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霞沢岳 (徳本峠より 中退)

明神からはトレースがなく、ラッセル7時間以上して徳本峠へ。時間切れで霞沢岳は断念・・・
 
 山域  北アルプス 霞沢岳
 山行日時  2003年1月11日(土)〜13日(月)
 登山形態  積雪期 一般道
 メンバー  単独
 行程  1日目  中の湯⇒上高地⇒明神⇒徳本峠付近
 2日目  徳本峠付近⇒ジャンクションピーク⇒徳本峠付近
 3日目  徳本峠付近⇒明神⇒上高地⇒中の湯
 温泉  逆巻温泉(500円)   信州 湯の郷 さわんど温泉



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もともとは正月山行の第2弾として、蝶ヶ岳〜燕岳の縦走を予定していた。これは第1弾の南ア(光〜聖)が終わってすぐに敢行するつもりだったが、1月3日がカミ雪で、翌日から強い冬型になり、機会を逸してしまった。その代わりに成人の日の3連休を使うことに。でも、休みを1日つけて4連休にしたとしても、4日で片付けるのは難しそうだったので、行き先を徳本峠からの霞沢岳に変更。

第2弾のテーマは「単独」と「ラッセル」。マイナーな霞沢なら、年末年始は登った人がいたかもしれないが、この3連休なら入山者はいないだろう。雪のほうも正月明けにたっぷり降ったはずなので、雪の量は申し分ないだろう。もしトレースがついていれば、霞沢岳登頂は可能と思われるが、なければ登頂は困難だろう。登頂の確率20%と勝手に設定して望むことにした。ラッセルの状態によって、どのくらい時間がかかるかは予想困難だ。一応、計画は初日にJ.Pまで。2日目に山頂を往復して、3日目に下山、という予定。


■1月11日(土)   晴れ   中ノ湯⇒徳本峠

中ノ湯(7:05発)⇒河童橋(8:50〜9:10)⇒徳本峠分岐(10:10〜30)⇒徒渉点(11:40)⇒二俣(14:20〜30)⇒登山道(15:35〜45)⇒徳本峠(16:55着)

当日は送迎を兼ねて、T世さんは上高地にクロカンしに行くことに。中ノ湯に車を止め、出発の準備をしている時、クロカンの靴を間違えて持ってきていることに気づく。幸い登山靴は車に乗せっぱなしだったので、歩きなら行くことができたが、歩きでの上高地は気が進まなかったようだ。でも、せっかくここまで来たので、やっぱり上高地まで行くことになった。

天気は悪くはないが、山には雲がかかっているようだ。今日のところはJ.Pまでなので、荒れさえしなければいいだろう。国道の電光掲示板の温度計はー7度。ここのところ松本では、連日−10度前後の日が続いていたが、今日は曇っていることもあって暖かめだ。

釜トンネルが左に急カーブするところで、新トンネルに。照明もバッチリで氷もなく快適だ。トンネルを出ると、車道は完璧に除雪されていた。これならクロカンで来ても意味がなかったな。さっきまで雲があったように思ったが、焼岳がきれいに見えていた。さらに進むと、雲1つない穂高連峰が見えてきた。スッキリと見えたが、ここ数日は新しい雪が降っていないので、穂高の岩峰は黒いところが目立っていた。厳冬期の穂高という感じではなかった。道路は工事関係者の出勤時間なのか、上高地に向かう工事車両が多かった。

河童橋周辺は大賑わいだった。上高地散策が目的の人、ザックにピッケルをさした本格的な登山の人・・・。山に登る組は蝶ヶ岳が多そうだ。今登れるところといったら、蝶か霞沢くらいだろう。霞沢には誰も行ってないことを祈る。小梨平から先は人間のトレースのみ。T世さんとは橋を渡るところでT世さんとは別れた。明神には誰もいなかった。

トレースがあるかないか、ドキドキしながら徳本峠の分岐に到着。すると、1人か2人くらいだが、スノーシューのトレースが徳本峠方面に向かって伸びていた。今回の目的は登頂ではなくラッセルだったのでショック!トレースをたどって目的の山頂に到達するよりも、自分でラッセルしたけど、目的地まで到達できなかったほうが価値があると思うので、かなり残念だった。まあ、仕方ないので、目的を霞沢岳登頂に切り替え、ワカンをつけて歩き始めた。

