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鶏冠谷左俣

中流部のナメ、ナメ滝は素晴らしいが、鶏冠尾根の下山が核心・・・?
 山域  奥秩父 笛吹川東沢 鶏冠山(2122m)
 山行日時  2004年6月19日(土)
 天気  晴れ時々曇り 
 登山形態  沢登り
 メンバー  T世
 行程  西沢渓谷入口⇒鶏冠谷⇒鶏冠山⇒鶏冠尾根⇒西沢渓谷入口
 温泉  はやぶさ温泉(500円)   その他山梨県の温泉情報


日曜日に三ッ峠で岩登りをする予定になっていた。せっかく山梨に行くんだからと、前日は鶏冠谷を登り、そのまま泊って、当日朝みなさんと合流するという計画に。心配なのは天気・・・。長い梅雨の中休みが続いていたが、南の海上には台風6号も北上してきており、週末は微妙な状態に・・・。幸いなことに台風の速度が遅く、土曜日はなんとか大きく崩れずにすみそうだった。

西沢渓谷駐車場(6:40)⇒鶏冠谷出合(7:25〜35)⇒二俣(9:30)⇒鶏冠尾根上(12:35〜13:05)⇒鶏冠山(14:20)⇒鶏冠谷出合(17:05)⇒西沢渓谷駐車場(18:15)

4時前に自宅を出発。6時半前には西沢渓谷の駐車場に着いた。天気のほうは、どんよりとした曇り空。雲の中に鶏冠尾根の一部だけが見えていた。いつもは混みあっている駐車場だが、何故か今日はガラガラ状態。車は数台しか止まっていなかった。準備をしている間に、中高年の団体さんが歩き出していく。ザックの大きさからすると、恐らく釜ノ沢であろう。鶏冠谷に入る人はいるのだろうか・・・。

車道と歩道を30分くらい歩くと東沢と西沢の二俣。そこにかかるつり橋を渡ったところで、東沢の旧登山道に入る。「東沢入山禁止」と派手な看板が立っているのに、入口のところだけロープがかかっていないのは何故・・・?すぐに旧登山道から離れ、河原に下りる。東沢は白い花崗岩の石が多く、水がきれいに見える。水がきれいなだけで、気分も乗ってきてしまう。。2回徒渉して左にカーブしたところが鶏冠谷の出合となっていた。鶏冠谷出合は側壁がせり出しており、とても暗い感じだ。

入渓してすぐの魚止滝10m
3段12mナメ滝
20m逆くの字滝

ちょっとしたゴルジュっぽいところを進んでいくと、魚止の滝10mが立ちはだかる。直登は右かなと思いつつも、登る気は全くなし。残置ロープがフィックスしてある、右の巻き道を辿って滝上へ。ここからしばらくは、たまにきれいなナメや滝はあるものの、美渓という感じではない。奥飯盛沢を過ぎると、3段12mナメ滝が現れる。ここはなかなかのビューポイント!

そしてすぐに核心とされている20m逆くの字滝。屈曲点まではヌルヌルだが傾斜が緩いため、なんとかフリクションで登っていける。屈曲点からは残置シュリンゲが何本か垂れ下がっている。それを利用してゴボウで登ると楽そうだが、なんだか反則っぽいので水流の左を登ることにした。落ちても大怪我はなさそうだが、良い支点が作ってあるので、それで確保してもらって滝上に上がる。

二俣手前の2段滝
二俣手前にある幅広ナメ滝
二俣先のトイ状滝の側壁を登る

二俣からは樋状、ナメ滝、ナメ床が随所に現れ、だんだん美渓の鶏冠谷っぽくなってくる。一ノ沢と出合う手前の2つの10m滝は登れないので巻くことになる。小さく巻こうとするが、ルンゼに阻まれてどんどん上に追いやられていく。結局、ルンゼを上から越えて尾根を乗っ越すという割と大きな高巻きとなった。みなさんいろいろ考えて高巻くのだろう、この高巻きは薄い踏み跡がいたるところにあった。結果的には初めから大高巻きをするのが正解のようだ。大高巻きのわりには下降はほんのちょっと。沢自体も一気に高度を上げたようだった。

高巻き終わると、立て続けに二ノ沢、三ノ沢と出合う。このあたりから両岸が開けてきて、同時にナメ滝も明るさを増してきた。ちょうど良い具合に晴れ間が多くなり、太陽が出ている時間のほうが長くなってきた。明るい広葉樹、赤みを帯びたナメ床、太陽にキラキラと輝く水流・・・、美渓の条件が揃った感じだ。水流通しに登れる滝が多く、気分は上々!一応遡行図をチョロチョロと見ながら歩いていたが、三ノ沢から先はどれがどの滝なのかさっぱりわからない。

そうこうしているうちに明るいナメ地帯は終わり、左岸から細い水流が落ちてくる滝を越えると詰めの段階に入る。暗く長いトイ状の滝を登ると水が枯れた。水が枯れてからは踏み跡を追って高度を稼ぐ。最後は石楠花のヤブを抜けて稜線に立つ。ヤブといってもちゃんと踏み跡はあり、足がちゃんと抜けるので楽勝だ。

トイ状+ナメ滝
中流部は明るい渓相に
明るくきれいなナメ滝が続く

鶏冠尾根は左右がスッパリ切れ落ちたナイフリッジとなっている。そんな尾根なのに、樹林がしっかり生えているから驚きだ。やせ尾根のアップダウンを繰り返すと、地図上の鶏冠山だが、ここには山頂の看板がない。おかしいなあと思っていたら、1986ピークの1つ北のピークに鶏冠山の看板があった。地図が違うのか、看板が違うのか・・・。これに結構惑わされてしまった。赤テープはバシバシに付けられているが、地形図に道が書いてないのでやや不安だった。


看板のある鶏冠山からは過去は懸垂で下降していたのだろうが、今は巻き道がつけられている。1986ピークからの下りは、補助ロープで5mほど懸垂下降した。そこからは足場の悪い急下降が続く。尾根が緩くなると、下手な登山道よりも歩きやすい道となる。あとは惰性で下り、ようやく鶏冠谷の出合に戻る。鶏冠谷の終了点から鶏冠谷の出合までしめて4時間。足並みが揃っていればいいが、大人数とか足元のおぼつかない人がいる場合は、大回りになっても、木賊山、戸渡尾根経由で下山したほうが、時間が計算できて良いかもしれない。

鶏冠山山頂にて

まずは温泉!これまでこの近辺では「笛吹湯」、「○竜館」、「はなかげの湯」、「大菩薩の湯」と入ったが、今回は「はやぶさ温泉」に行ってみた。まあ、並って感じかな・・・。風呂上りに事件勃発!T世さんの指と指の間にダニが食いついているではないか・・・。医者であるY井さんにTELして対処法を教わるが、やはり無理に取ると牙が残るため、病院に行くことを勧められる。近くに夜間やっている病院があって助かった。

その晩は牧丘町の道の駅で寝て、翌日の三ッ峠に備えた。しかし、翌日の朝は天気がイマイチだったため、三ッ峠は変更になって、佐久の岩場に行くことになってしまった。せっかく山梨県で泊ったのだが、野辺山経由で佐久へと車を走らせた。



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