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八ヶ岳 地獄谷 沢登り






 山域  八ヶ岳 地獄谷からキレット小屋  
 山行日時  2007年7月22日(日)
 天気  くもり たまに日が差す 下山は雨
 登山形態  沢登り
 メンバー  Y山、S馬、I川、S木
 温泉  小淵沢道の駅 延命の湯




初めての八ヶ岳エリア(沢登りでの)は地獄谷本谷。地獄谷は出合小屋を基点に、赤岳から権現岳の水を集めている。扇状にいくつも沢が広がっていて、品揃えは豊富。今回は沢デビュー企画につき、その中でも一番低いところに詰め上がる(=傾斜が緩い)地獄谷本谷へ行くことにした。沢自体は初級者向けだったけど、長いアプローチと下山にはうんざり・・・。面白いところは面白かったが、如何せん面白くないところが多すぎた。出合小屋がスタート&ゴールだったら、次もありかなと思うが・・・。“初心者つぶし企画”になってしまったような気がする。

美しの森駐車場(6:50)⇒入渓点(7:30)⇒出合小屋(9:55)⇒大滝下(11:00)⇒本谷の二俣(12:15)⇒稜線(13:50〜14:20)⇒ツルネ(14:50)⇒出合小屋(16:50)⇒美しの森駐車場(18:30)

谷川の沢との2本立てで考えていたが、北の方はお天気芳しくない模様。その後、八ヶ岳あたりも雨マークが付き、中止モード濃厚だったのだが、前日の夕方の天気予報で一転、雨マークは消えた。すでにモチベーションは下がり切っていた。消えかけた火を強火にするには、たくさんのエネルギーが必要であった。降らないなら行くしかない。

メンバーは沢デビュー2名(ずくなしさん、タテガミさん)、初同行1名(大福さん)、そして2週前に引き続きこーちゃん。メンバー構成上、手厚いおもてなしをすることはできないかも・・・?おもてなしというよりも、責任重大だ。豊科でタテガミさん大福さんと落ち合い、松本でずくなしさんをピックアップ。そして、小淵沢で飯田から来るこーちゃんと合流して、スタート地点である美しの森へ。天気は曇りだが、まあまあ明るい曇りだった。気温は曇ってるわりには高い。ある意味、沢日和かも。

下流は伏流していてつまらん・・・
出合小屋
やっと渓流らしくなってきた


美しの森のわずか先に真新しいゲートが閉じていた。出来立てのホヤホヤっぽい。入れるところまで車で入る予定だったのに、いきなり出鼻をくじかれてしまった。仕方ないので美しの森の駐車場からのスタートとなる。やれやれ・・・。林道を進み、天女山方面に折れ、川を横切るところから入渓。これが失敗だったみたいだ。ホントだったら林道を直進し、出合小屋との中間あたりで沢に入るのがノーマルだったと思われる。おかげで、ひたすらの伏流のゴーロ歩きと堰堤(15個以上はあった)巻き巻きに終始する羽目に。たくさん沢登りができたという考え方もあるが、時間を考えると失敗だ・・・。下調べ不足であった。実は5年くらい前の冬に天狗尾根に来ているのだが、アプローチの記憶が全くなかったのである。

カゲ沢を過ぎると滝が
ナメ滝も時々
なかなか感じのよいところも


出合小屋を過ぎて、やっと谷幅が狭くなって渓流の雰囲気となる。しかし、まだまだ荒れ気味で、雰囲気はよろしくない。赤岳沢を分け、権現沢を分け、上ノ権現沢を分けたあたりからやっと沢登りフィールド。きれいなナメ滝もチラリホラリ。ナメ滝の形的にはいいんだけど、岩の色や樹林の雰囲気がちょっと暗い。まあ、上越や北アルプスのようなわけにはいかないわな・・・。

30m大滝は直登不能
雰囲気はイマイチながらも、遡行する行為自体はなかなか面白い。難しいところはないものの、快適に登れる滝が多かった。ところがゴルジュの先に直登不能の滝出現!30m滝ってやつだ。どうみても30mはないなあ・・・。下の2つの滝と合わせて、3段30m滝ってところだろう。

ここは下まで戻って左岸から高巻き。ガイドにはルンゼから巻くとあったが、だいぶ下まで降りることになりそう。1段目下の右壁を見ると、悪そうな草付きだったが、傾斜は緩めで、ポツリポツリと潅木も生えていた。とりあえず、取り付いてみる。まあ、悪くもないが、良くもない。泥が緩いのがちょっと良くないかな・・・。途中の潅木せピッチを切ってザイルを垂らし、みなさんにはゴボウで登ってきてもらった。

そして、今度はトラバース。ここも極悪ではないが、落ちたら痛いだけではすまない高さなので、フィックスを張ることにした。落ち口上のトラバースには、しっかりとした踏み跡が付いていた。これを辿ってなんなく沢に戻る。戻ったところが天狗沢との出合い。


ここからは火山特有(?)の妙にえぐられたナメ滝の連続となる。ツッパリで突破したり、細かいホールドを拾いながらの滝登りはとても楽しい。この沢は概して水流から離れると岩がもろく、すぐに剥がれてしまう。できるだけ水流を登るようにした。ツルネに突き上げる左俣との二俣は同じような高さの滝で出合っていた。

快適側壁登り
このへんは面白い
本谷左俣との二俣は滝で出合う

楽しいところはあっという間に過ぎていく。奥の二俣ではちょっと悩む。二俣に分かれたあとに、どちらの沢も同じ方向に伸びていたので悩んでしまった。水量の多い方に進むのが定石。右にルートを取った。ま、ここまで来れば、間違えたとしても大ケガはないから、深刻ではない。水枯れで水を補給し、最後はガレ場を登る。このガレ場、ユルユルでアリ地獄状態。念のため上からロープを垂らした。こういうところは樹林帯とのコンタクトラインを登るのが基本。樹林帯を少し登ると、赤岳〜権現岳の縦走路に出た。

この岩質ホールドが細かい
火山特有の岩かなあ・・・?
水量がしょぼくなってきた


さ〜て〜と・・・、下山。登ったら降りなければいけない。下山ルートはツルネ東稜。踏み跡はしっかりしているとのことだが、どの程度のものか不安はある。かえって時間を食う可能性もあるなあ・・・。ちゃんとした登山道である真教寺尾根も考えたが、これから赤岳まで登ることを思うとゾッとして却下。雨が降り出したのでカッパを着たらやんだ。いつものパターンだ。ツルネはガス。東稜の様子はうかがえない。

なるほど踏み跡はしっかりしていて、赤テープも随所に付けられている。ちょっと手入れの入っていない登山道って感じだ。これが下まで続けば問題ないな。ところどころ踏み跡が錯綜していたり、笹薮で踏み跡が見にくかったりしたが、基本的には尾根を忠実に辿っていた。思ったよりも早く降りることができてホッとした。

出合小屋で夕方5時。まだ先は長いけど、なんとか暗くなる前には着きそう。あとは林道へ続くと思われるルートをみつけられるかどうか・・・。右岸へ、左岸へ何度も渡渉を繰り返す踏み跡を追っていると、やがて沢から離れて、荒れた林道に出た。これだ!まだ先は長く、身体も疲れていたが、林道なので、何も考えなくても右足と左足を交互に出していれば美しの森に着く。美しの森に着いたのは6時半だった。行きもこの林道を通っていたら、6時までには下山できてただろうなあ・・・。




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