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白馬 鑓沢山スキー  天狗山荘北ピークより

 山域  北アルプス 後立山 
 山行日時  2005年5月21(土)
 天気  快晴のちうす曇り
 登山形態  テレマークスキー
 メンバー  コナさん、T世
 行程  猿倉⇒小日向のコル⇒鑓温泉⇒天狗山荘北ピーク
 温泉  家




5月下旬ともなると、雪質は上と下で雲泥の差。鑓温泉付近が天国と地獄の境目だった。稜線直下は超快適ザラメ!鑓温泉までは快適ザラメ。そこから下はデブリと波々の洗濯板と砂利混じりの雪。上部で盛り上がったテンションは高度とともに下がっていった。最後に雪のない林道を歩いて、今シーズンも大詰めであることを実感。もう今シーズンのスキーはいいかな・・・。

猿倉(6:40)⇒小日向のコル(8:45〜9:10)⇒鑓温泉(10:25)⇒大出原(12:05)⇒天狗山荘北ピーク(13:35〜14:20)⇒登り返し点(15:00〜20)⇒小日向のコル(15:50〜16:25)⇒猿倉(17:30)

猿倉は朝6時くらいでたくさんの車。30台くらいはいたか・・・。大半が大雪渓だろうなあ。天気は特上!気分は盛り上がるが、歩き出しから板を背負わなければいけないのはこの時期の宿命だ。林道は雪が期待できないので、猿倉台地の夏道を登ることにした。台地上でほぼ全面雪となったが、藪がうるさくて板を履くには厳しい。結局、小日向山への取り付きまでツボ足で歩くことに。ザックから板がなくなると快適!小日向山周辺は深くえぐれた溝が走り、巨大な洗濯板の斜面となっていた。帰りは苦労するぞ・・・。

小日向のコル
小日向のコルより 白馬鑓と杓子岳
毎度のことながら、小日向のコルからの眺めは絶品!白馬鑓と杓子岳のズームアップされた景色が飛び込んでくる。ここに泊まってどこかに登りたいとはいつも思うが、なかなか実現しない。ここでシールをはずして気持ちよくひと滑り!といきたかったが、コルの南側にも深い波々が・・・。苦痛を伴う滑りだった。腰にも悪い。
白馬鑓と中央ルンゼ
これから登る鑓沢
大出原手前で振り返る

さて、ここからが本番。ここまでは単なるアプローチに過ぎない。行きはまだ許せるが、帰りの登り返しを考えるといつもぞっとする。ここがスタート地点だったら、白馬鑓もずっと身近になるのになあ・・・。目指す鑓沢にはポツリポツリと人影。それほどの人出ではないようだ。白馬鑓の中央ルンゼはまだしっかり雪がつながっている。今年はテレマーク初年度でまだ下手だが、来年あたりは練習して挑戦してみたい。鑓沢は無理なく直登できる効率のよい斜度。1時間で鑓温泉へ。温泉の流れる斜面だけ雪が溶けていた。

大出原 稜線までもう少し
稜線
天狗山荘北ピークに向けてトラバース

鑓温泉の先で右にカーブすると、まだ遠いが主稜線が見えてくる。荒れた雪面も徐々に平らになってきて、早く滑りたい気持ちが強くなる。天気は相変わらず文句なしの快晴。稜線に出るまでこのまま晴れていてほしいものだ。右に白馬鑓の山頂が見え始める。こちらもしっかり雪がつながっていた。山頂から滑ると、鑓温泉の下流で本流に合流するようだ。

天狗山荘北のピークより白馬鑓ヶ岳
同じく 旭岳と清水岳

大出原の少し平らになったところで休憩。みなさん最低コルか白馬鑓の山頂を目指している。これから登っても荒らされた斜面しか残らないなあ・・・。で、正面左の気持ち良さそうな、無傷の一枚バーンを滑ることにした。地図を見ると、天狗山荘の北にある、約2800mのピークからの斜面のようだ。その斜面のひとつ右の若干傾斜の緩い斜面を登る。斜度はあるが雪が良いのでなんとかシールで登れそう。上部で滑る予定の斜面にトラバースして稜線に飛び出す。

ひと滑りして  汚いシュプールだ・・・
稜線に出ると反対側の景色が楽しみだ。正面に毛勝三山、南にいくと剣、立山と続く。この時間になって、西と南の空がやや霞んできてしまったのが残念。毛勝山あたりは昨年より雪が多く残っている。立山の沢もまだ十分滑れそうだ。下部は不明だが・・・。恒例の山頂ビールを飲む。恐怖心を麻痺させるのが目的だ(?)。

さて、やっと滑れる!7時間の長い登りの後、また先週の西穂高沢での惨敗の後だけに、期待は大きい。まず傾斜が落ち込むところまで軽く滑り、急斜面になって一気に飛び込む。斜度、雪質ともに申し分なし!ややオーバースピードになり、時々Gに負けそうになりながらも、なんとか耐えて滑り続ける。とにかく止まるのがもったいない。一気に大出原のボトムまで滑り切った。満足満足!この一瞬だけで今日は満足と思えてしまう。

大出原からは快適な中斜面が続く。時々左からの落石があったり、先週降った新しい雪が重かったりはしたが、、概ね雪質は良好。鑓温泉に向けて左カーブするところで、右岸の斜面をトラバースして高度を稼ぎ、鑓温泉めがけての一枚バーンを狙う。滑り出しからは真下に鑓温泉とギャラリー(見ているかどうかは知らないが・・・)が見える。温泉に浸かっている人もいた。テントも3張り張ってあった。気合を入れて飛び込むが、なんだか力の抜けた滑りになってしまった。残念!
鑓温泉から下はもう消化試合的雪質。洗濯板とデブリが大半。ひどいところはアルペンターンでしのぐ。さあ、憂鬱な登り返しだ・・・。小日向のコルまでは残った体力をフルに使い、コルに着いた時には完全燃焼であった。コルからは拷問のような滑り。巨大な洗濯板はまともに滑れるはずもなく、ただただ高度を落とすのに一生懸命。最後は大きく長走沢方向にトラバースして、やっとこさ緩斜面まで降りる。

帰りは藪っぽかった猿倉台地を嫌い、長走沢から林道に出ることにした。結果的にこちらのほうが長く滑れて、時間も短縮できたと思うが、荒れ荒れの雪を考えるとどうだったか・・・?とくにコナさんの板はまだ買って2度目の山。林道で板をはずすと真っ黒けになっていた。早かれ遅かれ板がズタズタになるのは山スキーの宿命だが、2度目でこれではちょっと悲しかったかな。林道を20分ほど歩いて猿倉の駐車場に到着し、長かった白馬鑓のツアーが終わった。


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