川場谷〜武尊山 (沢登り)
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前半は平凡だが中流部のナメとスダレ状の滝はなかなか! |
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山域 |
上州 武尊山 |
行程 |
1日目 林間広場キャンプ場⇒川場谷⇒剣ヶ峰沢手前
2日目 剣ヶ峰沢手前⇒武尊山⇒川場野営場 |
山行日時 |
2005年6月25日(土)〜26日(日) |
登山形態 |
沢登り |
メンバー |
M田 |
温泉 |
小住温泉(500円) |
川場谷の下流部は「ウナギの寝床」や「獅子の牢」など名勝があるものの、鬱蒼とした暗い感じの渓相で、滝はゴーロ滝がほとんど。この先「五つ星」の評価に値する沢になるのかと心配になってしまうくらいだ。川場剣ヶ峰沢が出合うあたりから、まわりは潅木に変わり明るい渓相に。そして、川床もナメが多くなってきた。そして、滝はきれいなスダレ状が次から次へと現れ、まあ「五つ星」の評価を受ける沢だけのことはあるのかなあ・・・?ツメのヤブ漕ぎは「四つ星」くらいか・・・?
■5月25日(土) 晴れ時々曇り 林間広場キャンプ場⇒剣ヶ峰沢手前
奥秩父あたりでゴルジュのゲレンデ的な沢にでも・・・と考えていたこの週末。予報によると、どうやら土日とも晴れて暑くなりそう。これは泊まりで行くしかない!3週連続の奥秩父もなんだし、谷川はまだ早いし・・・。てなわけで、中間をとって(中間でもないが)上州武尊山の川場谷へ行くことに決定!2日前の決定だったが、川場谷は2年前に行こうとして雨で中止になっていたので、だいたいの雰囲気はわかっていた。
林間広場キャンプ場(10:00)⇒ウナギの寝床(10:30)⇒獅子の牢(11:30)⇒8m滝(14:20)⇒テン場(14:55) |
車1台で川場谷に入る場合は、その車の回収が問題となる。そこは得意のチャリンコデポ作戦で解消。下山口である川場野営場に自転車を置き、車道7キロの道のりを歩くことから逃れる。朝5時に自宅の穂高町を出発し、自転車を回送したりで、歩き出しは10時になってしまった。まあ、泊まりなので余裕余裕!
入渓直後の渓相
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無理矢理きわどくへつったりする
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ウナギの寝床
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林間キャンプ場は営業しているのか・・・?駐車場から堰堤が見えたが、まだ上にもあるかもしれないと思い、段々畑状のキャンプ場を歩く。今年の梅雨はほとんど雨が降らず、今日も真夏のような暑さ。結局、駐車場から見えていた堰堤が最終堰堤だった。クソ暑い中、キャンプ場を歩いて損した・・・。というか、最初の見所である「平ナメ」を通り越してしまったのだ・・・。早く沢に入っておけばよかった。
核心といわれる8m滝
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この先、時々ナメっぽいところはあるものの、いたって平凡な沢。「なんでここが五つ星?」とか言いながら遡っていく。次の名勝は「獅子の牢」。両岸が覆いかぶさってくるような、トンネルのような暗〜いところ。蝙蝠でも住んでそうな感じだ。
釜などに日が差していると、水がやや濁っているのがよくわかる。ちょっと白っぽい。何かが溶け出しているようだ。あまり積極的に沢の水を飲みたい気持ちにはなれなかった。
遡行図には2mだの3mだのの滝がたくさん表記してある。ほとんどがゴーロ滝なので、遡行図の滝と実際の滝の特定が難しい。遡行図よりも地形図のほうが、自分の居場所を特定しやすい。まあ、いずれ核心とされている8m滝が出てくるはずなので、そこから遡行図を追いかければいいだろう。 |
長い平凡区間は川場剣ヶ峰沢が出合うあたりで終わり。川床に明るい赤っぽいナメが目立ち始めたかと思うと、滝もこれまでのゴーロ主体から、ナメ滝とスダレ状滝に取って代わる。そして、左カーブするところに、川場谷核心の滝である8m滝が。見た感じは左を簡単に登れそう。「簡単じゃなかったらザイル投げるわ」と言って取り付く。登ってみると、下から見たよりも確実なホールドが少なく、わりと高さもあったので上からザイルを投げることに。次の4m(もっとあるような感じ)もいやらし目だったが、ここは高さがないのでノーザイルで越す。
3段のナメ滝
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明るい2条の滝
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4mスダレ状滝を登るM田君
