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水無川 滝沢 沢登り


越後デビュー! 苦労以上にワクワク感を感じながらの遡行でした


西遠見付近からの五竜岳


 山域  越後 水無川
 山行日時  2010年9月26日(日)
 天気  晴れのち時々くもり
 登山形態  沢登り
 メンバー  I川
 温泉  新浦佐温泉 たもん荘(500円)

もともと今週は南アルプスの沢の予定だったが、関東甲信だけ天気がよくなく、その前にもまとまった雨が降っていた。大丈夫そうな気もしたが、わざわざ天気の悪いエリアに行くこともない。久しぶりのK子さんとの沢だったけど、予定を白紙に戻す。で、この時期・・・日帰り・・・ということで、未だ立ち入ったことがない越後三山の沢に目が向いた。

ガイドブックをペラペラめくっていても、なかなか初級の手頃なヤツがない。今シーズンは割と中身の濃い沢登りを数本やってきたので、すでにモチベーションは底に近かった。リサーチする時間も足りず、無理やりテンションを高め、中級となっている水無川の滝沢へ行くことに決まった。

前夜泊場(5:40)⇒極楽尾根登山口(6:00)⇒デトノアイソメ(7:10)⇒滝沢出合(7:35〜45)⇒三俣(9:55)⇒二俣(13:40)⇒稜線(14:55〜15:25)⇒極楽尾根登山口(16:50)⇒キャンプ場(17:30)

土曜日は空いたので、昼頃に出て前夜泊宴会。飯山のベイシアで買い出し。水無川沿いの車道がどこまでは入れるかが問題だったが、やっぱりキャンプ場のところに簡易ゲートがあった。簡単に動かせて進入できるけど、何かあっても責任取りませんよという行政のスタンスだろう。実際、十二平の少し手前までは入れそう。キャンプ場から20〜30分歩いて、広河原になっているところで宴会。今シーズン定番の串焼きの他、サンマを網焼きしたりした。

デトノアイソメ付近の巨岩帯 出合すぐの20m

時間を食いそうなので早めに動きだす。車道を歩き、十二平から先は草ボーボーの作業道歩き。歩きにくいし不快なので、途中で川に降りた。ここで塩Gに見送られる。一緒に行くはずだった塩Gだが、昨夜の宴会で指先を痛めてしまって、お留守番ということになってしまったのである・・・。デトノアイソメまで長く感じたが、そこから滝沢出合はすぐだった。水無川本流の渓相はなかなか良い。出合からすぐ20m滝がある。朝一にしてはチョットやな感じ。難しくはないけど高さがあるので・・・。けっこう時間を食ってしまった。

10m3段 まだ日が当らず暗い 同左

いくつか滝を越えると、無理すれば登れるかもしれない滝(8m)。登る気は全くナシで巻きを検討。少し戻って左岸の傾斜の緩くなる小尾根状から巻き突入。落ち口を越えて、下降ルートを探していたが、ロープなしで降りるのは無理。偶然木の根っこがあり、そこから懸垂(7〜8m)で沢に戻る。

8m滝  右から高巻いて懸垂で降りる 同左

滝沢全体を通してだが、高巻きは比較的悪くない。足が震えるような泥と草の壁はなかったし、意外と沢から遠くないところに灌木が生えていた。草が強いのが多くてホールドになるし。なので、登れない滝が出てきても、絶望的になるような感覚はない。高巻いてばっかりだった割には、懸垂は一回しかしてないし。そうはいっても、簡単にクリアしていけるところが少なかったので、標高差1000mを7時間以上かかってしまうことになる。

30m4段滝 12m滝と思われる  どうやってのぼったっけ?

まあ次から次から滝ばっかり出てくるこっちゃ・・・。名前が滝沢だから・・・。でも、そーしたらこのエリアの沢は全部が滝沢だ。平らなところはあるけど踊り場程度で、すぐに次の滝が控えている。登れそうで登れない(登りたくない)滝が多く、側壁を絡めながら巻く場面が多くなる。滝の傾斜自体はあっても、逆層で外傾しているので見た目より悪い。

並び滝  三俣になっている 同左

急に決めた沢だし、沢のレベルと自分たちの力関係もわからないので、手に負えないようなら引き返す準備はしていた。一応、並び滝をチェックポイントに設定。ここまででベラボーにガイドのタイムをオーバーするようなら、並び滝をメドに引き返すことにしていた。結果は2時間20分。では、先に進むとしましょうか。高度を上げると真後ろの八海山が雄大になってくる。

8m滝上の45m2段滝 八海山の眺めがいい

並び滝の左側を進む。はじめの8mだけ巻いて沢に戻る。その先の2段45mは細かく登っていくことになるが、1ヶ所2m少々の側壁に手を焼く。30分くらい遊んでたのかなあ・・・。結局はこーちゃんに肩の上に立ってもらって、ボクも立ち上がって無理やり越えた。こーちゃんに引っ張り上げてもらう時に、全体重が肋骨にかかってしまい、ゴリッと鈍い感覚が・・・。

