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飯豊連峰縦走


期待の飯豊はガスガス・・・ 要リベンジ   花はすごかった!


 エリア  飯豊連峰 
 コース  1日目  飯豊山荘〜梶川尾根〜北股岳〜梅花皮小屋
 2日目  梅花皮小屋〜御西小屋〜大日岳往復〜飯豊本山
 3日目  本山小屋〜ダイクラ尾根〜飯豊山荘
 山行日  2008年7月19日(土)〜21日(祝)
 ジャンル  縦走
 メンバー  T世
 温泉  泡の湯(500円)


「飯豊は稜線を歩いてなんぼのもん!」「どうせ行くなら一気に主脈を縦走だ!」・・・とか考えているうちに、何年経ってしまっただろう。あと、遠くもないけど近くもない半端な距離。行くぞ!と決めないとなかなか実現しそうもないので、この冬のうちに海の日3連休に照準を絞ったのだった。ホントなら北から南に通り抜けたかったところだけど、そんなことを言っていたらまた遠のくので、メインどころを2泊3日で周回することにした。

■7月19日(土)  飯豊山荘⇒梶川尾根⇒北股岳⇒梅花皮小屋  晴れのち霧

珍しく前夜発。予想通りではあったが、ろくすっぽ寝れなかった。時間は短いとしても、家の布団で熟睡してから出るのが一番だ。6時過ぎに登山口である飯豊山荘に着く。さすがに海の日!飯豊大人気!もう少し遅く着いていたら、止める場所に苦労したかも・・・。前夜発正解!

飯豊山荘(6:30)⇒湯沢峰(8:10〜20)⇒滝見場(8:50〜9:00)⇒五郎清水(9:45〜55)⇒梶川峰(11:10〜30)⇒扇ノ地紙(12:25〜30)⇒門内小屋(13:05)⇒北股岳(14:20〜40)⇒梅花皮小屋(14:55)

コース取りは石転び雪渓を登るのが一番楽で、涼しくて、楽しそう。しかし、あえて一番長く稜線を歩けるルート取りということで、丸森尾根を登って縦走し、ダイクラ尾根を下るルートで考えた。けど、歩き出す直前に変更。梶川尾根の方が登りながら主脈を眺めれるのかなあ・・・ということで、梶川尾根を登ることにした。

梶川尾根は急登続き
滝見場より石転び雪渓
老木と老婆(?)

梶川尾根は登山口から急坂で始まる。必死で上を向かないと見えない。メガネの視界からはみ出てしまう。予報は曇りのち晴れだったのに、よりによって(?)朝から晴れ。南風が入って蒸し暑く、すぐに汗ビッショリに。首に巻くタオルは、絞るとダーダーと汗が出てくる。十数人のツアー客がいて賑やかだったが、それ以外はポツポツ程度のお客さん。どうやらこの尾根はマイナーだ。滝見場からは石転び雪渓が見渡せたが、雪渓にはたくさんの人が取り付いていた。涼しいんだろうなあ・・・。次は絶対に石転び雪渓から登ろうと、この時に誓った。急坂で一気に登っても、結構な下りがあったりでガッカリ。展望もそれほど良くなかったので、この登りは精神的にかなりやられてしまった。

飯豊の主稜線
梶川尾根上部の地塘
門内小屋

苦しい登りが報われたのは梶川峰まで登った時。これまでの細くて急な尾根が一気に開けて緩やかになる。ここから飯豊の始まりだ!樹林帯から草原に変わり、花にはまり中のT世さんは大喜び!もう終わっているかと思っていたヒメサユリもたくさん咲いていた。ヒメサユリは新潟、福島、山形のみに咲く花のようだ。しかし、大喜びは束の間で、みるみるうちに稜線に雲がかかり始め、扇ノ地紙に着くころには真っ白けっけの世界になってしまった。

ニッコウキスゲの中の道
皮梅花小屋と梅花皮岳  夕方にいったん晴れた

せっかくこれから飯豊の主稜線だというのに・・・。ま、展望は明日に期待ということで、今日はあきらめよう。すぐに門内小屋で、またすぐに門内岳。門内小屋はガランガラン。でも、“梅花皮小屋が一杯なのでこっちに来た”という人とすれ違った。テン場は大丈夫かなあ・・・。苦しかった今日の最後の登りを登って北股岳。展望なし・・・。残念。ひと下りで梅花皮小屋。

道中に生えていた花 (その1)
イワカガミ(白) ノウゴウイチゴ モミジカラマツ ミヤマクルマバナ
シラネアオイ ホソバノキソチドリ イワハゼ ミヤマホツツジ
ミヤマキンポウゲ ハクサンフウロ マルバシモツケ オノエラン
タマガワホトトギス ツクバネソウ ミヤマカラマツ オトギリソウ

テン場は先客2張りのみで助かった。最後には10張りくらいに増えていたので、あまり遅かったら変なところに張るハメになっていたかも。ビールだビール!凍らせてきたビールは程よい冷え具合。のらりくらりとテントを張りながら飲むビールが一番好きだ。これで天気が良かったらなあ・・・。

