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中房温泉(7:55)⇒合戦小屋(10:00)⇒燕山荘(10:50〜11:10)⇒大天井ヒュッテ(13:30〜40)⇒貧乏沢下降点(14:00)⇒天上沢(15:20) |
T世さんの送迎で中房温泉へ。とっとと燕山荘まで!と思ったものの、荷物が重い・・・。今日の泊まりは天上沢の河原の予定。焚き火ができる!一人宴会だ!軽量化は明日からでいいやと思い、ビール2本に日本酒500ml、つまみ・・・とザックに入っている。40Lのザックにギューギューに詰め込んで、しめて重さは17キロ。小さいザックに相応以上の荷を背負うと、肩にギシギシと食い込んでくる。やはり重さなりのザックで来るべきであった。
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出遅れてしまっただけに、余裕とは思いながらも足は急いでしまう。合戦尾根の急登はちょいとオーバーペース気味。おかげで燕山荘には予想より早く着き、だいたい今日のメドは立った。が、太ももには結構なダメージが・・・。これが翌日に響くことになってしまった。次の日に持ち越すなんて・・・年をとってしまったもんだ。表銀座縦走路に入る。だいたい晴れているが、槍の穂先はずっとガスで隠されたまま。喜作新道に入ったところに猿がいた。カメラを向けると数匹の猿にギョロッとにらまれて怖かった。
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大天井ヒュッテから牛首を回り込み、赤岩岳とのコルから登山道を離れ、貧乏沢に入り込む。赤布と古い看板あり。登山道並みの踏み跡を追って下降すると、右からのガレ沢に出合う。ここからゴーロを下ったり、左岸の巻き道を下ったり。一度転んだので、念のためにここでヘルメットをかぶっておいた。中間くらいで右から滝が出合う。花崗岩の明るくきれいなナメ状の滝もあった。ゴーロを歩いたり、左岸の踏み跡を歩いたりで、1時間20分ほどで天上沢に降り立った。
ここから北鎌沢出合までの間で良い場所を探して、今日の泊まり場にしよう。貧乏沢の出合からすぐ上流に砂地のスペースがあった。即決!ザックを降ろすなり、まずビール1本!ノドが乾いていただけに、旨い旨い!一気に飲み干してしまった。あまり人が泊まった形跡はなく、マキは半径約10mの中でガッチリ確保できた。ずっとまともに雨が降ってないのか、何の苦労もなく着火。明日の軽量化のために、持ってきた酒&つまみは全て消費しなければいけない。時間に余裕があったのでしっかり消費し、日が暮れる頃には眠りに就いた。
ラジオの音が聞こえないくらいの沢音の中で、夕べは熟睡することができた。シ〜ン・・・としているよりも、かえって落ち着いて寝ることができる。4時前に起きてテントから顔を出すと、狭い谷の空に星がギッシリと詰まっていた。願ったり叶ったりの晴天だ。ラジオが聞こえないので、天気チェックはできていない。この晴天、いつまでもつのかなあ・・・とか思いながら準備をしていた。
天井沢出合(5:05)⇒北鎌沢出合(5:20)⇒右俣(5:45)⇒北鎌沢のコル(7:15〜25)⇒天狗の腰掛(8:10〜25)⇒独標先のコル(9:20)⇒北鎌平付近(10:50)⇒槍ヶ岳山頂(11:50〜12:10)⇒槍岳山荘(12:25〜40)⇒水俣乗越(13:40〜55)⇒ヒュッテ西岳(14:50) |
さて、いよいよ北鎌尾根縦走の日!まずは天上沢を遡行。右岸通しに進み、飛び石で左岸に渡ると水は伏流した。そして、巨大な河原となって、しばらくで北鎌沢の出合となる。稜線は気が遠くなるほど高いところに見えていた。出合手前の左岸にはいくつもテントを張った跡があった。
