たいがい踏み跡あるけど、ハイマツ&シャクナゲに捕まると地獄
有明山あたりより
山域 |
北アルプス 有明山 |
山行日時 |
2010年9月14日 |
登山形態 |
ヤブ山ハイキング |
メンバー |
単独 |
温泉 |
家 |
登山道のない尾根、有明山から清水岳、東餓鬼岳を経て東沢岳に至る尾根を歩いてきました。いつかそのうち・・・と思いながら10年は経過。見た感じが黒くてそそらないためか、近くて遠い山だったのです。チラホラと歩いたという話は聞いていたので、そんなに激しい尾根ではないと思っていたけど、やっぱりそうでした。
有明荘(5:40)⇒尾根(7:35)⇒有明山(7:50〜8:10)⇒2283m(8:45)⇒2166m(9:35〜50)⇒清水岳(10:25)⇒東餓鬼岳(13:15〜40)⇒東沢岳(13:15〜40)⇒東沢乗越(13:55)⇒北燕沢出合(14:30)⇒中房温泉(15:25) |
いったい何時間かかるかも知らないくせに・・・。ポリシーってわけではないが、こういう時はいつも登りで計画してしまう。先に東沢岳に登っといて、下り気味に有明山に向かえば少しは楽なんだろうけど。まあ、ダメならタイムリミット決めて引き返そう。夜明けが遅くなってきて、日が沈むのも早いので、今年にするならもう限界でしょうな。ということで、急に思い立って行ってきました。
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登山口の看板 |
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有明山より 大町方面 |
有明山までの標高差約900mの気分はアプローチ。・・・だけにキツイ。こんなに急だったっけ・・・?もうすぐ稜線というころになってからの、トラバースや下りはこたえる。2時間くらいで有明山〜東沢岳の尾根に出た。ここから東沢岳に向かう手もあったけど、やっぱり起点は有明山からでしょ!と往復約1.5キロ行ってくることに。東沢岳まで何時間かかるか知らないのに・・・。
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有明山より 松本方面 |
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有明山より 一番左が大天井岳 |
有明山のピークは4つある。一番北の鳥居が避雷針になっているところ、三角点のあるピーク、間に1つあって、南端の2248mのピーク。気持ちは最南端だったけど、三角点のピークまでで勘弁しといてもらうことにする。9月半ばになっても猛暑が続いていた今年の夏だが、やっときのう秋の空気に入れ替わった。これまで朝の気温は20度を下回ることがなかったのに、今朝は一気に15度くらいまで下がった。気持ちの良い秋空が広がっている。こんなに良いお天気の日に、もっと良いところに行けばいいのに・・・と自分で思っていた。
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これから辿る尾根 |
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針葉樹林帯は踏み跡あり |
さて、いよいよ始まり始まり。登山道が尾根から離れるところから、道をはずれて尾根を辿る。・・・と思ったら、また道が尾根に戻ってきた。勇み足・・・。登山道はないけど、なんとなく踏み跡になっている。とはいえ踏まれてないので、地面はフカフカだ。ここらへんはシラビソ林。灌木は育たないようで、登山道と変わりのない足取りで進める。2283mピークには何もなし。
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大きなザックだとキツイところ |
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たまに出てくるシャクナゲ地獄 |
だいたいがシラビソ林の歩きやすい尾根だが、時々シャクナゲ林になるところがある。そうなると、とたんに足取りがペースダウン。シャクナゲの藪はやはり手強い。しかし、それは長くは続かないので助かる。もしかしたら、巻き気味に踏み跡があったのかもしれない。
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2166m手前にあった汚い池 |
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こんなところは歩きやすい |
踏み跡は尾根上か西側にたくさん付いている。けっこう見失ってはいたが、尾根の上を進んだり、右に尾根を見ながら適当に歩いていると、いつの間にか踏み跡に復帰していた。けっこう尾根から離れたところを歩いていたら、汚い池に出くわす。ササ藪を強引に漕いで高いところを目指すと、そこが2166mのピークだった。大岩の上で小休止。
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清水岳山頂は赤テープのみ |
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苔っぽいところも |
