大雲取谷は未踏の雲取山に登る用の沢として考えていました。でも、雲取山は初冬に三峰神社から登山道で登ってしまいました。なので、用のない沢になってしまっていたのですが、奥多摩方面で泊まりの沢…を考えていると、大雲取谷しか浮かんできません…。というわけで、行かないはずだった大雲取谷へ。栃木からまー君、マツキンから2名の計4名で行ってきました。
奥多摩地方、一週間前に中央道が通行止めになるほどの大雨となりました。その後も雨が降ったりやんだりで、水量が心配です。転進先とかも考えたけど、初志貫徹で大雲取谷決行!ダメならテキトーにそこらで焚き火BBQするということで。久々のR411(青梅街道)です。小河内ダムの駐車場でまー君と合流。日原川は濁流ではないけすけど、見るからに水が多いです…。若干ですが濁ってます。うううーーー
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唐松谷出合の吊り橋 |
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吊り橋から日原川 |
苔むした吊り橋が日原川本流に架かっています。唐松谷とやや細い谷が入る三俣みたな感じです。谷が深くて日が届かなくて暗い雰囲気です。水量は多いと思われます。唐松谷は滝で出合っているんですが、ドードーと流れ落ちています。日原川本流の方は傾斜がないぶん、いくらか落ち着いた感じに見えますね。とりあえず川に降りてみますか…。
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吊り橋のところから谷に下降(写真:まー君) |
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なかなかの水量です |
水は若干濁ってて強い水圧を感じます。進めるところまで進んでみましょう!林道はテンション低かったけど、川に降りたらスイッチ入りました!遡行モードに。とはいえ、水量が多いのでどこでもホイホイ渡渉できるわけでもなく、少しでも楽そうな場所を探しながらとなります。渡渉に慣れない初っ端が一番水量多く、渡渉に慣れたころには水量が減ってくる…と。
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水圧もなかなか |
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白濁も普段より勢いがありそうです |
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小魚留ノ滝 登れない感じ |
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高巻きの途中より |
小魚留ノ滝が難所みたいですね〜。正面まで進んでみますが、登れそうには見えません。少し戻って右から高巻き。ちっちゃくは巻けない感じ…。結構いやらしい。身体が沢に慣れない初っ端に核心があるってのもなあ…。だいぶ高いところまで巻き上げることになります。この登りは途中からロープを出しました。下降は懸垂で。この高巻きに1時間。かかり過ぎか…。ま、普段組まないメンツなので仕方ないでしょう。
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下りは懸垂 |
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小魚留ノ滝の落ち口に降りました |
小魚留ノ滝を越えると難所らしい難所はなくなります。問題は渡渉…。とくに際どい渡渉はないんですが、いちいち時間を食います。平水がどのくらいの水量なのかは知りませんが、フツーに進めるところも回り込んだりとかしながら進んだんだと思われます。しばらくで長沢谷を分けます。水量が減った感覚はないですね〜。
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渡渉がなかなか大変な |
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普段の年はないんでしょうね〜(写真:まー君) |
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結構悪い |
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へつります(写真:まー君) |
奥多摩と奥秩父の境目はどこなんでしょ?多摩川水系が奥多摩なのかと思いきや、丹波山村(さらに上流の山梨県)とかの沢は奥秩父に入れられてる…。多摩川水系でも東京都内だけが奥多摩なんでしょうか…?そうだとしたら、奥多摩の沢は初めてということになります。まあ、同じ山の塊りなので、奥秩父の渓相そのままですね。森が深く、苔がたっぷり、岩が黒く透明感のない水…全体的に暗い雰囲気。個人的にはあまり好みではないです。
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こういうのは楽しいんですけどね |
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シャワーを浴びながら! |
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いいところにぶら下がってました |
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使えるものは使いましょう!(写真:まー君) |
そんなに時間がかからないはずのゴンエ谷出合がなかなかやってきません…。ガイド本の時間よりはるかにかかってます。小雲取谷手前あたりを宴会場にする予定でしたが、どうもそんなに進めそうもないなあ…。あわよくば日向窪の出合まで…とか思ったけど、とんでもない。そんなに遅くなるメンバーでもないと思うんですが。やっぱ水か…
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今日はへつりが多いような・・・ |
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飛び石も慎重に! |
既に軽くお昼を回ってしまってます。今日は水量も多いことだし、早めに切り上げて宴会時間を確保するとしましょう。ゴンエ谷出合からしばらく進んだところの左岸にナイステン場があったので、本日はここまでとします。大量のアルコールと食材を消費し、軽くなったザックで明日の長丁場に挑みましょう!多少は水量も減るだろうし…
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日が当たると緑が萌えます |
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本日のテン場(写真:まー君) |
テン場は段丘の平地で快適。宴会場はマキも豊富で水にも近くて快適。鬱蒼とした奥多摩の沢なので、そんなに快適なテン場はないと想像してましたが、なんのその。ただ、長雨でマキが湿ってて、火はわりとあっさり点いたものの、ビッグファイヤーになるまで時間がかかりましたね〜。まー君は岩魚を求めて上流へ。残った3人は先に宴。
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ベーコンブロック |
