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鹿島槍ヶ岳 東尾根

昨年は雨で途中撤退 日帰りでリベンジしてきました
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 山域  北アルプス 鹿島槍ヶ岳(2889m)
 山行日時  2004年4月11日(日)
 天気  薄曇り
 登山形態  積雪期バリエーション
 メンバー  H野
 行程  大谷原⇒東尾根⇒鹿島槍ヶ岳⇒冷乗越⇒西沢下降⇒大谷原
 温泉  大町温泉郷 薬師の湯(500円)  大町市の日帰り温泉施設 


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昨年の同時期、1泊2日で鹿島槍ヶ岳東尾根に挑んだが、一ノ沢の頭手前でザーザー降りとなり、あえなく下山した。そのリベンジを今年は日帰りで挑戦することに。翌日のことを考えて、できれば土曜日に登りたかったが、仕事の都合で日曜日になってしまった。仕事が忙しくて、3月13日の谷川岳東尾根以来ぶっ続けで仕事をし、体力面でやや不安もあった。


大谷原(4:05)⇒東尾根取付(4:50〜5:05)⇒一ノ沢の頭(7:20〜40)⇒二ノ沢の頭(8:20通過)⇒第一岩峰基部(9:05)⇒第一岩峰上(9:50〜10:10)⇒第二岩峰基部(10:20〜11:40)⇒第二岩峰上(12:15)⇒鹿島槍ヶ岳北峰(12:55〜13:00)⇒南峰(13:30〜14:00)⇒冷池(15:00〜15:15)⇒西沢出合(16:15〜30)⇒大谷原(17:07)

土曜日の夕方にはH野君がウチに到着し、明日に備え早々に床につく。当日は朝2時半起床、3時出発。40分で大谷原に着き準備をし、4時過ぎに出発。大谷原の駐車場は満車で、車道の路肩にも止まっていた。大半は赤岩尾根だろうが、東尾根に入っている人も結構いるだろう。天気は暗くてまだわからないが、月がぼんやりとしているので、薄曇といった感じだ。

暗い林道を歩き始める。LEDのヘッドランプはテントの中で使ったりするぶんには問題ないが、暗い道を歩くとなるとちょっと明るさが足りない。昨年も同時期にチャレンジしているが、その時よりも雪はたくさん残っているようだ

。2度目のヘアピンの先で休みがてら、明るくなるのを待つ。この付近には取付の赤布やトレースは見当たらない。まあいいか・・・と適当に斜面に取り付いた。朝というのに雪はグサグサで、時折ヒザまで埋まりながら急登を登る。こんなんでは疲れてしまうので、トレースに当たることを期待して、やや右にトラバース気味に登っていった。しかし、登れど登れどトレースにはぶち当たらない。あきらめてルンゼに突っ込むが途中で行き詰る。左隣のルンゼに移るが、ここもダメ。仕方なく少し下って、もう1つ左のルンゼに移動して、やっと抜けることができた。尾根上に出るが、依然としてトレースはない。まさか・・・・この週末、誰も東尾根に入っていないのか・・・?

一ノ沢の頭より
一ノ沢の頭に到着。3張り分のテントを張った跡があった。そして、しっかりしたトレースが南の方向から続いていた。だいぶ行き過ぎてから取り付いてしまったようだ。おかげで体力も時間もかなり無駄遣いしてしまった。

一ノ沢の頭からはそれっぽい雰囲気に。アップダウン、蛇行を繰り返しながら、東尾根が本峰へと続いている。そして、数パーティーが尾根を歩いているのも見えた。しっかりしたトレースを歩いて、順調に距離を稼ぐ。
二ノ沢の頭より
二ノ沢の頭からは尾根が痩せ、雪壁状のところが増えてくる。一ノ沢の頭までの疲れか、雪壁では次第に足が上がらなくなり、息も切れるようになってくる。先を行く泊まり組の先行者も足が止まってしまっているようだ。