スノーシューのトレースを追っていると、しばらくしたらスノーボードの跡も出てきた。こんなところでスノーボード・・・?登っている時はボードの跡があって、平坦か下りになるとその跡は消えたので間違いないだろう。1つ目の橋を渡るところでトレースは消えた。どうやらボーダーはここで引き返したようだ。

橋を渡ってからはラッセルとなる。このあたりでは、ワカンを付けてヒザくらいだった。沢が狭くなってくるにつれて、積雪量も多くなってくる。始めは右岸の夏道らしきところを歩いていたが、斜面になってきたので沢芯に降りた。沢芯のほうが埋まらなかった。斜面を歩いている時は、結構ズボズボ落とし穴のような所にはまっていたが、沢芯はひざ上くらいで安定していた。もっと早く沢芯に降りていれば良かった。高度はなかなか稼げないものの、梓川からはだいぶ離れたので、背後の景色が開けてきた。明神岳と前穂がきれいだ。

歩きやすい沢芯だったが、沢自体の傾斜が増してきたため、一筋縄ではいかなくなってきた。明神を出てからすでに3時間を経過。標高でみるとまだ半分登っていない。この調子だと徳本峠にも辿り着けないかも・・・。泊まれる場所の候補を探しながら進んでいた。

J.Pに突き上げる沢との二俣で休憩。峠まではそう遠くなさそうで、徳本峠まで行けることを確信。しかし、地図を見たら、峠まではまだ標高差250mもあった。さっきの確信は白紙に戻る。少し右の沢を登ってから、小尾根を乗っ越して徳本峠への沢に戻った。その小尾根を乗っ越す時のトラバースが地獄だった。谷側の左足は出るが、山側の右足を出すのが大変。雪も深くなっていて、もがいているだけの状態だ。

やっと沢に戻り、少し落ち着いたが、それも束の間、沢の傾斜がさらに増して、全然進まなくなってしまった。上方に沢を横切る登山道の看板らしきものを発見。その看板の字が読めるようになってから、看板までに30分以上かかってしまった。ずっと急傾斜の腰上ラッセルだ。看板の所から左にトラバースすれば、夏道どおしで小屋のはずだ。しかし、この雪ではトラバースは至難の技。少しであきらめて、沢を直上することにした。稜線近くまで行けば、テントを晴れる場所も出てくることだろう。

やっとこさ稜線に出た。ここは鞍部から少しだけ峠小屋のほうに行ったところ。看板のところからは、距離にして約200mくらい。それに1時間10分もかかってしまった。もうすでに夕方5時。急いでテントを張り、水用の雪を取り、便所までのトレースをつけてテントにもぐり込む。テントに入ったのは5時40分だった。すでにあたりは闇に包まれていた。

看板のところですでに水はなくなっていて、ノドはガラガラ。そりゃあ7時間近くもラッセルして、飲んだ水が1リットル弱なので、下手したら脱水症状になってしまいそうだ。水がないので、日本酒でノドを潤した。稜線ということで、ここはかなり風が強い。木の上のほうがザワザワしていた。幸いテントにはほとんど風当たりがなかったのでありがたい。寝るときにはかなりやかましかったが、知らないうちに寝ることができた。



■1月12日(日)   晴れ時々小雪   徳本峠⇒ジャンクションピーク⇒徳本峠

徳本峠(9:10発)⇒ジャンクションピーク(11:20〜12:10)⇒徳本峠(12:45着)

きのうの晩の寝る時点で霞沢岳は諦めていたので、今朝の起床時間は起きた時間ということに。夜中は風がビュービューで、何度か目を覚ました。雪も少し降ったようだ。起きた今も風は強く、少しだが雪も混じっていた。予報では雪は朝のうちだけのようなので、様子を見てJ.Pまで出掛けることにした。

8時頃になって日が差すようになってきたが、依然として風は強く、小雪が舞っていた。9時過ぎに日帰り装備をメインザックに詰め込み、ワカンをはいて出発。稜線はわりあい雪が締まっていて、ヒザ下くらいのラッセル。わりとサクサク歩けていたが、たまに雪がうねっているところがあり、それを乗り越すのに苦労した。そのうち雪庇の割れ目とか出てきたので、右の樹林の中にある夏道をたどった。いつのトレースか不明だが、雪のないところにはワカンの跡が残っていた。

