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天狗原山 山スキー− 小谷温泉より往復 − ![]()
標高は2200m近くもあるのに、地味〜な存在の天狗原山。それよりも低い雨飾山や大渚山のほうが見栄えする。東には焼山や火打山などのジャイアントがあるし・・・。そんな天狗原山をブナタテ尾根から登ったが、辿る尾根からは終始素晴らしい景色が展開する。山頂に上がると焼山、火打山が間近に迫る。眺めてよい山と、登ってよい山があるが、この天狗原山は典型的な登ってよい山なのでは・・・。ただ、行程がながいのと、気持ちよく滑れる斜面が少ないのがタマニキズ・・・。
山には少しは雲が残るかなと思いきや、朝から雲ひとつない快晴!5時すぎに我が家を出発し、7時前に小谷温泉の栃の木亭に到着。先客は車2台。その2台(単独&3人)ともが天狗原山へと向かった。そんなにメジャーな山なのか・・・?ここからだと雨飾山か大渚山が普通なのに。さすが岳人効果。
林道に入るとすぐにデブリのトラバース。3人組にはすぐに追いつく。林道には単独の人と思われるトレースが。トレースは先に伸びていたが、早く良い景色を見ようということで、崖を回り込んだところで早速尾根に取り付いた。きのう降った雪が少し積もっていて、その下はカチカチのアイスバーン。斜面はたいした角度ではないが、シールもエッジも効きにくく大変だった。
尾根に乗ると待ちに待った展望が。背後には後立山連峰、左には鋭い岩峰をもった大渚山と雨飾山を見ながらの快適な尾根歩きと思いきや、なかなか手強い敵が次から次へと現れる。尾根は緩いけど、いたるところに段差があり、そこがちょっとした雪壁になっていた。新雪の下は硬いので、スキーで乗り越えるのは厳しい。板をはずして乗り越えること数度。手間を食いながらも徐々に高度を稼ぐ。
1741mあたりから地形がややこしくなる。左を巻いていけそうなところは何度かあったが、左を巻くということは太陽の当たらない斜面をトラバースするということ。この硬い斜面をトラバースするのは厳しいとみて、多少雪の緩い南斜面を使いながら、稜線を忠実に辿っていく。このあとも普通の雪ならシールで登れる斜面を、板をザックに付けてツボ足で登ったりと、なかなか一筋縄ではいかない。時々見える天狗原山の山頂はまだはるか彼方・・・。
1849mを越えると、天狗原山頂稜へと続く最後の登りが見えた。もうここで引き返したくなるくらいの絶望感・・・。あれを登らないといけないのか・・・。うんざりモードになるが、周りの景色に励まされながら足を進める。また、この最後の登りからは潅木に樹氷の花が咲いていて、登りの苦痛を和らげてくれた。
急登の最後の最後でシールがはずれる。硬い斜面のトラバース中だったので復活に難儀した。傾斜が緩むまで板を手に持って登るハメに。急登が終わってやっと傾斜が緩むが、山頂はまだだいぶ遠い。またも絶望感に打ちひしがれた。でも、まあここは距離は長いけど緩いので、足を交互に動かしていればゴールはやってくる。
天狗原山の山頂はだだっ広い平原。平原の先には谷ひとつ隔てただけで火打山と焼山が間近に迫る。山頂に登るまで一度も見えなかったし、こんな角度の焼山と火打山は初めてだったので、しばし目が釘付けになった。次の瞬間には職業病?なのか、滑れそうなラインを探していた。この方向からの火打山、焼山は探すまでもなく、ラインだらけ。どこでもかしこでも滑れそうな、まさに山スキー天国!
冒頭にも書いたように、天狗原山自体はとても地味な山なのだが、とにかく眺めが素晴らしい。馴染みのない角度からの雨飾山がとても新鮮。焼山、火打山に比べて妙高山はパッとしないなあ・・・。雪の量がまったく違う。後立山連峰もきれいだが、こちらは見慣れた景色といったところ。金山まで足を伸ばせば、昼闇や鉢山なんかも見えるんだろうけど、今日はもう気力も時間もなし。
さあ、待ちに待った滑りだ・・・といつもなら思うところだが、今日はこのスッキリしない尾根の下りにテンションは下がり気味。どう下ろうか悩んでしまう。雪もよくないし・・・。登り返しをできるだけしなくてすむようにしたいものだ。トラバースで逃げたいが、トラバースではまりたくもないし。
久しぶりに疲れたなあ・・・。登り6時間弱、下りも2時間弱。行動時間としてはたいしたことはないけど、すっきりしない尾根の上り下りと、雪の悪さで疲れは倍増。これで山頂からの絶景がなければ、いいとこなしの山になってしまう。逆にいえば、あの絶景があったおかげで、登りの苦労も、下りの苦労も帳消しになって、下山した時には満足感であふれていた。でも、もう一度登りたいとは思わないなあ・・・。
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