2013年お盆山行 北ノ俣岳集中沢登り


その3 薬師沢左俣


薬師沢左俣は前半ゴーロ、中盤滝場、後半は天国渓の癒し渓


薬師沢左俣の源頭


 山域  北アルプス 北ノ俣岳  
 真川シンノ谷遡行、五郎沢下降、赤木沢遡行、薬師沢左俣遡行
 山行日時  2013年8月10日(土)〜13日(火)
 登山形態  沢登り
 天気  8/10 晴れ時々くもり 8/11 くもりのち晴れ 8/12 晴れ 8/13 晴れのちくもり
 メンバー  T世
 温泉・メシ  温泉:アルプス街道平湯(600円) 夕食:丸亀製麺豊科
 コースタイム   ◇8/10 折立〜シンノ谷テン場
折立(8:00)⇒ハゲ谷出合(9:10〜25)⇒ヤクシ谷出合(10:05)⇒シンノ谷出合(10:50〜11:05)⇒約1800mテン場(12:35)
◇8/11 テン場〜北ノ俣岳〜黒部五郎岳〜五郎沢
約1800mテン場(6:00)⇒伏流(7:40〜55)⇒雪渓下(10:00〜10)⇒登山道(10:30〜11:00)⇒北ノ俣岳(11:20)⇒中俣乗越(12:25〜40)⇒黒部五郎岳肩(14:20〜35)⇒カール底(15:10〜20)⇒約2300m(16:45)
◇8/12 五郎沢〜赤木沢〜薬師峠
約2300mテン場(6:00)⇒黒部川(6:45〜7:00)⇒赤木沢出合(7:50〜8:05)⇒大滝上(10:00〜15)⇒水枯れ(11:10〜40)⇒稜線登山道(12:15〜25)⇒北ノ俣岳(12:50)⇒薬師峠(14:00)
◆8/13 薬師峠〜薬師沢左俣〜薬師峠〜折立
薬師峠(5:40)⇒薬師沢左俣出合(6:40〜55)⇒ゴルジュ滝(8:00)⇒二俣(9:00)⇒水枯れ(10:10〜30)⇒稜線登山道(11:00)⇒北ノ俣岳(11:15)⇒薬師峠テント撤収(12:30〜13:00)⇒太郎平小屋ビール休憩(13:15〜30)⇒折立(15:25)


2013年お盆山行 北ノ俣岳集中沢登り

今年のお盆は晴れマークがズラリと並びました。北陸の梅雨明けは遅くて「梅雨明け10日」と盆がうまい具合いに重なったってとこでしょう。山に入った4日間、たまに雲が出たりはしたけど、大事なところはしっかり晴れてくれて満足の4日間となりました。

ここんところの山人気でお盆はダダ混み間違いなし。北アルプスの縦走はしたいけど、ウンザリして終わりそう…。そこで、稜線歩きも絡めつつ沢をつなぐ4日間の行程を考えることに。候補はいくつかあった中で、今回は折立から真川シンノ谷を登って北ノ俣岳に立ち、黒部五郎岳まで縦走して五郎沢を下降。赤木沢で癒されて、仕上げは薬師沢左俣…という献立で臨むことに。登る沢は3本とも北ノ俣岳に至ることになり、まさに北ノ俣岳集中沢登り。しっかり3度北ノ俣岳を踏んできました。
     ルート図(クリックで拡大します)

今日は2012年のお盆山行の最終日。薬師沢左俣を遡行し、薬師峠に戻ってテントを回収してから折立に下山します。昨日の赤木沢で沢的には満腹になっています。薬師沢左俣が消化試合的にならなければいいけどなあ〜。まあ、北ノ俣岳から見下ろす限りは、あの源頭部は期待を裏切らないでしょう。

◆8月13日(火) 薬師峠〜薬師沢左俣〜薬師峠〜折立  晴れ

夕べの薬師峠のキャンプ場は乗車率200%の混みよう。今日もテン場争奪戦が繰り広げられるんでしょうね。とにかくみなさん朝が早いです。学生は昔から早かったけど、最近はみんな早いです。暗いうちから歩き始めてますもんね〜。快適なテン場確保は重要ですからね。