高度を上げると常念、大天井が見えてきた。常念山脈には雲がほとんどなく、下界は快晴なんだろうなあと思った。穂高にはまだ、少ないが雪雲が残っている。山頂付近で傾斜が緩み、東よりに向きを変え、ほどなく木の薄くなった山頂の一角に辿り着いた。

J.Pのてっぺんでザックを降ろす。ここは風もなく、日も当たり、穏やかな所だ。ほどよく木が生えており、気持ちがよい。次回はなんとしてでもここまで来て、ここでテントを張って泊まりたいと思った。手ぶらで先の偵察に行く。200mくらい進んだところが本当のJ.Pみたいで、尾根はそこから直角に右折れしていた。赤布もチラホラト見られた。ポカポカだったので、しばらくボーっとしていた。

下りはワカンをはずしたが、やはりワカンの威力は絶大で、ツボ足ではズボズボはまった。下りはあっという間。テン場に早く着き過ぎだ。時間を持て余してしまう。暇つぶしに徳本峠小屋へ散歩。もちろん誰もいないし、誰かがいた形跡もない。小屋は風上側が屋根まで雪に埋もれていた。少しウロウロしたあと、展望台に行ってみる。見えているのは明神岳と前穂のみ。奥穂から西穂への稜線は、ベッタリと雪雲が張りついていた。常念山脈は相変わらず雲はなかった。

テン場に戻り、きのう寝心地が悪かったところを改修工事。きのうは忙しかったけど、今日はヒマで仕方ない。水を作りながら、キムチをつまみながら、日本酒を飲んでいた。暗くなる前にトイレに出ると、西穂にかかっていた雲もなくなって、雲1つない快晴になっていた。


■1月13日(月)   晴れ   徳本峠⇒中ノ湯

徳本峠(7:50発)⇒徳本峠分岐(8:50〜9:00)⇒河童橋(9:50〜10:05)⇒中ノ湯(11:40着)

気温は高めだったと思うが、きのうにも増して風が強い。出発が億劫でダラダラしていた。強風の中の撤収に備えて、テントの中でテント以外の物を全てザックに詰め込む。万全で撤収に臨んだが、思ったよりも楽にテントをたたむことができた。

ワカンを付けて下山開始。看板から稜線まで、登りの時には1時間20分かかったところ、下りはものの2分くらいで下った。バカみたいだ・・・。でも爽快だ。こんな調子で下っていき、傾斜が緩む所まで30分で降り切った。ここから6時間もかけて登ったのかと思うと、ホントバカみたいだ。平らになってからはペースダウン。おとといに付けた自分のトレースがあるとはいえ、それはたったの1人なので、新しくラッセルするのと大して変わらない。明神までの30分は結構疲れてしまった。

分岐で休んでいたら、徳沢方面から団体さんが歩いてきた。蝶ヶ岳に登っていたようだ。河童橋は入山時に比べると、人出は少なかった。景色の方は初日と同じく快晴で、今日も穂高がバッチリ見えていた。ここで、T世さんにお迎え要請のTELを入れておく。車道はさらに除雪されており、路面はテカテカで、アイゼンをはきたいくらいだった。中ノ湯に着いて、ズボンをはきかえている時にお迎えが来た。慌てて荷物をまとめて、車に詰め込んだ。


■感想

満足度は70%くらいか・・・。初日、ラッセルにつぐラッセルで徳本峠まで辿り着いたところまではほぼ100点。減点は2日目だ。霞沢岳まで行くのは無理だったと思うが、せめてちゃんと早くに出発し、行けるところまででも行っておけばよかったと後悔。2日目の行動時間は、3時間にもなっていないもんなあ・・・。

山行中に来年同時期のリベンジを誓った。トレース無しで霞沢岳まで到達するには、スキーの力を借りなければいけないかも。明神から稜線直下までは恐らくスキーで登れそう。またJ.Pから先も、緩いアップダウンの繰り返しなので、多分スキーが有効になるだろう。問題はスキーを使わない時、兼用靴がどれだけロスになるかだ。K1の登りとかは少し不安だ。


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