お亀岩避難小屋泊 天狗塚−三嶺縦走





三嶺に向かって笹の稜線を

■2015年10月31日(土)〜11月1日(日) ■四国 三嶺 ■天気:1日目−晴れ 2日目−くもり
■メンバー:Y崎×2、まきちゃん、ask、T世
 コースタイム ヒカリ石登山口(10:40)⇒八丁ヒュッテ(11:55〜12:05)⇒お亀岩避難小屋(14:05〜20)⇒天狗塚(15:00〜10)⇒お亀岩避難小屋(15:45)
お亀岩避難小屋(7:20)⇒西熊山(7:50)⇒大タオ’8:15)⇒三嶺(9:05〜25)⇒カヤハゲ(11:15〜25)⇒トチの巨木(11:35〜50)⇒ヒカリ石登山口(13:00)
■温泉:龍河温泉(800円) ■食事:夜−たくさん 朝−うどん ■泊:お亀岩避難小屋

この週末、四国は三嶺へ!お亀岩避難小屋泊の弾丸ツアーです。距離にして片道700キロ超、時間にして10時間超の長旅。山よりも山までの方が疲れましたねぇ。でも、お亀の小屋も山歩きも、一緒に行ったメンバーも素晴らしかったので、疲れ甲斐があったというものです。雨予報が直前でひっくり返って晴れてくれたのが大きかったなあ…。

この弾丸ツアーの目玉は『お亀岩避難小屋』での宴会。なんでお亀岩避難小屋…?2012年の秋に下ノ廊下を歩いた時のこと…。阿曽原のキャンプ場で隣になったオッサンが教えてくれたのであります。お亀の小屋は最高だと。前に三嶺に登った時、天狗塚までの明るい笹の稜線を見て、いつか歩きたいと思ってました。お亀の小屋はその稜線下にあるのです。これは行かねば!遠いけど、2日に分ければ1泊2日でなんとかなりそうだ…と今回の弾丸ツアーに至ったのでした。

10月31日(土) ヒカリ石登山口⇒お亀岩避難小屋 天狗塚往復  晴れ!

初日は最悪でもお亀岩避難小屋に辿り着ければいい。お昼までに登山口を出発できれば…。深夜1時に松本で集合し、四国へと向かいます。朝6時に淡路のSAで明石のY崎家2名と合流です。三嶺は高知・徳島県境の山。今回の周回コースの光石登山口は高知県側。南国インターまで行って、戻って来る格好になって遠いです。最後は深い谷の中の細い道が長いし…。ほぼ予定通りに光石登山口に到着。

■ヒカリ石登山口からスタート!なんですが・・・

登山口付近は道が広くなっていて、止めれるのは10数台ってとこかな。ウチら2台が無理なく止めれる最後だったような…。さらに400m上にも駐車場があるみたいです。トイレも完備。そのトイレの建物をくぐって登山道へ…なんだけれども、堂床キャンプ場までの道が崩壊してるそうな…。案内図によると、100m以上の大高巻き!ひょえ〜!6人所帯なので無理せず従いましょう。

光石登山口から堂床休憩舎までのコースタイムは20分ほど。迂回路は杉の植林の中を標高差100m以上の大高巻き。そんで足元イマイチの下りがあったりで、50分もかかってしまいます。余分に30分。往きはまだしも、帰りがイヤだなあ…。川沿いにある予定のルートと合流して、やっとスタートラインに立った感じです。


ヒカリ石登山口


沢沿いの道を進みます

■沢に沿って徐々に高度を上げていきます

しばらくは川に沿って登っていくことになります。このあたり一帯は『西熊渓谷』という景勝地?になってます。時期的にこのあたりの紅葉に期待していました。渓谷沿いは紅葉する木が多いイメージだけど、ここは紅葉する木があんまり多くなかったです。ちょっと期待外れかな…。ただ、このへんは林床に雑草?が生えてなく、スッキリした森となっていました。川もキレイ。

何度か渡渉をしながら進みます。カンカケ沢の水がなくなり、右の浅い沢形を登っていきます。ここまでは沢沿いの緩い登り。高度計の標高がなかなか増えてくれませんでした。浅い沢形はそのうち急斜面になり、1500mから1600mの間は激登りに!おかげで標高は一気に稼げます。おかげで太ももも…。二つ目の水場が小屋から100mの水場。持ってるポリタンを満タンにして、お亀の小屋宴会に備えます。


紅葉する木はあんまりない・・・


八丁ヒュッテ


時々紅葉


たまに紅葉

■念願のお亀岩避難小屋に到着!

