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赤谷川源頭から万太郎山 山スキーツアー


赤谷川源頭部のロケーションは素晴らしいですな!



オジカ沢の頭へ

 エリア  谷川 万太郎山
  山行日  2010年3月20日(土)
  天気  晴れ
  ジャンル  山スキー(テレマークスキー)
  メンバー  M本さん、K田、I川、Tぴー、Kリー、Fちー、
 T世
  温泉  遅くまでやってる温泉ないかいね・・・

夏も冬も気になっていた赤谷川源頭部。聞くところによると天国らしい。まずは2008年の夏に下から攻め上がるも、雪渓に阻まれて敗退。2008年のシッケイ沢で次は赤谷川源頭〜万太郎山だと決意するも、2009年は雪少なくて行く気になれず。そして、2010年の今年、まずは冬に上から行ってこれました。夏は下からリベンジかな・・・?

天神平(7:40)⇒熊穴沢避難小屋(8:45〜55)⇒肩の小屋(10:00〜35)⇒オジカ沢の頭(11:35〜12:20)⇒登り返し点(12:55〜13:20)⇒万太郎山(14:45〜15:35)⇒毛渡沢(16:20)⇒群大ヒュッテ(17:20〜45)⇒土樽駅(19:00)

春分の日がらみの連休は谷川と相場が決まっている(我が家では)。今シーズンは天神平から肩の小屋〜オジカ沢の頭〜赤谷川源頭〜万太郎山〜毛渡沢〜土樽という、スキーを使ってこそできるロングコース。尾根あり、谷あり、斜面ありでツアー性は抜群!帰りが電車というのも味がある(プレッシャーもあるけど)。この長丁場を合計8名でチャレンジすることになりました。

天神平から白毛門、朝日岳 谷川岳

世間では3連休。ボクも3連休ではあるけど、中日に地区のドブさらいと総会が。役員なのでサボれない。泊まり込みで谷川を攻めたかったけど、強行日帰りでやるしかない。珍しく前夜発し、ロープウェイの駅で仮眠。朝、Dr.Kとそのお友達と合流。始発のロープウェイに合わせて出発。天神平に上がるとドーン!と谷川岳。西黒沢本谷はきれいに雪がつながっているので、雪はそこそこあるものと勘違いしてしまった。

俎ーとオジカ沢の頭 天神尾根

天気は少々しら〜っとはしているけど上々!おとといの新雪で山は白さを取り戻している。新雪がシュワ〜と圧縮され、シールの食い付きは抜群!逆に滑りで苦労する図はたやすく想像できた。ま、このルートはロケーションが第一。晴れてなければ来る価値なし。滑りは二の次ってことで・・・。

山頂直下のゲレンデみたいなとこ 肩の小屋より 俎ー(左)とオジカ沢の頭(右)

先が長いのでトマの耳はパス。後が登ってくる間に、早く到着した男子は山頂往復。肩の小屋直下でシールをはずす。コルまではあっという間だし、稜線なので滑るって感じではないが、せっかくスキーなので・・・。ナイフリッジのトラバースや段差があり、障害物競争みたいで面白い滑りだった。アイゼンで登ってきた人は、そのまま下る。

天神平から白毛門、朝日岳 肩の小屋からひ滑り

コルからオジカ沢の頭までは、ちょっとした雪稜になるのでアイゼン着ける。オジカ沢の頭は横から見ると目立たないが、稜線越しに見るとなかなかピラミダルでカッコイイ。標高差は100mちょいだけど、なかなか着かない。肩の小屋からオジカ沢の頭までちょうど1時間。時間的には思ったより早いか・・・。

オジカ沢の頭に続く稜線 同左
同上 同左

オジカ沢の頭に立つと、念願の赤谷川源頭が見下ろせる。真っ白だ。中流部にデカイ滝場があって、上流がこの癒し渓。米子沢の源頭もまあこんな感じだけど、けっこう針葉樹がうるさい。こっちは木が一本も生えてないのがスゴイ。この標高で。先客の姿は見えないが、シュプールは何本か残っている。最低でも2チームはいるはずだ。

オジカ沢の頭より 万太郎山(右) オジカ沢の頭より 避難小屋と俎ー

いよいよ1回目のお楽しみ。赤谷川源頭の滑り。山頂から直で滑り込むと、ややこしい地形になっているので、俎ー方向に少し寄ってから谷に滑り込む。テレマークと高Pに前転注意報が発令されている。警戒しながら滑り始めるが、意外とちゃんとターンできるぞ!調子に乗ったとたんに急ブレーキ!ドテッ!続くこーちゃんも同じ所でドテッ!高ピーも。やっぱり手強そうだ。Dr.Kもいつもの掛け声と比べたら濁り気味。

赤谷川源頭部 同左

前転の気配は濃く漂うが、雪は柔らかく障害物はないので、転ぶのが怖くない。どうせきれいに滑れないのなら、この不安定さを楽しむしかない。ほんの二滑りで斜度がなくなり、ここから延々トラバース気味に降りていく。遠くに見えていた万太郎山。根元まで滑れるのですぐだろうと思っていたけど、重雪で板が走らない。ストックで漕ぎまくり。無風快晴で汗ダーダー。爽快に流せると思っていた赤谷川源頭部は、汗ダラダラの過酷な区間となりました。


