乙妻山 北東斜面 山スキー
乙妻山は夏山ではマイナーですが(道はある)、山スキー界では有名な山。妙高方面から良く見えるあの魅惑の斜面のある山です。標高が高くて斜面は北東に面しているので、パウダー率はかなり高いはずです。ただ、その斜面にありつくまでの道のりの長いことと言ったら…。頑張った人にしかその魅惑の斜面にありつけない…というのがまた良かったりして。ガイド本では泊まりで紹介されているのもの多いです。 大型連休でこちら方面に来ているM野氏に合わせる形で金曜日に休みを取ります。久々にガッツリ系で乙妻山へ。乙妻山の北東斜面自体は高妻山敗退時に滑ったことはあるんですが、乙妻山は未踏なのであります。ただ予報がなあ…イマイチ。天気悪かったり、ラッセル深かったりしたら、山頂までは届かないかも…?
4時に起きて4時半に家を出て、6時出発の目論見は甘すぎて…結局、戸隠大橋を出発したのは7時ちょうど。休日はすぐに満タンになる大橋の除雪スペース?ですが、今日は平日なので一番乗り。準備中に1台来ました。天気は小雪も舞うものの、薄日も差すという天気。前日?のカチカチのトレースを辿って林道を進みます。
黒姫分岐でトレースは2つに分かれます。片方は乙妻方面に行ってるか…と期待するも、佐渡山方面でした。まあ、今日は元からトレースは期待していませんが…。あれ、佐渡山コルへはどの尾根に取り付くんだっけか…?と地図を片手に見比べながら歩きます。無事その尾根に取り付きますが、尾根の雪はバリズボ!バリズボ!下山時の細尾根モナカは困ります〜。
コルは風がありますね〜。休憩するのもイヤなのでシールのまま氷沢川に向けて下ります。意外と軽い雪!川に降りてからも下りベースなので、シールはずして滑った方が楽で早い…かな?ただ、時々出てくる小さな登り返しではカニ歩きで消耗するかも…?雪が深ければシールかな。シール脱着の手間もあるし、目クソ鼻クソといったところでしょう。
氷沢川は早く渡り過ぎると左岸に河原がなくなり行き詰まります。再び河原が出てきてから左岸に渡るのが効率的。高妻沢を渡ったあと、左岸の台地に上がってみました。そのうち林道っぽくなりますが、2ヶ所ほど崩落しているので高巻きするか低巻きするか…。そこを過ぎると乙妻山北東斜面の取り付きとなります。このへんずっとマッタリ系の景色です。晴れてれば素敵なところです。泊まるのもいいですね〜。
乙妻山北東斜面からの谷を登ります。最初は平坦ですが、気付くとクライミングサポートが欲しくなる傾斜に。徐々に傾斜が増すので、それに気付かない感じです。生えてる木もブナからダケカンバに移り変わります。さらに登るとカンバの疎林斜面となります。このあたりの斜面、斜度といいロケーションといい最高です。傾斜が緩むところで一服です。M野氏お疲れ気味…。
滑るの楽しみ! 時々明るくなるものの、ずっと小雪が舞うお天気。ちょうど斜面の中間あたりか、日が差すようになったかと思ったら、どんどんと青空が広がってきました。雪と青空とカンバの世界です。いい景色です!お疲れモードのM野氏に再びスイッチが入りました。ところがところが…再びあれよあれよと雲が増えてきて、元の天気に戻ってしまいました。15分ほどの晴天ショーでした…。まあ、全く見れないことを思うと、得した気分でした。
歩いてて雪は重いように感じます。詰まってるぶん板も潜らずラッセルは浅め。スネ程度かな。シールはよく滑るなあ…。稜線に近付いてきました。乙妻山の山頂に近いラインで登っていると思われます。直下は毛虫マーク。ガスで見えないのでトラバース気味に最低コルへと向かいます。このトラバースが堅い斜面ではかどらなかったなあ…。M野氏も消耗した模様。
稜線に出ますが、ガスガス…。高妻山はもちろん乙妻山も見えません。まあ、ここまでにして、ここから滑っても良かったけど、時間的にはまだ余裕。次回に持ち越すのもなんなので乙妻山を目指します。割と広めの尾根で登りやすかったです。風が強くて寒くて顔が痛い痛い!展望のない山頂に到着。とっととシールはがして降ります。
コルに差し掛かる直前にスーッと明るくなり、高妻山が姿を現します。おおー!あんな感じか…。薄っすら見えただけですが、全く見えないに比べると天と地の差。15分だけ晴れた登りといい、悪いながらも最低限のご褒美はもらえてる気がしました。コルからは登ってきた斜面を滑ってみたかったので、登ってきた通りにトラバースします。
30分ほどで氷沢川と出合うところまで下りました。2人だと早いですね〜。1本も長いし待ち時間も少ない。ホントあっという間でした。滑るのはあっという間だけど、ここからしばらく登り坂。コルまでのちゃんとした登りより、氷沢川沿いのダラダラ登りの方が気分的に疲れました。この長いアプローチがなければお手軽に乙妻山を楽しめますが、確実に超人気ルートになるでしょうね〜。
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