7日ぶりにまともな太陽を見た。槍を素通りして行く人も珍しいのでは・・・
8月5日(水) 天気: くもり時々晴れ | ||||||
西岳ヒュッテ(5:50発)⇒水俣乗越先(6:42〜58)⇒ヒュッテ大槍(8:03〜33)⇒槍岳山荘(9:13〜23)⇒千丈沢乗越(9:54〜10:05)⇒左俣岳付近(11:04〜18)⇒樅沢岳(12:31〜13:00)⇒双六小屋(13:15) | ||||||
今日は一日雨の覚悟でいたが、今のところ降ってはいないようだ。外に出るとビックリ!まだ暗い中、周囲の山々が浮かび上がっていた。期待してなかっただけに、うれしさも倍増だった。今まで天気予報には裏切られてきたが、こういう逆の裏切られ方なら大歓迎だ。いつまでもってくれるかは疑問だが・・・。朝メシを食い終わったら雨が降り出してきた。
時々雨は降ったが、山はずっと見えていた。水俣乗越を越えると日が差してきて、暑くてたまらないのでカッパを脱いだ。短パン・Tシャツ姿はとても開放的だった。ここらから見る槍はとても新鮮。北穂は大キレット越しにそそり立っていた。ハシゴのあるところでは、下りの人を待ったりで、時間を食う。休もう休もうと思いながら歩いていたら、ヒュッテ大槍まで歩いてしまった。
小屋の前のベンチで休憩していたら、ここに連泊しているというおじさんと話しこんでしまった。ここから見る穂高への山並みは最高だ。槍の肩に着く頃には稜線にガスがかかり始め、そのうちまた雨が降り出してきた。ヒュッテ大槍のほうで長く休んでしまったので、ここは早めに出よう。槍を素通りする人も珍しいのではないか・・・。 下り始めてすぐに雨は上がってくれた。ガスも上がると、独特の色で、他の山とは全く様相の違う硫黄尾根が目に飛び込んでくる。西鎌の両側の千丈沢も飛騨沢も顕著なU字谷。千丈沢のほうにはジグザグの道がついており、少なかったが人も歩いていた。 コースタイム1時間半のところ、30分くらいで千丈沢乗越に着いてしまった。とくに急いだわけでもないのに・・・。コースタイムが甘すぎだ。ここと樅沢岳の標高はほぼ同じ。あとはどれだけアップダウンがあるかだ。しばらくしたらまた雨になった。今日は本当に変わりやすい天気だ。ガスに覆われて、どのへんを歩いているのかわからない。鎌の部分が終わってからは、カール状のところ、船窪状、高原状・・・と飽きない道が続いた。テントを張った跡が何ヶ所かあった。 しばらく視界のない道で、どのへんまで歩いたかわからなかったが。急に霧が取れて後ろを見ると、硫黄尾根が見えた。硫黄乗越は通過したようだ。あまりに硫黄尾根が圧巻だったので、思わず写真を撮った。もうすぐ樅沢岳だ・・・と思い始めてからが長かった。ニセ樅沢岳にだまされたりした。樅沢岳周辺は九州の久住あたりの景色に良く似ていた。 樅沢岳に着くが、また展望はなくなってしまった。ここでやっと1本目のフィルが終わった。いかに写真を撮る機会がなかったかだ・・・。少し粘ってみようと思っていたが、急に雨が降ってきたので、急げ急げで双六小屋へと下った。天気が良くなったら空身でまた来よう。 すでにテントはかなりあった。真ん中あたりは団体さんが多く、うるさそうだった。運良く端っこのほうに少し斜めだが、1張り分のスペースが残っていた。テントを張ったあと、水を汲みにいった。ここまではずっと「水を買いにいく」だったが、ここは「汲みにいく」だ。水がタダなのは本当にありがたい。
天気が良くなってきたので、サンダルのまま樅沢岳に行く。頂上からは双六岳、鷲羽岳はよく見えたが、槍や笠にはずっと雲がまとわりついていた。高台には2人いて、ずっとガスの方を眺めていた。あきらめて帰ろうとした時に、「出ましたよ!」と、その2人の声。見ると、ガスの中に槍の穂先だけが浮かんでいた。その上下左右ともガスなのに、穂先の部分だけが見えていて、すごい幻想的な光景だった。額縁に収まった絵のようだった。この2人は、双六小屋の食堂に飾ってある、ここからの写真に感動して、ここからシャッターを切るまでは粘るという。鷲羽とかは見えていたが、1発目のシャッターは槍と決めているようで、他の山には目もくれてなかった。一緒になって粘ったが、槍が出たのはあれっきりだった。 |
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⇒ 双六〜笠ヶ岳〜双六 |
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