白山南北日帰り縦走 石徹白から北縦走路へ


9人の大所帯で挑み、9人全員が完歩!


別山から白山主峰へと向かいます

 山域  白山
 山行日時  2014年7月26日(土)
 登山形態  縦走
 天気  晴れ時々くもり
 メンバー  9人
 温泉・メシ  白川郷の湯(700円)

白山を南から北へ日帰りで縦走してきました。石徹白から入って別山、白山を越し、北縦走路を抜けて野谷荘司山から馬狩へ。距離40キロ以上?、標高差は4000mくらい?、エアリアのコースタイムで24時間ほどです。この長丁場を9人という大所帯で挑み、17時間ちょっとかけて9人全員が踏破!1人の脱落者も出ずに歩き切ったのは価値が大きいかなと。


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企画したのはグリズリーのコンドル氏。まさか9人も集まるとは思っていなかったのでは…。他には名古屋ASCTOKIアルパインの面々です。ボクを除いた8人の平均年齢はなんと34.5才。ボクより15も低いがな…。若い人たちに中高年登山者が1人だけ混じるカッコウです。1人脱落したらオジャンになる団体戦。プレッシャーも大きいです。なんとか迷惑掛けないように頑張らねば!

覚え書き
時間 所要時間 累積 コースタイム 累積
石徹白登山口 2:45
1:05 2:00
神鳩避難小屋 3:50〜53 0:03 1:08
0:33 1:41 1:00 3:00
銚子ヶ峰 4:26〜28 0:02 1:43
1:16 2:59 2:30 5:30
三ノ峰 5:44〜53 0:09 3:08
1:09 4:17 2:00 7:30
別山 7:02〜13 0:11 4:28
1:20 5:48 2:10 9:40
南竜ヶ馬場 8:33
1:00 6:48 1:40 11:20
室堂 9:33〜10:08 0:35 7:23
0:31 7:54 0:40 12:00
御前峰 10:39〜44 0:05 7:59
0:46 8:45
ビルバオ雪渓 11:30〜50 0:20 9:05
0:58 10:03 3:00 15:00
地獄覗き 12:48〜13:00 0:12 10:15
1:15 11:30 2:00 17:00
ゴマ平避難小屋 14:15〜40 0:25 11:55
2:01 13:56 3:00 20:00
妙法山 16:41〜53 0:12 14:08
1:17 15:25 2:00 22:00
野谷荘司山 18:10〜24 0:14 15:39
1:26 17:05 2:00 24:00
馬狩登山口 19:50
  行動時間:14時間37分  休憩:2時間28分  合計:17時間5分

白川郷の道の駅に深夜0時集合です。みなさんは仕事が終わってそのまま集まり、睡眠ナシでこの長丁場に挑みます。身体に悪そう…。アラ50の身には厳しいだろうなあ…。年齢のハンディを睡眠で補おうと、前日の夕方には白川郷に入ります。酒を飲んで仮眠…といきたいところですが、眠れない…。まだ時間が早いのに加え、熱くて寝付けません。結局は2時間くらいは寝れたのかなあ…。睡眠十分ではありませんが、身体は休められたのではと思います。

スタートの前に車を仕込む作業が…。下山口の馬狩に車を置いて、登山口の石徹白に向かいます。その距離なんと約80キロ。白山を縦走するにあたってのネックがこれです。しかもグネグネ道が大半。石徹白の登山口に着いたのは2時半くらいでした。出発は2時45分。もちろん真っ暗け。暗いうちからランプ灯して歩くのなんて記憶にないなあ…。もしかしたら初めてかも。明るくなってからじゃないと歩かない主義なので。登山口には駐車場、トイレ、あずまや完備!