梅花皮小屋は北股岳と梅花皮岳のコルにあり、ロケーションはかなり良い。水場は小屋からわずかに30m。ほぼ稜線上だというのに、ジャージャーと流れていた。梅花皮岳から上手く水脈が来てるんだろう。水槽にはビールが1本浮かんでいた。盗まれそう・・・。夕方になって雲が取れた。晴れたら北股岳にもう一度登ろうとか考えていたが、ビール飲んでメシ食ったら、そんなズクはなくなった。



■7月20日(日)  梅花皮小屋⇒尾西小屋⇒大日岳往復⇒本山小屋  霧時々くもり 夕方から雨

朝起きたら雲は多いものの、まあまあの天気。御西岳と大日岳のコルが風の通り道になっているのか、そこだけ雲がかかっていた。今日はメイン中のメインなので、今日一日晴れてくれれば悔いはない。予報は晴れマーク1つで期待大!太陽が当たってなくて山に彩りはないけど、今が今日の最低だろうと期待を込めながら歩き出した。

梅花皮小屋(6:10)⇒烏帽子岳(7:00〜10)⇒御手洗池(8:00〜05)⇒御西小屋(9:40〜10:10)⇒大日岳(11:30〜45)⇒御西小屋(12:50〜13:15)⇒飯豊山(14:35〜50)⇒本山小屋(15:00)

なかなか晴れてこないなあ・・・。さえない天気の中烏帽子岳へ。ここからいったん下って御西岳、飯豊本山へと稜線が続いている。間の低い部分も良い雰囲気そうに見える。下り始めるとガスに巻かれた。ありゃりゃ・・・。ま、すぐに晴れるだろうと歩いていたら、今度は雨が降り出してきた。やれやれ・・・。霧雨だったのでカッパは着ずに歩いていたが、粒の雨になったのでカッパを着る。・・・と、すぐにやんだ。よくあるパターンだ。雨がやんだのはよかったけど、霧はいっこうに晴れる気配なし。仕方ないので道端に生えている花なんかを観賞しながら歩いていた。晴れたら最高だろうな・・・なんて思いながら。

北股岳
遠くに飯豊本山
ウスユキソウと大日岳

御西小屋に着くころにはだんだんと明るくなり、周りのガスは取れ始めた。ただ、雲がかかっているところはまだ多く、全開ってわけにはいかない。これから向かう大日岳も山頂は雲の中。大日岳に行くまでに晴れてくれんかなあ・・・。要らないものを小屋にデポし、軽いザックで大日岳ピストン。途中にある文平の池越しの大日岳の景色に期待していたが、相変わらずガスガスなので降りずに通過。この稜線も花が多い。とくに谷に向かって筋のようにつながる、ニッコウキスゲの黄色が圧巻だった。大日岳山頂ではガスが晴れたが、他がガスだらけなのであまり意味ナシ。

風下斜面は雪渓がいっぱい
御西小屋
目指す大日岳山頂は雲の中

御西小屋に戻って、いよいよ主峰の飯豊本山へと向かう。依然として湿っぽい雲がべったりとまとわりつく。ただ、飯豊本山は辛うじて雲がかかっていなかった。ここが今回のハイライトだったかな。のっぺりとした稜線はまるで北海道のよう。花もすごい!稜線全体がお花畑になっていた。視界があるのは救いではあったが、これに太陽の光が当たっていたら有頂天だっただろう。ここは次回来る際には絶対にはずせない場所だ!

ニッコウキスゲまみれ
同左

この間はお花畑もさることながら、まったりとした斜面はスキー欲もそそる。飯豊のオートルートなんかを考えてみてもいいなあ・・・とか思いながら、飯豊本山の最後の登りを登っていた。そして山頂到着。2年以上ぶりに百名山コレクションが増えたが、パッとしない天気に喜びはちっちゃい。梅花皮小屋を出る時に、今が最低の天気だろうと思っていたのに、あの時が今日最高の天気だった。遠くない将来にリベンジ確定だな・・・。

飯豊本山をあとに小屋へと向かう
遠望としてはこれが今日最高か?
本山小屋

本山小屋は飯豊本山の東隣にあるピークに立つ。小屋まではあっという間だったが、小屋からテン場までがやたら長い。しかも水場は小屋と本山のコル下にある雪渓。順番からすれば水汲んで、小屋で受付して、テント張りが効率的だが、水場は知らずに通り過ぎるし、テン場争奪戦のため、先にテン場に行かなければいけないし・・・。結局、テントを張ってから水を汲みに行くハメに。往復30分くらいかかったのかなあ・・・?本来の水場はテン場の下にあるらしいが、今年は残雪が多くてまだ掘り出せないとのこと。

