正沢川本谷 沢登り![]() 正沢川は花崗岩の明るい沢です、基本的には・・・
木曽の正沢川本谷から将棋頭山に登ってきました。1日目は行動時間は短く(4時間)宴会は長く(8時間)、2日目は体力勝負で修行系の沢登りとなりました。久しぶりにハイマツに遊ばれてきました。。たいした見どころもない沢で、一緒に行った初心者2人にとっては、沢登りの甘味よりも苦味の方が大きかったかも…?ま、これも沢登りということで…。 正沢川の沢登りは細尾沢1回と幸ノ川に3回登っています。有名なのは細尾沢と幸ノ川で、本谷なのに本谷は人気がありません。ま、行ってみて納得。全体的に荒れた渓相で、倒木やガレが多く、見どころもほとんどナシ。ですが、一度は足跡を付けておかねばならない沢と思っていたので、行けてよかったです。茶臼山の登山道も歩けたし。 ◆8月10日(土) 折立〜真川シンノ谷 晴れ時々くもり6時半に松本合庁に集合し、2台で今はなき木曽駒高原のスキー場へ。登山客や沢の準備をしてるっぽい人たちもチラホラ。予報に反して曇り空だったのが、歩きはじめる頃には予報通りに晴れ。林道歩きは暑いです。「沢登りコース」と書かれた紛らわしい道標もあるけど、茶臼山への登山道を辿ります。その道が正沢川を渡るところで入渓。
川に入ると涼しくなると思ったけど、顔と頭は汗かきまくり。ヘルメットの間から目の周りにしたたり落ちてきて鬱陶しい。足は水に入ってるのにね〜。登山道を歩いていたら、こんなもんじゃないってことでしょうね。少し遡ると釣り師に遭遇。一言二言嫌味を…。沢登りの盛んな川に来なきゃいいのに…。
中央アルプスということで正沢川は花崗岩の川。岩が白くて水がキレイで気持ちいいんですけど、巨岩越えがジャブとなって疲労を…。今日は今シーズンから沢登りデビューのお二人が一緒です。講習やゲレンデっぽい沢しか行ってなくて、本格的な山登りっぽい沢登りはお初。どちらも野性的感性が備わっているようで、ゴーロも楽しく快調に歩いてきてます。 順調に駒は進み、お昼過ぎに早くも細尾沢の出合。これまで川は広くても巨岩ばかりで平らな砂地がなく、テン場適地と言えるところはほとんどナシ。ちょうど細尾沢との出合にありました。一段上がったところに、いかにも…というスペースが。細尾沢の定宿となっているんでしょうね。T世さん転んで打撲で痛そうなので、もう少し上流にもありそうだけどここに即決です。テント(女性2名用)とタープ(男共3名用)を張りました。
宴会スペースも広くて快適ですが、泊まる人も多いので近くにマキがありません。こんな時は人数いると助かります。何人いても焚き火は一つですんでね。かなり遠征とかしたけど、なんとか今日の宴会に必要なマキは集まりました。酒を川に浸けておこうとしたら足が滑ってしまって、今日のメイン酒である日本酒500mlが川に消えました…。とりあえず乾杯!
