3日目 餓鬼岳⇒燕岳⇒大天井岳

      晴れて展望は素晴らしかったが、コースタイム9時間超の行程は最後バテバテ 

北アルプス全山縦走 目次  概念図   3日目  ⇒ 4日目 大天井岳〜殺生ヒュッテ
7月25日(土) 天気: 晴れのち霧
餓鬼岳(5:12発)⇒東沢岳(7:52〜8:10)⇒東沢乗越(8:36〜45)⇒燕岳(11:13〜30)⇒燕山荘(11:53〜12:08)⇒大下りの頭(12:53〜13:12)⇒東鎌分岐(14:36)⇒大天井岳(15:08着)

近くに張っていた学生が起きるのが早くて、暗いうちに目を覚ました。うっとおしいなあと思いながらも外に出る。すると空はすごい星空で、安曇野の夜景も見えていた。今日の好天に期待が持てた。
餓鬼岳小屋と山頂 餓鬼岳から南の展望

燕方面へと出発する前に、この晴天の中山頂に行かない手はない。爺ヶ岳より北の山は雲の中だったが、それ以外の山はすべて見ることができた。富士山から南アルプス、中央アルプス、八ヶ岳と全て見えた。

剣ズリの稜線

東沢岳までの間は展望の良い稜線歩き。しかし、花崗岩の変な岩がたくさんあって、とくに剣ズリあたりでは岩場あり、狭いところありで大変。斜めになりながら狭い岩の間を通る時は、ザックがジャマで苦労した。アップダウンも細かくあって、見た目よりも疲れるところだ。高瀬ダムが見えている。バスクリンを入れたようなエメラルドグリーンだった。

東沢岳からは東沢乗越に向けて250m下り、燕に500m登るという、今日最大の難所だ。下りはあっという間。中房方面からの人がけっこういた。登りは苦しいのは苦しいが、心して登ったので気持ち的には楽に登れた。半分から上は開けてきて、お花畑も出てきたりで、楽しみながら歩くことができた。そして、最後のハシゴを登りきった瞬間、眼前に槍・穂高をはじめとする大パノラマが待っていてくれた。

ここからは快適な稜線歩きと思いきや、登山道は稜線から離れ、安曇野側を巻く部分も多かった。心して登ってなかったので、最後の北燕への登りはやたらしんどかった。でも、巻いている間の道には、見事なお花畑が広がっていた。花崗岩が風化した山というイメージの燕に、こんなお花畑があるとは思わなかった。

北燕から燕の間はコマクサだらけ。しっかりとロープが張ってあり、遊歩道を歩いているようだった。コマクサの大群落というのもいいが、個人的にはひとつだけポツンと咲いているほうがけなげで好きだ。燕の山頂に着くと、早くもガスで真っ白けになってしまった。燕山荘に生ビールを飲みに来たという、須坂からの人と長いことしゃべっていた。

燕山荘に着くと、黒山の人だかり。きのうまでの静かな山からは考えられない。さすが週末の表銀座といったところか。南側すっかり真っ白になり、目指す大天井は見ることができない。ここからはアップダウンの少ない、快適な登山道に。しかし、背中を中心とした上半身の疲れがここにきて出てきて、しょっちゅうザックを背中に乗せて休んでいた。

「大下り」で「大天井3.5km 燕山荘3km」の看板があった。半分近くは来たみたいだ。しかし、大天の標高を考えると、まだまだ先は長そうだ。「大下り」は名前ほど下ることはなかったが、稜線への登り返しは苦しかった。東鎌尾根との分岐を越えるとあと少しなのだが、このあと少しが拷問のようだった。あとは気力あるのみ。体力はもうない。下ってくる人は「あと少しですよ」とか言ってくれるが、下りの人の「あと少し」は登る人にとっては、全然「あと少し」ではない。

3時過ぎに大天に到着。疲れはしたが、時間的には思ったよりも早く着くことができた。今日はコースタイムの辛さと甘さに翻弄された。東沢岳まではかなり辛目。あきらめかけた燕の登りからは甘めとなった。槍は真っ白け。穂高は上のほうは雲がかかっている。涸沢は見えていた。雪は谷筋に少し残るのみ。土曜ということで、テン場の混雑を心配していたが、4時半くらいで10張りのみ。

夕飯を食って、5時頃にサンダルで山頂へ。相変わらずガスが立ちこめている。明日も悪ければ、山頂には寄らずに槍方面へ向かおう。今回2度目のブロッケンを見た。それにしても、痔が気になるところだ。

1、白沢登山口〜餓鬼岳
2、餓鬼岳〜唐沢岳〜餓鬼岳
3、餓鬼岳〜燕岳〜大天井岳
4、大天井岳〜殺生ヒュッテ
5、殺生ヒュッテ〜槍ヶ岳〜北穂高岳
6、停滞
7、北穂高岳〜奥穂高岳⇔前穂高岳
8、奥穂高岳〜前穂高岳〜上高地
9、上高地〜西穂高岳〜焼岳〜上高地
10、上高地〜徳本峠⇔霞沢岳
11、徳本峠〜大滝山〜蝶ヶ岳
12、蝶ヶ岳〜常念乗越
13、常念乗越〜大天井岳〜西岳
14、西岳〜槍ヶ岳〜双六岳
15、双六〜笠ヶ岳〜双六
16、双六〜黒部平
17、黒部平〜薬師峠
18、薬師峠〜スゴ乗越〜五色ヶ原
19、五色ヶ原〜雷鳥平
20、雷鳥平〜大日岳〜称名平
21、称名平〜上市駅〜立山駅
22、立山駅〜室堂〜剣沢
23、剣沢〜剣岳〜剣沢
24、剣沢〜立山〜タンボ平
25、タンボ平〜黒部ダム〜家
26、家で待機
27、家で待機
28、家〜扇沢〜針ノ木峠
29、針ノ木峠〜蓮華岳〜船窪
30、船窪〜烏帽子岳
31、烏帽子岳〜野口五郎岳〜雲ノ平
32、雲ノ平〜高天原〜三俣
33、三俣〜水晶岳〜赤牛岳〜平
34、平〜黒部ダム〜扇沢
35、扇沢〜針ノ木峠
36、針ノ木峠〜種池〜冷池
37、冷池〜鹿島槍〜五竜岳〜白岳
38、白岳〜唐松岳〜白馬岳
39、白馬岳〜雪倉岳〜朝日岳
40、朝日岳〜黒岩山〜栂海山荘
41、栂海山荘〜白鳥山〜親不知の海岸
42、親不知の海岸〜親不知駅