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ゴロゴロの北鎌沢を登っていくと、本流である左俣が横から入り、貧相な右俣は斜め前から入ってくる。右俣はいきなり伏流。上で水は出ているという情報はあったが、念のため左俣で補給しておくことに。酒を消費してせっかく軽くなったザックだが、ここで+3キロに。 ゴロゴロを詰めていく。ところどころでチョロチョロと水が出ている。3分の1くらい登ったくらいだろうか・・・。覆っていたゴーロが突然なくなり、シャーシャーと水が流れる岩盤に変わった。あ〜・・・ここで補給すればよかった。 まだ歩き始めて間もないというのに、太ももの筋肉が痛重い・・・。急なゴーロで足に負担のかかる登りなのだが、きのうの疲れが取れていないようだ。疲れが翌日に取れない年になってしまったみたいだ。大きな段差の手前で立ち止まり、息を整えてから段差を乗り切っていた。 出合こそ貧相な右俣であったが、直下まで同じような沢幅のゴーロ。直下で草つきとなるものの、踏み跡はしっかりしており、ヤブ漕ぎや悪い草つきになることはなかった。 |
コルはテントを張るスペースはあるものの、好みのテン場ではないなあ・・・。さあ、北鎌尾根に乗ったぞ!この先どんなルートで迎えてくれるのか・・・。と、期待と不安は膨らんだが、下手な登山道よりもずっと立派な踏み跡が続いている。多少のアップダウンはあるものの、天狗の腰掛までは着実に標高をかせぐ。
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独標の基部に到着。リングボルトにシュリンゲがかかっている地点だ。ここからトラバースにかかる。このトラバース道は写真ではかなりきわどそうに見えるが、実際は普通の道並みにスタスタと歩ける。入り口は怖ければボルトとシュリンゲがあるし、かぶった岩の通過は、一段下に足場があるので、とくにかがんで通過する必要はなかった。
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トラバース道がどん詰まりになるところで、シュリンゲのぶら下がったチムニーとなる。チムニーは重荷では難しいので、左から登った。ここから、さらにトラバース道は続くが、この先で行き詰るようなので、予習した通りに直登する。 斜度はないものの、時々不安定なザレがあっていやらしい。姿は見えないが、後から赤いヘルメットの単独行がいないとも限らないので、落石には注意しながら登る。人が通った形跡はないので、主流のルートははずしていたかも・・・?構わずそのまま直上すると、独標と次のピークとのコルの中間くらいに飛び出た。 稜線に飛び出たその瞬間、ウネウネと逆S字に屈曲する北鎌尾根の終点に、大槍がゴールフラッグのように聳え立っていた。距離はそう遠く感じなかったが、ギザギザの稜線はかなり手強そうだった。 |
ここから北鎌平までが核心。いろいろと予習はしたものの、どれがP○なのか特定するのが難しそうだ。思い込みで間違えると、とんでもないことになってしまいかねない。ここは自分の勘と臭いを信じて進むべし!ピークに達する度に、先の見えている部分のルートをチェックする。しかし、上から見るのと、下まで行って見るのとでは、様相がまったく違う。結局はその場の雰囲気で、現れる局面をクリアーしていくことになる。
※そんなわけで、ここでは敢えて、どこをどう登ったという記載は控えることにします
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基本的には稜線通しを心掛ける。怪しい巻き道は様子だけ見て、直登の可能性を探っていた。稜線通しが不可能なところの巻き道はかなり明瞭だったので、明瞭な巻き道は信じて利用した。明瞭な巻き道が続いた場合でも、登れそうなところがあれば、踏み跡がなくても稜線に戻っていく。稜線には必ずといってよいほど踏み跡があるので、稜線にいれば大間違いはないはずだ。沢登りの考え方と基本的には同じ。登れる滝は頑張って登る。巻く場合は低く巻く。
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雲は多いものの、今のところ稜線にかかることはない。硫黄尾根が異様だ。その手前の千丈沢は馬鹿に広い。一度のんびりと千丈沢を詰めてみるのもいいかも・・・。今回は軽快さを優先させて、山用ランニングシューズ(?)で臨んだ。安定した岩場の下りでは、チョンチョンと飛びながら下れる。しかし、靴がペニャペニャなだけに、ザレたトラバースではエッジが効かない。岩を登る際には、小さな足掛かりに乗ることができない。また、雨で濡れてたりしたら最悪だっただろう・・・。やはりソールの堅い軽登山靴くらいで臨むのがベストかもしれない。
