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万太郎本谷

下流部のナメ床、中流部の3つの滝、詰めの明るさ・・・・良い沢でした
 
 山域  上越 谷川岳(1963m) 万太郎谷
 山行日時  2003年9月7日(日)〜8日(月)
 登山形態  沢登り
 メンバー  T世
 行程  1日目 吾策新道登山口⇒万太郎谷⇒石クラ沢出合
 2日目 石クラ沢出合⇒谷川岳⇒天神平⇒ロープウェイ⇒JR⇒土樽
 温泉  街道の湯(500円)  その他の温泉・・・越後湯沢 外湯めぐり  





予定では8月末の週末に行くはずだった万太郎。しかし、天気が悪かったため1週順延。この週は団地の掃除があるため、日曜は山に行かない予定だったが、なんとか天気がもちそうだったので、貧乏家庭には痛いが出不足金3000円を払って、万太郎に行くことにした。土曜日よりも月曜日の方が予報が良かったため、日、月で行くことにした。

土曜日の午後2時ごろ穂高を出発。寄り道しながら湯沢には7時ごろ着いた。温泉に入り土樽へ。霧雨が降っていたので、高速の土樽パーキングの高架下でテントを張って寝た。天気予報は微妙だ。



■9月7日(日)   晴れのちくもりのち霧雨   土樽⇒石クラ沢出合

土樽(6:05)⇒堰堤入渓点(6:25〜50)⇒大ベタテ沢手前(7:40〜50)⇒井戸小屋沢(9:10)⇒オオグリノ沢(10:00)⇒一ノ滝(11:00)⇒二ノ滝(11:50)⇒石クラ沢出合(12:45)

目を覚ますと雨は降っていない。テントの外に出てみると低い雲が垂れ込めていた。手早く撤収して入渓点まで林道を歩く。車止めのところに入渓点の堰堤がある。2パーティーいて、1組は日帰りの井戸小屋沢、もう1組は聞いてはいないが、普通の格好だったので、恐らく万太郎山にでも登るのだろう。

踏み跡を沢へと入ると、堰堤の下に出てしまった。もう少し上から入ると堰堤上に出れたかも。戻るのも面倒だったので、ここの河原で入渓準備をして、堰堤の右側を登った。しばらくは何の変哲もないゴーロが続いた。そのうち垂れ込めていた雲がなくなり、上空は快晴になってきた。ヨシヨシ!万太郎から谷川岳にかけての稜線がきれいに見えている。

万太郎下流部
興味深く侵食されたナメ床
万太郎下流部
明るくきれいなトロ


カラホリ沢、南トッカサ谷は気が付かなかった。両側が少し狭まってくるあたりから、ナメ、ナメ滝が現われ始める。大ベタテ沢手前のきれいなナメ滝で休憩。ガイドに良く出てくるところだ。この先しばらくきれいな渓相が続くが、せっかく晴れていた空が曇ってきてしまった。日差しがあったらもっときれいだったろうに残念だ。

オキドウキョウのトロ場
オキドウキョウのトロ場
オキドウキョウのトロ場は幅2mくらいのゴルジュ。とはいっても、両岸は切り立っていないし、流れもほとんどないので圧迫感はない。最初のトロは右側を進んで、左側に移る時に少し泳ぐ。2つ目は逆に右から左に渡る時に泳いだ。オキドウキョウ沢が右から滝となって落ちてきている。しばらくで井戸小屋沢が入ってきた。難しいようだが、そのうちここも遡行してみたい。

その後も快適な遡行が続き、前方に一ノ滝が見えてきた。スッキリした滝で、とても登れそうには見えない。近づいてみると右が登れそうだったが、かなりホールドが細かそうだ。取り付きまで行って確認したかったが、そこに行くには胸くらいまで浸かっていかなければならないのでやめた。イマイチ登攀意欲が沸かなかったので、右から巻いてしまった。

一ノ滝から二ノ滝の間は倒木が多く、かなり荒れている感じ。万太郎本谷の中で唯一の興ざめな部分かもしれない。二ノ滝は簡単だった。泊まるところは二ノ滝と三ノ滝の間の予定。しかし、まだお昼過ぎだ。イチかバチか三ノ滝を越えておいて、無理やりどこかで泊まろうかとも思ったが、石クラ沢出合にまあまあのところがあったので、やっぱりここで泊まることにした。

