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中房川 曲沢

 マイナーな沢だけど登り応えのある本格的な沢でした
 
 山域  北アルプス 有明山(2268m)
 山行日時  2003年7月9日(日)
 天気  くもり
 登山形態  沢登り
 メンバー  I川、N村、T世
 行程  中房温泉 有明荘⇒曲沢遡行⇒有明山⇒有明荘
 温泉  中房温泉 有明荘(600円)   その他の温泉 安曇野温泉ガイド  




この週末、気持ちとしては奥秩父の鶏冠谷左俣に行きたいと思っていた。しかし、天気は芳しくなく、2時間半もかけて行って、中止になって戻ってくるのはシャクだった。日曜日は南部ほど天気は悪く、北部と中部はくもりで経過しそうな予報が出ていた。そこで急浮上したのが、有明山の曲沢。曲沢ならウチから40分くらいで行けるので、もしはずしたとしても代償は少ない。

仕事の帰りに図書館で登山大系を借り、行ったことのあるY井さんに電話で概要を聞いた。登山大系のガイドには遡行頭は載ってなくて、コメントがチョロっと書いてあるだけだった。中級向けの明るい沢とあった。有明山自体が黒っぽい山なので、明るい沢というのは想像できなかった。

有明荘(7:10)⇒曲沢 入渓点(8:00前)⇒稜線(13:50)⇒有明山山頂(14:00〜50)⇒有明荘(16:50)


朝6時過ぎにウチに集合して、40分ほどで町営有明荘。有明荘は町営となっているが、今は燕山荘に委託されており、実質燕山荘が経営しているようなののらしい。従業員が出てきて、ヘルメットにガチャをぶら下げている姿を見て寄ってきた。曲沢に沢登りしに行くというと、興味深そうにしていた。

車道を15分ほど戻ると、曲沢を渡る橋に着く。橋のたもとで入渓準備。少し霧雨が降っている。出合は気がかぶさっていて藪っぽく、水量は少ない。本当に明るく開けた沢なの・・・?堰堤を2つ越えてから沢に降りる。はじめはあまり感じの良くない河原歩き。しかし、そのうち両岸が狭まってきて、沢床も花崗岩となってきた。なかなかきれいな沢になってきた。

登山大系によると滝はF1からF5まで。実際に遡行してみると、主な滝だけでも5つ以上はあり、小滝を含めると無数にあったように思う。いったん滝が出てきてからは、河原はほとんどなくなり、一気に稜線まで突き上げるといった感じだった。滝は直曝というのはなく、ほとんどが傾斜のついた斜曝かナメ滝。ヌメヌメの花崗岩でホールドがなく、見た目以上に難しく思えた。

ザイルは3ヶ所出した。F1はノーザイル。F2と思われるところでは、フリーで登っておいて、後続にザイルを投げて引き上げた。右にまわりこんだところにあるF3と思われる滝は、ボクとN村君がフリーで登り、あとの2人をザイルで確保。この時ザイルの末端が滝の下の流木にはさまり、取れなくなってしまった。仕方なく懸垂で下って、滝の水をジャージャーと浴びながら、はさまったザイルをなんとか取った。自分でたらしたザイルをつかんでゴボウで戻り、T世さんを確保して上げた。

そのあと今日初めての休憩をとった。今日は水を浴びてもそれほど寒くはならなかった。天気はくもりだが寒く感じないということは、今日の下界は大変暑いに違いない。歩き出すとしばらくで二俣。はじめから水量は少なかったが、目立った支流がなかったので、ここまで水量は減ることはなかった。二俣を左に進路を取る。右に行くと山頂直下に出るような感じだ。すぐにまた二俣。ザックを降ろし、地図チェック。方向としては右だが、水量を見ると左だった。悩んだあげく水量をとり、右に進んだ。

この先も滝は続いた。前方に水流が深く岩に食い込んだ、狭い樋状の滝が見えた。水流沿いなら簡単そうだった。I川君が途中まで登るが、狭くなったところで立ち往生。N村君は左岸の草付きを、悪いながら先に登っていた。そこでセルフビレイとザックのビレイを取りたかったので、ハーケンを打つが、花崗岩のツルツルの滝なので、クラックがなく、あってももろかった。仕方なくザックをいったん下まで降ろし、ボクがザイルを首にかけて空身で登った。先に荷揚げをして、そして残りの2人を引き上げた。

このあとは水が急に少なくなり、あとは詰めとの段階なる。涸れ滝がいくつか続き、そのあとはガレ登り、そして短い笹ヤブがあって、樹林帯を登りきると、登山道に出た。有明山の北峰と無名峰の中間くらいのコルに出たと思う。山頂へは10分くらいだった。

山頂ビールを飲み、ここのところ定番になりつつあるコンビニの冷しうどん。これがツルツル入ってうまい。下山は途中までトラバース気味の道が続き、なかなか高度を下げなかったのでだるかった。それでも2時間で下山できるので、おいしいうちには入るだろう。

曲沢は想像していたよりもまとまった沢だった。家から近いというのが一番。そして単調なゴーロははじめの20分くらいで、あとは滝の連続で飽きることがない。そして、詰めもガイドでは水がなくなってから1時間半となっていたが、そんないはかからなかった。ヤブ漕ぎは笹ヤブを5分くらいだった。Y井さんの話とも登山大系とも少し違ったところを見ると、もしかしたら今日は水量が多かったのかなと思った。



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