水場からひと登りでお亀岩避難小屋が見えてきました。キャンプ場のコテージを思わせるような洒落た造りです。赤い屋根が青空に映えてます。そうなんです…今日は青空なんです。週間予報に出始めた頃は『曇/雨』。微妙な予報で経過し、直前で晴れ予報にひっくり返ったのでした。天気悪ければサブプランを考えてて、一時はサブプランに傾きかけたけど、サブプランに走らなくて良かった…。予報する人が悩んでそうだったからな。

お亀岩避難小屋の手前からチェーンソーの音がしてました。小屋に着くと、小屋前でおじさんが薪を作ってました。そうなんです…ここには薪ストーブがあるんです。おじさんは自称ボランティア。ここが好きで、たびたび泊りに来てるそうな。色々と手入れもしてくれてるんだろうな。築20年とは思えない新しさは、この手入れのおかげなんだろうな…感謝です。建物の中はよくあるパターン。真ん中が土間で、両側が床。片側のみ2階もあります。銀マットもたっぷり完備!おじさんの荷物の他に、ザックが二つ置いてありました。お出かけのようです。


お亀の小屋が見えてきた!


到着〜!


薪ストーブ完備!

■晴れてるうちに天狗塚へ

さて、時間は14時過ぎ。すぐにでも宴会開始!といきたいとこですが、グッと我慢して天狗塚へ。せっかく晴れてるのでね。往復2時間あれば行ってこれるでしょ。ひと登りで稜線。稜線はすぐだったけど、天狗塚の間に地蔵ノ頭ってのがあります。これが難敵でして、標高差は約150mもあるんですねぇ…。荷が軽くなって、先頭を歩くT世さんのピッチが上がりました。付いて行くのが大変。

稜線上のロケーションはすこぶる良好!稜線は全面笹に覆われています。地形図には『三嶺・天狗塚のミヤマクマザサ及びコメツツジ群落』の表記があります。笹の種類はよくわかりませんが、ここの笹は黄緑が濃くて、枯れ色の縁取りがハッキリしてて、丈が低いのが特徴かと…。何故か普通の笹原よりも明るく感じますね。その笹原の中にコメツツジが点在しています。時々塊りも。もちろん既に葉っぱは落ちてます。紅葉真っただ中だとキレイだろうなあ…。

地蔵ノ頭からは間近に天狗塚。ピラミッド型の端正な形をしています。この時間なので、ちょうど天狗塚の方向に太陽があって逆光なのが残念。天狗塚の右には牛の背という広い台地状の稜線が広がっています。その向こう、遠くには石鎚山などの山々。どれがどれだか解りません。左に振ると太平洋。土佐湾のちょうど凹んだとこかな。そこにいた人が教えてくれなかったら気付かなかっただろうな。


いいとこに建ってるなあ


ちょっとアップで!


笹の中に白い石が点々と


三嶺へと続く稜線


三嶺と遠くに剣山


牛の背と遠くに石鎚山などの山並み


天狗塚はカッコイイ!


地蔵ノ頭

■天狗塚、そして宴会場へ

反転すると、明日歩く予定の三嶺への山並み。こっち側は順光になるのでクッキリで素晴らしいです。明日の朝は逆に逆光になる予定。今日のうちにしっかり見とかねば。三嶺の奥には剣山と次郎笈も見えています。北側にも立派な山並みが。地図で見ると矢筈山とか黒笠山とかありますね。初めて聞いた。天狗塚からも景色は似ていますが、山が立ってるぶん、高度感のある展望となります。さて、小屋に戻って宴会じゃ!