二ノ滝を過ぎるとこんな感じが続く
ちょうど焚き火を途中でやめたような跡が残っていた。恐らくきのうは雨が降ってきたので、焚き火の途中でテントに入ったのだろう。ごっつぁんです!でも、今の時間から寝るまで火を燃やし続けるには全然足りない。岩に挟まった大木を無理やり引っこ抜き、ある程度確保することができた。

2時くらいからだろうか、だんだんと稜線のほうからガスが下がってきて、しまいには霧雨が降り出してきた。こんな時間からテントに避難てことになったら、夕方までヒマを持て余してしまう。でも、雨はこれ以上は強くはならず、暗くなるまで延々と焚き火を続けることができた。



■9月8日(月)   晴れ時々くもり   石クラ沢出合⇒谷川岳⇒天神平⇒土合


寝る時も霧雨が降っていて、起きてテントから恐る恐る顔を出すと、きれいさっぱり雲はなくなっていて快晴!この快晴はあまり期待してなかっただけに、今日は稜線に出たあと天神平に下って、土合駅から電車に乗って土樽に戻る予定。狙っている電車の時間は13:44。もしこれに乗り遅れると、次は17:55まで4時間も開いてしまうことになる。ちょっと気分的にも忙しい。5時に起きて、6時半出発のつもりで朝の身支度を進めた。


石クラ沢出合(6:30)⇒三ノ滝(6:45〜7:40)⇒ノゾキ沢出合(7:50)⇒水涸れ(8:55)⇒稜線(10:20)⇒谷川岳トマノ耳(10:20〜11:00)⇒天神平(12:20)
万太郎本谷 三ノ滝

15分ほど歩くと三ノ滝に出くわす。この滝は2段30mで、下段は右壁から登る。一応ザイルを出す。沢靴のフェルトがもうなくなりかけているのか、かなり滑りやすい。最後に平らなところに這い上がるのだが、ここがイマイチ思い切れず躊躇した。ビレイ点には腐ったハーケンが3本打ってあったが、2本は本当に腐っていたので、2本打ち足しておいた。

2段目は迷った。登りやすそうなのは水流の右側のバンドをくの字に登るラインだが、落ちたら1段目の下までいってしまう。水流の右から斜めに上がって、潅木帯に入ってから滝上にトラバースするルートを選んだ。潅木でピッチを切り、潅木と笹をつかみながらトラバースして、三ノ滝の上に出た。三ノ滝の通過に40分くらいかかってしまった。


三ノ滝上のトイ状滝
この先樋状の滝が2連発するが、どっちも快適に楽しく登れる。だんだんと稜線が近づいてきた。ノゾキ沢出合の日当たりの良いところで休憩。見た目では稜線は近そうだが、標高差はまだ600m残っている。見えているところはきっとニセ稜線にちがいない。

2回二俣が出てきて、両方とも右にルートを取る。上空は真っ青だ。たまに稜線から雲が流れ落ちてきているが、太陽を隠すほどの雲にはならない。直射日光が容赦なく照り付けてきて暑い。水は意外と早くなくなった。水を汲んで詰めモードに入るが、ここからが長かった。藪はないものの、涸れ滝をいくつも登り、最後は草付きの踏みあとをたどって稜線に出る。水がなくなってから稜線まで、1時間20分かかった。

トマの耳より万太郎山方面
トマの耳より万太郎山方面
稜線には10時20分に出ることができた。これなら1時44分の電車に余裕だ。15分ほどでトマの耳。展望は北と西が快晴で、南と東は雲が詰まっていた。南に前線があって、ちょうどこの国境稜線が天気の分かれ目になっているのがよくわかる。雲の勢いが強いと稜線から溢れ出し、弱いと稜線でせき止められている。めったに見ることができないような景色だった。

ここで装備を片付けて下山開始。コースタイムどおりに下れば電車に間に合う計算だ。10分ほど降りると雲の中に入る。もう少し降りると雲の下に出た。不本意だったが時間がないのでゴンドラで土合まで下った。土産を買ったりして時間を調整し、最後の土合駅の階段をせっせと降りる。土樽に着き、あとは車の回収のみ。

下山が短くて済むので天神平に下ったが、ゴンドラやら電車やらで時間を食うので、普通に茂倉岳経由で下っても、着く時間はたいして変わらないかも・・・。


■感想

・万太郎は下流部にいいとこが集約されている。ナメ、ナメ滝、トロ、釜、奇岩のナメ床・・・
・中流部は3つの滝の景観と登攀。それ意外は荒れ気味。
・上流部は平凡なゴーロ滝が大半。水がなくなってからも結構長く、藪がないのはありがたいが結構疲れた。



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