2013年お盆山行 北ノ俣岳集中沢登りその1 真川シンノ谷から北ノ俣岳![]() シンノ谷の詰めは雪渓で締めくくりとなります
家を4時に出て折立に7時着のつもりが、出発が4時15分になり折立7時半着。飛越トンネルから先が長いわ〜。高いし(1800円)。折立の駐車場は既に満車。料金所のおじさんの教えに従い、登山口に突き当たって林道を右に進むと、奥に臨時駐車場がありました。登山口まで歩いて10分弱のところ。まだ半分くらいの埋まり具合。 ◆8月10日(土) 折立〜真川シンノ谷 晴れ時々くもり登山口からは随分と離れてしまったけど、真川の林道の入口はまさにココ!ゲートを越えて林道に入ります。しばらくで横が河原になったので降りやすいところから川に降ります。なんて広い川でしょう…真川。その宴会し放題の広い河原をひたすら歩きます。天気は晴れるかと思いきや、ちょっと雲が多めですね〜。
1時間ちょっとでハゲ谷出合。地図を見た感じでは、シンノ谷出合までのちょうど中間くらい。釣り人と1人会い、その先も濡れた足跡があったので先客がありそうです。テン場適地がたくさんあればいいけど、乏しいと心配になります。ヤクシ沢出合の先で川幅が狭まり、花崗岩の岩盤が発達してきました。ちょっとした滝なんかもあり、やっと沢登りらしくなってきました。ちょうとその滝のあたりに3人の釣り人が…。シンノ谷の予定のようです。
ゴルジュっぽくなったのは少しの間だけ。また広河原になって、しばらくでシンノ谷と出合います。ここも大宴会場です。シンノ谷に入ると黄色いナメとか出てきて楽しめましたが、すぐにまたゴーロ。ゴーロというより大量のガレが堆積する荒れた雰囲気に。上部はかなり崩壊が進んでいるようです。倒木も多くてジャマ。
ザックの重さは約20キロ。登山道なら疲れながらも長く歩けるけど、やっぱり沢は疲れますね。ほとんど標高は上がってないけど、ゴーロを歩くだけでも体力使います。シンノ谷に入って傾斜が強くなるとテキメン。まだお昼前だというのに疲れてしまいました。そして約1800mくらいのところに優良物件を発見した時に心が折れました。2000m先の伏流するところまで登る予定でしたが、今日はここまで。
周りは巨岩が折り重なっているんですが、ここだけ何故か平らな砂地。ちょうど砂地の横にテーブル状の岩が2つあって荷物を広げます。マキもまずまず。天気が続いてマキはカラカラに乾いてます。チビチビとマキを投入していかないと、あっという間に燃え尽きてしまいます。沢の傾斜はそこそこあるわりに開放感があり、天気もまずまずで寛げました。時間が余りに余っているので、ここでビールを3本飲むことにしました。(予定では2本)
3人の釣り人はなかなかやってきません。シンノ谷出合でも竿を出していたので、もしかしたらもっと下流で泊まるのかも…?とか思っていたらやってきました。お話をすると3人は親子。お父さんと長男と四男とか。ボクたちが伏流のところで泊まっていると思い、1人2匹になるように岩魚を釣ってきたようです。ボクたちの分もです。親子3人は先に進むので、ボクたちのために岩魚を2匹おいていってくれました。なんて心の広い方なんでしょ!じっくり2時間くらいかけて焼き、美味しくいただきました。 ◆8月11日(日) 真川シンノ谷〜北ノ俣岳〜黒部五郎岳〜五郎沢 晴れ時々くもり4時に起きます。沢の朝はダラダラすることが多いです。ダラダラ過ごす朝が好きです。夕べ燃え残った端っこを集めて燃やします。朝飯は雑炊。今日の場合は2人なのでとくにダラダラすることもなく、キャンプ場で泊まった時と同じように朝の時間が進んでいきました。天気の方はよくわかりません。晴れなのか曇りなのか…。6時出発。
沢は相変わらず荒れた渓相。泊まったところからは傾斜が増し沢幅も狭くなります。同時に滝もチラホラと。ナメ状の滝もあっていいんですけど、倒木がねぇ〜。あちこちで倒木が沢を横断してて煩わしいです。景観を損ねます。最初は小粒な滝が続きましたが、大きいのがでてきましたね〜。10mくらいの滝です。無理せず左から巻きます。
次の8mくらいの斜瀑は左壁の真ん中を登りました。手足ともにあるにはあるんですが、最近は年と共に怖いことが多くなってきて、大丈夫だろうと思ってもなかなか次が出ません。10年前は何も考えずにヒョイヒョイ登ってたと思います。今は無理。念には念を入れて、99%を99.9%にする努力をします。こんなボクの登る姿を見ていて不安になったのでしょう、T世さんロープを要求。昔だったらヒョイヒョイ登ってきてたんでしょうけど…。お互い年食ったので、安全第一で登りましょう!