 
ランプ灯してスタート! 石徹白の大杉(特別天然記念物)

丸太の段々道を登ります。420段あるらしい。国の特別天然記念物に指定されている石徹白の大杉までは遊歩道っぽい整備された道。大杉は暗くて全体は見えませんが、ヘッドランプを当てると幹の太さは巨大だってことはわかりました。スタートと同時にボク以外の8人は猛スピードで登っていきます。こんなの付いていけないし、付いていったら潰れるのは目に見えているので自重。挑発には乗らずに自分のペースを守ることを心掛けます。

 
御嶽、乗鞍、槍穂高のシルエット(4時半ごろ) 遠くに別山が見えてきました

1回目の休憩は神鳩避難小屋。しばらく待ったようです。お待たせするのは申し訳ないと思うけど、バテて歩けなくなる事態だけは避けなくてはなりません。自分のペースを守ります。だんだんと空が白み始めてきます。御岳、乗鞍、槍穂高連峰がシルエットで浮かんできました。早く明るくなって景色を見てみたいです。石徹白から別山までは初めての道ですんで。


一ノ峰から二ノ峰へ

空はキレイに晴れ上がっているようです。そのぶん草露が…。道が広ければ問題ないんですが、細くて草が覆い被さっているので、靴もズボンもビショビショです。いったん濡れたら乾かないから不快なまま歩き続けることになります。足がふやけてしまってマメの心配もあります。靴底もだいぶ丸くなってきてて、濡れた石は滑りやすくて怖いですし…。


そして三ノ峰へ

銚子ヶ峰からは笹の道。規模の大きなお花畑はないです。笹なのでニッコウキスゲやクルマユリが目立っていました。登山口あたりは暗くてよくわからなかったけど、標高からするとブナ林なのかなあ…。感じの良さそうな道ではありました。一ノ峰、二ノ峰、三ノ峰…と一つずつ越えて行って、彼方にデン!と別山が控えています。山並みはわりあいに穏やかで、急坂はあっても部分的。徐々にペースが出来てきて、みんなとは差が開かなくなってきました。


二ノ峰と一ノ峰を振り返ります

銚子ヶ峰の後は三ノ峰の手前にある避難小屋で小休止。朝から腹が減るなあ…。普段はあまり減らないのに…。こんな長丁場の今日に限って…。今日の行動食はおにぎり3個、パン2個、ゼリー4個、グミ3個、塩タブレット、カリントウとチョコには手を付けず…でした。あと水分はオレンジジュース1Lとアクエリアス1L。今回は要所要所で水を補給できるので手持ち2Lで十分でした。食糧と水分はいつもより重いけど、今日はカメラがないので相対的に軽いです。


この付近だいたいが笹原


三ノ峰から別山を目指します


御手洗池のある平原より  白山主峰はまだまだ遠い


御手洗池の平原はいいとこでした


少し登って御手洗池

いったん下って、いよいよ別山への登り。別山南面の大平壁を見ながらの登りです。カラスノ谷の源頭にあたるところです。カラスノ谷は厳しい沢のようです。約350mの登りですが緩やかに登っていくので身体は楽。途中、御手洗池のある平原がいいとこでした。これから目指す白山主峰が平原の先に見えています。意外と近いという印象でした。段々状に登っていき、最後にグイっと登ったところが別山です。


登ってきた稜線とカラスノ谷源頭部

別山に着くと人がたくさん。ここまで2人しか出会わなかったのに…。いよいよ人気エリアに入ってきましたね〜。目指す白山主峰も稜線通しに見えるように。なんとも言えない穏やかな稜線が続いています。振り返ると御手洗池。その先、歩いてきた山並みが見下ろせます。低い部分は雲の下に入ってしまってますね。別山は風が強いです。汗ダクだったのが急に冷えて寒いくらいでした。長居はせずに出発です。


別山に到着!

何年か前の秋に白山から別山の稜線を歩きましたが、紅葉の時期とはずいぶん印象が違いますね〜。別山まではニッコウキスゲが主役でしたが、ここからの稜線はいわゆる高山植物のお花畑です。主役はハクサンコザクラですかね。さすが白山!あとは黄色い花が多かったような…。シナノキンバイ、ミヤマキンバイ、キンポウゲ、ダイコンソウ…等々。景色の写真は暇を見て撮りましたが、さすがに花の写真は今回1枚も撮りませんでした。花の写真撮ってたら追い付けなくなる…。


白山主峰へと向かいます


滑ったら良さそう!


