粟立山 山スキー![]() 頂稜からの滑り出し
上信越道を走ってて妙高を過ぎると(北上)、高くないのに真っ白な山並みが目を引きます。その中でも目を引かない粟立山に登ってきました。一番目を引く大毛無山の右にピョコンとあるのが粟立山。入山口の西野谷からも見えないちょっと地味目な山ですが、景色も滑る斜面も素晴らしかったです。まあ、天気が良かったってのが一番ですけどね〜。 この山塊は矢代山地と言いますが、全国区ではないですよねぇ…?地理はわりと得意な方でしたが、山スキーを始めるまでは矢代山地なんて聞いたこともありませんでした。昨年、同じ西野谷スタートで重倉山に登りました。重倉山は重倉川沿いに進みますが、左手の万内川沿いにもトレースが…。どこに向かうのかと地図を見ると、どうも粟立山っぽい感じです。ということで、隣の粟立山を観察しながら重倉山に登り、約1年後の本日に粟立山決行となった次第であります。新しい山に登ったら、新しいネタを作って帰る…がポリシー?なのでであります。でないと行くとこなくなりますから…。
さて、今日は晴れが約束された日曜日。あとは晴れは晴れでもどんな晴れになるかだ。文句なしの晴れだったんですが、欲を言えば遠くの展望が霞んでたかな…。西野谷の除雪終点に着くと、以外にも先客は地元の1台のみ。多分釣り。用意をしていたらドカドカと来ました、ボード軍団が…。10人ぐらいはいたのかな。
ここは歩き出しから気持ちいいです。広い河原にたっぷりの雪が積もり、そこにポツンポツンと木が生えた牧歌的な雰囲気。歩いているだけで気持ちいいいですね〜。416m先で出合う大きな沢の左岸台地に取り付きます。もう一つ流浜谷の手前にも登れそうな斜面がありますが、パッと見登れそうだったので、ここから登ることにします。先を歩くボード集団も登っていましたしね。ボード集団は粟立山をよく知っていそうな雰囲気だったので、あえて逆らうこともないでしょう。
この斜面は直登で登り切れるかどうかくらいの斜度。滑ったらちょうど良いくらいの斜度です。疎林というかほぼ無木立ですね。降雪直後はちょっと気持ち悪い感じでしょうか…。滑りはここがまず候補になるでしょう。これから斜面に取り付こうかという2人組が見えます。傾斜が徐々に緩んで、左の沢が追い付いてきたあたりで林道に出合います。左手に大毛無山が見えてきました。背後には高田平野も。ここでしばらく休憩。
林道沿いに歩くところは若いブナの林。広くて緩い尾根歩きです。ここで初めて粟立山のお目見え。粟立山直下はけっこう急斜面になってて、雪庇が崩れたあとの残り物があります。近くになってみないとわからないけど、山頂へは雪庇の右狙いかな…。先行していたボード軍団は山頂へは登らないみたいで、北の谷への滑り出しのところで休んでいました。この北への谷、滑降意欲をそそります。登ってきたルートはあっさり却下ですね。初めてのルートなので長いものに巻かれましょう。
狙い通りに雪庇を右から回り込みます。硬すぎず柔らかすぎずの登りやすい雪で助かりました。硬かったら嫌らしいというか、ツボで登ることになるのかなあ〜。今年山スキーデビューのK嶋さんはちょっと苦労してましたが、まあ場数が解決してくれるでしょう。
稜線に出ればすぐに山頂かと思いきや、山頂はまだ先。地図を見るとガッカリ…。南西に500mくらい緩く登ったところが山頂でした。登ってる時は全然わからなかったなあ…。わかってれば山頂を南側から巻いたのに…。次回があればそうしてみよう。
粟立山の山頂は狭いです。平らなところがなくて、ゆっくり落着けない感じです。展望はスゴイんですけど、大きな大毛無山があって南の展望を遮ってくれてます。なので、妙高〜火打山〜焼山の展望は残念ながらナシ。先っぽだけは見えましたが…。また、すぐ西に粟立山と同じくらいのピークがあって、そいつが西の展望を遮断。眺めだけなら重倉山の方がずっと良かったですね。山頂も広かったし…。次は大毛無山に登れってことかな。スキーの下見的には有意義でした。遠くは霞んでてイマイチ。越後の山々が辛うじて見えた程度でした。
あとから2人が登ってきたかと思うと、声を掛けられました。今は地元(妙高市)に住んでる吉田さんでした。今シーズンのさかえ倶楽部のオープンの時にもお会いしました。今まで何度かニアミスはしていましたが、山で会うのは初めて。しばらくお話しさせてもらい、お先に山頂をあとにします。
滑るコースは直下までは登ってきた通りに滑ります。北の谷を滑ったり、南東斜面を滑ったりと、選択肢は豊富にありそうですが、初めてなのでスタンダードに。ボード軍団が休んでた肩からは、北のカール状斜面へ。この斜面がすごいです。標高1000mくらいとは思えないスケールの大きさでした。これだけ晴れて気温が上がっているので、雪が腐るのは仕方ないところ。このロケーションを滑れることに感謝であります。
さっさと降りてしまうのも勿体ないので、モレーンのような台地で休憩。休憩中に吉田さんたちが滑ってきました。観客5人の巨大な劇場です。さぞかし熱い視線を感じながらの滑りだったことでしょう。動画は撮ったには撮ったけど、カメラの性能上遠くが苦手で雰囲気のみってところです。
カール風の斜面が終わっても、どんどん出てきます。いい斜面が。スケールの大きい斜面から、だんだんと癒し系の斜面へと変化。時々引っ掛かって前転しそうになりますが、久しぶりに滑ったなあ〜という気分になりました。満足して万内川に出合います。川沿いになるとターンできるような斜度や雪質ではありませんが、ここをタラ〜ッと流すのがまた最高。充実感たっぷりで無事下山です。
粟立山のこのルート、コンパクトながらもしっかり滑れました。登りのロケーションも極上。全体に無駄がない感じです。ルート取りは色々考えられるので、また近いうちに来てみたいと思いました。矢代山地は里から近いけど、山スキーとしては奥深いです。山は大きくなくても雪が多いぶん、あちこちに足跡を残せそうです。
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