前夜は酸ヶ湯の駐車場で寝た。当日の朝まではロープウェイに乗って、東側のツアーコースを2本滑る予定だった。しかし、八甲田のロープウェイの始発は朝9時。目覚めは5時・・・。4時間もなにして暇をつぶそう・・・考えていた。ツアーコースか・・・また人だらけで荒れ荒れかも・・・?そう思うと、やっぱり自分の足で登って滑ったほうがいいかなと思えてきた。そんなコースだったら人も少ないだろうし。すぐに行動できるし。そんなわけで、睡蓮沼から大岳を目指すことにした。
となると、急げ急げ!睡蓮沼の駐車スペースがなくなってしまうと大変だ。そんな心配はご無用、ガラガラだった。スキーの支度をしている車は1台のみ。睡蓮沼のトイレは半分雪に埋まっていたが、使えるようになっていた。睡蓮沼はもちろん雪の下。ここから見る大岳はとてつもなく遠く見える。でも、標高差は600mほどなので、そう時間はかからないだろう。睡蓮沼付近にテントを張っている人がいた。贅沢な景色のテン場だ。
緩〜い登りをひたすら大岳目指して歩く。だんだんと大岳が近づいてくる。なんだか楽勝に思えてきて、これなら大岳だけ登るのはもったいない、硫黄岳と小岳も登れるかもしれない。1時間ほどで大岳と硫黄岳のコルへと登る地点に着く。ここで小休止。ひと登りで大岳と硫黄岳のコルにある仙人岱ヒュッテに着いた。 ここから大岳の登りになる。酸ヶ湯方面から登って来たと思われる、ゲレンデスキーを背負った人が大岳に取り付いていた。登るにつれて強かった風がさらに強くなってきた。突風の時はあおられるので、スキーを踏ん張って耐える。そのうち耐え切れなくなり、風に弱いT世さんは山頂を断念して、ひとり下ることになった。一人で山頂に向かうことになるが、断念した地点からわずかで山頂のお釜のふちに着いた。頂稜の内側は無風だったが、山頂は大風が吹き荒れていた。9時ごろということで、決して早い時間ではないと思うが、山頂には誰もいなかった。T世さんが仙人岱ヒュッテで待っているので長居はできない。休憩はほどほどに滑降準備。
いよいよ滑り。風の影響か、まだ朝早いからか、素晴らしい斜面に見えた大岳のからの斜面は滑りにくい・・・。ターンにかなり雪の抵抗を感じた。後ろ足がカクンと抜けて2度転倒。なんだかやる気がなくなって、ヒュッテまでただ滑っただけみたいになってしまった。
うちらも滑ることにする。デジカメで動画の撮影大会をしながら滑る。直下は今回の東北6山の中でも3本の指に入る快感斜面。雪質も上々!一区切りずつ滑っていくが、小岳の斜面の残念なところが、そのまままっすぐに滑ると、睡蓮沼から離れていってしまうこと。間にある沢を早めに渡ったほうが良さそうなので、まだ良い斜面なのにトラバースしなければいけない。睡蓮沼へと続く台地に乗ってしまえば、あとは止まってしまいそうな傾斜になってしまう。時折ストックで漕ぎながら睡蓮沼へ。
睡蓮沼に着いた時点で、今回の東北山スキーの旅は事実上終了。だが、また時間は早く、せっかくなので来る時に通れなかった八幡平アスピーテラインでも通ろうかということに。ところが下山したくらいから、八甲田の山々に雲がかかり始めてしまった。あれまー・・・。ガスの中八幡平に行っても仕方ないか・・・とやめることにした。 おかげで(?)この日は秋田を越え、西目町の道の駅まで進むことができた。翌日は一日かけて信州に戻るのだが、朝一からGW前半に滑った鳥海山、月山、新潟に入ってからは雄大な飯豊連峰を眺めながら、ドライブ気分で帰ることができた。あー今年のGWも終わってしまった。早く来年のGWにならんかなあ・・・。
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