万太郎山に向かってトラバース

過酷とはいえ、ロケーションを楽しむことだけは忘れません。このあたり、北アルプスの黒部源流域の雰囲気に似ている。立体的というか、白一色なのに曲線美が素晴らしい。こりゃあもう、今年の夏の天国に来るしかないなと強く思ったのであります。夏と冬の比較写真を載っけたりして。夏にこの赤谷川源流に来るためには、蛭注意報発令中の林道を3時間近く歩き、巨岩帯を越え、裏越ノセンを巻き、ドウドウセンの連瀑帯を越えてやっとこさ辿りつけるのです。苦労が大きいだけに、天国が天国に感じられるのでしょうな。

板走らず・・・ 万太郎山への登り返し

谷が左に屈曲するところで、万太郎山に向かって登り返し。本日最後の登りであると当時に、本日の核心であります。ここにきてからの500mの登り返しだからなあ・・・。いきなり尾根に取り付くのかと思っていたら、トレースは尾根と尾根の間の浅い沢に付いていた。これがまた快適な登りで、これならあっという間に万太郎山に着くぞ!

同右上 同左
西から見ると様子が違うオジカ沢の頭と俎ー トマの耳から一ノ倉岳にかけて

・・・は間違いで、沢形が消え、笹の生い茂る尾根登りとなる。例年だったら笹は埋まってるのかなあ・・・?笹登りで無駄な体力を使い、万太郎山直下では息切れ気味。少し登っては立ち止まり・・・の連続で、やっと万太郎山に登り上げた。稜線上は風が強いので、一段下で休憩。この登りで8人の差が開き、50分がここで経過。17時過ぎの電車は赤信号が灯り、18時の電車にも黄信号が灯った。最終の19:30は大丈夫だろうなあ・・・。まあ、焦ってもしょーがない。

万太郎山より  赤谷川源頭 西の仙ノ倉山は逆光

2年前に仙ノ倉山から見る万太郎山の西斜面は、まるで巨大なジャンプ台のように見えた。少し休んだ後、滑る斜面を偵察に行く。あれれれれ・・・モジャモジャ。唖然。騙されてる?一瞬斜面を間違えたかと思ったけど、中間にはちゃんと台地があるし、向いには仙ノ倉山とシッケイ沢が見える。騙されてない。現実だ。やれやれ・・・。仕方あるまい。万太郎山初登頂し、滑る準備を始める。

トマの耳から一ノ倉岳 万太郎山直下は雪付き悪し・・・

モジャモジャの斜面、乏しい雪のラインを拾いながら徐々に高度を下げる。でもこれ、おとといの雪が無かったら、もっと悲惨だったんだろうなと思うと、多少は救われた気持ちになる。ジャングルを抜け、やっと白一色の斜面に出た。気持ちよく台地までカッ飛ばしたいところだが、ここも雪はよろしくないんですわ・・・。今日は側転もした。暴走族高Pはいつも通り、Kリーはヨレヨレ、いつもは猪突猛進のFちーは今日は柔らかく滑っていた。


仙ノ倉山から見る万太郎山(2008年同時期) 青線が滑ったライン(推定)

おととしのシッケイ沢で決意したことに、”あの台地(1452m)で休憩したい!”。チョコンと飛び出した位置にあるので、谷川の主稜線が大パノラマ&大迫力間違いなし。台地での休憩とう念願は叶ったが、確かに大パノラマではあったけど、時間が遅いので南と西が陰ってしまっていて残念だった。

1452m点のある台地に向かって滑る 台地で7人横並び

台地から毛渡沢に下る斜面が、程よい斜度と樹間のブナ林。純白斜面もいいけど、ブナ林は癒し系だ。ただ、今日は雪が悪いので、ブナにぶつからないように注意しながらの滑り。今日は良い雪はほとんどなし。常に変な力が入ってしまっていたので、最後は太ももがダルダルになってしまった。毛渡沢に降り立つ。雪少ねぇ〜。今年のこの時期の谷川は、まだデブリが出てなくて雪面はきれいだが、積雪量はだいぶ少ないように感じられた。

台地から毛度沢に降りる斜面はブナ林 群大ヒュッテ付近の仙ノ倉谷  雪少ねぇ〜

あとは毛渡沢を下るだけだが、問題は雪がつながっているか。すぐに第一の難関が・・・。右岸を下っていると、トレースは左岸に渡っていたが、その先で渡渉している模様。右岸の先を見ると、辛うじて雪はつながっていた。トレースのない岸の斜面はグサグサで、ストックを差すと手元まで埋まるほど。ゆっくりと地固めしながらジリジリ進み、なんとか突破することができた。数名は渡渉したが、どっちもどっちだったかな・・・。この先何度渡渉があるか心配だったが、最後の群大ヒュッテ前の渡渉までは、なんとかかんとか雪がつながっていてくれた。気温も下がり、トレースの上は板が走ってくれたのも助かった。そして、林道はまだ全く除雪されてなかったのも幸運。最後の車道歩きはヨレヨレだったが、なんとか最終の30分前に土樽に辿り着く。やれやれ・・・終わった。

範囲が広いのでルート図は主要部のみ(クリックで拡大)



最後の仕事は車の回収。土合駅からロープウェイ駅まで歩き。荷物がないぶん楽だった。あとは風呂!でも、どうだか・・・。湯テルメは20時まで。水上の公衆浴場はすでに閉店。最後の頼みの風和の湯も真っ暗・・・。ガソリン入れたついでに聞いてみるが、やぱりダメだった。諦めて”たむら”で腹満タンにして、帰ることにした。眠かった。長い一日だった。




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