天気のほうは薄曇りの状態が続いている。南の方の雲ほど湿っぽいようだが、山にかかる雲はない。午後は曇ってくるとのことなので、なんとか山頂に着くまではこの状態でもって欲しいものだ。
第1岩峰
第1岩峰でちょうど先行者に追いついた。かなり疲れていて休憩するようで、先を譲ってくれた。第1岩峰には外人さんのパーティーが取り付いてた。

見ていると簡単そうだったので、ザイルは出さずに登ることに。正規のルートのやや右の雪と潅木の斜面を登る。1ヶ所詰まりかけたが、バイルを一杯に伸ばし、ダケカンバの枝を手繰り寄せて、なんとかつかんで突破。ちょっといやらしかったので、正規のルートを登ったほうがよかった。

第2岩峰手前の雪稜
第1岩峰を登り切ると、さらに足が重くなってきた。平らになるまでの雪壁は大変こたえた。平らになると一目散にザックを降ろして休憩。何時間でも休憩していたい気分だった。

第1岩峰で一気に高度を稼ぎ、すばらしいロケーションとなってきた。南側の爺ヶ岳の眺めが最高だ。安曇野側から見える爺ヶ岳はなだらかな山容だが、北側は険しい山容だ。剣岳の裾を広くした感じだ(これは言いすぎか・・・)。


第2岩峰
第2岩峰で外人さんのパーティーに追いつく。先を譲ってくれたが、こっちも疲れていたので丁重に断った。ザックを広げて大休止だ。腹ごしらえもしたいところだが、食欲は全くなし。まだ先は長いので、チョコボールを無理矢理流し込んでおいた。反面、ノドの渇きは尋常ではなかった。

30分くらいで抜けてくれるだろうと思っていたが、かなりスローなペースで登っている。結局、この待ち時間は1時間20分にも及んだ。これだったら疲れを押して先に登っていたほうがよかったかも・・・。でも、待っている間はポカポカで、ロケーションも気分も良かったので、まったく苦にはならなかった。
核心のチムニーを登るH野君
いよいよ核心の第2岩峰の登攀。チムニーの部分が1ヶ所難しいが、手も足もちゃんとあるので、とくに問題はない。最後の這い上がりが力ずくになるくらいか・・・。

第2岩峰上でまたもや休憩。休憩ばっかりになってきた。あとは傾斜の緩い雪稜を、北峰に向かって歩くだけだ。時々雪庇の向こうに、キレット越の五竜岳が見えていた。なかなかの迫力だ。休憩の時に外人さんも抜いたので、泊まり組の2パーティーを抜いたことになる。

東尾根の下山ルートとして、北股本谷を使っている人が多いようだ。実際、谷底を歩いている人たちが見えた。時折、ゴゴゴゴゴーッと雪崩の音がしている。ちょっと谷底は恐そうだ。

13時前に北峰に到着。さすがに主稜線に出ると西風が強く寒い。まだ南峰の登りが控えているので、ここは小休止として先を急ぐ。南峰まで1時間くらいかかりそうな雰囲気だったが、30分くらいで到着。最後の登りは程よく雪が付いていたので、雪がない時よりもかえって登りやすかったような・・・。

南峰ではお互い隠し持っていた日本酒とビールで祝杯を上げる。結構寒かったので、ビールよりも日本酒のほうが人気だった。これが燗板娘かなんかだったら、なお良かったのだが・・・。天気は下り坂なのか、雲がだんだんと湿っぽく、重くなってきた。さっきまで見えていた槍ヶ岳も今は見えない。対岸の剣岳もやや霞んでしまっている。まあ、ここまでもってくれたのでよしとしよう。

北峰直下より振り返る
もうわずかで北峰
北峰より南峰を望む

下山開始。あとは下りのみといきたいところだが、赤岩尾根分岐への登りが控えている。たいした登りではないが、疲れているときはキクだろうなあ・・・。稜線の黒部側は雪が付いてなく、夏道が出ている部分が多い。布引岳の先でアイゼンをはずし、駆け下りモードに。冷の最低コルで休憩し、最後の登りをじっくりと登る。赤岩尾根に上がってすぐに西沢に入る。中間部までは尻セードを楽しめたが、雪がゆるゆるなので、途中からは歩くことに。案の定、最後の林道は長かった。


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