 
みなさん朝が早いです 登山道で薬師沢左俣出合に向かいます

今朝までは薬師峠から直で沢を下るつもりでしたが、朝一から沢を下降する気分でもないので登山道を使います。沢を下ると距離は半分以下ですので。小屋を出発する人など朝のラッシュにつかまりはしたものの、まあ予定通りの薬師沢左俣入渓です。橋から少し上流に人がいたので、てっきり沢かと思いきやヤミ天でした。

 
薬師沢左俣にかかる橋より 前半はゴーロや巨岩帯

ちょうど太陽があるあたりに、薄いけど大きな雲が居座っています。あとは青空なんですけどね〜。薬師沢左俣は赤木沢と違って前半は滝はありません。水も岩もキレイなんですが、巨岩のゴーロが長く続きます。それでもキレイだから気分はいいです。30分ほど歩いた右岸に絶好のテン場がありました。次回もあるかは不明ですが、一応チェック!

 
中盤から滝場の始まり 薬師沢左俣は総じて立派な滝が多い

1時間近く歩くと滝場の始まりです。10mクラスの滝がいくつも出てきます。赤木沢の滝が芸術的なのに対して、薬師沢左俣の滝はどれも迫力のある滝です。登れない滝も多いけど、やっぱり入渓者は多いんでしょう、高巻きには顕著な踏み跡がありました。下降する人も多いみたいですからね。

 
薬師沢左俣のミニゴルジュ ミニゴルジュを通り過ぎてから

赤木沢は西に向かって歩くのに対し、この薬師沢左俣は南に向かって歩きます。なので、太陽は真横から当たることになり、谷の半分はどうしても暗い感じです。写真写りもイマイチで残念…。さっきから赤木沢と比べてしまってますが、赤木沢と比較すること自体ナンセンスなのはわかっています。ただ、昨日遡行しているし、お隣さんだもんでね…。

 
このミニゴルジュは簡単に巻けます 滝はどれも簡単に登れるか巻けます
 
沢の向きのため太陽が差さないのが残念 迫力のある滝が多いです
 
簡単だけど高さがあるので・・・ だんだんと傾斜が落ちてきて・・・

薬師沢の滝場はこの500mくらいの区間に集中しています。あとはありません。滝場の後半に来ると、先が穏やかになるのが想像できました。しばらくで二俣です。右俣は北ノ俣岳の北に詰め上げ、下山が短縮できそうです。ただ、流程が短い分傾斜も急になっているようですね。

 
背後には薬師岳も まだ出てきますね〜
 
日が差し始めてきた! 途端にあかるくなります
 
傾斜はほぼ平らになりました これが最後の滝かな

いくら近いと言っても、右俣に行く気は全くございません…。あの源頭部を歩かずして薬師沢左俣に行ったとは言えないでしょう。左というか直進します。沢の傾斜がさらに緩み、両側の山もほとんど平らになってきました。沢はほとんど平らになり、この先下ってるんじゃないかと錯覚するほどです。


いよいよ薬師沢左俣源頭の始まり始まり〜


後ろに薬師岳を感じながら


両側はお花畑です


ここでもコバイケイソウが目立ってます

正面には赤木沢を取り囲む山々、後ろには薬師岳、両サイドはお花畑。こんな景色は初めてです。大感動です!正面の山々とは高さ的には大きな差がなく、それなのに距離があるというのがミソなんでしょうか。これが平地ではなく2500mくらいある場所というのがスゴイです。文章で表現するには頭が足りないのでやめて、写真を並べておきます。


ほとんど傾斜のない小川


北海道の平地チックな広さです

この小川が一直線でなく、蛇行しながら大きく右カーブしているのもミソかも。歩くたびに景色が変わっていきます。そのたんびに写真を撮ることになります。周囲の山々も川も河原も両岸のお花畑も空の青も完璧です。機嫌の悪い人を連れて来たら、一瞬で機嫌がよくなりそうです。


花真っ盛り!