今日は宴会がメイン。とりあえずガンガンに焚き火を燃やし、落ち着いた頃から焼き物開始です。豚肉と鶏肉は串に刺して焼き、野菜やシイタケなどは網焼きにします。さすがに真昼間は暑いので、焚き火から距離を置いての宴会。涼しくなってからは焚き火を囲みながらの宴会となりました。火の近くにあった少々斜めだけど平らな岩が今日の寝床となりました。 ◆8月10日(土) 折立〜真川シンノ谷 晴れ時々くもり岩が斜めなぶん何度もズリズリし、そのたびに目を覚ましてたような…。でも、いつの間にか朝になっていたので、しっかり寝たんでしょうね〜。今日は朝から晴れてます。焚き火に火を点けて朝食の雑炊を食べます。夕べの飲み物と食材が減ったぶん、ザックは軽くなってるはず…。
時々ナメ床は見られるものの、ゴーロが中心で高度を上げます。正沢川の本谷はかなり荒れてるようですね〜。あちこちからガレの押し出しがあり、倒木もチラホラ。あまり良い渓相とは言えない感じです。沢が西側にあって、なかなか太陽が差さないのもあるかも。小1時間ほど登ると側壁が立ってきて滝場の予感。奥にありました、初めてのまともな滝であります10mの滝。
右の壁をトラバース気味に登れそうに見えましたが、今日は初心者2名を含5人組。ちょっと消極的になってしまったかなあ…。高巻きを検討。右のルンゼを少し登れば、滝の落ち口に続くバンドがあり、簡単にトラバースできそうでした。そんなわけで一段登って見ますが、トラバースは残念ながら無理。巻き上がるしかなくなりました。最初の一段も微妙に難しそうだったのでロープで確保。中段から巻けそうだったけど、もう一段登った方が安全に見えました。ので上へ。 ところが一部難しく、落ちたら50mくらい落ちちゃいそうなので、登ったあとロープを垂らして確保。2ピッチ登ってやっとトラバース開始。木を伝って降り、急な部分は懸垂下降しながらやっと川に戻れました。ダメ元で直登にトライしとけばよかったかも。結果論だけど…。一段登ったところでトラバースしとけばよかったかも。結果論だけど…。この滝でえらい手間を食っちゃいました。
降りたところは巻いた10mから続くナメ滝の上。後から思えば、どうもこのナメ滝が正沢川本谷の一番の見どころだったような雰囲気。。唯一の見どころと思えるナメ滝を巻いてしまいました。上手くいかない時はそんなもんだ。ナメ滝の下に降りるのは難しそうだったから仕方ないけどね…。 そんなこんなで滝で出合う二俣もガレに埋もれたのかパッとせず、その先にあるはずの滝もよくわからず、標高だけがどんどんと高くなっていきます。かなり急傾斜のゴーロを登り、水の流れが途切れ途切れになったところで給水。この後のツメに備えて1.5L汲んでおきます。
2730m右のコルに詰め上がる目論見ではありますが、ここまで来ればはずしてもわずか。見た目の本流を追いかけます。沢形がなくなるとガレというより砂の急斜面に。見えてる岩は砂の上に浮いてるだけ。まさに蟻地獄で安易に踏むと下まで一緒に落ちてしいます。灌木とのコンタクトラインをダマしダマし登り、やっと蟻地獄を脱出して灌木帯へ。 このまま灌木で稜線まで…との願いは叶わず、ハイマツのヤブ漕ぎへと突入です。最初は高さのあるハイマツが厄介。丁寧に枝を寄せて進まないと、力ずくでは消耗するだけ。稜線は見えてるものの、全くもって近付きません。気が遠くなりそうです。途中から少し低くなり、稜線近くになるとヒザくらいの高さになって助かりました。30分のハイマツとの格闘を終えて、やっと稜線に出ました。ハイマツの中は蒸し風呂状態でしたが、稜線はさわやかな風が吹いていました。
稜線で中休止。ここんとこ天国系のツメが続いたあとだけに、余計に疲れた気がします。なんかもう動きたくない感じです。そうも言っていられない時間なので、下山開始です。将棋頭山の山頂経由。将棋頭山には2回来てて、一回目は初冬に登り、二度目はは小黒川からの沢登り。どちらも山頂に登ったかどうかも記憶にございません。なので、景色がとても新鮮でした。北側からの木曽駒なんて初めて見た気がしました。
下山なんですけど、行者岩、茶臼山までは縦走みたいなもの。身体はキツいけど、気持ちは縦走を楽しむように持って行きます。でも行者岩の登りはきつかったなあ〜。真っ青な空に花崗岩の岩峰が映えてキレイでした。茶臼山は山頂がギリギリ森林限界。ここでは北の展望が新鮮でした。とくに奈良井川の源頭部なんて初めてみましたね〜。とくに目立ったものはないですけど…。
ここからはひたすら下るのみ。エアリアのコースタイムは4時間。でも標高差は1300m。これって普通なら登りのタイムでしょ。実際5合目くらいまではコースタイムの半分くらいで下ることができました。ここまでの尾根道は歩きやすかったけど、斜面になってからは荒れ気味で、下りがはかどらなくなりました。それでもなんとか常識的な時間には降りることができてよかったよかった…。
温泉は少し戻る格好になるけど、木曽福島から開田高原に向かう途中の「せせらぎの四季」へ。700円と少々高めだけど、新しくて施設も充実。意外とお客さんも少なめ。温度がぬるめなのがうれしかった。鳥居トンネルを抜けた奈良井にある「喜太郎」という中華料理屋で夕食。最近あちこちに増えてる「喜太郎」ですが、よくある台湾料理店と同じようなメニュー構成となっておりました。松本合庁に戻って解散です。
|