別山からはしばらくお花畑

別山からの稜線は正面に白山主峰を見ながらの超快適な稜線歩き。アップダウンも少なくて身体にも優しいです。シャカシャカと早歩きするのが勿体ないです。3日分を1日で歩くということは、1日にして3日分の景色を見れるという意味ではお得です。でも、このあたりはゆっくり景色を見ながら、写真を撮りながら歩きたいなあ…と思いました。まあ、そのうちノンビリ山行で来るとしましょう!花の時期だな、白山は。


徐々に近づきます


さすがに白山、ハクサンコザクラの群落があちらこちらに


別山方面


油坂を下るところ  中央に南竜ヶ馬場


登り返して南竜ヶ馬場の湿原へ

超快適な稜線歩きでしたが、縦走路は2256mから稜線を離れて南竜ヶ馬場へと下ります。250mも下ってしまいます…。勿体ない…。でも、南竜ヶ馬場もいいとこなんでヨシとします。沢を渡るところで水浴びです。だんだん暑くなってきたので冷たい水に触れると生き返ります。ここから室堂まで400m近く登ることになるので、水の補給は室堂でだな。


南竜ヶ馬場のテン場です


南竜山荘


室堂へと大きな登り返し

南竜に大きく下ったあとなので、この室堂への登りは脚に堪えます…。弥陀ヶ原までの登りがとくに堪えました。弥陀ヶ原はこれまたいいとこでした。室堂への最後のひと登りもキツイとこです。ただ、市野瀬方面からの人が合流し、行列ができていて後に付くしかない状態。せかせか追い抜くのもヒンシュクだしね〜。ということで大義名分ができ、ゆっくり歩かせてもらいました。


整備された登山道を登ります


弥陀ヶ原  いいとこでした〜

室堂で大休止。コンドル君、カップラーメンを食べています。カロリーと同時に塩分も補給できますね。ボクはCCレモン。炭酸が喉にジョワ〜っときます。メチャクチャ美味しかったです。もう1本いきたいところでしたが、さすがに1本400円なのでやめときます。ビールが500円?なので余計に勿体ない…。ビールも欲しかったけど、飲んでブレーキになったらM野氏に怒られるのでやめときました。


室堂は賑わってました


室堂を見下ろします

さて、いよいよ白山の最高峰であります御前峰を目指します。もちろん行列ができていて、それに従うのみです。全行程のコースタイムが24時間で、御前峰はちょうど半分の12時間なのです。良い区切りです。ただ、ここまで登りベースの12時間、ここからは下りベースの12時間。距離は後半の方が長いってことですね〜。山頂は黒山の人だかり。山頂の記念写真も順番待ちでした。記念写真を撮ったらそそくさと出発。


御前ヶ峰より


御前ヶ峰は長居せずそそくさと


池めぐりしながら・・・

大汝峰にも寄るかという話もあったけど没。個人的に元気な人は行ってもらって、遅い人と元気のない人は先に進んでおく…がありがたかったんだけどな〜。池巡りから大汝峰の分岐まではそこそこ人がいますが、そこから先は激減。いても今風の山ガールっぽいのは皆無で、みなさん濃そうな人ばかりでした。ここから先はマニアック系かな。


翠ヶ池  奥の山は三方崩山


いよいよ後半戦に突入です


千蛇が池付近


メインルートから分かれると登山者激減

ビルバオ雪渓に出ます。秋に紅葉がキレイだったところです。ここはトラバース気味に登山道が付いています。なのに雪渓をどんどんと下って行ってしまうところが、このメンバーのお約束。わかっててはずすという…。登山道はどこだ…と強引に斜面を登って行って、無事?登山道に復帰。ちょうど雪解け水が流れているところで足休めです。


ビルバオ雪渓

雪渓のとこから2349mのポコまで100m弱の登り。この登りが無警戒というか見落としてまして…。キツカッタ。ずっと風下に当たる東斜面を巻くので無風。時間的にも一番暑い時間。暑さに参りそうになりました。登り切ったポコが風通し抜群で生き返ったのでした。振り返ると大汝峰と剣ヶ峰がいい感じで聳えてます。


秋に紅葉が良かったとこですね


地獄谷の源頭


こちら小白水谷の源頭部


秋の景色

ここからは起伏の少ない稜線をダラダラ〜っと下って行きます。北弥陀ヶ原というとこでしょうか。規模の小さい坪庭のようなお花畑が点在しています。お花畑の先には何故かいつも三方崩山がありました。ただ暑くて参りそうです。さっきビルバオ雪渓の水場でタオルを濡らしておいてよかったです。額、ほっぺた、首筋など、濡れタオルで常に冷やしながら歩いていました。


