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黒部川支流 祖父谷中ノ谷 沢登り中止続きの今年の沢シーズン 大きな川を遡行できてやっとストレス解消! しおじいを引き上げるK子さん
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祖父谷は黒部川の支流にあっては難易度は低い方(・・・だと思う=ほとんど行ってないからわからない)で、大半がゴーロの沢。・・・とはいっても、標高差は約2000mあり、下流部にはゴルジュ、中流部には両岸の立った滝があり、すんなりといくわけではない。源頭はお花畑主体。太ももにとっては拷問でも、右手には広〜いカール、背後の剣岳に見守られながらの詰めは最高だった。そんな祖父谷へ2泊3日で行ってきました。
■9月13日(土) 欅平⇒祖母谷温泉⇒祖父谷遡行⇒奥不帰谷出合 曇り時々雨のち曇り 我が師匠(・・・というか、雲の上の人)K子さんから久しぶりのお誘い。行先は黒部川の祖父谷。断る理由なし(会社は1日休んだが・・・)。二つ返事でOK!マツキンで若者2名を誘い、混成4人パーティーが出来上がった。前夜我が家に集結し、ささやかな前夜祭をしたあと寝る。
車2台で出発。1台を八方に置いて糸魚川へ。そこから電車。ホントなら白馬に車を置いて、電車で欅平に向かうのが効率的だが、如何せん白馬からでは始発が遅くて、欅平に着くのが昼を回ってしまうのだ。魚津までJR、宇奈月まで富山地鉄、最後はトロッコと盛りだくさんのリレーで欅平に到着。雨は降ったりやんだり・・・
祖母谷温泉まで車道を歩き、祖父谷の橋を渡ったところから入渓。堰堤を越え、ゴーロを少し歩くと谷が狭くなる。標高差2000mを流れ降りてきた祖父谷の下流部は、さすがに水量は多い。右へ左へ渡渉し、大岩を乗り越えたりして進むと最初の広河原。ここで休憩。
広河原を過ぎるとゴルジュの始まり。大きな釜をもった小滝(上左の写真)では、右側をへつって、途中から少し泳いで取りつく。後続は泳ぎの部分をロープで引っ張ってもらって楽チン。でも冷たい!その上も激流を飛んだり、へつったりと、スリルのある楽しい遡行が続く。
次の難所は下の写真。落ち口には取り付けそうにない・・・。トップのK子さんが空身で右岸から左岸へ激流ジャンプ。あとはロープに引かれて釜を泳ぎ渡った。そのあと低く巻いてこの難所を突破。ここが下流部の核心だったかな・・・。
気になるのは天気。今日は曇り時々雨で、明日も曇り一時雨。あさっては回復するみたいな予報。雨がひどかったら翌日撤退に備えて、あまり進まないでおこうと考えていたが、雨はやんでる時間のほうが長くなってきた。これなら行けそうだ。
しばらくで最初の二俣。右は猿猴沢、左は中ノ谷。右の猿猴沢の出合は平凡だが、左の中ノ谷の入口は通過不能のゴルジュとなっている。わずかに戻って右岸を高巻く。斜度はきつかったが、掴むものがたくさんあったので、肝を冷やす場面はなかった。うまいルート取りで、ちょうどゴルジュが終わったところに降り立った。もっと高さも距離も大きな巻きになるのかと思っていたが、意外とあっさり巻けたような・・・。それでも50分の戦い。
中ノ谷に入ると、それまでとは一転穏やかに開ける。遠く中背山の尾根も見えている。すぐにテン場適地が出てきたが、この先いくらでもあるだろう・・・と、駒を進めることにした。ここからが大変だったのだが・・・。大崩落地に突入!堆積した巨岩を乗り越え、やっと平らになったと思ったら今度は藪こぎ。いったい水流はどこに消えたのやら・・・?沢から離れてしまったのでは・・・?と錯覚に陥るくらいだった。テン場どころの話ではない。なんとかここを切り抜けねば。結局1時間をかけて大崩落地を抜けた。後半にきてのこれはきつかった。抜けたところが奥不帰沢との出合になっていて、そこには崩落によるダム湖ができていた。落ちたら汚いダム湖へドボン!泥の斜面をへつって中ノ谷へ。そして、やっとこさテン場にありつく。
水流際ではあったが、雨の気配もなさそうなので大丈夫でしょう。入渓者の少ない沢だけあってマキは豊富。燃やし尽くせないくらい集まる。・・・というか集めてしまった。夕食は具材のほとんどがこーちゃん自家製のカレーライス。酒とつまみが程良く出てきて、泊まりの沢ならではの楽しい夜でした。明日は中秋の名月。今晩のところは薄雲があって月ははっきり見えなかった。明日に期待!
■9月14日(日) 奥不帰沢出合⇒中ノ谷右俣2350m付近 曇り時々晴れ 出る前の予報では今日が一番天気悪かったはず。でも、そんな感じではない。夕べからそうだったが、雲はとぎれとぎれで、青空もだいぶ見えていた。5時頃起きて、雑炊をたんまりと頂く。昨夜食ったやつがまだおなかに残っていて、さらに上書き保存といったところ。こりゃ太るわ!