しばらくで滝で出合う二俣。左の方が少し落差が低いかな。進路は右。右には10mくらいの滝が架かります。ちょうど二俣の間にリッジがあって、そこから簡単にクリアできました。一連の滝場が終わるとまたガレの堆積と倒木に逆戻り。地形図通りにだんだんと沢の斜度が緩むと、色々な記録にある伏流するところのテン場適地に到着。親子3人が泊まった形跡がありました。この場所はわりと傾斜が緩くて広いので、余裕で複数パーティが泊まれそうです。テン場の心配はご無用でした。
ネットの記録を見る限りでは、テン場適地は乏しい印象のシンノ谷でしたが、この伏流から先にも適地は散見。2206m点に分かれる枝沢との出合いや、その先にも砂地の段丘があったりして、テン場には困らない感じでした。大雨の時なんかは心もとないところがほとんどですが…。
シンノ谷はネットの印象では、やや陰気な感じの沢というイメージでした。自分で勝手にイメージしていたシンノ谷よりは、ずっと明るくてキレイな沢でした。まあ、赤木沢など黒部源流のような底抜けな明るさはありませんけどね。折立からは同じ真川の鳶谷や岩井谷がありますが、沢から北アルプスの稜線に登るには良い沢だと思います。
1:2の二俣を右に進むと親子3人がいました。岩魚のお礼を言い、写真を撮らせてもらって先に進みます。周囲が明るくなり、谷の彫りが浅くなり、右カーブするようになると源頭近し。最後は直下の雪渓に当たります。ここで水汲み。稜線まであと50mくらいしかないのに、ジャージャー水が流れているとは…。
傾斜の緩い雪渓を登り、雪渓が終わってからも上へと進み、平らになったらハイマツの弱点を観察しながら登山道を目指します。ハイマツ漕ぎ1分で北ノ俣岳の北の登山道に出ました。初めて沢にGPSなど持ち込みましたが、ピンポイントで登山道を狙う時なんか便利ですね〜。原始の匂いプンプンの登山形態であります沢登りに、文明の利器でありますGPSを持ち込むのは少々ナンセンスな気もします。でも大失敗は減るだろうなあ…。
![]() 北ノ俣岳やや北の縦走路に出ました
北ノ俣岳は素通り。明日の赤木沢、明後日の薬師沢源頭の詰めを観察しながら歩きます。どちらも最高の詰め間違いなし!とくに赤木平の西を蛇行しながら悠々と流れている薬師沢左俣に期待が高まります。目指す黒部五郎岳は残念ながら雲の中。薬師岳はキレイに見えているんですが…。山頂とかは仕方ないけど、黒部五郎のカールでは太陽が出てて欲しいなあ〜。
黒部五郎岳本体の登りに差し掛かる頃にはすっかり晴れてきました。登山道に出てからT世さんはヨレヨレ状態。やっぱり沢の後は疲れます。黒部五郎岳山頂はパス。肩からカールを見下ろすと、ちょうど登山道がジグザグ切ってカール壁を登るあたりのコバイケイソウがえらいことになっています。
縦走中は曇っていたこともあって写真はほとんど撮らなかったけど、カール壁の下りからは撮りまくり。とくにコバイケイソウの海の中を歩く時は撮りまくり。トレラン風の人も走るの忘れて写真撮ってました。黒部五郎のカールは何度来ても別天地に感じます。そこにこれだけの花が咲いているんですから!うまい具合に晴れてくれて感謝です。
カールの真ん中に小川が流れています。登山道は黒部五郎小舎に向かってトラバースしますが、今日はこの小川の通りに降りていきます。再び沢モードに変身。カールのお花畑を縫いながら下っていきます。太陽は真後ろから差していて、景色や水がキラキラしてます。流れの先には鷲羽岳、祖父岳、水晶岳。
楽園に癒されながら気分よく歩くんですが、心配なのは時間だけ。確実に泊まれるのは黒部川本流と出合うところ。そこまで行くには暗くはならないだろうけど、かなり遅くなりそうな予感。疲れて転んで怪我してもいけないし、なんとか良い場所があったら泊まってしまいたいところ。ところが川岸は大岩でできていて、小石や砂地は全くありません…。
と、そこに現れました小石の平坦地が!少し高さがあって多少の雨には耐えられそう。2人しかいないけど満場一致でここに決定。なんとか5時までにテン場を確保できてひと安心です。さすがにこの標高ではマキは少ないですが、焚き火する時間も少ないので大丈夫。今日もチビチビと燃やします。
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