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鉢伏山 地図読みハイキング


山岳会の地図読み講習に参加してきました



 山域  信州 鉢伏山
 山行日時  2011年11月23日(祝)
 登山形態  講習系ハイキング
 天気  晴れのちくもり
 メンバー  大勢
 温泉  なし

今日は県連主催の地図読み講習会。場所は鉢伏山。鉢伏山は近所の山にもかかわらず、実はまだ一度しか登ったことがありません。その一度も冬に扉温泉から登ったもの。表側(?)から登るのは初めてなのであります。松本盆地から見るとタラ〜ッとしたナルい山で、しかも山頂に車道が通っているとなると、登りたいという意欲は沸いてこないのです。ま、実際に今日歩いてみたら、意外と面白いものがあったりして・・・。

集合・ミーティング(7:00)  牛伏寺上駐車場(7:40)⇒1610m林道(10:45〜11:20)⇒牛伏寺(13:30)

登山口は牛伏寺。実は牛伏寺に来たのも初めてなのであります。牛伏寺の少し上、牛伏川(うしぶせがわ)の左岸に渡ったところにある駐車場に車を止めます。集合時間の7時は快晴で寒く、北アルプスがよく見えていました。午後から下り坂ということですが、お昼くらいまでは何とかもってもらいたいところ。

 
駐車場 出発前のレクチャー

メンバーは他会から7名、マツキンから10数名で計20人くらいの参加者で。講師を務めたのはマツキンのT山氏。駐車場で地図の見方やコンパスの使い方などのレクチャーをしたあと、実際に歩き始めます。牛伏寺は鉢伏山の西側で太陽が当らなくて寒い。風も少しあるし。まともに歩かないし。

 
フランス式階段工 同左

登山口付近には国の登録有形文化財に指定されている、「フランス式階段工」という水路があります。明治時代の鉢伏山は乱伐や山火事などで山が荒れ果て、牛伏川は大量の土砂を流し、災害を引き起こしたとのこと。そこで明治から大正時代にかけて砂防工事が行われ、「フランス式階段工」という後方が採用されたようです。

このフランス式階段工のメインの水路は登山口のすぐ上にあるのですが、砂防施設はここだけではなく、流域のあちこちに見ることができました。堰堤だったり階段状だったり、いろいろな形態の砂防施設があります。全てが自然石の石組で作られているので、堰堤マニア(そんなのいる?)にはたまらないんじゃないでしょうかね。

 
こんなのもあったり 沢の分岐で検証

特徴的な地形のところで地形図上に番号が付けてあり、その番号のところで止まって解説をするという講習内容。次の番号の地点まで進んでまた解説・・・と繰り返します。登りは基本的に沢地形の中を歩き、下りは尾根を下ります。登りは尾根よりも沢が難しくて、逆に下りは沢より尾根の方が難しいので、なかなか良い選択だったのではと思います。

 
連瀑堰堤 左の写真を上から

登りに使ったルートは地形図には載っていません。これによって地図読みの難易度が少し上がり、真剣に見ざるを得なくなります。流域全体で砂防工事が行われた影響か、大きな沢から小さな沢まで名前が付けられていました。もちろん地形図には記載されていませんけどね。鹿対策なのか何なのか、木の下の部分の皮が剥がされている地帯がありました。

 
木の下の方が剥がされている 遠くに薄っすら北アルプス

普通に歩けば2時間かからないところ、講習しながらで3時間かかって林道へ。林道では熱々のお汁粉の振る舞いが。朝一から講習に参加できなかったK田さん、車で上がってお汁粉を作ってくれてたのでした。寒い中で食べる(飲む)お汁粉はとっても美味しかった。三杯食ったら夕方になってもお腹が減ってきませんでした。ちなみに、下山時にはリンゴを剥いて待っててくれました。

 
林道に出たところでお汁粉タイム エクストレイルという厨房

下りの尾根ルートは登りの沢ルートより難易度高め。沢は線で引けるけど、尾根は線を引くのが難しい。どうしても手掛かりが減ってしまいます。地形図の等高線の並びを見て、いかに頭の中で忠実に絵を描けるかがミソ。手掛かり(判断材料)を多くみつけることができるほど、地図読みの精度は上がるはずです。

あとは労を惜しまないことかな・・・。少しでも不安な要素がある場合には、できるだけ不安要素を潰しておくこと・「多分右だな」と思っても「左が違う」ことを労を惜しまずに確認することが大事。先に違うと思われる方を潰しに行く、確定しに行くということ。そうすることによって自信を持つことができるし、精神的にもスッキリします。・・・・とはいっても、思い込んで間違えたり、横着して間違えたり、ツジツマが合ってしまう(合わせてしまう)時にも間違えやすいですね。

 
下りはアカマツ林もあった 牛伏寺

尾根の末端というのは裾広がりになっていることが多く、地図読みは難しくなります。最後の最後に牛伏寺の裏めがけて降りるところも、裾広がりの判然としない尾根になります。ここも尾根の真上をはずさないように、。確実に辿ることが肝要。わからなくなったら動いてみる。動いてみたら新たな手掛かりがみつかることが多いです。めでたく牛伏寺の裏に降り着きました。

一般の登山道があるルートを歩く場合は、2万5千図を遣使う必要性は少ないように思います。逆に2万5千図の方は登山道の位置が違ったりして、余計にややこしくなる場面も多いです。必要性の少ないルートで地図読み練習をしても、なかなか習熟は難しいもの。切羽詰まった状態で本当に真剣に悩んではじめて身に付くように思います。GPSも読図力アップの弊害になると思います。GPSを持ってると安心感から切羽詰まった状態になりませんので。

登山道のあるルートでも地形図を用意し、常に地形図を見るようにしましょう。はじめは眺めているだけのレベルでも、だんだん目が慣れてきて、今まで見えなかったものが見えてきたり、感じられなかったものを感じられるようになってくるものです。今回のように徹底的に地図を見ながら歩く機会は少ないもの。普段の登山の中でこれだけ地図をみるわけにいきませんもんね。 年に2回くらいは地図読み講習の機会を作ればと思います。

 
    



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