青いし、水はきれいだし、沢床はすべてといってよいほどナメ。両岸の潅木の緑は明るく、そこにナメ滝と釜が連続。まさに癒されるところだ。

抱き返り滝を越えるときれいなナメと釜が連続する明るい渓相になる

イヤになるほど癒されたところで、ピ〜ンと気が引き締まる。スノーブリッジのお出ましだ・・・。残っていると思っていた十字峡の先になかったので、もう今年は全部融けたのかと思っていた。巻きかくぐりか天秤にかける。気温は上がっていて嫌な感じだが、まだまだ厚みがあるので息を潜めて通過。入り口側は分厚いが、出口側はわりと薄くなっていた。

スノーブリッジはここだけ(抱き返り滝と七ツ小屋沢の間)
10m3条の滝

10m3条の滝は左の岩の間を登って通過。しばらくで七ツ小屋沢の出合。本流は右から滝となって出合っている。地形的には間違えそうだが、水量が全く違うので間違うことはなかろう・・・。

続いて現るは10m垂直の滝。いやぁ〜どこも難しそう。ガイドでは3通り案内してくれていた。瀑水裏トラバース、右壁、右の高巻き。左も相当悪いが登れそう。右の高巻きはかなり悪そう。右壁は残置が散見されたが、トラバースが長く落ちたら怖そう・・・。瀑水裏トラバースは水流さえ通過すれば、あとは楽勝に見えた。そこで忍者になろうと意を決し、瀑水裏トラバースに挑む。う〜〜前が見えない!へっぴり腰でとてもじゃないけど忍者なんて言えない格好で通過。瀑水を抜けると、あとは快適フリークライミング!夏ならではのお遊びでした。

七ツ小屋沢出合(本流は右からの滝)
10m垂直の滝(水中バンドトラバース)

ず〜と白かった岩(たまに黒も)が赤茶色に変わる。すると2段になった滝が。なんだか川場谷を思わせる滝だ。1段目はなんとか登れそうでも、2段目が登れるかどうか不明なので、右から巻くことに。ここは上越特有の草付きトラバースが少し味わえる。あとでガイドを見たら、1段目を登って、2段目のみ巻くことも可能のようだった。

そして来ました、湯檜曽川本谷のクライマックス40m大滝の登場!う〜ん・・・迫力は想像以下だなあ・・・。なんて失礼なことを言っていたらはね返されそうだ。でも、ヒョングリの滝や抱き返りの滝のほうが水量多くて迫力があったもんで。迫力不足に見えたのは遠めから見た時で、近づくに連れてやっぱり迫力のある姿に変身。

6m+8m滝は右から巻いた
クライマックスの40m大滝
40m大滝中段より

中段のテラスまでは階段登りだ。そこから左の潅木帯までがどうなっているか不明。中段テラスが瀑水を浴びないようなら、そこまで登ってそこから確保して登ろう。ザイルを引いてテラスへ。意外にも瀑水のしぶきも飛んでこない穏やかさ。あとの2人にここまで来てもらう。潅木帯までの登攀は1ムーブだけいやらしいところがあるが、あとはスタスタ登ることができた。落ち口までのトラバースは、落ちたら一巻の終わりだが、トラバースの踏み跡は安定している。

大滝が終わってホッと一息でザックを降ろす。あとはなにかあっても逃げ道はあるので一安心。時間はまだ2時前。うち等の足にしては上出来か・・・。あとは二俣までを目標に、良い泊まり場があればそこで泊まろう。結局ここまででザイルを出したのは、40m大滝だけだったなあ・・・。チョイ出しは2度使ったが。

気持ちの良いテン場
大滝上から先は、これまでとは打って変わって穏やかな流れとなる。10分ほど歩くと河原発見!ちょうど送電線の下だ。水面からは高さがないが、快適さはこの上なさそう。時間的には先に進んでおきたいところだけど、この先良いところがあるかどうか・・・。協議の結果、快適さを選択。大滝から10分歩いて、あっけなく今日の行動打ち切り!

