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妙高山 本山スキー滑降


タイトルはカッコイイが、標高差1500mの過酷なヤブ漕ぎスキー



 山域  妙高山  
 行程  杉ノ原スキー場⇒三田原山⇒妙高山⇒赤倉温泉スキー場
 山行日時  2007年1月21日(日)
 天気  晴れのち曇り
 登山形態  山スキー(テレマーク)
 メンバー  A野
 温泉  




今日はえらい目に遭った・・・。藪、ヤブ、やぶ、薮・・・。妙高本山の滑りもヤブ、前山の長いトラバースもヤブ(これが堪えた)、滝沢尾根は並みのヤブ・・・。ヤブに文句を言っても仕方ない、雪が降らないことに文句を言っても仕方ない、こんな状態なのに行ったボクたちがお馬鹿さんだった。でも、その時はホントに苦しかったが、思い出に残る山行になったことは間違いない。景色は最高だったなあ!

杉ノ原スキー場(8:35)⇒2300P(9:50)⇒三田原山(10:20〜50)⇒大正池(11:00〜10)⇒妙高山(12:15〜55)⇒大正池(13:10)⇒地獄谷(13:40)⇒赤倉スキー場(16:00)

メンバー2名なのに車2台で妙高へと向かう。なんとも非効率だが、登り口と降り口が違うので仕方ない。1台を赤倉に置き、登り口である杉ノ原に向かった。妙高は先週も来たが、先週よりもさらに雪が減ったように感じた。ほぼ始発のゴンドラに乗ったら、上のリフトで待たされた。

杉ノ原スキー場のすぐ上
雪が多いとこんな谷埋まってる・・・
天気はよい

天気はスカッ晴れ!2日前までの予報では雨や雪だったのに、ここまで変わるのも珍しい。登山当日に晴れてくれるのはありがたいところだ。杉ノ原スキー場のトップには、今のところ山に向かうお客さんはゼロだった。しかし、三田原の斜面はトレースやシュプールが縦横無尽に走っていて、きのうは賑わったようだ。天気が良い日の三田原はとにかく景色が良い!ウキウキしてしまう。

無骨な妙高本山
2300mPから三田原山の稜線
北アルプスもバッチリ!

いつもの三田原2300mピークに出る。すぐそこから裏の斜面に飛び込むシュプールがあった。三田原山頂からもシュプールが・・・。よし!三田原山頂から滑降だ!近くに見えて意外と遠い三田原山だが、少し尾根を回り込むだけで景色がめまぐるしく変わる。進むにつれて焼山、火打と見えてくる。とにかく天狗原山から火打山にかけては、他の山に比べてひときわ白い。滑降意欲が駆られる斜面のオンパレードだ。

天狗原山と金山
焼山と火打山

三田原山到着。雪庇が張り出しているが、2ヶ所切れている部分があった。その一つからシュプールが始まっていた。まずは絶景の山頂で休憩。赤倉山からここ三田原山を経て、神奈山へと続く外輪山の尾根がほぼ見通すことができる。妙高をグルリと1周するツアーも楽しそう。刻一刻と変化する妙高本山を見ながらの歩き。これは雪質はともかくも、晴れた日限定のプランだな。

赤倉山と地獄谷源頭
右端は神奈山

一段降りて弱層テスト。まあ黄信号くらいか。先に斜面に飛び込んだA野氏から“急!”の声が。彼から“急”の声が出るってことはかなりの急斜面?斜面から乗り出し、A野氏が下に着いたのを確認してボクも滑り込む。わっ!急だ・・・。最初のターンは勇気がいる。ターンはおろか、斜滑降もおっかない。上部4分の一はドキドキもんだった。軽いパウダーだったら恐怖感はなかったと思うが、やや重めで板が引っ掛かる雪質だったので、まだまだ修行中のボクにとっては手強かった。モナカやアイスバーンなどの悪雪だったら、手も足も出ないところだ。下半分はまあまあ気分良く滑ることができた。滑り終わって振り返ると、“こんなに急だったのね”って感じ。家に帰ってカシミールで斜度を出してみると、上から下までの平均斜度が約40度であった。滑り出しは45度超だろうな・・・。