ゴーロ主体だが、ところどころ難しすぎない難所がアクセント的に出てくる。きのうの疲れなのか、朝イチから太ももが辛い。痛痺れるような感覚だ。のんびり行きたいところだが、先頭は容赦なくグイグイと登って行く。時折出てくる難所で手間を食っているところでやっと追い付くような感じ。
歩き始めて30分くらい。やっぱり出ましたスノーブリッジ。やだやだ・・・。まだ朝7時半。雫の垂れ具合も控え目なので、安定しているだろう・・・?そうはいっても、崩壊したら木端微塵。こればっかりは運。技術云々は関係ねぇ〜。ただ速やかに通過するのみ。2組に分かれて下をくぐった。
さらにゴーロは続く。雪渓くぐりから30分ほど歩くと、割り合い開けていた両岸がみるみる迫ってきた。両岸切り立ったゴルジュとなり、沢は屈曲。そして、その奥に本日のメインイベントである5段40m滝のお出まし!滝そのものよりも、切り立った両岸が威圧的。これが黒部か・・・。
5段40mとはいっても、どれをもって5段というのか・・・?滝らしい滝は上段のみ。それがなんとか2段になっている程度。あとはゴーロ滝。水流際は不可能なので、左壁にルートを求める。ロープを出してK子さんが空身で登る。中間のルンゼ状から岩に取り付く一手がいやらしかった。
ラストで登ったボクがそのままルート工作。はじめは横に見えている滝が最上段とは思わず、上へと進みかける。・・・が、思い直して草付きをトラバース。すると、ひょこり落ち口に出た。先を見るともう滝はない。あれ・・・終わった。本日の核心が終わったところで一服。
この先は首が痛くなりそうなほどの急なゴーロが続く。相変わらず先頭のK子さんは早過ぎ!それを追うシオジイも体力あり過ぎ!間にこーちゃんをはさみ、ボクはマイペースで登るしかない。・・・とはいえ、かなり頑張って登ったのだが。難所がないので前との差も詰らない。きついなあ・・・。傾斜が緩むと2つ目のスノーブリッジ。朝イチのやつより不安定だし、完全に日が当っているのでリスク高し!幸い左岸が緩かったので、簡単に巻くことができた。
すぐに二俣となる。まだ10時半だぞ!左俣は谷が細く、ところどころに雪渓が詰まっていて厳しそう。予定の右俣は両岸とも緩やか。ただ、沢自体の傾斜はきつい。太ももの拷問が続く。いったん傾斜が緩む直前で水流がガレの中に潜ってしまった。まさかこのまま伏流ってことはないでしょ・・・?傾斜が緩んで先が見えるようになるが、水が流れているような気配はない。テン場候補地はたくさんあるものの、水がないのでは話にならない。まだお昼。稜線に出て、鑓温泉まで進むくらいの時間は残っていた。でもなあ・・・沢登りに来てるのに、小屋のテン場ではあまりにも寂し過ぎる。水流があったところまで戻る目を残し、上で水が出てくることを祈りながら、さらに登って行く。すると、次に傾斜が急になるところで、奇跡的に水流が。・・・というより水滴が。ここしかない!マキはある!
まだ12時半。先は長いが酒は少ない。マキはそこそこ。こーちゃんザックを背負ってマキ集めの出張。ザックの中はもちろんのこと、ザックのあらゆるストラップにマキをくくりつけて戻ってきた。ここまできたら職業だ。酒は少なめだが、食糧は豊富。シオジイのザックからはキャベツ半玉が出てきた。2日目に出てくるか・・・。普通は初日だぞ!恐るべしシオジイ。
■9月15日(月) 2350m付近⇒白馬主稜線⇒鑓温泉⇒猿倉 曇り時々晴れ 背中の大石のおかげで何度も目が覚めた。そのわりに起き出したのは今日も最後。すでに焚火には火が付いていた。今朝も雑炊をたらふく喰らう。今日は残り450mを登ったら、あとは登山道を下るのみ。朝からのんびりモードであった。
8時前に出発。すでに水流はない。延々と標高差450mを詰め上がるのみ。テン場のすぐ上で二俣となる。本流は右だが、入口が貧相なので左へ。お花畑の中をグングンと高度を上げる。言うまでもなく、みなさんハイペース。もう難所はないので、無理には追わない。きのう、おとといもそうだったが、写真を撮ればそのぶん遅れてしまう。でも、あとで写真がないのは寂しいので、小まめにカメラは出していた。
沢なりに登ると、天狗山荘北のピークから派生する尾根に登り詰める。尾根を少し登り、そのあとトラバース気味に主稜線に乗っかった。天狗山荘が建つコルに詰める予定だったが、おそらく今日のルートの方がスッキリしていると思われる。とりあえず、お疲れ様でした!稜線は風があったので、鑓温泉方面に少し下ってから休んだ。
鑓温泉の道は15年ぶりくらいか・・・?残雪の時期にはスキーで2度来ているが、雪の無いシーズンは全くの別世界。ルートも若干違うし。3連休の最終日というのに、歩いている人は少ないように感じた。3連休だから逆にみなさん早く下山したのかもしれない。1時間ちょっとで鑓温泉。鑓温泉小屋ってこんなに大きかったんだ・・・。これが組立式とは恐れ入る!
先は見えたが、まだまだ試練は残っていた。軽量化(省スペース化)のため、下山靴は持ってこず、沢靴での下山。ところが、この沢靴はパッツンパッツンなので、下りになると両小指が当って痛い(滝を登るには具合いいけど・・・)。足の指を握るような形で歩いていたら、翌日はふくらはぎが普段ならない筋肉痛になってしまった。 |
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