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内ノ倉川 七滝沢 沢登り


前半は巻き疲れ、中流部は癒し系、詰めは草原・・・と、盛りだくさんの沢でした


大滝の迫力はすごかったけど、2日目の釜付き小滝も印象に残った。


 山域  飯豊連峰前衛 内ノ倉川 七滝沢〜二王寺岳  
 山行日時  2010年7月17日(土)〜18日(日)
 登山形態  沢登り
 メンバー  Ko−ちゃん、Sじー、高P
 温泉  あやめの湯(400円) 新発田市


やっと実現しました。七滝沢。昨年も同じ海の日で目論むも、梅雨が明けず・・・。このくらいの距離になると、普通の土日で行くにはズクが要ります。かといって、お盆や9月、10月の3連休には他に行きたい場所がしこたまある。。七滝沢はボクにとっては海の日が遡行適期なのです。

その七滝沢。前半は水量が多く、大きな滝は全て高巻きという体力勝負的な印象。20m滝を越えると一変し、明るいナメ滝&釜の癒し渓に。時折ミニゴルジュも交じって、遡行感度は良好。詰めは雪渓の残る草原で、ヤブ漕ぎはほんのチョット。下山は泊まりの沢なのに2時間ほど。七滝沢は沢登りの全ての要素が盛り込まれた、中級クラスの素晴らしい沢だと感じました。

■7月17日(土) 内ノ倉ダム⇒七滝沢⇒三俣テン場  晴れのち曇り一時雷雨

この週の東日本以西は梅雨末期の大雨で、信州の大きな川は全て濁流になっていた。週間予報では海の日3連休がギリギリ梅雨が明けるかどうかの境目。新潟の下越ではたくさん降った形跡はなかったけど、近くないだけに、行ってダメではロスが大きい。。心は揺れまくり・・・。いったん中止にしたが、前日になって気が変わる。ダメなら越後の日帰りの沢に転進することにして、行くだけ行ってみることに。

内ノ倉ダム(7:10)⇒七滝沢出合(8:00〜15)⇒5段100m滝下(10:35〜50)⇒5段100m滝上(11:35〜50)⇒7段130m滝下(12:45〜13:00)⇒20m滝下(14:55)⇒三俣テン場(16:10)

滅多にしない前夜発だが、早朝発するにはビミョーな道のり。22時に豊科で集合し、小布施でこーちゃんを拾う。この1週間お疲れモードだったので、ダメになったところで寝るつもりにしていたが、一度も眠くならずに2時半には内ノ倉ダム到着。6時起きすることにして寝るが、寝つけない・・・。少なくとも4時半までは寝付けなかった。

 
七滝沢出合付近の内ノ倉川 内ノ倉川を渡渉して七滝沢に入る

起きたら晴れ!やったー!夕立が心配なので、できるだけスピーディーに動いて、早めにテン場に着こう。林道(車はダメ)を50分ほど歩いたら七滝沢出合。水量は多そうだけど、濁っている様子はなし。林道から河原に降りて沢の格好になる。内ノ倉川の渡渉は想定の範囲内。

 
七滝沢出合 最初のゴルジュは水流を進むが・・・

七滝沢に入ってしばらくゴーロだが、しばらくでプール。巻けば簡単らしいけど、このクソ暑さでは泳ぐしかあるまい!泳いだりへつったりでクリアしていくが、最後が突破できずに巻く。そのあとの大岩ゴロゴロあたりから体調悪化・・・。胃がもたれて吐き気が・・・。体がだるい・・・。力が入らない・・・。まだまだ先は長い。大滝2つの大高巻きも残っている。この先が不安になった。

 
浴びながら・・・ 2段7m

単調なゴーロだけど、一歩が大きいところが多く苦しい。みんなと離れて最後尾を歩いていた。ド迫力の10m滝を登り、次の8m滝を左から登ると、ジャカジャ〜ン♪出ました5段100m滝。想像していたよりも立ってて、手の付けようがない感じ。高巻きに備えてゆっくり休む。

 
10m滝はすごい迫力! 高巻き中に見えた5段100m

この高巻きは踏み跡がバラけてないせいか、しっかりしていてはかどる。覚悟を決めていたせいか、意外とあっさり45分で高巻き終了。アッサリとはいっても、水のない急斜面をひたすら登るので、さらに体力を消耗。沢に戻って水浴び。体が火照っているので冷やす。こーちゃんや高Pから薬を何種類かもらって飲んだのだが、どれかが効いて胃のむかつきはなくなった。

