瀬戸川付近は密林に

問題の瀬戸川。来る時はきわどく残っていた雪、変に崩れてしまうと取り付けなくなってしまいそうだったが、辛うじてまだ残ってくれていた。雪の緩む昼間だったら怖かっただろうな・・・。 橋を渡ってシールを着ける。つぼ足のほうが早い気もしたが、荷が重くなるのがいやなのでスキーで登る。標高差１５０ｍを肩で息しながら登り切る。・・・と、ここでポツリポツリと雨。早くも来やがったか・・・。カッパを着るほどの降りではないが、途中で着るのも面倒なのでここで着ておいた。兵馬ノ平を突っ切って蓮華温泉への尾根に取り付く。雨の勢いはたいしたことないが、風が強くて樹林がゴーゴーとうなっていた。

蓮華温泉にはスキーが１本（セット）刺さるのみ。今シーズンの蓮華温泉は商売上がったりだろう・・・。唯一のお客さんと思しきおじさんが、小屋の中からこちらを見ていた。ちょっと休憩。風を除けられるところ・・・、小屋の裏口みたいなところで休ませてもらった。この風・・・天狗原は地獄かなあ・・・？いっそのこと蓮華温泉で泊まるのもアリかなあ・・・と一瞬思った。

重荷、濡れ、風・・・。身体が硬直してきた。肩の血の巡りも悪い。早く降りて温泉に入りたい！こうなると地図なんて見る気になれないので、トレースはありがたい。これを追いかけていけば天狗原に導いてくれるのだ。最後の急坂を登るとヘリポートに出た。あとはダラダラの天狗原を、祠のある一番高いところに向かうのみ。視界は乏しく、ヘリスキー用の標識を頼りに進む。

恐れていた天狗原での強風だが、意外と弱かった。助かった・・・。とっととシールをはずして滑る準備。相変わらず視界なし。ヘリスキーの標識だけが頼りだ。この標識、ホントにありがたかった。成城大小屋まではお世話になりっぱなしだった。ヨレヨレになって天狗原斜面を滑り、あとは林道を滑ればスキー場に帰還だ。いつもならショートカットしたりして遊ぶところだが、今日はとてもじゃないけど無理。いったんゲレンデに出てからも、ゴンドラ乗り場までずっと林道を滑った。最後の緩い登りを死にそうになりながら登って、試練の下山は幕を閉じた。

試練はまだ続く。長い長いゴンドラ。全身ビショビショなので、寒くて寒くてたまらない。全身ブルブル、歯はガクガク。残雪期はこの１２年もののカッパを使っているが、雨の中で着るには用を成さないようだ。どこから水が入るのか、ブーツもグチョグチョに。栂池スキー場の駐車場に着き、一目散で温泉へ。この栂池のゴンドラ乗り場にある“栂の湯”という温泉、一生入ることはないと思っていた。しかし、今日ばかりは“栂の湯”様様だ。生き返った。

ということで、ＧＷ前半のイベントは無事終了。天気の良い日と悪い日が極端だったなあ・・・。でも、それがかえってメリハリができてよかったのかもしれない。悪い日はスッパリとあきらめがつくし、良い日には完全燃焼できる。変に中途半端な曇りとかあると、山には登れるけど楽しめない・・・てことになってしまう。今回の４泊５日、２日目に停滞はあったが、９０点の高得点をつけてもいいでしょう！