三田原山山頂からの滑降ルート
滑り出し
大正池から振り返る

大正池付近で小休止。片方を本山、もう片方を外輪山にはさまれたこの谷。なかなかの別天地だ。妙高本山の登りに備えてシールを貼る。山頂の西側に緩くて広い谷があり、そこを登ることにした。この谷を詰めていけば、ちょうど北峰の肩の部分に詰め上げがる。雪が良くてヤブがなければ容易に登れると思うが、この日は条件悪し・・・。ずりやすい雪はシールが効かない。おまけにヤブをかいくぐりながらなので、とっても体力を消耗してしまった。最後の最後でシールが剥がれ、わずかだが厳しいツボ足となった。

妙高山山頂より火打山と焼山
野尻湖と志賀高原の山々

登りつめたところから北峰へは、そこそこナイフリッジ。疲れたので登攀意欲なし・・・。でも、ここからの景色でも十分満足!火打山、焼山はもちろん、北アルプスもバッチリ!南に目をやると野尻湖と信濃町の高原。その先には八ヶ岳、南アルプス、一番奥に富士山も控えていた。真っ白なのは火打・焼山以外には、越後の山々もかなりの白さだ。今日は空気が澄んでいるようで、日本海の水平線もクッキリと見えていた。

大正池付近
さあ、待ちに待った滑りだ!といつもなら思うところだけど、今日はなんだかため息が出てしまう。まずはヤブヤブの妙高本山滑りをこなさなければいけない。上部は滑る隙間がないくらいのヤブ。木の葉落としとズリ落ちを多用してしのぐ。途中まではターンすることなく高度を下げていた。途中からちょっと樹間(ヤブ間)が開き、少しは楽になった。

大正池まで滑り降りてホッとしたのも束の間、試練の始まりはここからなのであった。まずは緩く下っているものの、ほとんど滑らず、ひたすら歩き。すると、地獄谷の温泉(噴気孔)で行き詰る。仕方なく再びシールを付けて左岸を登る。前山の尾根を確認し、これであとは下りのみと確信してシールをはずした。

これでやっと滑れる。メドが立った・・・と思ったが、それは大間違い。試練はさらに厳しくなって続く。延々と続くヤブヤブのトラバース。斜面を普通に下るのなら、ヤブの薄いところを狙えるが、トラバースはそうはいかない。薄いところを狙おうとすると、登る必要があったり、余分に高度を下げたりしなければならない。何度もヤブに捕獲されてしまった。カニ歩きで登ったり、踏ん張ったりと、とにかく無駄な力を使うので、太ももはもう限界。1400mあたりでようやく滝沢尾根のルートに乗ることができた。滝沢尾根もヤブは濃かったが、このあたりはまだ可愛いもんだった。でも、太ももがやられているので、もうまともには滑れない。赤倉観光ホテルの赤い屋根が見えてからが長かった。最後の徒渉はギリギリ雪がつながっていたが、ゲレンデまでの緩い登り返しがトドメ。ヨレヨレになりながらゲレンデを滑って、やっと車にたどり着く。結局、テレマークターンをしたのは、三田原山頂からの滑りの下半分のみ。あとは全てアルペンターンとも言えないしのぎの滑り。最後のゲレンデもクタクタで、アルペンターンで下ってきた。

大正池から下山するまで約3時間。スキーとは思えない所要時間だ。これなら夏場の登山道を歩いて下る方が、よっぽど早いかもしれない。ガンは前山のトラバース。ここをもっと上の方で巻いて、巻く半径を小さくしなければいけなかったな・・・。反省反省・・・。下調べももっとしておくべきだったか・・・。まあ、雪がしっかり積もっていれば、こんなことにはならなかったと思うのだが・・・。パウダーに浮かれるも山スキー、ヤブに捕らえられるも山スキー。今回は疲れた山スキーベスト3には入りそうだ。同時に思い出に登る山スキーにランクイン間違いなし。ま、今日は景色が良かったし、三田原山の裏の滑りもそこそこ楽しめたので、盛りだくさんの1日だったということで・・・。


GPSではないのでテキトーです




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