 
岩はヌメヌメ なかなかの渓相です

再び沢を歩きだす。ゴーロが主ではあるけど、時々楽しい場面が現れる。・・・けど、体調が悪いのでキツイ。吐き気はおさまったけど、体のダルさと筋肉のしびれが増してきた。谷が右カーブすると、しばらくで7段130mの大滝。こちらの滝も迫力はあるけど、傾斜が寝ていてゴーロ滝に見える。高巻きに備えて水浴び。体を冷やす。7段130mの高巻きも踏み跡はしっかりしているけど、ずっとトラバース気味で巻き上がる感じで、雪で倒された灌木をやり過ごしながらの全身運動。とにかく暑い!ここが核心と思って耐える。全身火照りまくりで、頭がクラクラしてきた。いったい下界は何℃あるんだろう・・・?考えてみると、ここは山だけど、まだ松本市の標高よりも低い。そりゃ暑いわな・・・。踏み跡に導かれて7段130m大滝の上に出た。たまらず水浴び。

 
7段130mの全貌 7段130mを巻き終わっての4段60m

2つの高巻きを終え、なんとか先が見えかけてきた。差し当り目の前の4段60m。1段目を右から巻き気味に登る。そこから沢に降りても対岸に渡れないとのことで、さらに巻き上がる。落ち口の高さになり、トラバースしたいところだったが、岩壁に阻まれ、上に追い上げられる。谷自体の標高も同時に上がるので、登りすぎってこともなかったけど、予定になかった高巻きだったのでゲッソリ・・・。いったん谷に降りて直登の可能性を探るべきだったかな・・・。直登できなかったとしても、小さく巻くことができたかもしれない。結果論だが・・・。谷に戻って水浴び。

 
20m滝 右壁をへつり上がる

あと残る難関は20mのみ。体調は相変わらずだが、気合で行くしかない!幸いなことに、じっとしていると体調の悪さをあまり感じない。これなら宴会は可能だ。20m滝は登れそうなところがない。左のルンゼ状から巻くが、足場の悪い急傾斜。木を掴んでいる手を離したら真っ逆さま。なかなか落ち口に近づけず、余分に登らされる。雷が鳴りだして、ポツリポツリと雨が落ちだし焦る。でも、ひどく降ることなくおさまった。ホッ!沢に戻って水浴び。

 
20m滝が終わると穏やかに 疲れてなかったらもっと堪能できたのに・・・
 
幅広ナメも 時々ミニゴルジュ

厳しいと予想されるところは全てクリア。あとはテン場になる場所があれば本日の行動終了。それがなかなかない・・・。もうヨレヨレ。結局ガイドに出ている三俣まで行くことになるのであった・・・。七滝沢はあまり快適なテン場ってものがない。河原が発達してないし、段丘になったところも少ない。三俣のテン場の他には、そこから2時間ほど登ったところにある左岸の段丘に見たくらい。ここは段丘は湿っぽかったけど、河原が快適そうだった。次回来ることがあれば、頑張ってここまで来るだな。

 
思案中・・・ やっとこさテン場

テン場は川から1mチョイの高さの段丘。細長い感じのテン場で、大きなテントを張るには狭い。タープで寝るにはむさ苦しそう。すでにマキが完備されていた。回りを見る限りでは流木はほとんどない。かなり遠征して集めたと思われる。初日に核心のある沢では、少しは軽量化を意識するが、高Pはいつものように豊富な食材を用意。この日も流行りの櫛焼き。ホルモン焼の残り汁で食べた素麺が印象的だった。麺は素麺だけど、パスタを食べているようだった。


■7月18日(日) テン場⇒二王寺岳⇒二王寺神社  晴れのちくもり

寝不足だったのでグッスリ寝たいところだったけど、背中の大岩がジャマで熟睡できず・・・。ま、けっこう寝たから大丈夫でしょう。朝飯は素麺。違う味で2回戦だった。朝からテン場は陽を浴びて暑いのなんの。こりゃあ今日も暑さとの戦いだな。

三俣テン場(8:00)⇒17m滝(9:40)⇒二俣(10:35〜50)⇒源頭の草原(12:20〜50)⇒二王寺岳(13:05〜25)⇒二王寺神社(15:20)

さあ、本日の体調はどうなか・・・?復活してればいいけど。普通の沢は前半はダラダラで、後半ほど傾斜が出てくる。七滝沢は前半に大滝などで高度を上げて、中盤はユルユルの流れになる。詰めもそれほど急にはならない。テン場付近はちょうど中盤のはじまりくらい。

