赤沢岳手前での雷にはビックラこいた。ずっと雨の1日だった。
8月27日(木) 天気: くもり時々雨 |
針ノ木峠(5:30発)⇒針ノ木岳(6:25〜6:35)⇒スバリ岳(7:19〜30)⇒赤沢岳(9:02〜15)⇒鳴沢岳(10:10〜25)⇒新越山荘(11:03〜20)⇒種池山荘(12:43〜13:00)⇒爺ヶ岳(13:52〜14:02)⇒冷池(14:35) |
起きたらガスで真っ白かと思っていたが、意外にも山が見えていた。しかし、湿っぽい雲がかかっており、なまぬるい南風が吹いている。きのうの夕方よりも暖かい感じだ。4時頃雨から降り出したが、すぐに止んでくれた。小屋に泊まっている人は動き出すのが早い。入れ替わり立ち替わり便所にやって来て、そのたびに「バターン!」と便所の扉の音が響き渡った。 歩き出して数秒で雨が降り出す。いきなり出鼻をくじかれた。どうせ今日はずっと雨だろうと思い、またザックを降ろしてカッパを着た。針ノ木岳は下界から見ると尖がっているが、歩いているとそうは感じない。山頂には10人くらいの団体さんがいた。 山頂を出たら、いきなり雷。まだ遠いが、この先ずっと岩稜なので不安だ。団体さんの他に単独のおじさんがいて、この先怖いから団体さんと行動を共にすると言っていた。その人はきのう蓮華岳で子連れの熊を見たらしい。種池あたりでも熊が出ているようだ。 スバリ岳では雷を警戒して、少し下ったところで休んだ。スバリを降りるにつれて、だんだんと雷が激しくなってきた。赤沢岳本体の手前に小ピークがあって、まずそこを通過するのが恐い。ボクも団体さんに吸収されてしまった。一人でも大人数でも雷に遭う確率は同じなのだが・・・。団体心理というやつか。その小ピークに差しかかったところで、「ドカ〜ン!」と一発来た。心臓が飛び出るかと思った。慌てて小ピークを駆け下りた。 赤沢岳に着くと、今日これまで歩いてきた縦走路、そしてこれから歩く白馬岳までの稜線が見渡せた。立山・剣も見えていたが、上空は水っぽい雲で一杯だった。単独の人はしきりに熊を恐がっていた。ボクにしたら雷の方が恐いのだが・・・。熊なら戦えるし、逃げることも出きるが、雷はなすがままだ。 新越山荘で団体さんは昼メシにするらしい。ボクは取りたてて昼メシなんてないし、大休止にまでは付き合っていられないので、ここからは一人で歩くことに。小屋には「熊が山道に出没中」という貼り紙。単独の人に「こういう霧の日によく出るみたいですよ」と言われた。これから一人で歩くのに、そんなこと言わないでよ・・・。念のため小屋で確認すると、熊の出没地点は種池の直前らしい。ということは、昨年出て新聞に載ったところと同じだ。場所が特定できて気が楽になった。 見通しの悪いカーブでは、ストックをカチャカチャと鳴らしながら歩いた。そろそろ出没ポイントかなと思ったところに、「くまに襲われた人がいます。要注意。」の看板。ここか・・・と思いながら通過。通過後2人組とすれ違い、一安心。最後の種池山荘への登りがしんどかった。 種池山荘から先は本来なら人がたくさんいるはずだが、台風が近づいており、こんな天気なので今日は少ない。爺ヶ岳の登りでも、種池からのピストンの人と、馬鹿デカイザックを背負った高校生風の単独とすれ違っただけだった。だんだんと背中から疲れが出てきた。濡れて冷たい中、8時間近くも行動していたら疲れも出るだろう。冷乗越から小屋までの最後の登りはヘトヘトだった。 小屋でテントの受付。「こんな日にテントですか?」と聞かれ、「ええ、金がないんで・・・」。水をもらいに行くと、ちがうおねえさんに「雨の中テントですか?」・・・と。「ええ、金がないんで・・・」雨の中大変だからと、1リットルのところ2リットルくれた。 テン場は吹きさらしもいいとこ。雨は相変わらず降っている。雨の中のテント張りは慣れっこになっているが、やっぱりつらい。テントの中でザックカバーとカッパをたたむ。非常に不快だ。雨は激しさを増してきた。 山の天気をやっていた。北アルプスは「霧深く時々雨か雷雨」ということだ。台風に刺激された前線の影響で、栃木と福島が大雨となっているようだ。那須町では1時間に100ミリを超える雨が降ったそうだ。また、台風は来週の始めにかけて接近と言っていた。きのうまでは週末と言っていたのに・・・。ということは、台風が通り過ぎるまではずっと天気が悪いということだ。シャレにならん。 |
⇒ 冷池〜鹿島槍〜五竜岳〜白岳 |