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前常念岳 二ノ沢 沢登り二ノ沢は苔コケワールド
前常念岳の東面は三角になっていて、そこに突き上げるのが烏川支流の二ノ沢。安曇野からよく見えます。下流部は釣り師の痕跡が多く見られますが、沢登りとして前常念岳まで詰め上げた記録はネットではない(と思う)。まあ、目立つ沢だけに遡行者はいるでしょうが・・・。 二ノ沢は標高差は約1400mあって、日帰りとしてはかなりのスペック。難しい場面がいくつも出てきたら、前常念岳到達は難しいでしょうな。フタを開けてみれば手を焼く場面は一つもなく、拍子抜けするほどに平凡な沢でした。おかげで最後は余裕をもって詰め上げることができました。
堀金の道の駅で集まって2台で三股に向かう。三股駐車場は6時で満杯でした。運よく1台を三股の駐車場に置くことができ、もう1台で二ノ沢林道の車止めへ。最初に二ノ沢を渡る橋にゲートがあるので、ここから遡行開始となります。釣り師と思われる先客の車が1台止まっていました。そういえば偵察に来た時にも車が止まってたなあ・・・。
橋から見る二ノ沢は遡行意欲がわきません・・・。ヤブっぽく、コケっぽく、むさ苦しく感じます。沢に降りて少し進むと倒木がなくなって、少し渓相が回復してきました。コケっぽく樹林が流れの際まで生えていて、北アルプスの沢のイメージではない。勝手にイメージしてるだけですが・・・。単調なゴーロ歩きに飽きた頃、巨大な取水堰堤が現れた。
取水堰堤に車の持ち主と思われる釣り師がいた。もう少し上流まで釣りを楽しみたいとのことで、左岸にある釣り師の踏み跡を歩くようお願いされた。なるほど左岸には顕著な踏み跡が続いている。余裕のある沢なら流れに戻るところだが、今日は先が長くて不確定要素が多いので、これ幸いと踏み跡を追って駒を進める。このあたり、釣りではかなりの人が入っているようだ。
地形図上ではわりと穏やかな場所に10mの滝が出てきました。釣り師のおっさんが言っていた「タル滝」でしょう。右からの巻きが簡単そうでしたが、水際を登ることも可能なようでした。ま、今日は駒を進めることが優先だ。遊ばず右から巻く。巻きの踏み跡はハッキリしていた。これが魚止めかと思いきや、滝上にも魚影があったようです。
滝を越えるとしばらくで二俣。地形図を見ると右俣には水線があるけど、左俣にはない。しかし、前常念に直で詰め上げているのは左俣だ。等高線がVの字に切れ込む右俣のほうが沢登りとしては魅力を感じますが、あくまでも前常念に直接詰め上げる沢ということになると左俣なのであります。
地形図で想像するに、もっともアトラクションが出てきそうな気配があるのが二俣先のS字になった部分。やっぱりありました!2段になった10m滝です。ここも水際に突破口がありそうでしたが、高巻きが簡単そうだったので巻く。先が読めないので手間暇かけていられません。そのあと屈曲点に横から落ちてきている5m滝が出てきます。N川さん左壁にチャレンジです。足を押さえてあげたりしてなんとか抜けるが、結局は左に逃げざるを得ない感じでした。あとの3人は最初から左巻き。
再び沢は単調になり、西に向きを変えると奥の二俣。奥の二俣といっても水量比は3:1。普通なら左の3の方に進むんですが、前常念岳直下から落ちてきているのは右の1の方。あくまで目指すは前常念なので、あえて水量の右俣を選択。水量は少ないけど、ほとんど枝沢がないので水量は減らずに上の方まで行くのではと考えていました。ところがどっこい、右俣に入るや否や水枯れ。伏流しているだけですぐにまた水が出てくるだろうと思ってたけど、なんだか怪しい雰囲気。水流のある枝沢から水を汲んでおいた。結果的にここが最後の給水ポイントでした。上流で伏流した水が、100年後に安曇野の湧水となって出てくるのかも・・・?
前常念までまだ800mも残っているのに水枯れ・・・。しかも行く先はヤブっぽい。この先どうなるんでしょう・・・。左俣に乗り換える手もありましたが、今日は探検系なのであくまでも前常念を目指します。するとヤブっぽいのはしばらくで終わり、岩ゴロの沢形となります。とても登りやすく、登山道並みのペースで高度を稼ぐことができます。 2200mに5mくらいの涸れ滝が出てきました。遠目には楽勝そうに見えましたが、いざ取り付いてみると逆層とヌメリで意外と厄介。二ノ沢で最もスリルを味わえた場所だったような・・・。この前後からは岩盤が露出してきてます。涸れ滝登りを楽しめました。もし水が流れていたら小滝&ナメ滝連続となったことでしょうが、如何せん水は流れてません。
右俣は谷の切れ込みが浅いため、谷というよりも斜面と言ったほうがいい感じ。その斜面にお花畑が発達していました。花とは無縁の常念岳と勝手なイメージを持っていましたが、こんなところに結構大規模なお花畑があるとは・・・ビックリ!チングルマが盛りだったのが大きいかな。これで晴れていたら素晴らしいロケーションだったに違いない。詰めはかなりの傾斜で詰め上げていたので、晴れていたらかなりの高度感だったに違いない。せめて最後に前常念から二ノ沢を見おろしたかったけど、今日は一日中ガスで叶わず・・・。
最終的には前常念まであと10分くらいのところの登山道に詰め上げました。前常念に直で出ようと思うと、かなり無理矢理右に振る必要がありそうでした。辿ったライン的には予定通りで満足です。前常念岳まで登ってから沢装備を解く。霧で何も見えないけど、暑くなくて助かる。登山道を3時間弱下っておしまい。
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