焼山北面台地〜富士見峠〜昼闇山〜一ノ倉川 山スキー


盛りだくさんの周回ルートでした


西からの焼山

 山域  頸城 焼山・昼闇山
 山行日時  2013年4月1日(月)
 登山形態  山スキー
 天気  晴れ
 メンバー  単独
 温泉・メシ  なし
 コースタイム 笹倉温泉(5:55)⇒アマナ平(7:45〜55)⇒焼山2050m付近(10:40〜55)⇒水無谷の底(11:15〜20)⇒富士見峠(11:40〜50)⇒1934m(12:10〜20)⇒谷底(12:35〜45)⇒昼闇山-高松山稜線(13:10〜45)⇒一ノ倉川広河原(14:10〜20)⇒新田山コル(14:35〜45)⇒笹倉温泉(15:10)

焼山北面台地から焼山の西にある富士見峠に登り、そこから昼闇山の肩まで尾根通しに進み、締めの滑りは一ノ倉川で笹倉温泉に戻ってきました。次から次へとめまぐるしく景観が変化し、一度の山スキーツアーで何度も山に登った気分になれました。実際、シールは4回脱着してますし…。このエリアの景観はやっぱり格が違うということを再認識してきた感じです。

2008年に昼闇山に登った時に、右の写真で焼山の右下に広がるカンバ疎林のメローな斜面が目に焼き付きました。今回のツアーの動機は「あそこに行ってみたい!」。平日に一人で山に行けることになり、前の晩に必死でルートを検討。短縮ルートやらサブメニューも用意して臨んだのであります。焼山は北面台地があまりにも有名ですが、少しはずれただけで全く雰囲気が違ったりと、もっと深く広く探索してみたいな〜と思いました。
2008年の昼闇山からの焼山

3時起きで出発。雪がないので2時間かからずに笹倉温泉に到着。先客はナシ(多分)。天気は雨上がりの晴れといった感じ。3月の暖かい陽気で笹倉温泉の雪融けも急速に進んでいますが、元の量が多いのでまだ大丈夫。融けた部分と残る部分の差が激しいです。除雪終点は壁にはなってなくて、階段を5段ほど登るイメージで雪の上へ。

 
笹倉温泉の除雪終点 火打山川に架かる橋

前日の雨が冷え込んで雪が堅くなり、林道九十九折でいきなり苦労します。林道は平らではなく山の斜面と同じ斜度で雪が積もっていて、そこにカチンコチンになった前日のシュプール。少しずり落ちるわ、進退窮まるわ…。一ヶ所は板をはずして難所を抜けました。そのあとも落ちたら痛いだけで済まなさそうなトラバースが続き、肝を冷やしました。いきなりアイゼン装着が正解だったかな…。

 
一ノ倉川下流部 アマナ平

九十九折を登り切るとホッと一安心。チラチラと見え隠れする焼山や火打山を眺めながら散歩気分でアマナ平へ。昨日は天気が良くなかったはずなのに、トレースがたくさん残っています。焼山北面台地だけでなく高松山の方にもかなり行っている様子。ひと登りで焼山北面台地の末端へ。2005年の4月にはここで泊まったなあ…。


焼山北面台地からの焼山と火打山半分


焼山北面台地からの鉾ヶ岳

焼山北面台地はスケールが大きすぎるので、歩いても歩いても景色が変わりません。足はシャカシャカと進めてるつもりなんですがねぇ〜。時々立ち止まっては写真を撮ります。景色はほとんど変わってないのに…。焼山が生えてる根っこに近付き、斜度が増してきたところで休憩しておきます。風がないと暑いし、風があると寒いくらい。

 
焼山本体基部で休憩 カンバの疎林
 
焼山本体中腹を富士見峠へと大トラバース 水無谷の源頭部

大きな溝を最上部で渡るのですが、雪が堅くてそのだいぶ手前でシール不能となりアイゼン装着。大きな溝を渡るポイントまで登ったところで思案。このまま堅い斜面を登ってもなあ…。登り出すと上まで登り切るしかない状態に陥りそう。今日は焼山の山頂は予定してなくて、まずは富士見峠に行きたかったのです。できるだけ高度を稼いでおいてトラバースする腹積もりだったけど、ここでシールをはずしてトラバースすることに。

 
水無谷を登り返します 富士見峠付近にはテントを張った跡がありました

斜面はエッジが効かないほど硬くなってました。落ちたら200〜300mはいってしまいそう。ただ、堅いおかげで高度を落とすことなくトラバースできました。それでも滑り出しの高度が足りなくて、目的の尾根の手前にある沢に降り着きます。この尾根には急で登れないので、シールを着けて沢を登ることに。この沢のロケーションも素晴らしかったです。富士見峠のちょい上の稜線に飛び出しました。


富士見峠からの金山


富士見峠からの黒姫山と高妻山

焼山の西面は岩峰が多くて荒々しい感じです。金山や天狗原山方面へは穏やかな稜線が連なっています。その稜線の北側には生唾ゴックン斜面が何本も広がってます。そこにも行ってみたいけど、遠いので泊まりじゃないとね〜。すると泊まった跡がありました、ここに。いずれにしても。ここまで荷を担ぎ上げるのは大変なことです。重荷を背負って滑るのも大変なことです。

