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鹿島槍ヶ岳 北股本谷

先週の鹿島槍東尾根日帰りに続き、今週も日帰りで西沢〜冷池経由で北俣本谷をスキーで滑ってきました
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 山域  北アルプス 鹿島槍ヶ岳(2889m)
 山行日時  2004年4月18日(日)
 天気  快晴
 登山形態  山スキー
 メンバー  N田、A野
 行程  大谷原⇒西沢⇒冷乗越⇒鹿島槍ヶ岳⇒北股本谷滑降⇒大谷原
 温泉  大町温泉郷 薬師の湯(500円)  大町市の日帰り温泉施設 




安曇野から堂々とした姿で聳え立つ鹿島槍ヶ岳。その鹿島槍ヶ岳の南峰と北峰の間から切れ落ちる谷が北股本谷。正面から見ると崖にしか見えないが、実際はスキー滑降可能な斜面がある。今回は日帰りで北股本谷に挑んできた。


大谷原(5:05)⇒西沢出合(5:55〜6:05)⇒西沢中間あたり(7:00〜15)⇒赤岩尾根(8:30〜50)⇒冷池テン場(9:45〜10:10)⇒鹿島槍ヶ岳南峰(11:50〜12:10)⇒滑降地点(12:25〜50)⇒西沢出合付近(13:45〜55)⇒大谷原(14:25)

朝4時に穂高町の自宅に集合し大谷原へ向かう。昨日は風が強く、山も霞んでいたが、今日はすっきりと晴れていそうだ。先週は大谷原の駐車場はほぼ満車だったが、今週はどういうわけかガラガラ。3,4台止まっているだけだった。周辺の雪は1週間でだいぶ融けてしまったようで、先週雪で埋まっていた小冷沢方面への林道は地面が露出していた。

ザックに板をつけて歩き始める。林道も1週間でだいぶ雪融けが進んでいるようだ。下山のためにも、少しでも雪がつながっていてくれたらありがたいのだが・・・。30分足らずで完全に雪がつながったが、西沢出合までは背負って歩くことに。出合から西沢に入る。澄んだ青空と爺ヶ岳北峰の景観が素晴らしかった。前半の緩斜面はグングンと稜線が近づいたが、傾斜が増した後半はスピードが落ちるため、なかなか稜線が近づかない。とくに沢が右にカーブし、目指す赤岩尾根のが見えてからは、精神的にも肉体的にもつらかった。強い日差し&無風の中、吹き出す汗をぬぐうのが忙しいくらいだった。

明るく広がる西沢
赤岩尾根上から見た北股本谷
冷池のテン場からの立山・剣

赤岩尾根に上がってからは、再びザックに板をつけて登ることに。主稜線までは少しの登りなのだが、雪が腐ってズボズボではかどらない。やっとという感じで主稜線へ。主稜線に出てからは、やや風があるため雪は割としまっており、ズボズボ地獄からは開放。

冷池山荘は工事中で、休憩するような雰囲気ではない。少し登ったところにあるキャンプ指定地で休憩。ここからはゴールデンウィークに行く予定の、立山・剣がよく見渡せる。立山東面の雪たっぷりの広い谷を見ると、滑降意欲をそそられた。ここから鹿島槍南峰まで1ピッチで歩いたが、最後のほうはヨレヨレ状態であった。

鹿島槍南峰からの五竜岳
鹿島槍南峰からの立山・剣
鹿島槍南峰からの爺ヶ岳方面

南峰で缶ビールを分け合って飲み、しばらく頂上からの景色を楽しみ、滑降に備えて体を休める。あとは南峰を下れば滑降予定地点だ。ここまでノーアイゼン&ピッケルで登って来たが、南峰からの下りはアイゼンを履き、ピッケルを出す。今日は山頂付近もかなり気温が高いようで、岩に付いた雪は腐り気味で不安定。ピッケルを刺しても効かない状態だった。

滑降地点から谷を覗き込む
南峰の基部に当たる、急な岩場を下った小さな鞍部から滑り出すことに。ここは雪庇も張り出してないし、広くなっていて具合が良い。緊急時のテン場にも良いかもしれない。下を覗き込むと、北股本谷の下のほうまで見えていた。赤岩尾根あたりから見ると、どう見ても崖にしか見えなかった斜面だが、いざ立ってみるとそうたいしたことはない。それでも40〜45度程度か・・・?


無線のスイッチをONにし、滑降開始。切込み隊長はA野君。気温が高いため雪はゆるゆるだが、気持ち良さそうに滑って行った。続いてボクの番。雪面はフラットで快適だったが、やはり雪が緩すぎて重い。板がもぐり気味だ。一度転倒してしまった。でも、雪が緩いので滑落していってしまうことはない。続いてN田君が滑ってくる。こちらも気持ち良さそうだ。必死なのはボクだけ・・・。

初公開! ボクの滑降シーン  へっぴり腰になっているはずが、写真だとうまくごまかせてるなあ・・・ Photo by Nishida


もうひと滑りしたあたりからデブリ地帯となる。登りで体力を使い果たしてしまったのか、デブリを吸収するだけの脚力が残っていなかった。一気にヨレヨレ状態になる。足は限界に近いが、先は永遠と思えるほど長い。少し滑っては息を整え・・・の繰り返しで、少しずつ高度を下げていく。雪崩の危険があるため、ゆっくり休むわけにはいかない。こんなに下が遠いのは初めてだ。滑るのがこれほど苦痛に感じたのも初めてだ。スキーが上手ければ、足の負担も少ないんだろうなあ・・・とか思いながら滑っていた。体力をつけるとともに、スキーの技術も磨かなくては・・・。

ひと滑りして振り返る
北股本谷上部の急斜面
傾斜が緩くなったところで振り返る

滑りは苦痛だったが、ロケーションは抜群!真っ青な空、鋭い岩峰、深く切れ込んだ残雪の谷のコントラストが絶妙だ。傾斜が緩くなったあたりで、ほんの一時デブリがなくなる。この部分だけは楽しくすべることができたし、足の負担も軽かった。しかし、それは長続きせず、すぐにまたデブリ地獄が始まった。ただ、傾斜が緩いので足への負担は軽減されてきた。やがて谷が広くなり、傾斜も落ちる。堰堤をいくつか越えると、やっと西俣出合。長かった・・・・。出合から少し下ったところで、待望の休憩。板をはずすのも億劫なほど疲れていた。


北股本谷滑降ルート
北股本谷上部の滑降ルート(撮影は前週の鹿島槍東尾根より)

あとは林道を下るのみ。雪が緩いためスキーの走りはイマイチ。一気に滑って行ければ楽なのだが、途中3ヶ所雪が切れており、その都度板をはずし、手に持って歩いた。それでも大半は滑れたので、30分足らずで大谷原の駐車場に着いた。疲れた・・・。先週に鹿島槍東尾根を13時間という行動時間で日帰りしたが、その時よりもずっと今日のほうが疲れてしまった。しばらく山は結構・・・。と思いながらも、来週は越後駒ヶ岳に登る予定。楽しみだ!

北股本谷の記録を見ると、3月とか5月中旬以降のものが目立つ。3月だと日程的に苦しいので、やはり5月中旬以降が適期といえるのでは。その頃だと、北股本谷を詰めて山頂に登るのも可能だろうし、デブリもある程度ならされているのでは。


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