ナルミズ沢はこれから沢登りを楽しもうと志す初心者や、癒し渓愛好家にはうってつけの沢(アプローチと下山以外は・・・)。2001年に一度遡行しているが、今回は山岳会の例会山行ということで、このうってつけの沢に再び訪れることにした。当初は東黒沢からのアプローチを考えていたが、人数とメンバーの関係で時間が読めないため、宝川温泉からアプローチすることにした。前夜出発しなくてすむし・・・。
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宝川温泉 林道ゲート(9:40)⇒徒渉点 入渓(11:40)⇒大石沢出合手前(14時前) |
天気は上々!はじめの林道&登山道歩きは暑くてかえって迷惑なくらいだ。登山道に入ると細かいアップダウンが多い。汗ダラダラかきながら、沢に入るのを心待ちにしていた。登山道が右岸に渡るところが入渓点。5人組(?)の先行パーティーが沢支度をしていた。また、なぜかこの時間に帰りと思われる人たちもいた。
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沢に入ると、今まで暑かったのがウソのよう。大岩を右から左から越え、気持ちの良い河原となる。遥か先には朝日岳から大烏帽子岳にかけての稜線が見えている。そのうちナメ滝が現れ始め、いよいよ癒し渓ナルミズ沢の始まりだ。上越の開けた渓相は平凡な河原を歩いていても気持ちがよい。深い釜を脇から、時には胸まで浸かって越え、ナメ滝の水流を登り、強い水流を石から石へとジャンプ。時間が経つのを忘れてしまう。ウツボキ沢出合には釣り師風のタープが一張り。
予定では大石沢出合が今日のテン場。最低1パーティーは入っていて、その前にどのくらいの人が入っているかは不明。下山時のことを考えると、大石沢よりも先に行くことはできない。大石沢の約300mくらい手前に広い河原があり、とっても気持ちの良いところだったので、今日はここで打ち切りとした。天気も曇りベースになってきたことだし。
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ここは泊まる人が少ないのか、マキは近場だけで十分集まった。小さいテントを2張り張って早速着火。みんな思い思いにまったりしていた。2パーティーがここを通過していった。着いた時はポツリポツリと雨が降ったが、すぐにやんでまた青空が出てきた。「午後は雷雨」の予報もあったが、このまま晴れてもらいたいもんだ。
・・・が、そううまくはいかず、怪しい雲が空を覆い始めてきた。ゴロゴロと雷鳴も・・・。小さいテントに5人は苦しいので、ツエルトでタープを張り、雨の宴会に備える。空はみるみる真っ黒に。雷も激しさを増してきた。空のわりになかなか降ってこないなあ・・・と思っていたら、一気に滝のような雨がドバーッときた。慌ててタープに潜り込む。
雨かと思ったら雹(ヒョウ)だ。地面に跳ね返った雹が、タープの中まで攻撃してくる。痛い痛い!そのうち対岸の細い枝沢が、茶色い濁流に変わる。少し荷物をまとめておこう。逃げ道も再確認。(だが、この時点で、まさかここまで水が来るとは思っていなかった)。雨の勢いはピークを過ぎ、荷物をまとめていたら、本流の水量がみるみる増えてきた。と思ったら、すでにタープの下も水流となる。
これは逃げないと!逃げ道の大岩に上がる。大岩の上に上げておいた荷物を回収する間に、グングン水かさが増え、最後逃げる時にはこの大岩も水に覆われてしまった。振り返ると、本流に近い方のテントが濁流に・・・。プカプカと流されていってしまった。
大岩から笹とダケカンバのヤブを少し上がると、ちょっとした台地があり、そこでしばらく待機。雨が小康状態になった時に、川の様子を見に行った。すると、逃げ道に使った大岩が出ていた。大岩まで行くと、テントとツエルト発見!ちょうど渦巻く水流になる部分で、流されずに助かったようだ。みるみる水が引き、ここぞとばかりにテントとツエルトを回収した。
水量は減ったとはいえ、渡渉はまだ無理。高台でのビバークを余儀なくされた。テントとツエルトを無理矢理張る。5人テントの中に入り、無事だったご飯を食べる(炊いている途中だった)。テントの中は暖かくて落ち着く。精神的にもテントが助かったのはとっても大きかった。雨は降ったりやんだりを繰り返す。夜のうちにまたたくさん降ると、明日徒渉ができなくなってしまう。明日の朝に不安を残しながらも、テントとツエルトに分かれて寝る。間違っても快適とは言えなかったが、朝までわりとグッスリ寝ることができた。
どうやら夜中は雨は降らなかったようだ。予報は今度は秋雨前線が南下してきて、どんどん下り坂の様子。朝のうちに徒渉を終えて登山道に戻ってしまいたい。明るくなり、さっそく川を見に行く。ゴーゴー流れていたらどうしよう・・・と思いながら川を見ると、平水よりは多いものの、濁りはほぼ消えて、渡渉は楽勝な状態だった。
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朝飯をほおばり、そそくさと撤収。対岸にあるはずの登山道をめがけてヤブに突っ込む。ほんの5分ほどで登山道に当たる。ハァー、なんだか登山道に出たらホッとした。ぬかるみの登山道を徒渉点目指して歩く。ウツボキ沢出合にきのう大石沢で泊まった二人組みが釣りをしていた。きのうは大石沢の河原にテントを張っていて、増水したため高台に逃げたようだった。 徒渉点の水量も問題なし。今日遡行する人は、きのうの土砂降りなど知らず「ちょっと水量が多いなあ・・・」と感じるくらいだろう。あとは時々小雨の降る中、黙々と車を目指した。やれやれの会山行になってしまったもんだ・・・。 |
■今回の反省&教訓
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