29日目 針ノ木峠⇒蓮華岳⇒船窪

   蓮華岳から南は北アルプスのなかでも指折りのマイナーな山域

北アルプス全山縦走 目次  概念図   29日目  ⇒ 船窪〜烏帽子岳
8月20日(木) 天気: くもりのち晴れ
針ノ木峠(6:00発)⇒蓮華岳(7:02〜30)⇒北葛乗越(8:33〜9:00)⇒北葛岳(9:53〜10:30)⇒七倉乗越(10:57〜11:05)⇒七倉岳(11:51〜12:20)⇒船窪テン場(12:52着)

8月も後半になり、日の出がだいぶ遅くなってきた。これまで3時半くらいに起きていたが、明かりのこととか考えると、4時起床くらいにしたほうが良さそうだ。天気は予報に反してくもり空。夜は雨もぱらついていた。でも、爺ヶ岳への稜線はなんとなくわかり、種池の灯りが見えていた。

蓮華岳へと登るにつれて、霧の中へと入っていく。急登が終わるとなだらかな斜面が続く。そして下り始めたのでおかしいなと思い地図を見たら、山頂はさらに先にあるようだった。たまに体が振られるほどの強い風が吹いている。山頂に着くと雨が降り出してきた。安曇野から見える山で、目立つ山の1つだったので、期待していたが残念。粘りたかったが、この天気ではそんな気になれない。

下り始めて少しのところで、白いコマクサが咲いていた。蓮華の大下りは、はじめはザクザクの小石の斜面を下り、尾根がやせてからは浮石だらけの急降下。2回もこけてしまった。ここは標高差があってきついかもしれないが、登りに使ったほうがいいと思った。

北葛乗越には船窪方面からの先客が1人。6時に船窪小屋を出てきたらしい。雨は止み、カッパを脱ぐ。ここは良いテン場になっていた。知っていれば初日ここまで来ておいて、2日目に烏帽子まで行くというのも考えられたかな。北葛岳までは標高差280mの登り。山頂に着いた頃、少しだけ蓮華岳の山頂が見えた。少し粘ろうか・・・。

北葛からの下りでひざが痛くなった。今まで何ともなかったのに、ここにきて・・・。あまりひどくなると、今後の山行の続行にも影響を与えかねない。七倉乗越ではまた雨が降り出す。今日はもう晴れないのか。七倉岳の登りは、北葛岳の登りよりも楽に見えていたが、いざ登ってみるとアップダウンがあり、傾斜もきつかった。

七倉岳に着くと、明日歩く船窪岳から不動岳にかけての稜線が見えた。こっち側は崩壊しまくりだ。今日同様アップダウンがきつそうだ。晴れ間が少しずつ多くなってきて、しぶとかった針ノ木岳山頂の雲も取れた。いったん小屋に行って受付する。テン場は思ったよりも小屋から離れていた。

七倉岳山頂にて

テン場にはもちろん誰もいない。今日は1人しかすれ違わなかった。北アルプスの中でも、有数のマイナーな山域なのだろう。水場に行くがえらい遠い。しかも水が出ているところは崩落しており、ロープにつかまりながら水を汲まなければならない。落ちたら谷底だ。こんなんだと知っていれば、サンダルで来なかったのに・・・。あとで聞いた話だと、水場で転落死した人がいたらしい。

すっかり天気も良くなり、外にマットを敷いてごろ寝。高校野球を聞いたり、おかしをボリボリ食ったり。日が隠れるまでは、暑くてテントには入っていられなかった。明日も好天が期待できそうなのでウキウキしてくる。


⇒ 船窪〜烏帽子岳
1、白沢登山口〜餓鬼岳
2、餓鬼岳〜唐沢岳〜餓鬼岳
3、餓鬼岳〜燕岳〜大天井岳
4、大天井岳〜殺生ヒュッテ
5、殺生ヒュッテ〜槍ヶ岳〜北穂高岳
6、停滞
7、北穂高岳〜奥穂高岳⇔前穂高岳
8、奥穂高岳〜前穂高岳〜上高地
9、上高地〜西穂高岳〜焼岳〜上高地
10、上高地〜徳本峠⇔霞沢岳
11、徳本峠〜大滝山〜蝶ヶ岳
12、蝶ヶ岳〜常念乗越
13、常念乗越〜大天井岳〜西岳
14、西岳〜槍ヶ岳〜双六岳
15、双六〜笠ヶ岳〜双六
16、双六〜黒部平
17、黒部平〜薬師峠
18、薬師峠〜スゴ乗越〜五色ヶ原
19、五色ヶ原〜雷鳥平
20、雷鳥平〜大日岳〜称名平
21、称名平〜上市駅〜立山駅
22、立山駅〜室堂〜剣沢
23、剣沢〜剣岳〜剣沢
24、剣沢〜立山〜タンボ平
25、タンボ平〜黒部ダム〜家
26、家で待機
27、家で待機
28、家〜扇沢〜針ノ木峠
29、針ノ木峠〜蓮華岳〜船窪
30、船窪〜烏帽子岳
31、烏帽子岳〜野口五郎岳〜雲ノ平
32、雲ノ平〜高天原〜三俣
33、三俣〜水晶岳〜赤牛岳〜平
34、平〜黒部ダム〜扇沢
35、扇沢〜針ノ木峠
36、針ノ木峠〜種池〜冷池
37、冷池〜鹿島槍〜五竜岳〜白岳
38、白岳〜唐松岳〜白馬岳
39、白馬岳〜雪倉岳〜朝日岳
40、朝日岳〜黒岩山〜栂海山荘
41、栂海山荘〜白鳥山〜親不知の海岸
42、親不知の海岸〜親不知駅