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唐松岳〜祖母谷温泉〜白馬岳 三角山越え八方から入り栂池に下山 単なる修行でした・・・ 登ってきた清水尾根から旭岳の山並み
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前々から気になっていたルート。ただしんどいだけという気もするが、ルート的には美しい(?)。なにしろ白馬を越えて700m台の祖母谷温泉まで下るんだから・・・。で、また白馬岳まで2000m登り返す。アホらしいと言えばアホらしい。ここ2年くらいでメッキリ老化(老眼も進行中)が進み、体力が目に見えて落ちてきている。このアホらしいルートにチャレンジできるのも、そろそろラストチャンスかなと思い、直前まで迷ったが実行することにした。 ■8月9日(土) 八方尾根⇒唐松岳⇒祖母谷温泉 晴れのち時々くもり 成功のカギは1日目。唐松岳を越えて祖母谷まで降りる。避難小屋に2泊という手はあるが、祖母谷温泉で温泉に浸かりたい。黒菱まで車で上がって早出するのが理想的だが、夏バテ気味につき早起きするのを嫌う。遅いスタートになってしまうが、ゴンドラとリフトを使うことにした。幸いこの時期のみ始発が7時だし。
大日岳に行くT世さんを扇沢まで送り、八方へと向かう。八方の駐車場に車を止めてゴンドラまで歩くと、すでに切符売り場に長蛇の列。やや焦る。切符のあとはゴンドラも行列に並び、次のリフトでも並び、最後のリフトだけすんなり。すでに8時前。やっぱり黒菱まで車で上がった方がよかったか・・・。後悔先に立たず。いきなり遅出の重圧との戦いとなった。
天気は快晴!もう8時なので暑い!眺めは最高だけど、時間との戦いなので楽しむどころではない。しかしながら、急ぎたくてもリフトの行列がそのまま続いているような状態。抜くに抜けない。八方池まではダメだ・・・。池を過ぎると列がだいぶバラけてきて、ペースも上がってきた。クソ暑さに参って休憩したかったが、丸山までは頑張ることにした。前にはもう数人しか歩いていない。ヨシヨシ!
1時間35分歩いて丸山ケルン。500mlのペットボトルを一気飲み。ここから唐松山荘までは35分ほどだった。配分ミスったなあ・・・。でも、唐松山荘11時がタイムリミットと思っていたので、時間的には少し余裕ができた。ここからが本番なのにいいのかなあ・・・とは思いつつ、自販機でビールを買って飲む。そして、食パン1枚胃に放り込んだ。
まずは大黒銅山跡まで800m近い下り。道は思ったよりは悪くない。一気に銅山跡近くの水場分岐へ。ここで休んでいると、でっかいザックの学生風2人がやってきた。10日目のようだ。よく登るわ・・・。この水場、水場というか餓鬼谷の本流だ。水量も多く、河原も広い。絶好のテン場となっている。次に来る時はここで泊ろう。来ることはないと思うが・・・。
水を満タンにし、今日の核心と思われる餓鬼山の登り。なにしろ300mの登り返しだ。すでに足はバリバリ下りモードなので、歩き出しからダルダル。真後ろからはギンギンに真夏の日差しが照りつける。こりゃ厳しいわ。秋にやるべきだった・・・。休憩ごとに500ml以上飲んでいるが、歩き出すとすぐに口がカラカラに乾く。ゼイゼイ言いながら餓鬼山山頂に立った。山頂からは普段見慣れた後立山の姿とは違う、トゲトゲしていない山容が印象的だった。
あとは大きな登り返しはない。時間的にもコースタイムをキープすれば余裕。餓鬼山の登りでかなりのダメージを受けたと思ったが、下りの筋力はキープされていた。しかし暑さだけは容赦ない。ノドがガラガラになるのが苦痛だった。試しにアメをなめてみたが、ツバがないのでアメが融けない。逆に吸い取られてしまった。すごい濃厚なアメだった。針葉樹の中に入ると暑さは多少和らぐが、そのぶん標高も下がるので気温は上がる。どっちもどっち、五十歩百歩、目クソ鼻クソ。常に腕には大粒の汗の玉。温泉、温泉、温泉の一心で下っていた。温泉で水を浴びたい!足に余力はあったものの、祖母谷と祖父谷の出合が見えてからがなかなか着かない。精神的にきつかった。
祖母谷温泉のおじさんは物腰の柔らかい、優しそうな人だった。まずはビール!ノドにジョワーっときてシミル!刺激強すぎ!ウマイはウマイが、ノドが渇ききっている時は水が一番おいしいかも。ノドが潤ったところで温泉温泉!水をかぶって火照った体を冷やしたかったが水道はナシ。しかも湯は熱め。少し浸かってから体を洗い、あとはコンクリートの淵に座ってボケーっとしていた。それにしてもテントから20mの至近距離に風呂があるのはありがたい限りだ。
■8月10日(日) 祖母谷温泉⇒清水岳⇒白馬岳テン場 晴れのち曇り きのうは唐松山荘以降まったく食べ物がノドを通らず、祖母谷まで食わずじまい。今日は白馬岳まで約2000mの登りが待っている。天気は今日も晴れ。今日も灼熱地獄だろう・・・。道中はまた食えないだろうから、朝飯の時に食いだめしておこう。ラーメンを食べた後、無理やり菓子パンを押し込んでおいた。
まずは林道を歩き、スノーシェードの手前から名剣沢のガレに取り付く。今日も長丁場ではあるが、出発が早いのでじっくりと登れる。逆にオーバーペースにならないように、自重気味に歩みを進めた。コースタイムで歩けば十分だと。名剣沢をしばらく直登した後は、長い百貫山の山腹をトラバース。水流のある沢を6本横切ることになるが、そのたんびに水を飲み、顔を洗い、腕を冷やしていた。きのうガラガラになったので、早目の水補給を心掛ける。これだけ頻繁に水場があると大助かりだ。