天狗塚山頂


牛の背


小屋へと戻るんですが・・・


小屋へと戻ります

■念願のお亀の小屋宴会!

留守番の3人が準備してくれてるので、素早く宴会に突入です!トン汁鍋、餃子、ウインナー、ステーキ、ベーコン、鶏肉…などなど。お酒も豊富!ビールはもちろん日本酒5合パックが3つも!それにワイン、予備の焼酎…あと忘れた。飲み物、食べ物、他にもまだあったと思います。途中でザックの主のお二人が戻ってこられました。早くからお休みに。うるさかっただろうな。終盤は小屋の?おじさんも参加。最後は生き残った人間のみ、薪ストーブの傍らで。22:30の時間は見た覚えがあるけど、何時まで飲んでたかは不明。お酒はほとんど飲んじゃいました。


小屋に戻って即宴会!

11月1日(日) お亀岩避難小屋⇒三嶺⇒カヤハゲ⇒ヒカリ石登山口  くもり時々晴れ

寝不足にもかかわらず、夕べは遅くまで飲んでしまいました。しかも、たくさん…。今日の予定は稜線を三嶺まで歩いて、そこからカヤハゲ、さおりが原、林道経由で光石登山口へと降ります。時間にして5時間ほどですが、帰りが長いので少しでも早く降りたいところです。小屋の窓から御来光観賞。今日から11月ということで日が出るのが遅いです。高知市は6時25分日の出となってますね。ちなみに長野市は6時10分。この時期は1日1分くらい遅くなっていくので、高知と長野では半月違うことになるんですね。

朝食は夕べの鍋の汁でうどん。それに余っていたウインナーを焼きます。夕べもお腹いっぱいになって、今朝もお腹いっぱいです。飲み過ぎ、食い過ぎ!ついつい快適なもんで、ダラダラしちゃいますね〜。出発時刻は予定より少し遅れて7時半前。でもいいです…今日も天気よさそうなのでノンビリ行きましょう!帰りのことを考え出すと、山を楽しめないですからね。


小屋の窓からご来光!


雲がキレイでした

■お世話になったお亀岩避難小屋を出発

自称ボランティア?のおじさんの見送り付きで出発。見えなくなるまで見届けてくれました。そのおじさんから登山道情報をGET!キャンプ場と登山道の間の崩落は、通れなくはないとのこと。また、一段上の林道にある素掘りのトンネル、迂回路は大きく高巻くけど、トンネルも通れなくないとのこと。もちろん自己責任で!おじさんは『多分』を連発して、責任回避に努めていました。

稜線に出て、西熊山までは結構な登り。太陽は真正面かと思ってら、思ったよりも右側にあります。少し太陽も昇って、思いっきり逆光という事態は避けれました。そのかわり……青かった空が徐々にではありますが、鉛色に…。西熊山直下、振り返るとお亀岩避難小屋が見えました。よくみると、おじさんがこっちを見ています。手を振ると、振り返してくれました。多分これが最後だな。


お世話になった小屋とお別れ


稜線に出て、今日は東に向かいます


地蔵ノ頭  低いとこがお亀岩


西熊山

■西熊山から三嶺へと笹の稜線を

西熊山の山頂まで来ると、三嶺がひとつ大きくなります。笹の稜線がキレイで、前方に三嶺という目標物があって、前に5人も歩いていると、写真を撮るのが楽しいです。ただ、段々と太陽パワーが落ちていくのが悲しいなあ…。薄雲の境目はちょうど今いるところの真上にあるようです。北の空は青いけど、南ほど湿っぽい鉛色です。ま、歩いてる間は降りそうもないし、もともとの予報から考えると上出来中の上出来だ。

大タオに向けて下ります。タオ=峠?一段登ると三嶺がまたひとつ大きくなりました。そして、またひとつ雲が厚くなりました。厚いといっても、まだ薄雲。時々薄日が差して明るくなるのが救いだな。階段状に登って高度を上げていきます。最後の一段を登ると三嶺山頂。2006年以来の2度目の登頂です。


三嶺が少し近くなりました


北側には矢筈山


さらに近づきます


振り返ると・・・


三嶺の南面は急峻

■二度目の三嶺山頂!