ここから昼闇山へと続く尾根を辿ります。細かいアップダウンがありそうなので、シールを着けたまま滑ります。硬くて怖いところもあったけど、まあ何とか凌ぎながら…。一気に進めば早かったけど、とにかく前後左右の景色が素晴らしいもんで、チョコチョコと止まっては写真撮ったりと…。地形図にある池を確認したりと…。


富士見峠より  これから辿る昼闇山への稜線


夕べは雪だったみたい


昼闇山へと向かいます

1934mでシールをはずします。ここの北に広がる斜面がこのツアーの動機となった斜面なのであります。周りを見渡してみると、これから滑る斜面が特別素晴らしいわけではなく、周りにはもっと気持ちよさそうな斜面があったりもします。この斜面が動機の一つにはなっていますが、富士見峠から昼闇山へと連なる尾根全体が今回の目当てといってもいい気がします。「あそこに行ってみたい!」から始まって、地形図を眺めたりしながら検討し、実行に移していく…という作業がとても楽しいです。


焼山が遠ざかっていきます


1934mから昼闇山に向かって滑ります


滑った斜面

滑り着いた谷底で本日3度目のシール装着。稜線は風があって寒いけど、谷底は無風で暑いです。ひと登りで稜線に復帰。振り返ると富士見峠は遥か彼方。チンタラと動いていても、スキーは早いですね〜。逆に昼闇山と高松山が至近距離になってきました。昼闇山は存在感ありますが、高松山はただの尾根の先っぽといった印象。広い尾根を辿っていくと昼闇山と高松山をつなぐ稜線に出ます。1787mのちょい東です。


昼闇山への最後の登り


ロケーションがすごい!

さて、どこを滑りましょうか…。面倒なので近くて楽な斜面でいいんですが、ここは前半良くてもすぐ谷が深くなって悪そう。高松山からの斜面はカンバの疎林で楽しそうですが、2010年にすでに滑っているのでパス。昼闇山の肩からの斜面は無木立で純白。滑り出しの斜度がありそうだけど、一番下まできれいな斜面が続いています。無難に高松山から…とも思ったけど、やっぱりこっちでしょう!


昼闇山−高松山の稜線


一ノ倉川源頭の斜面を覗き込んでみる

ここまで引っ張ったビールを開けて、焼山に乾杯して滑り出します。斜度はそれほどでもなかったけど、カチカチの雪の上にボソボソの新雪が乗ってるもんで、板の走りが悪く突っかかります。ボクには難易度高かったかな…。ほぼアルペンで降りた…という感じでした。滑りはともかく、ロケーションを楽しむとしましょう。

 
1934mから滑った斜面 昼闇山東面は大規模に雪崩そう
 
さて滑ります! ひと滑りして

小尾根を乗り越して、左のキレイな斜面に乗り換えます。ここも新雪の抵抗が少しあったものの、斜度が落ちた分テレマーク可で楽しく滑ることができました。振り返るとスゴイ斜面。改めてビックリです。お隣の昼闇谷もすごいロケーションだったけど、一ノ倉川はまた一味違ったロケーションでした。標高差500mをしっかりと楽しみました。

 
一ノ倉川のゴルジュ帯に突入! 見た目は険悪だが川はしっかり埋まっている

谷底に降りると、いつの間にか昨日のシュプールがたくさん。高松山から下りてきたのかな…?一ノ倉川のゴルジュ帯は側壁とかデブリとか様相は険悪ですが、谷はしっかりと埋まっているので、スキーで通過するのは全く問題ナシです。ただし横からの雪崩は要注意!横からの雪崩は地雷を踏むようなものだけど、自分のいる位置だけ気を付けてリスクを下げましょう!

 
新田山のコルに向かって斜上 新田山のコルから一ノ倉川

広河原まで降りてきて安心するのはまだ早い…。新田山のコルに向かってのトラバースが待っています。一ノ倉川のゴルジュ帯よりも、こっちのトラバースの方が怖いですね〜。昨日のトレースに便乗しますが、雪はグサグサでほとんど意味なし。本日4度目のシール装着で無事に新田山のコルへ。

 
新田山から滑ります  焼山温泉が見えてきた 最後は川を渡って笹倉温泉へ

すでに標高は1000mを切っていて、雪も緩々に緩んでいます。引っ掛かりまくりの突っかかりまくり。そんな雪だもんで最後は疲れて、林道に降りてからがダルかったなあ〜。焼山温泉まで降りてしまうと、笹倉温泉までが遠くなります。弱点を見つけて川に降りて対岸に渡ります。川に降りてからの雪の段差が大きくて、あっちウロウロ…こっちウロウロ…。それでも道を戻るよりもずっと楽に早く笹倉温泉に戻ることができた…と思います。

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焼山北面台地や昼闇山からの斜面の景観のすごさを再認識し、さらに探索してみたいという気持ちが強くなった一日でした。





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