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野呂川 小仙丈沢 沢登り


アトラクションは少ないけど、明るくて、難しくなくて、詰めは極楽!


ひとつ目の大滝(地形図に出てる滝)


 山域  南アルプス 野呂川支流
 山行日時  2010年7月10日(土)〜11日(日)
 登山形態  沢登り
 メンバー  N川、K田、高P
 温泉  仙流荘(600円)

小仙丈沢は大滝が2つある以外は概ね平凡。でも、コンスタントな斜度で詰め上がっているので、うんざりするような感じは全くない。悪い高巻きもなく、詰めもヤブ漕ぎもナシで極楽の小仙丈カールへ。全体的に明るく開けているので、晴れていたら爽快でしょう。行程としてはギリギリ日帰り可能。ゆっくり1泊で計画すれば、初心者の初めての泊まりの沢に良さそう。

■7月10日(土) 北沢峠⇒野呂川出合⇒小仙丈沢⇒標高約2000mテン場  晴れ時々曇り

7月の例会山行が仙丈ヶ岳だったので、裏企画として小仙丈沢を思い付いた。山頂で表企画組と合流できれば楽しいかな・・・と。ところが、日曜日の天気予報が良くないので、表企画は頚城の火打山に化けてしまった・・・。どうするべかと思ったが、代替え案を考えるのが面倒なので、初志貫徹で小仙丈沢を決行。まあ、今回は宴会メインの山。日曜が朝から雨なら、遡行せずに林道を戻ってもいいかな・・・。

北沢峠(11:15)⇒野呂川出合(12:05〜20)⇒小仙丈沢出合(13:00〜15)⇒テン場(14:10)

メンバーは先々週の釜ノ沢と同じ顔ぶれ。初日の天気はまずまず。伊那の西友で宴会の食材を買い込み、仙流荘へ向かう。今日はゆっくりの行程なので、3つ目のバス(10:05発)に乗る。15分待ちで広河原行きのバスがあるつもりだったが・・・ない。どうやら平日の時刻表を見ていたみたい。仕方なく歩く。ゴメンナサイ。

 
北沢峠からの林道をテクテクと・・・ 小仙丈沢

野呂川出合までバスなら10分ですむところ、テクテク歩いて50分。ずっと下りだし、天気が良かったので、それほど苦ではなかった。新鮮な角度からの甲斐駒が見れたのも収穫。などなど、良い方に考えることにしておく。野呂川出合から小仙丈沢出合までも40分と、ちょうど良いウォーミングアップってとこかな。

 
入渓点あたりは平凡 きのうの雨で迫力のある流れ

橋から入渓。倒木が多かったりで、ちょっと荒れた感じの渓相。堰堤を巻き、登るにつれて少しずつマシになる。問題はどこで泊まるか。ネットでテン場情報は得られなかったので、地図で見当をつけるしかなかった。1950m〜2000mのやや広がったところでテン場が得られなければ、先に進むのはやめて戻るくらいのつもりでいた。なにしろ、たんまりと宴会用食材を調達しているので、快適なテン場は必須だったのであります。

 
ここが核心(唯一ロープを出した) 同左(平水なら苦労しないかも・・・?)

前日の夕方は仙丈ヶ岳以南で大雨だったみたい。約20mmの雨が4時間続いたところも。ギリギリ小仙丈沢はセーフだったようで、濁っている感じではない。でも、さすがに水量はけっこう多め。しばらくで出てきた5mくらいの滝でロープを出す羽目に。水が少なければ簡単に登れると思います。ほどなく両岸が開けてきて、目論見通りに2000m弱のところに快適なテン場を発見!

 
こんなもんまで・・・・ テン場からの北岳の眺め

マイナーな沢で、しかもまだ7月なのでマキはしこたまある。夕立に備えてタープを張り、その下にはハンモックまで・・・。さっそく火を焚いて宴会の始まり!本日は櫛焼きが主役。バラ肉のかたまり、鶏肉、砂肝、玉ねぎ、ピーマン、しいたけ・・・と次々と櫛に刺さっていく。焚火での櫛焼きはどれも美味しかったが、とくにバラ肉が絶品でありました。

 
本日のメインは櫛焼き なんでもかんでも刺さります
 
前日の雨にもかかわらず、ボチボチの燃え具合 いい年こいて花火など・・・

結局、心配していた夕立もなく、張ったタープは意味なしホーイチ。ありがたいことですが・・・。全員40オーバーながら、日が暮れたところで花火大会。ま、年は関係ないんですがね・・・。欲を言えばもう少しだけ派手な花火が欲しかったかな・・・。


■7月11日(日) テン場⇒小仙丈岳南の稜線⇒北沢峠  くもり 下山後は雨

起きたら曇り空。下り坂は間違いないところだけど、今のところは高曇りで、北岳は見えている。午後は雨予報なので、珍しく早起き。沢の朝はダラダラと過ごすのが好きだが、今日は早起きしていつもよりはテキパキと準備。予定通りの6時出発。できれば北沢峠13時発のバスに乗りたい。

テン場(6:05)⇒1つ目の大滝(6:25)⇒2つ目の大滝(6:50)⇒小仙丈カール底(8:50〜9:15)⇒稜線(9:45)⇒北沢峠(11:50)