マキはあるようなないような・・・。極太と極細はあるが、程よいヤツがない。しかも、夕立続きで湿っているのか、火の点きが悪い。ようやく極太に点いたところでゴロゴロ〜。宴もこれからってとこでポツリポツリと・・・。あえなくテントに避難。ここで武能沢で会った5人組がここを通過。しばらくでおさまり、再び外へ。なんとか焚き火も無事復活。・・・と思ったら、またゴロゴロ〜ときて本降りに。今度はテントでお昼寝することに。

起きると薄暗くなっていて、雨は上がっていた。三たび外へ。一度点いた火は雨が降ってもすぐに点いてくれた。宴第2弾の開始だ。5人組はすぐ上流で泊まっているようだ。夕立によるハーフタイムがあったせいか、後半に入ってからの食は進まない。ビールは完飲したが、日本酒はたっぷりと残ってしまった。

■8月21日(日)   朝のうち晴れのちくもりのち雷雨   大滝上⇒朝日岳⇒白毛門⇒土合

日本海に前線があるせいか、夜の冷え込みはない。シュラフカバーで余裕。朝の焚き火は点かなかった・・・。残念!まだ山腹には雲が残っているものの、きのうよりも天気は良さそうだ。朝日岳までは晴れてくれて、そこからの暑そうな登山道は曇ってくれたらベストなんだけどなあ・・・。

大滝上テン場(6:40)⇒二俣(7:25)⇒奥の二俣(8:40)⇒朝日岳(10:25〜11:00)⇒土合(15:30)

歩き出してすぐに峠ノ沢が出合う。5人組みは朝食中であった。一言二言言葉を交わし先へ進む。穏やかな河原はまたまたナメ床へと変わる。しかし、岩は黒くて明るさはない。まだ日が当たってないからか・・・?それでも楽しい沢登りは続く。10mクラスの滝を3つくらい越えると、左から池の窪が出合う。そして、源頭の雰囲気が強くなり二俣に到着。二俣のテン場は1.5mくらいの高台にあった。安全だが、快適さは大滝上の河原が断然上。

まだまだ滝は続く
10m滝  ここは右から巻く
ナメもまだまだ・・・

二俣に入るとさすがに水流は細くなる。ゴーロ中心だが、たまにナメや滝が出てきて、単調になりがちな気持ちにアクセントを与えてくれる。・・が、さすがに傾斜の増した沢に、足の疲れも出始めてきた。まだ朝だというのに・・・。奥の二俣を過ぎると、もう本当に源頭の雰囲気。水流が細くなり、笹藪が覆いかぶさるようになる。下山が長いので水を補給しておく。水が枯れ、笹藪の踏み跡を忠実に追いかける。湯檜曽川本谷の詰めは草原をイメージしていたが、なんだこの笹藪は!ヤブ漕ぎというほどでもないが、勝手な想像をしていたために苦痛倍増。最後の最後に平らになったところで、既に花の終わったお花畑に出た。登山道を2分くらいで朝日岳の山頂だった。休んでいると、ナルミズ沢からと思われる3人組も朝日岳に到着。


朝は快晴!
もうすぐ源頭
最後は笹藪の踏み跡を追う

さて、ここから縦走の始まりで、下山モードになれるのは白毛門を過ぎてから。気が遠くなりそうだ・・・。でも、ありがたいことに太陽は雲に隠れ、風もそこそこの勢いで吹いている。暑さを感じずに歩けたのは助かった。助かったのは白毛門までで、そこからは太陽が時々当たり、標高も低くなるため汗だく。太陽が陰ったと思ったら、今度は雷ゴロゴロ。東黒沢に出合うところで雷雨となった。まあ、それほど濡れなかったのでギリギリセーフということで。

下山後は混む湯テルメを避け、月夜野の風和の湯へ。いつもヌル目の湯だが、今日は熱めだった。今日新潟で地震があったが、なんだか新潟で地震があると湯が熱くなるそうな・・・。不思議な話だ。温泉で30分昼寝をして出発が遅れたが、そのぶん眠くなることなく穂高の家まで帰ることができた。

あ〜〜〜、湯檜曽川本谷・・・、良い沢だった!また行きたい!


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