守門黒姫 山スキー![]() 1500m弱とは思えない守門の稜線
五味沢から浅草岳に登ると、背後に三角錐の目立つ山が…。あれはなんだろう…?から今日の守門黒姫は始まるのですが、はじめはこの三角錐が黒姫なのかと思っていました。今回の計画段階でよく地形図を見てみると、三角錐はただの1200mピーク。その奥に守門黒姫がございました。なんのこっちゃ…だったんですけど、今回の素晴らしい山スキーツアーにつながったので結果オーライとしましょう! 1500mにしてこのロケーションはスゴイですね〜。山容が雄大で稜線が鋭いです。登り始めは500m弱なのですが、そこからして違います。登りに使う下黒姫沢も開けてて、尾根に上がるとさらに明るくなり、稜線手前では無木立で真っ白の世界となります。稜線歩きはまるで北アルプスを歩いているんじゃないかと思えるほど。天気が良い日に当たって良かったです。こんな山が近くに欲しいなあ…。贅沢か。 さて、この日は快晴だったのですが、天気予報は直前になるまで迷っていたようです。3日前くらいには雨マークが付いたりしていましたので。ホントは谷川方面に行こうかと思っていましたが、南ほど悪い感じだったので、ちょっとでも北へということで守門となったのでした。4時過ぎに安曇野を出発して8時前に五味沢に到着。破間川を渡る橋の近くに2台路駐あり。1台はフロントガラスに霜が降りていたので泊まりっぽい。あとでトマの風御一行と判明です。
破間川を渡る橋のたもとまでツボ足で。橋からスキーを履きますが、この橋が今日の一番の核心というか恐怖でしたね〜。橋の上に偏って雪が積もり、その雪がいつ崩れ落ちてもおかしくない状態に見えました。多分落ちないんでしょうけど、もし落ちたら助からないでしょうね…。板履いて泳げないですもん。
無事橋を渡り林道を辿ります。林道が終わるところで下黒姫沢の沢床へ。下黒姫沢は完全に埋まっていてどこでも歩けました。谷底なのにロケーションが素晴らしいです。両岸は無木立か疎林。3月はずっと4月の陽気だったので、雪庇は落ちたあとっぽいですね。沢の中がダメなら上黒姫沢との間の尾根を辿ることも頭にありましたが、この尾根は雪が切れていたり割れていたりで使えそうもありませんでした。
この間にある尾根は831mまではアップダウンが細かくありますが、その先は広くなりアップダウンもなくなります。トレースもそこに向けて続いていました。今日は先客のトレースがあるのでお客さん気分だな。大きくズレないか確認だけしとけばいいでしょう。尾根は感じのよいブナ林となっています。谷底は無風で暑苦しかったけど、尾根に上がると多少空気が抜けるようで涼しくなりました。
尾根は階段状になっています。登るたびに景色が開けてきます。1164mピークの東の台地に出ると無木立の大雪原が広がります。左からは雪庇が崩落した雪崩の跡、背後には浅草岳…。黒姫はずいぶんと遠いなあ〜。尾根通しだと大回り。直線的にも行けそうだけど、今日のところは大回りしておきましょうか。
もう一段登って1164mの尾根に上がると、正面に袴岳から黒姫の稜線が前方に広がります。圧巻の景色ですね〜。正面から見ると立ってるように感じた稜線直下ですが、近付くと案外緩やかで、自由に登っていける感じです。トレースに便乗して一つ黒姫側のピークを巻いて稜線に立ちました。雪質も緩すぎず硬すぎずで登りやすい雪でした。
稜線に出ると楽しみなのが反対側の景色。近くは烏帽子山、遠くは粟ヶ岳と思われる山や馴染みのない山並みが広がっています。そんでもって目に入ってくるのが破間川の源頭部の斜面。地形図で見るよりもキレイな斜面です。雪が多いから細かい地形は全て平らにしてしまうんでしょうか…?今日のところは滑りませんが、次回は滑るつもりで来るとしましょう。今日の晴れた日に黒姫の山頂に行っておけば、次からはわざわざ黒姫まで行くこともないし、その時間を滑る時間にした方が楽しめそうです。
稜線に出たところから黒姫までは直線で1.5キロくらい。遠いんですけど、景色がスゴイもんで苦になりません。稜線が鋭く刃物みたいで、それがウネウネと続く様は芸術的。稜線は登ったり下ったり、右を歩いたり左を歩いたりと変化に富んでいます。途中で2人組とすれ違いました。どこに行ってたのかな?
山頂が近くなった頃、北の方角から山頂を目指す人たちが…。泊まりの組かな。少し遅れて山頂へ。こんにちは…とあいさつすると、トマの風のDr.ナカ氏でした。あとはK下さんとお初の方の3人パーティー。破間川源頭で雪洞泊し、朝から守門の東面三角を滑ってきたそうな。霜が降りてた車はK下さんの車だったのでした。先週の粟立山では吉田さんに会ったし、2週続けてのバッタリ&ビックリでした。
黒姫の山頂は丸くて広い台地状。展望はすこぶる良好です。やや霞んではいましたが飯豊連峰も。北に見える山は馴染みがないのでわかりにくいですが、粟ヶ岳と御神楽岳は判明。南には浅草岳が広がっていて、昨年行った早坂尾根がよく見えています。あとは尾瀬の燧ケ岳だとか越後三山が目立っていましたね〜。
登りながら見た感じでは、滑るのは黒姫の肩にあたるところからで、カールのモレーンみたいな1115mを目指すのが効率よさそう。登り返しがあってもたいしたことはなさそう。滑り出しまでは少しのアップダウンがあったので、シールのまま移動して滑り出しではずすこととします。
この斜面気持ちよかったけどあっという間でしたね〜。はじめと終わりがトラバースになってしまったし。雪は結構重かったかな。許容範囲ですが。下黒姫沢源頭の沢形は深くはなく、わけなくトラバースできてシールなしで抜けることができました。トマさんたちが先に滑ってくれてたので、余計に楽できたかな。あとは階段状の尾根滑りを楽しんで、下黒姫沢に入るとあとは流すのみ。
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