このへん北弥陀ヶ原の一部になるのかな


三方崩山がだんだんと近付きます


ハクサンコザクラのお花畑が点在

景色が良かったのはここまでですかね。地獄覗き付近を最後に稜線はスッキリ感がなくなり、むさ苦しい感じに。暑さも倍増です。間名子の頭を巻いてくれるのはありがたいけど、そこから先、ゴマ平ヒュッテに下るまでの微妙な登りの連続がジャブとなって効きます。足がどうのこうのではなく、身体全体に力が入らなくなってきた感じです。多分暑さが効いているのではと…。


しばらくいいとこが続きました

ゴマ平ヒュッテに到着です。長かった…。数名の泊り客がいるようです。ヒュッテはどうでもいいので水場へ急ぎます。顔を洗って首筋冷やして生き返りました。ここで最後の水補給。残りのコースタイムは7時間。普通なら2Lあればお釣りがくるだろうけど、今の状態は30分歩けばガブガブ飲みたくなる状態。室堂で飲んだCCレモンのペットボトルにも水を補給しておきました。ここで25分の大休止となりました。

 
だんだんと高山の雰囲気ではなくなり・・・ 熱くて苦しい時間となりました

100m登って、300m近く下ってオモ谷の渡渉点。ここでしばらく水遊び。水があるとホント生き返ります。しかし、ここから先にはもう水場はありません。タオルをしっかり冷やしておきます。ここが約1620m。最後の下り出しであります野谷荘司山は1797m。登りベースとなります。しかもアップダウンが激しくなるという…最後の試練。


妙法山への登り

100m級の急坂がいくつか。一番キツイのが妙法山への登りかな。最後の野谷荘司山の登りも100mくらいありそう。激登りに耐えて妙法山。残りのコースタイムは4時間。白川郷の湯は21時まで受付。一時は無理かな思っていた温泉ですが、このままのペースで歩ければ間に合いそうな予感。なんとしても温泉には入りたいよなあ…。温泉をエサに力を振り絞って歩きます。最後、野谷荘司山への登りが緩めの登りで助かりました。ヨレヨレな足取りの割にコースタイム40分縮めることができました。

最後の下りをコースタイム通りで降りれれば温泉に間に合います。しかし、ちょっとした段差でももう真っすぐ向いて下れません。足の裏と爪先の痛みも限界に近いです。下り始めはダメかなと思うほど辛かったですが、下ってるうちに慣れてくるのか、痛いながらもそこそこ下れるように。先頭を歩くK谷さんも下るにつれてスピードが増してきました。付いていくのが精一杯。一度離れたらもう追い付けないなと思いながら必死で下りました。無事、19時50分に下山です。温泉には余裕の時間です。よかったよかった。


やっと下る尾根が右に見えてきました

下山すると昨年もいたおじさんが…。鶴平新道の鶴平さんの息子さんに当たる人です。お話好きなんでしょうね。荷物を片付けて何はともあれ温泉です。白川郷の湯。遅くまでやってるのはありがたいけど、ちょっと熱い…。とくに足の裏が真っ白にふやけてて熱い湯は無理〜。身体はしっかり洗って、湯に浸かるのは少しにして上がりました。リフレッシュできました。

この時間から石徹白まで車回収して家に帰るってのは体力的にも精神的にも厳しいところ。打ち上げ名目で軽く一杯やってから寝ようということに。しかし、肝心のデイリーが締まってる…?23時までのはずなのに…。ビールなしではねえ…。石徹白にデポした車に寝袋がある人もいることだし、もうひと頑張り石徹白まで走ることに。幸いひるがののデイリーが開いてました。麺類食いたかったのでカップラーメンを車の中で食べたんですが、カーブの多い道に酔ってしまい、石徹白に着くまでに全てリバース。石徹白まで苦しくて長い道のりでした。石徹白の登山口に着くな否や車に入って横になりました。みんなは何時まで打ち上げやってたんだろ…?

翌朝雨で目が覚めます。しばらくで雷と共に土砂降りに。きのう一日中晴れていたのがウソのようです。心置きなく休めるというもんです。自宅に戻り、ヨレヨレになった体を癒します。ちなみに筋肉痛は翌日の日曜日はなく、翌々日の月曜日の午後から感じ始めました。そして火曜日いっぱいまで筋肉痛とだるい状態が続いたのでした。





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