もうひとつの横前倉山(糸魚川)若いブナと年寄のブナが混生していました
今回は探検系。赤禿山から見ると明星山の裏から西に連なるわりと立派な山並みが目を引きます。この山並みの西端には栂海新道が通る犬ヶ岳があり、途中にヨシオ山という山があります。名前が面白いので今回の目的地はヨシオ山。結果としては横前倉山の先で引き返したので、ヨシオ山までは到達できず…。なので、題名は横前倉山としています。小谷の横前倉山と区別するために「もうひとつの」をオマケで付けておきました。 久しぶりにこーちゃんとです。まずは、絶対に一人で行くことになるだろうと思っていたこんな企てに付き合ってくれて感謝です。やっぱり知恵が2つあると上手く事が運びますね。しょーもないルートではありますが、一応完成形が出来上がった感じです。林道が長かったり、滑るところが少なかったりしますけど、ゆっくり一日のツアー系ルートとしては使えそうな感じです。
早いかなとは思いつつ白馬に5時集合。午後から雨予報なのでね。岡集落の除雪終点は下見してなくて、最悪は小滝駅あたりから歩くつもりでいました。心配は無用で、前に夏に登った時と同じように広くなったスペースがあり、駐車は余裕でした。ガンガン雪が降っている時などは、除雪作業等に気を遣う必要はありそうですが…。
夏と同じ登山口から入ります。基本的には林道を辿りますが、ワープする価値のあるところはワープ。前半は杉の植林地が多くて興ざめです。尖がった明星山を回り込むように進むので、少しずつ明星山の形が変わっていくのが面白い。杉の植林地でないところは、糸魚川周辺の例に漏れず、ドングリができそうな木の疎林となっていて、雰囲気は明るいです。杉が邪魔…。
明星山の登山口の先で林道から離れます。とりあえずヒヨドリ池を目指します。ヒヨドリ池周辺の地形図を見ると複雑でよく理解できません。どれが尾根でどれが谷だか…。老眼進んでる上に近視のコンタクト付けてるもんで、ピントが合わなくてぼやけます。拡大版を印刷するとか、虫眼鏡を持つとか考える必要ありです。
まあ適当にヒヨドリ池を目指しましたが、やっぱり凹凸の少ない地形でわかりづらく、思っていたところと違うところに居たりしました。960mポコとその南西のポコが特定できてやっと現在地把握。ヒヨドリ池には立ち寄れず…。ヒヨドリ池の南西のコルで休憩しましたが、とてものどかなところでした。ウロコ板でウロウロすると楽しそうな雰囲気です。
一本松山を目指します。一段登ったところから尾根をはずれ、懐を巻くような感じで一本松山の基部へ。この辺も尾根と谷が入り組んでて、しかも小さなポコがポコポコとあるもんで、地図読み泣かせです。まあ一本松山は見えてるので動くのに悩むことはないのですが…。このあたりはブナ林。老木と若いのが混じって生えてて雰囲気いいとこです。一本松山の登りは結構急で登りごたえあり。わずかですけど。
一本松山は標高1049mですけど、展望はあなどれませんぞ!かなりの高得点を付けてあげましょう!この角度からの北アルプスは初めてみたいなもんだし(赤禿山からは展望がないので)、黒姫山が近い!頸城の山々は赤禿山からと似たり寄ったりですな。馴染みのない角度からの展望ということでの高得点かな。
一本松山をあとに横前倉山に向かいます。もちろん風吹大池の近くにある横前倉山とは違います。あっちは有名ですが、こっちは無名。シールを貼ったまま尾根を滑ります。一段滑ったところから主尾根をはずれます。主尾根は大回りになるので、距離が近い谷経由で。谷からは緩やかな尾根に取り付き、横前倉山の少し手前で主尾根に復帰します。