この平坦な流れが延々と続くのです


2500mの高地にこんなところがあるとは・・・

源頭になってからの距離の長さが尋常ではありませんね。長い時間楽しませてくれます。ただ、これがガスガスで視界がなかったら、ただ長いだけで苦痛に感じるでしょうね。ここは絶対に晴れる日以外に来てはいけませんね。


深く浸食はされないんでしょうか・・・?


小川は大きく右カーブし、赤木岳の方向に向きを変えます

気が遠くなるほど遠かった正面の山々ですが、これだけ歩くと近くなってきました。近くなってくると奥行のある景色ではなくなり、普通にある素晴らしい景色へと変わります。終わったな〜という感じです。あとはツメ。実物と地形図を照らし合わせて、狙った地点へのルートを確認します。


この傾斜がキロ単位で続くってのは奇跡としか思えません


薬師沢左俣はこの源頭に価値がありそう


詰めのルートもよく確認できます


真ん中の雪渓の左を狙います


だいぶ歩いたので後ろの景色が広くなってきました


最初の二俣は左にとります

最初の二俣を右に進み、次は左に進みます。あとは適当でも大きくは違わないだろうから、本流筋を進んでいきます。稜線まであと標高100mを切った最後の二俣まで、しっかりと水が流れていました。ここで水汲みして沢装備を解きます。ついでなので沢靴とか靴下なんかも洗っておきました。家に帰ってからが楽になります。


流れが細くなってきました


次の二俣で水汲み  進路は右へ


水が枯れて・・・


お花畑の中を登っていきます


溝状を詰めていくと狙っていた雪渓に


蛇行する薬師沢左俣

お花畑の中の天国のツメです。予定通りに2622mの北のコルへと詰め上げました。昨日の赤木沢のツメはこの2622mの南側のコルです。距離はわずかに400mほど。面白いですね〜。昨日歩いた道をまた歩いて薬師峠に向かいます。今日はテン場争奪戦には参戦しませんが、テントを撤収しなければなりません。小屋から遠いのがいやですね〜。


北ノ俣岳の下りより  ハクサンイチゲとアオノツガザクラが真っ盛り!


黒部五郎岳方面

テン場争奪戦には参戦しないので、今日はゆっくりめに歩きます。北ノ俣岳の先のハクサンイチゲの大群落は圧巻です。アオノツガザクラやチングルマもすごかったです。やっぱりバックの薬師岳が絵になりますね。薬師峠のキャンプ場はまだ空きスペースがあります。昨日よりも1時間半早い12時半。これくらいの時間に着かないと、まともなスペースは残ってないのかもね〜。


ハクサンイチゲの大群落です


太郎平小屋が見えてきました

ビールを飲みながらテントを畳むつもりだったのに、売店は13時からとのこと。一度ビールを飲む気になってしまったのでガマンできません。とっとと畳んで太郎平小屋で飲むことに。沢を詰めたところから水分を摂ってなかったので、ビールが旨かったです!今日は昨日に比べると雲が多いみたい。薬師峠も今日は涼しいだろうなあ…。

 
12時半の薬師峠にはまだ快適スペースあり! 太郎平からの下りは距離が長い〜

14時半に太郎平をスタート。まあまあ予定通りです。曇ってて涼しいのもありがたいですね〜。でも、三角点あたりまでなかなか標高を下げてくれないこの道は好きではないなあ…。登りは景色が良ければいいけど、下りはねぇ〜。下山はガンガンと下ってくれる方が好きです。

折立からの帰り道。ドライブとしては楽しい道だけど(ウチのパワー不足の車には坂が急過ぎるけど)、温泉まで遠いのと、コンビニがないのが辛いところ。温泉は平湯になってしまうし、コンビニにいたっては松本(細かく言えば波田)までないという…。T世さんガマンできずに、飛騨の道の駅で飛騨牛の串焼き食べてました。温泉はバスターミナルの3階に行ってみましたが、パッとしません…。ひらゆの森でもいいけど、ちょっとマンモス温泉だからなあ…。この界隈にはしこたま温泉があるはずなので、いいとこ開拓しなければ!




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