2166mからは100m弱下って、200m弱の登りで清水岳。清水岳直下までは歩きやすかったが、山頂付近はけっこう丈の高い笹。山頂を探して少しウロウロ。赤テープがぶら下がったところが、どうやら清水岳の山頂のようだ。清水岳が地図上では中間点。清水岳12時がタイムリミットかと考えていたが、今のところは余裕。清水岳は藪藪で休めないので通過。笹藪で視界が効かない。東の馬羅尾山の尾根に乗らないようにだけ注意して、北の方角へ適当に下る。
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シャクナゲは鬱陶しい |
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前も見えない藪がたまに・・・ |
下りは少しだが、コルから東餓鬼岳までは300mの登り。今日の核心でしょーな。時々灌木の藪にぶつかるけど、あと100mくらいまでは順調に進む。だんだんと樹木の丈が低くなり、とうとうハイマツが生え始めた。シャクナゲと灌木とハイマツのミックスだ。東餓鬼岳まではほんのチョットのはずだが、最後の急坂が大変だった。下向きに生えているハイマツに正面から挑む格好になる。泣きそうになっていたので、写真を撮るのも忘れていた。ここを登るか下るかでは、大きく時間が変わってくるだろうと思った。下るとハイマツが順目になるから・・・。
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東餓鬼岳より 歩いてきた尾根 |
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先日遡行した北燕沢 |
背丈の1.5倍くらいのハイマツ地獄と戯れていると、急に目の前が明るくなり、もう一漕ぎでパッと開けた。そこが東餓鬼岳。有明山を出てから全く展望がなかったが、東餓鬼岳は北アルプスの稜線みたいな景観。東餓鬼岳は主稜線からチョコンと離れた位置にある。なので、展望は抜群!・・・のはずだが、ところがどっこい!東側はガスガス。主役の燕岳も半分雲の中。それでも先々週に遡行した北燕沢の全容が見えたりなんかして、感慨深かった。もう楽勝だ!気持ちの良い山頂だったので(今までに比べたら)、30分近くゆっくりしていた。でも、楽勝ではなかった。
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気が早い |
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あれが東沢岳 一瞬晴れた! |
東餓鬼岳には三角点があるので、三角点マニアが東沢岳からピストンするという話を聞いたことがある。たしかに目印のテープがチラリホラリ、踏み跡もさっきまでよりはハッキリしていた。しかし、ハイマツの勢いは白鳳並みで、強引に押そうとしてもはね返される。丹念に枝1本ずつ処理していくのが、疲れないし、結果的に早いような・・・。ガスと藪で目指す東沢岳はどこにあるやら・・・?時々裸地になるところで距離を稼ぐ。小さいピークを越すと、尖がったピークが見えた。あそこに違いない!そこからは踏み跡バシバシであっさり東沢岳に。
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高瀬ダム湖と裏銀の山々 |
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餓鬼岳方面も東側は霧 |
東沢岳の一番高い岩に腰を下ろす。これにて本日の予定終了。有明山の三角点から4時間25分+休憩でした。6時間くらいを見込んでいたけど、休憩入れても1時間ほどお釣りが来た。ま、とりあえず一つ宿題やっつけた気分ではあったけど、ただ歩くだけの赤線マンだったというのが正直なところ。鬱蒼としたシラビソ林が大半だったので、南アルプスファンの人ならOKかも。ボクは北アルプスファンなのでNG。
今年の夏まで歩いたことのなかった中房温泉から東沢乗越の道。もうすでに歩き慣れた道になってしまった。とくに北燕沢から下は。登り3回、下りは2回目だもんな・・・。この1ヶ月だけで。途中、雨がパラパラ降ってきたけど本降りにはならず、1時間半ほどで中房温泉へ。
有明山から東餓鬼岳の直下までは、概ね深いシラビソ林。たまにシャクナゲ地獄になるが一時的。ササ藪はけっこうあったけど、柔らかい笹なので、かき分けなくても強引に進むことができる。下手な登山道と同じくらいの時間で歩ける感じ。
問題は東餓鬼岳直下からのハイマツ地獄。下り方向と風下に枝の先は向くのは常識。あえて正面(風下側)から突っ込むような形になったけど、かなり手強かった。
尾根筋はだいたい明瞭。気を遣ったのは藪で視界の効かない清水岳くらい。逆コースなら東餓鬼岳の下りがわかりにくいかもしれない。全体的に尾根の北東面が急になっていて、踏み跡は南西面に付いている。踏み跡をはずしたとしても、気にせずに進んでいたら、要所要所で必ずと言っていいほど踏み跡に復活した。尾根から離れすぎなければOK。
山を楽しむって感じのところではないが、赤線マンにはお勧め! |
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