山頂は無人。山頂の直下で3人組とすれ違いました。しばらくで三嶺ヒュッテ泊と思われるグループが登ってこられました。眺めがいいですね。とくに歩いて来た稜線がスバラシイ!三嶺に登ってこの稜線を見たら、絶対に歩きたくなるもんなあ…。で、今回歩くことができて満足であります。今度は剣山まで…と白髪山から続く稜線を見ると、あんまりスッキリしてないんだわなあ…これが。行ってみないとわかりませんけどね。

四国には百名山が2つあります。石鎚山と剣山。三嶺と石鎚山はタイプが違い過ぎて比較にならんけど、三嶺と剣山は笹の山で似てますね。もし三嶺の方が標高が高かったら、三嶺が百名山になったかなあ…?山は三嶺の方が立派だし、剣山は人工物多くて興ざめ…。もし三嶺が百名山に選ばれてたら、三嶺に人工物が多かったりして…。まあ、四国の山はたくさん登ってないので、あんまり物申すのはやめとこう。


三嶺山頂到着!


東の展望  三嶺ヒュッテと剣山が見える


これから下山するルート  てっぺん禿げてるのがカヤハゲ

■カヤハゲ経由で下山します

さて、あとは下るのみですが、下りが3時間もかかるんですよね。少しの間が急傾斜で、鎖場とか出てきます。足の良くないY子さん、慎重に下っていきます。三嶺からカヤハゲは近くに見えたけど、歩いてみると意外と遠くて時間もかかりました。ずっと稜線越しの三嶺だったけど、カヤハゲからは横からの三嶺です。


下山開始!


鎖場あり


カヤハゲあたりからの三嶺

■カヤハゲからさおりが原へ

カヤハゲからさおりが原に下っていきます。カヤハゲで大展望とはお別れかと思いきや、下りの尾根からもお亀岩から三嶺の稜線がパノラマで見れます。展望だけでなく、林の雰囲気も何度も変わりました。果樹園のようになったり、日本庭園のようになったり…。おかげで写真の枚数が増える一方で!さおりが原の入口あたりには『栃の巨木』も。もっと巨木かと思ってましたけど…。


カヤハゲの直下


枯れたような尾根を下ります


今日歩いてきた稜線を一望


続いて広葉樹の森となります


和風庭園みたいなところも


栃の巨木


その巨木を

■下りは林道経由で戻りました

さおりが原からは沢の対岸の林道へ。林道になってすぐ、例の素掘りのトンネルがありました。入口は土砂で埋まりかけてますが、中は大丈夫そう。出口も見えてますし。雪渓の下を歩くよりは随分マシです。あとは明るい林道を30分ほど歩くと、登りの時の迂回路のてっぺんに出ます。杉林の中の遊歩道をトントンと下れば駐車場。お疲れ様でした。ほんとに疲れたな。多分飲み過ぎ。


素掘りのトンネル  う回路もあるみたい


林道で登山口に戻ります


林道も時々紅葉

■下山、そして信州まで帰らなくては・・・

温泉は龍河温泉へ。800円…とちと高め。温泉に着くと、なんか記憶あり。2006年の三嶺の時にも入っていたのでした。外観は怪し目ですが、中の風呂はキレイでした。多分、新しくしてるな。さてさて、気を長く持って信州まで帰るとしましょうか。淡路のSAでY崎家とお別れ。阪神神戸線で30分くらい渋滞に捕まるも、それを抜けるとスイスイ。長野県に入ってからは瞼が重くなってきました。それでも日付が変わる直前くらいに、集合場所であります松本合庁に到着。弾丸ツアーの終了です。守備範囲が少し広がった山行となりました。





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