あこがれの赤牛岳登頂にふさわしい最高の天気!平ノ小屋までは長かった。
8月24日(月) 天気: 晴れ | ||||||
三俣山荘(5:00発)⇒岩苔乗越(6:10〜20)⇒水晶岳(7:28〜45)⇒温泉沢の頭(8:24〜40)⇒赤牛岳(10:08〜11:05)⇒奥黒部ヒュッテ(14:00〜15:05)⇒平の渡し場(17:10〜25)⇒平ノ小屋(17:35着)⇒テン場(18:50) | ||||||
夕べは気分が悪かった。となりの変な取り合わせの男女の話し声で目を覚ました。朝かなと起きると、まだ夜の9時半頃だった。「北斗七星ってわかる?」「こんなにはっきり見える天の川は初めて!」「星座盤あるよ」・・・等々。この静寂の中、1km先まで届きそうなデカイ声でだ。ちょっと目が覚めたくらいなら、すぐにまた寝れるが、延々と話されたもんで、しばらく寝れなくなってしまった。 今日も天気は快晴!今日はいよいよ読売新道。行程が長いので、早めの出発だ。いったん黒部川に下り、岩苔乗越を目指す。調子はボチボチ。水晶岳まではせっせと歩いた。稜線に出ると西風が強い。水晶岳に着くと、今日の目的地である黒部湖が見えたが、まだずっと遠いところにある。
水晶岳北峰から先はあまり人が入らないのだろう、踏み跡がとたんに薄くなった。ペンキ印はあるものの、浮石が多かったり、間違った踏み跡があったり。一度間違った踏み跡に入ってしまい、ルートをはずしてしまった。温泉沢の頭は高天原への道の分岐となっているが、ちゃんと指導票があった。 この縦走中で一番気になる山が赤牛岳だった。前半の槍を越えてからは、常に赤牛岳を気にしていた。これといって目立った山容をしているわけでもなし、ただの尾根上のピークという感じだ。しかし、何故か気になる存在だった。初めて意識してみたのは、黒部ダムから新雪をまとった姿を見た時。この姿は印象が強かった。
赤牛岳への最後の登りを登っている時は、感慨深いものを感じていた。山頂に着き、ケルンにザックを置き、ひととおり写真撮影。そして、きのうの夜に三俣山荘で買っておいたビールを開けた。行動中にビールを飲んだのは、ここが初めてだった。赤牛岳の山頂は期待に違わぬ素晴らしい展望だった。見えてないのは針ノ木岳以北だけ。ということは、これまで歩いてきた山々を全て見渡すことができるということ。しばらく感慨にふけっていた。薬師峠から五色ヶ原までよく頑張って歩いたなあとか、蓮華岳から烏帽子岳までは、稜線歩きではなく山越えだ・・・とか、ここまでの山行を振りかえっていた。 さあ、そろそろ出ようかなと思っていたら、すごそうな人が4人登ってきた。山ケイの取材のようで、今日は奥黒部ヒュッテから野口五郎小屋まで行くと言う。小屋泊まりとはいってもすごい行程だ。山頂にはボク一人だったので、取材は一人占め。5枚くらい写真を撮られて、連絡先も聞かれた。来年の特集になるということで、楽しみだった。(1年後の山ケイJOYでカロリー消費の特集にはなったが、残念ながらボクは没になっていた。) あとは奥黒部ヒュッテまで下るのみ。しかし、一筋縄ではいかない。なかなか高度を下げてくれない。標高差の割に距離が長い。森林限界上はそれでも気分はよかったが、樹林帯に入ってからが大変だった。苔のビッシリついた岩が多く、重荷の下りには酷だった。一枚岩の鎖場では、ザックがジャマだったので、先にザックを投げてから空身で降りたりした。最後でやっと急下りになり、奥黒部ヒュッテに降りついた。 奥黒部ヒュッテの外でおじさんと女の人が話をしていた。最終の渡し舟は17:20。まだ余裕で間に合うが、どうしようか迷っていた。おじさんはここの小屋番、女の人は水晶小屋から下ってきた人だった。女の人は平ノ小屋まで行くというので、ボクも付き合って行くことにした。 あとは黒部湖沿いの平坦な道だから楽勝と思ってたのは大間違い。沢のたびに長いハシゴによる高巻きの連続。読売新道を下っていたあとのこのハシゴの連続はさすがにこたえた。でも、ずっとしゃべりながら歩いていたので、しんどさは紛らすことができた。ヒュッテに着いてすぐに歩き出せば時間は楽勝だったが、ヒュッテで1時間くらいしゃべっていたので、しっかり歩かなければ時間に間に合わない。もし間に合わなかったら、針ノ木谷の避難小屋泊まりかな・・・。 10分前に渡し場に着いた。船は17時に対岸を出てくるはずなのに、出ている気配がない。しばらくしてから船の音が。こっちに客がいるのか確認してから船を出したのだろう。船は貸し切り。とっても気分がよく、もっと長いこと乗っていたかったが、あっという間に着いてしまった。
小屋に着き、小屋の前でビールを飲みながらしばらく話をしていた。薄暗くなってきたので彼女は平ノ小屋へ、ボクはしばらく五色ヶ原方面に進んだところから河原に下りてテントを張った。 |
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⇒ 平ノ小屋〜黒部ダム〜扇沢 |
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