道中に生えていた花 (その2)
イブキトラノオ チシマギキョウ オヤマノエンドウ ヒナウスユキソウ
シナノキンバイ ウラシマツツジ イワオウギ ノウゴウイチゴ
オオバキスミレ キヌガサソウ チングルマ ハクサンイチゲ
コミヤマカタバミ? クルマユリ チシマギキョウ(白) イワイチョウ

水汲みからテントに戻ってしばらくで雨が降り出してきた。不幸中の幸い。すぐにやむかと思いきや、ずっと降りっぱなし。しかも、霧雨は本降りに変わる。夕立かなあ・・・?でも、夕立っぽい降り方でもないし。明日の朝まで残らなければいいが・・・。結局は夜もほとんど降り続いた。と思う。



■7月21日(祝)  本山小屋⇒飯豊山⇒ダイクラ尾根⇒飯豊山荘  霧時々くもり 激暑!

朝起きても雨。最悪の展開だ。今日も晴れのはずなのに・・・。止みそうになるが、なかなか止まず、便所に行くタイミングが難しい。便所もそうだが、テント撤収のタイミングも難しい。となりのツエルトの人は、夕べはよく寝れなかったみたいだ。ツエルトだと横壁がペチャペチャ当たって来るからなあ・・・。たくさんあったテントも他にあと1張り。小止みになったので、意を決してカッパを着て撤収。カッパを着て出発したが、歩き始めてからは雨が降ることはなかった。

本山小屋(6:20)⇒宝珠山(7:45〜55)⇒休場の峰(10:10〜25)⇒吊り橋(12:00〜30)⇒登山口(13:20)

2度目の飯豊本山も展望ナシ・・・。ダイクラ尾根方面へと進む。雲に包まれて視界は乏しい。マイナーなルートだけあって、踏み跡は薄い。薄いけど気を付けていれば、道をはずすことはない。それよりも宝珠山に着かない。先がよく見えないので、どこが宝珠山かもわからない。結局、コースタイム1時間のところ20分オーバーでやっと宝珠山。下りでコースタイムオーバーなんて滅多にないのに・・・。しかも、いっぱい抜いたけど、誰にも抜かれてないし。次のチェックポイントである休場の峰も30分以上オーバー。コースタイム辛すぎ!下山後、本屋で新しい地図を見たら、宝珠山までは1時間30分、休場の峰までは2時間40分に訂正されていた。納得!持っている地図が1995年だったからいけないのか・・・。昔は早かったとは思えないし。

宝珠山付近
ダイクラ尾根
桧山沢の吊り橋

ダイクラ尾根はコースタイムに翻弄されて疲れたが、尾根自体も疲れる道。無数のアップダウンと、足場の悪い道。視界がなくて先も見えない。しかも暑い!こんなこと書いたら悪名高きダイクラ尾根になってしまうが、そのつもりで歩けばウリもある。風下にあたる東斜面にはまだまだ残雪があり、痩せた尾根の割には意外と花が咲いている。まだ痩せ尾根だけに展望は良さそう(もちろん晴れてれば)。ま、登りには使いたくないな。

道中に生えていた花 (その3)
オアノツガザクラ マルバコゴメグサ? イイデリンドウ ウズラハハクサンチドリ
ハクサンシャジン ヒメサユリ ダイモンジソウ ツマトリソウ
ハクサンコザクラ ハクサンシャクナゲ ウリノキ  オカトラノオ
コウジオウレン ハクサンシャジン ウラジロヨウラク ウサギギク

休場の峰でアップダウン地獄もおしまい。やっと一気下りだ。あとは暑さとの戦い。はじめのうちは安定しない急坂で疲れるが、後半は普通の地面になってペースアップ!同時にT世さん疲れてペースダウン・・・。足して2で割ってトントン。桧山沢に架かる吊り橋を渡って、一目散に河原へ。冷たい水で顔を荒い、手を濡らし、水を飲んだら生き返った。沢ってなんでこんなに涼しくて気持ちいいのか・・・と改めて感じた。30分ほどゆっくりして、あとは飯豊山荘に向けてテレテレと1時間近く歩いておしまい。

風呂風呂!飯豊山荘が至近距離だが、名前に惹かれて泡の湯へ。15分ほどのとこにあるにもかかわらず、ほぼ貸切状態。ぬるい源泉掛け流しの湯と、天然水を沸かした湯があった。3日間大汗かきまくりだったので、湯の塩分が増えたかもしれないな。あとは車を走らせるのみ。飯豊の山から離れるにしたがって、雲はみるみるなくなって、海岸沿いに出ると雲ひとつない快晴!温度計は34度!山に入っている間に梅雨が明けたみたいだった。飯豊にのみべったりとした雲がまとわりついていた。

「飯豊はイイでぇ〜」は間違いのないところ。ガスガスの中でも飯豊の高いポテンシャルを感じることができた。お花畑と残雪もいいし、稜線も独特。次は本山から川入にかけてと、杁差を絡める計画を立てたいな。登りは石転び雪渓で!



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