ここまでは晴れていたが樹林帯だったので陽は避けれた。ここからは潅木帯となり、灼熱地獄を覚悟をしたが幸いにも雲が出てきた。不帰避難小屋から先は楽園との話だったが、まったくそんな様子はない。ところが小1時間登ったところで、眼前に楽園が・・・!チングルマとハクサンコザクラの大群落。白馬岳周辺の一面のお花畑と比べると規模は劣るものの、花の密度はこちらに軍配が上がる。しかも、こじんまりとした坪庭風のお花畑はロケーション良好!おもわずザックを降ろして休憩。T世さんへのお土産写真を撮りまくる。
楽園が過ぎ、むさ苦しいところを一段登ると、再び楽園に。この尾根は階段状になっていて、平らになると楽園、急になるとむさ苦しい潅木&笹の道になる。これを何段も繰り返し、清水岳へと登りつく。不帰の避難小屋から清水岳までは、標高差約600mだが、それを感じさせない楽しい登りだった。欲を言えば、もっと陽が当たって明るかったらよかったが・・・。涼しく登れることと天秤にかけたら、どっちもどっち、五十歩百歩、目クソ鼻クソ。
清水岳の山頂は平原。厳密に言うと、山頂からははずれている。登りで全く見なかったミヤマアズマギクが、山頂には群落となって咲いていた。いい山頂でした。ここからは登りというよりも縦走モード。ここからは暑いのガマンするから晴れて欲しいなあ・・・。しかし展望はイマイチ。白馬鑓の山腹が時々見える程度。清水岳から白馬岳間は小さなお花畑はあるものの、特筆すべきものはなし。花を見に清水岳を往復している人もいたが、清水岳の真髄は清水岳より下の尾根にあり!小旭岳は巻いてくれるので楽勝!裏旭岳のジグザグ登りも気を入れていたので問題なし!予想外の最後の稜線への登りがヘトヘトになってしまった。
稜線に出たらテン場が見えた。すでに満開。ロクなところが残っていなかった。一人なのでどこでもいいや・・・。テン場に着くころには晴れてきた。旭岳にでも・・・と思ったが、さすがにズクなし。ビールを飲みながらボーっとしていた。これでビールは4本目。いつもは背負ってくるが、今回は軽量化に努めたのだった。
■8月11日(月) 白馬岳テン場⇒白馬岳⇒小蓮華山⇒白馬大池⇒栂池自然園 晴れのち曇り やっと3時半。周りもゴソゴソし始める。眠いけど寝れないもどかしさから開放される。さて、今日はどうしよう・・・。夜中は満天の星空だったが、今はガスに巻かれている。さっさと大雪渓で猿倉に降りようか・・・。それとも予定通り栂池まで縦走しようか・・・。とか考えているうちに晴れてきたので、まずは登ったことにない旭岳へ登ることにした。
風が強かったのでテントに石を入れて空身で出る。旭岳南斜面と東面の崖のふちに踏み跡らしきものが見えた。そこに向けて雪渓を詰める。すると登山道並みの立派な踏み跡があった。今日は見掛けなかったが、登りに来る人が多そうだ。さすが標高ベスト100に入っているだけのことはある。
旭岳を歩いていたら気分良くなり、予定通りに栂池まで縦走することに決めた。今回まだ一度も稜線歩きをしていないし。ただ、今からのスタートだと、12:50のバスに間に合うかはビミョウだ。ま、その時はその時、その時考えよう。白馬岳山頂までがいつも長く感じる。2号雪渓の滑り出しを覗き込む。雪がある時は垂直に見えるが、雪がなければ斜度を感じない。旭岳東面しかりか・・・?旭岳に行ってるうちに時間差ができたのか、白馬岳の山頂には1人しかいなかった。
サクサク下って登って小蓮華山へ。山頂崩壊の危険性があると、少し前の新聞に載っていたが、ロープが張ってあって立ち入り禁止。白馬三山には東からガスが上がり始めてきている。今日もすぐにガスガスになりそうな感じだ。雪がある時の白馬大池、小蓮華山は何度か来ているが、夏に訪れるのは10年以上ぶりか・・・。小蓮華山は展望はいいが、山自体は味気ない山だ。
それに比べて白馬大池は別天地!池といい、お花畑といい、最高のロケーション。なんてのどかなところなんだ・・・。ここでキャンプしたい!と思った。着々とコースタイムを縮め、バスに間に合うかも。ただ、ロープウェイとゴンドラで手間を食う可能性大なので、少しでも早く降りておきたいところ。白馬大池でゆっくりしたいところだが、またの機会にして急ぐ。
・・・と思ったところで、団体さんが出発。やられたぁ〜。1分遅かった・・・。どうせすぐに追い付くので、しばらくして出たが、すぐに追い付いてしまった。タチの悪いことに、先を譲ってくれる気配なし。延々30分近く、ハクノリの山頂まで付いて歩くことになってしまった。これでバスの時間に黄信号がともった。
ハクノリから天狗原のゴロゴロ帯を10分チョイで駆け下ってゴボウ抜き。天狗原の平らなところで足を休めて、再び急斜面でダッシュ!それにしてもこのあたり、冬とは全く雰囲気が違う。当たり前だが。ハクノリの大斜面も広葉樹がビッシリ。これが全部埋まって白一色になるんだなあ・・・。天狗原からの斜面もしかり。
白馬の三角山越え、思わぬところで実現した。予想通りの体力勝負だっただけに、達成感はある。テント背負って2000m登ったのも初めてだったし。ま、なんだかんだ言って、山は縦走するのが一番楽しいな。 |
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