2段45mの最上部 同左

沢が左に曲がるとゴルジュに。でも、ここには滝はなく岩がゴロゴロ。運ばれた岩は全部ここに溜まるようになっているんでしょう。ここを通過した岩は本流までマッシグラ。滝沢で数少ない普通に歩ける区間だったかも・・・。

どんどん滝が続くもんで何が何やら・・・ 左に曲がるとゴルジュに

まっすぐは支流で、本流は右から滝で出合う。4m滝。その先はトイ状の2連発になっている。なかなか渓相の良いところだ。左から小さく巻きながら越えて行ったんだったっけ・・・?なんだか滝ばかりで、写真を見ただけではどうやって抜けたのか思い出せない。

15m2段トイ状と手前の4m 15m2段を真下から

しばらくでまた谷が左に曲がり、また岩が溜まる区間に。こちらもまっすぐは支流で、本流は右から滝で出合う。さっきのところとそっくりな地形。ただ、この出合いの5mくらいの滝にてこずる。水流左に取り付くも、最後の3手が恐い。多分行けたと思うけど、怖かったのでやめといた。少し支流を登って高巻きに入るルートを検討するけど、なかなかいい場所がない。結局浅い草付きのルンゼ状を登り、沢の方にトラバースするが、沢はすごい連瀑になっていて、すっと上まで滝が続いている。細い谷を渡り、本流に近づくが、まだ連瀑帯の中。さらに上を目指す。灌木は生えているものの、傾斜が急で行き詰まりかけてはルート修正の繰り返しだった。モンキーしまくりで、さっきの肋骨が悲鳴を上げる。最終的に奥の二俣まで滝2つを残すところまでの大高巻き。まあ、高度的に無駄はないけど、くたびれた。

2回目の左折後はまたゴルジュ 左のゴルジュに右から入る本流

大高巻きをした後の祭りだけど、入口の滝をなんとか登ってれば、局面は変わっていただろうなあ・・・。水流右も試してみるとか・・。それを抜けていたら、連瀑帯は直登はできなかったかもしれないけど、少なくとも水流の近くにいれたと思う。やっぱり登攀系の沢に来るにはテンション低かったし、肋骨が痛・・・い。しかし、滝の大半は高巻き。頑張ればもう少し直登できるんだろうけど、もう少し楽しく登れる滝があってほしかったなあ・・・が正直なところ。

二俣手前の滝 同左 核心は終わった

巻き終わったところから2つ滝を越したら、2:1の二俣に。すでに源頭の雰囲気。・・・というか、二俣の先でいきなり水が涸れてしまった。さあ、あとは詰めだ。やっと時間が計算できる感じに。でも、疲れたので足取りは重い。黙々と地道に登る。沢形がなくなるとヤブに突入。区間的には短かかったけど、1ヶ所急になっているところで立ち往生。垂直に近いところを灌木両手に這い上がるのだが、肋骨が痛くて体を上げ切れない。何度も力尽きて滑った。15分くらいやってたような・・・。泣きそうになりながらクリアし、こーちゃん待つ登山道へ倒れ込むようにゴール。

同右上 2:1の二俣を左に進むとツメの段階へ

登山道に出てヤッターというより、痛みから解放されてホッとした気持ちが強かった。昨年の腰痛のブサの裏沢と似た気分。この時は1週間仕事できなかったからなあ・・・。沢登りを楽しむというよりも、痛みとの闘いといった感じだった。途中からこーちゃんにずっとトップで行ってもらったこともあって、後半はとくに記憶が薄いなあ・・・。モンキーが辛かった記憶ばかり。

魚沼の平を望む 中ノ岳の山頂は雲

下山は痛くなくてひと安心。滑りやすい登山道で気が抜けなかったが、越後三山の独特の山容を楽しみながら下山できた。高いところで2000mそこそこなのに山が立派。このエリア、沢もそうだけど、もっと歩きで来てみたいと思う。八海山くらい早く登っておかないと・・・。駒ヶ岳と中ノ岳には登ってるけど、もっと深く入ってみたいところ。

このエリアはちょうど温泉の不毛地帯。知らないだけかもしれないけど・・・。今回ダメモトで行ってみた新浦佐温泉のたもん荘。旅館のお風呂なんだが、旅館のイメージよりも立派な風呂で、おばさんの愛想もいいし、500円と手頃。まあ普通の風呂といえばそれまでだが、沢の後には必要にして十分といったところでしょう。

翌日は左腕が上がらなくなってしまった。左腕1本でぶら下がってしまった時、筋でも伸ばしてしまったのだろう。2日経っても肋骨が痛いので試しに病院に行ってみたら、やっぱり肋骨が折れていた。骨の折れる沢でした。


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