横前倉山を見ながら降りていましたが、帰りの横前倉山はかなり滑れそうに見えます。谷底まで滑って、そのまま谷伝いで戻れそうに見えました。地形に角がないので沢を渡ったり、尾根を乗り越したりするのが楽そうに見えます。この付近の谷の源頭はどこもそんな感じに見えますね。明星山や黒姫山のような尖った山容とは対照的です。
横前倉山の山頂も展望はピカイチ。一本松山と大差はありませんが、横前倉山まで来るとこの先のヨシオ山や栂海新道の山々が見えてきました。次の名のあるピークの村杉山はパッとせず、次のヨシオ山はそこそこ立派。その先の源太夫山が存在感あります。その先に犬ヶ岳があるのですが、そこらへんまで足を伸ばすには1泊は必要かな・・・。
いつの間にか風が強くなってきました。風を除けて雪庇の裏で休憩。それでも風が吹くと雪煙が舞い上がって、襲いかかってきます。白馬のスキー場もゴンドラが止まっていたところもあるようですね。風は強くても素手で平気だったってことは、気温は相当高かったということでしょう。
なんとかヨシオ山まで行けそうなペースだなあ・・・と思ったけど、難敵が待ち構えていました。村杉山の一角から尾根は痩せてきます。南側は大きな雪庇(半分落ちてた)になっているので北面をトラバース気味に進みます。しかし、北面は雪が堅くてその上に新雪が乗っており、シールでのトラバースが厳しくなってきました。まだヨシオ山までは距離があるし、帰りにまた通ることを考えると・・・。本日はここまで。戻ります・・・の前に滑ります。今いるところの浅い沢を滑ってみることにしました。
トラバース中の不安定な状態でシールをはずします。雪は何とも言えない雪・・・。まともに滑れませんでした。それでも降りるにつれてただの重い雪になり、なんとかテレマークで滑れるようになりました。そういえば、テレマークターンするのは1ヶ月以上ぶりです。2月の東北で滑って転んで肋骨が痛くなってから、怖いのでテレマークは封印していたのです。今週になってやっと痛みが少なくなってきたのでした。となりの沢を登り返して稜線復帰。この登り返した沢を滑った方が楽しそうでした。
戻ってくるのは長く感じたけど再び横前倉山。同じく雪庇の陰で休みます。ここでシールをはずす。少し時間が経ったぶん、頸城の山々が逆光じゃなくなってきました。明星山はこっち側から見ると黒くてあまりいい感じではないですね〜。新雪が降った後なら木に雪が着いてキレイになるのかも・・・?景色的には長居したくなる山頂ですが、相変わらず風が強いのでとっとと降りることにします。
今日のこの探検では滑りは予定になかったけど、横前倉山の西斜面を200mほど滑ることができました。1021mの尾根よりも北を滑っていれば、おのずと意図する谷へと降りていけます。稜線からの滑り出しは短いけど斜度があってそこそこ楽しめます。雪は良くはないですが・・・。そのあとはマッタリとしたブナ林を流す感じでしょうか。
地図を見てもわかる通り、サカサ沢や土倉沢の源頭部はパッと見ても谷だか尾根だかわからないような等高線の並びで複雑。ただ、谷も尾根も角がないので、自由に行き来できる感じです。登り返すコルを確認したところで滑るのを終えて休憩。シールをはずします。温存していたビールを飲みます。旨い。
林道までは緩い斜面が続きます。時々引っ掛かる雪で、板が走ってくれません。林道はさらに斜度がなくなるので、漕ぐ時間が多くなります。ある程度堅いかトレースがあればもっと滑るんでしょうけど、こんなところに他のお客さんはいませんわねぇ〜。それでも45分で下れてるので上出来でしょうか。最後の杉林はわけわからなかったなあ〜。いつの間にか山に雲がかかるようになっていて、下山して片付けして車に乗り込むと雨がポツポツと・・・。白馬あたりでは本降りになってきました。天気予報通りでした。
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