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なんだこりゃ! |
長期戦に備えて酒類は多めに持ってきていました。相変わらず串焼きと網焼き。新しい物を考案しないと…。まー君戻ってきましたが、水量多くてダメとのこと。それでも2匹ゲット!塩焼きと骨酒に。焚き火でじわじわ焼いた肉(豚、鶏、ベーコン等々)はとても美味しかったのですが、最後にはお腹一杯になり、肉を見るのも嫌になりました。宴は最近にしては早く、9時過ぎには終わって寝たのかな…?健康的だ。
◆6月15日(日) テン場⇒雲取山⇒八丁橋駐車地 晴れのちくもり
夕べの宴会終了時間が早かったからか、4時頃には目が覚めてしまいました。さっそく焚き火に着火ですが、やっぱり大きな火になるまでに時間かかりました。K俣さんに朝飯の雑炊を作ってもらい、出来上がったとこで寝ている2人を起こします。昨日の肉がまだお腹に居座っているようで、朝から食欲はイマイチ…。
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2日目のスタート |
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多少水量は減ったのか・・・? |
支度をして出発です。多少は水量減ってるのかな。実感はできませんが、上流に行くほどに減っていくはずです。この水量なら何とか予定通りの遡行はできそうです。ただ、水量が多いせいで登れない滝が出てこないことを祈るのみ…。今日は若手有望株のY澤君を終始先頭で歩いてもらいます。付いて行くとなんにも考えないですけど、先頭だといろいろと考えますんでね。
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ここらへんの渓相はまずまず |
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でもまだ若干濁りが・・・ |
やっぱり出てきたなあ…水量多くて登れないと思われる滝。メジャーな大雲取谷なら、高巻き道は明瞭なはず。不明瞭なところは滝を登っているんだと思われます。不明瞭な高巻きが2度あったんですが、恐らく平水なら登れたんでしょうね…。2つ目のトイ状は厳しいよなあ〜。水流弱ければ登れると思う。高巻きも厳しめ。登りは泥だし、下りも不安定な感じ。下りは懸垂した方が早かったと後で思った。
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この日は終始Y澤君先頭で! |
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この滝の巻きが奥多摩にしては悪い・・・? |
1時間半弱で小雲取谷出合。日当たりのよいところで小休止です。ガイド本によると六間谷出合まで2時間。果たして行けるやら…?谷はわりあい平凡になってきます。距離は進むようになりました。そして大雲取谷最大の8m滝。8mもあるように見えませんね。ただ、水量豊富で迫力は十分!二条の滝とありますが今日は完全に一条です。滝の左端を登ります。さらに水量多いと登れないかもです。高巻きは右も左も手間食いそう。
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大雲取谷最大の8m滝 |
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8m滝の上から |
しばらくで釣り師向けの看板がありました。そこが日向窪の出合です。ちょっとズレた三俣となっています。キャンプ適地がたくさんあるようなこと書いてありましたが、パッと見はそれほどなさそうな…。この先は見どころがなくなるようなので、ここで遡行は終了ですね。どうやって大ダワ林道に出るか。右の日向窪を大ダワ林道が横切るところまで詰めてみましょう。
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8m滝を登るまー君 |
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大ダワ窪の出合いにありました |
右上に道の残骸が見え、沢を横切るところには倒れた道標がありました。ちなみに大ダワ林道は通行止です。下の方で道が崩落していて、下降には使えないみたい。まあ沢屋レベルなら通過はできるんでしょうけど…。ハイキングモードに変身し、大ダワ林道を登って雲取山山頂を目指します。
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廃道の大ダワ林道 |
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三峰からの登山口に合流 |
大ダワ林道はずっと左岸斜面のトラバースで、しかも踏みが浅いので右足ばっかり疲れました。歩きながら見てると、大ダワ林道に出るには日向窪に入らず、大ダワ窪を少し進んでおいて右の枝沢に入るのが効率良さそうでした。まあ大差はありませんが…。大ダワで三峰神社からの登山道と合流です。これで歩きやすい道になりました。
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でかい雲取山荘 |
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雲取山山頂は意外と静か |
晴れの土日、百名山の雲取山は大混雑なのかと思いきや、ビックリするほど人は疎らでした。もうお昼回ってるし、みんな降りたのかなあ…?残念ながら、山頂からは富士山見えず…でした。空は曇り時々晴れって感じでしたけど、富士山の裾さえ認識できず…でした。まー君が雲取山荘で調達してくれたビールを頂きます。喉にジョワっときます。のんびりしたいところですが虫が多くて鬱陶しく、ゆっくりできずに下山開始です。
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小雲取山まではわりと開けてて明るい感じ。小雲取山から富田新道に入ります。最初はなかなか下らず欲求不満気味…。下り出したら今度は一気下りです。道も一気に下るんですが、K俣さん休憩なしの1000m一気下り。容赦ない下りでした。富田新道は歩かれてなくて荒れ気味を想像していましたが、意外と悪くない道でした。入渓した橋に戻って一周完了。黙々と林道までの登りをこなし、最後の仕上げは4.5キロの林道歩き。いい感じで下るので1時間かからずに車を止めた場所まで戻れました。本日の行動時間はちょうど10時間ってとこでしょうか…。疲れた〜 |
小雲取山までは明るい道 |
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下山時の日原川 |
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ちなみに入渓時の写真 |
さて、温泉!温泉!奥多摩の街までの道、登山者の多いこと多いこと。あちらこちらに登る山があって、さすがに首都圏だけあって登る人も多いです。温泉は『もえぎの湯』。整理券配っててえらいこっちゃと思いましたが、すぐに入れて混んでなくてよかったです。芋洗い状態で洗い場にあり付けないお風呂よりも良心的ですね。こんな田舎でも首都圏だから『780円』は仕方ないのか…。小河内ダムの駐車場に戻ってまー君とはお別れ。安曇野に着いたら22時を回ってました…。