きのうはほとんど林道で、沢は1時間も歩いていない。今日から沢登りみたいなもの。酒もつまみの消化し、軽くなったザックで軽快。テン場から見えていた1つ目の大滝まではゴーロで、ウォーミングアップにちょうどよかった。1つ目の大滝に到着。遠めに見ると2段だけど、間まで登ってみると少し離れているので、別々の滝ってことになるのか・・・?大滝下は瀑風と飛沫がすごかった。

 
テン場出発! 大滝がチラリと見えている ひとつ目の大滝
 
2段と呼ぶには離れすぎか・・・? 右の枝沢を登ります

滝は垂直で、一見行き詰まりそうに見えるが、滝下まで来ると、右の枝沢が見える。ここは簡単に登れ、落ち口にトラバース。再びゴーロになる。次の大滝の前に5mくらいの幅広滝があり、水量が多いので浴びながら登る。さらに進むと2つ目の大滝。ここも直登は不能。今度は左の枝沢を登り、トラバースして本流へ。ロープを出すかどうか悩むレベル。結局は出さなかったけど、けっこうヌメっているので、油断は禁物。残置ハーケンあり。

 
大滝と大滝の間にある滝 これが2つ目の大滝
 
2つ目の大滝全景 左の支沢を登って巻きます

トラバースして本流に戻るところで一休み。ここはかなり斜めっているが、一段上がっているので快適ではないけど泊まれる。ロケーションは良い。小仙丈沢を泊まりで来る場合、問題になるのがテン場。できれば中間で泊まりたいけど、地形図を見る限りでは難しそう。唯一ここが何とかなりそうな場所。あと、詰めてしまってカール底で泊まるのもあり。ロケーションは抜群だが、水流とマキがないのが難点。火を焚けないのは悲しい・・・。となると、今回泊まった場所(約2000m)がベストかな。入渓直後ではあるが、行程的にも忙しくはないので・・・。

 
上流はトイ状の滝が何本か 同左

このあとも基本的にはゴーロだが、傾斜があるので飽きる感じではない。両岸がカンバ林になり、なんとなく源頭部を感じさせられたが、まだまだ先は長かった。さすがに3000m峰!よく考えたら、まだまだ水量は多い。高度計もまだ2500mくらい。とはいえ、難所もなく、コンスタントな斜度で登るので、着実に標高を上げていった。

   
彩りが少ないので・・・   

さてさて、今日で仙丈ヶ岳の沢は2本目。7年前には西面の三峰川の本流を登っている。岩が黒くて樹林も濃くて、暗いイメージがあった。ところが東面の小仙丈沢は曇天にもかかわらず明るさを感じる。斜度はあるけど、両岸は立ってなくて、灌木とお花畑になっていることが多い。沢登りとしてはこっちの方が快適。好みもあるが・・・。

 
このあたり楽しかった! 登っても水量なかなか減らず・・・
 
川幅いっぱいに流れてます 水が冷たくなってきて辛いところ
 
やっと源頭の雰囲気に カンバの並木

徐々に水量は減っていくものの、まだまだ浴びながら登る場面が。登るにつれて水は冷たくなり、陽も差さないのでアブ姐さんは冷え切った模様。カールに出る直下の雪渓で水枯れ。ここで水補給を兼ねて休憩。だいぶ湿っぽい空にはなってきたけど、まだまだ北岳や鳳凰三山は見えていた。なんとか稜線までもっておくれ!

 
北岳 カール底に出ました!
 
雪渓はここが初めて 鳳凰三山を背に

カールはさすがのロケーション!カールの標高差はないけど広い。小仙丈と山頂のコルより少し山頂寄りに、ハイマツが切れてガレのまま稜線に続くラインが見えた。楽に詰めれるのはそこしかなさそう。途中まで行くと踏み跡があった。アリ地獄になりそうなガレの堆積だったので、踏み跡はありがたかった。稜線に出る直前にシカのセンサーがあったようだ。食害が深刻ですからね。このラインはガスっていたら見えないので、視界がないと大変だっただろうなあ・・・。

 
これが小仙丈カール カールのモレーンと鳳凰三山

稜線に上がると甲斐駒が!曇ってて鮮やかではないけど、見えてくれてありがたかった。北岳や間ノ岳には時々不穏な雲がかかり始めた。降り出すのも時間の問題かな。小仙丈岳の手前で小休止。そこから1時間半で北沢峠へ。途中ポツリポツリと降ってきたが、すぐにやんでくれた。北沢峠に着くとバスがいた。12時の臨時便だった。ビールを飲んだりしながら1時間待つつもりだったのでラッキー!ただ、時間がなくて沢靴のままバスに乗る。不快。途中で本降りの雨となった。

 
稜線に出て北岳と富士山 甲斐駒

2日目が晴れなかったのは残念だったけど、今は梅雨の真っただ中。雨に降られず、曇りながらも展望はあったので上出来。うまく梅雨の合間を突けたってところ。仙流荘で風呂に入り、伊那でローメンに初挑戦。まずいと評判の伊那名物ではあったが、食ってみると平凡。可もなく不可もなく・・・。まずくはなかったけど、また食べようとは思わないなあ・・・。まだ焼そば食ってた方がマシだ。




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