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ゴールの瞬間は、その拍手と歓声が倍増した。気持ちよかったが、照れのほうが大きかった。山頂でおばさんに「ハシゴの方から登るのと、どっちが難しかった?」と聞かれたので、「こっち」と北鎌の方を指差しておいた。お昼前にゴールインしたのは上出来かな。水も3リットルも余ってしまった。担ぎ損だ・・・。せっかくなので、今日は捨てずに背負い続けよう。水代も浮くし・・・。 槍岳山荘に着くなりビールを買いに行く。外のテラスでのんびりしながら、今日はどこまで進んでおこうか検討。上高地に下りるのが楽だけど、時間があるので、予定通り中房まで縦走して下山することにした。 |
大天井岳まで進む目を残しながら、北鎌尾根に続いて今度は東鎌尾根を縦走。パラパラと雨が降り始め、雷も鳴ったがすぐにやんだ。赤いヘルメットの人はどこまで進んだかなあ・・・。天気悪くなってきて不安だろうなあ・・・。水俣乗越で休んでいると、槍沢のほうからおじさんが。ここから天上沢に下降し、明日北鎌らしい。色々情報を提供していると、今度は大粒の雨が・・・。先を急ぐ。歩き始めるとすぐにやんで、事なきを得る。
ヒュッテ西岳に着いたのは3時前。時間的には大天井まで大丈夫だったが、依然として天気は怪しいし、体力もエンプティーマークが点灯寸前だったので、今日は西岳泊まりに決定。しばらくはポツポツと雨が続き、テントの中でボケーッとラジオを聴いていた。夕方には晴れて、また槍が姿を現した。
夜は夏限定シュラフと薄手の長袖シャツだけでは寒かった。軽量化というよりも、荷物を小さくまとめたかったのでこうなってしまった。意外にも今朝も晴天。テントの入口から顔を出して、常念から日が出るのを眺めていた。懸念された天気だったが、結局この3日間はボチボチの天気で経過してくれた。
赤沢山(往復約1時間) 西岳(往復約30分) ヒュッテ西岳(7:25)⇒大天井ヒュッテ(9:00)⇒燕山荘(11:15〜12:00)⇒中房温泉(13:20) |
赤沢山や西岳に寄り道していたので、出発したのは7時半頃。小屋周辺には既に登山客はいなかった。カートリッジ式のトイレの工事関係者が忙しそうに作業していた。西岳から赤岩岳にかけて、北鎌尾根や北鎌沢がよく見渡せる。時々立ち止まっては、きのうの行程を振り返っていた。
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■赤沢山 ■西岳 |
ピークハントついでに大天井岳のピークも踏んでやろうと考えていたが、大天井ヒュッテでまき道の方を選んでしまった。すでに気持ちは下山モードに変わっていた。常念山脈の安曇野側からはガスが上がってきている。西側は雲は多いものの依然として晴れ。大下りの登り返しと、燕山荘への登りはやけに疲れた。
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大天井岳のトラバースで、ヘルメットをザックにぶら下げた団体さんとスライド。前後が男の人で、間におばちゃん5人くらいが挟まっていた。ヘルメットは全員同じで番号がふってあったところをみると、ガイド登山で北鎌のようだ。今日は北鎌沢出合で泊まるらしい。「私たちにも行けるかしら・・・?」なんて言っていたが、ここまで来たら行くしかないでしょう!
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土曜日ということもあり、燕山荘前のテラスは賑わっていた。ここでT世さんに連絡を取って、2時に中房温泉まで迎えに来てもらうことに。1時でも間に合ったが、燕山荘でゆっくりしたかった。「ナマチュー」を注文。800円也。初めて飲む山でのジョッキはおつであった。 中房まで2時間あれば余裕だと思ったが、土曜ということで登ってくる人とのすれ違いやらを懸念して、2時間前の12時ちょうどに燕山荘をスタート。前半はチョコチョコとすれ違ったが、後半はもう登ってくる人は少なかった。おかげで(?)1時20分に着いてしまい、40分ほど待ちぼうけ。下界はちょっと暑かったが、なんだかのんびりと待っていられた。 |
*** 装備 ***
■ザック *** ルート状況 *** ■貧乏沢下降〜北鎌沢遡行 以上はあくまでも私見です。危険なところです。参考程度でご覧下さい。なら書くなってか! |