 
6mヒョングリ滝 へつって近づく
 
こんなのがたくさんあって楽しい! ナメ滝&釜もちりばめられてます

谷の傾斜がないから平凡かと思いきや、これがまた変化があって楽しい。開けた気持ちの良いゴーロになったり、急に狭まってミニゴルジュになったり、ナメ滝と釜が連続したり・・・。ゴルジュは簡単ではないけど、難しくもないという、ちょうど良いレベルで迎えてくれる。

 
癒し系ですな・・・ 同左
 
一番楽しいところ 気持ちの良い瀞

1ピッチ歩いたところでは、体調は復活しているようだ。体の重さは残るけど、これは年齢によるものだろう。ま、ひと安心。ヒョングリの滝は水量が多く、ヒョングってるのがわからないほどの迫力。17m滝は水流の右を登る。高さはあるけど、手も足も豊富。快適この上なし。肝を冷やす登りはあまりしたくないので、これくらいの滝がちょうどよい。

 
見た目よりも簡単 同左
 
明るい緑と青空がいい感じ! 17m滝  ここは快適

昨日の大滝2本。滝としては素晴らしいけど、沢登りとしては巻きになるので面白くない。どんなに立派なゴルジュでも、水線突破できなければつまらない。滝も同じ。なんとかロープなしで行けそうなくらいが、一番楽しいのではないかと思う。何かでこの七滝沢と湯檜曽川本谷を比較しているのを見たが、そういう点では湯檜曽の勝利。同じ3級でも、湯檜曽の方が簡単に感じた。下山の長さは倍だけど・・・。

 
17m滝を上から 三ツ釜
 
三ツ釜を上から見ると釜が三つある 石が落ちそう

1:1の二俣をボケーッとして通り過ぎる。こーちゃんに呼びとめられて戻る。”二俣で休憩”と思いながら歩いてて通り過ぎてしまう。頭の老化も急ピッチで進んでるようだ。車に乗ってても、曲がるところを通り過ぎることが増えてるし。知らないうちにボーっとしてるんだろうなあ・・・。そういえば、去年もあったなあ・・・同じようなこと。

 
残置シュリンゲのあるゴルジュ 赤木沢を思わせるナメ滝
 
このへんだけ赤かったなあ・・・ また違った趣きの釜&ナメ滝

二俣を過ぎたら水量は半分になるが、楽しさは変わらない。飽きる前にアトラクションが現れる。残置シュリンゲのぶら下がった淵や、赤木沢を思わせる(到底及ばないが・・・)ナメ滝なんかが出てくる。二本木山とのコルへと伸びる沢を分けると、グッと水量が減るけど、それでも15m滝や7m滝が出てくる。5mくらいの滝で少し悩んで直登したが、クライミングのグレードとしては、この滝が最上級グレードだったかな。結局のところ、七滝沢では一度のロープを出す場面がなかった。

 
トイ状滝 同左
 
一番テクニカルだった5m 源頭が近付くと苔っぽくなってくる

最後の赤布がぶら下がる二俣を右に少し進むと、源頭の雪渓が目に入った。間の丘を乗っこし、結局左俣に入る。雪渓の末端のこれからお花畑になる草原で、最後の水補給を兼ねた休憩。ちょっと曇り気味になってきてはいたが、とっても気持ちの良いところだった。ハクサンコザクラが少し咲いていた。ニッコウキスゲ、イワカガミなども。

 
まだまだ楽しませてくれます 最後の二俣を進むと雪渓が

中休止のあと、最後の詰め。沢登りは詰めも重要な要素。詰めの様子や詰め上がったところのロケーションが、これまでの苦労が報われることがよくある。今日の詰めは70点。ヤブ漕ぎ5分で二王寺岳直下の登山道に出た。さらに5分以内で二王寺岳山頂へ。さすがに二百名山、山頂はそこそこのお客さん。トンボはその十倍。トンボといえば秋を思うが、下界は梅雨明け直後の猛暑。さあ、降りるか・・・。

 
ここは別天地 やっとこさ到着

山頂は携帯が通じるとの話だったけど、ドコモは圏外。タクシーの手配があったので、片手に携帯を持ちながらの下山。途中で通じて無事タクシーを手配。2時間とはいえ、灼熱の下山は辛かった・・・。二王寺神社から内ノ倉ダムの車まで、タクシー料金は5620円でした。

新発田市内のあやめの湯で汗を流す。なんの変哲もない温泉だが、400円なので評価は悪くない。新発田市内で高速に乗る前に夕食の予定だったが、思わしいところがないので高速に乗る。メシを食わなかったおかげで、2度の事故を最小限のロスで通過。2個目のやつは通行止めになってたからなあ・・・。メシ食ってたら食らったことになる。無事帰宅。

やっとやっつけました七滝沢。


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