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テン場候補地である家ノ串下ノ沢までは時間の問題。4m滝を越えたあたりから、良い場所があれば・・・と泊まり場を探しながら歩く。すぐに絶好のテン場を発見。左から剣ヶ峰沢をあわせるやや手前だ。焚き火跡もあり、薪も腐るほどある。迷うことなしにここをテン場にすることに。
半径5m以内で巻き集め終了。まだ6月だから薪も豊富なのだろう。今日は本当に気温が高い。日が陰ってきても寒くならない。焚き火を焚いていると暑いくらいだった。ビール、日本酒、焼酎・・・とアルコールが展開し、ウインナー、焼肉、柿の種・・・とつまみが繰り出される。最後は味気なく米にレトルトをかけて締めくくる。午後は雲行きが怪しくなったものの、雨が降ることはなく、絶好の焚き火&宴会日和であった。
■6月26日(日) 晴れ時々くもり 剣ヶ峰沢手前⇒武尊山⇒川場野営場
夕べは暑くて明け方近くになるまで寝袋に入らずに寝ていた。標高1500m足らずとはいえ、かなり暑いのではないか。下界は寝苦しい熱帯夜間違いなしか・・・?4時半に目を覚まし、焚き火に火をつける。コーヒーを飲んで、これまた味気ない朝食、ラーメンを食べる。明日も朝4時半から仕事なので、早出して早く家に帰りたいところだ。
テン場(6:10)⇒剣ヶ峰沢(6:30)⇒家ノ串下ノ沢(7:10)⇒登山道(9:30)⇒武尊山山頂(10:05〜40)⇒前武尊(11:50)⇒川場野営場(13:00) |
天気は多分晴れ。空気がモワ〜ッとしていて、空は青くはなかった。岩の質が変わったのか、朝からスダレ状のきれいな滝が連発!なんでこううまくスダレ状になるのだろう・・・?均一に侵食されるのだろうか?実際岩はもろく、水流にさらされていない岩は、ポコポコとはずれてしまうのだった。気を付けねば・・・。
端正な滝が多い
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堰堤のようなスダレ状の滝
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スダレ状滝はきれいでいいのだが、滝に凸凹がないためホールドが少ない。巻くにも傾斜の強い草付で、戻って密笹を漕ぐ羽目に。下左の写真のように、できるだけ水流を突破しながら進む。ここは結局は水流の左を登った。これまで目立った支流は入ってこなかったが、ここに来て右から左から支流が入り始める。それとともに水量はどんどんと減っていった。
水流突破をもくろむM田君
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源流域は笹が幅を利かせてくる
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ヤブ漕ぎ途中の雪渓はオアシスのよう
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源流の雰囲気になると、明るくて気持ちよくなるのが普通だが、ここ川場谷は笹の勢いがすごくて、細い流れに左右から笹が追いかぶさってきている。二俣を左に進路を取ると、水は流れているのにすでに藪状態に。そして、しばらくで水は伏流してしまい水枯れとなる。同時に笹薮漕ぎのスタート。1975m右のコルを目指して漕ぐのだが、ラインが真上に向かっているので、どうしてもそっちに導かれてしまう。時々左にトラバースをして進路を修正するが、笹のトラバースには苦しめられた。時々雪渓が残っており、ホッとする場面も。最後は意外とあっさり登山道に出た。
登山道に出た所からの武尊山(奥)
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山頂直下より川場谷を見下ろす
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下山途中より
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登山道に出てからも試練は続く・・・。武尊山山頂まで約30分の登り。暑い上に遡行終了後の登りはこたえる。とくにM田君は初のヤブ漕ぎに体力を全て吸い取られてしまったようでヨレヨレ状態で山頂に到着。武尊山山頂はさすがに百名山!たくさんの人がくつろいでいた。虫もたくさんいた。時期的なものなのか・・・?沢の中から刺す虫がたくさんいて、首やら足やら結構刺されてしまった。
下山も試練は続く。下山といっても前武尊山まではほとんど高度を下げない、アップダウンの多い縦走状態。これでとどめをさされたのか、M田君は完全に抜け殻状態になってしまった。そこで、どっちみち自転車で車を回収する必要があるので、ボクが先に降りて、車の回収に向かうことにした。前武尊から川場野営場まで50分くらいで下山。下り5キロ、登り2キロの車道を自転車で20分そこそこでこなし、川場野営場へ車を回す。別の下山口に降りたのでは・・・と心配になったが、待つこと15分くらいで無事下山。来る時にチェックした小住温泉で2日分の汗を流す。
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