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月山から肘折温泉スキーツアー


日本有数といわれるロングコースを楽しんできました


千本桜の下で休憩


 山域  月山から肘折温泉
 山行日時  2012年4月29日(日)〜30日(月)
 登山形態  山スキー
 天気  1日目:晴れのち薄曇り  2日目:薄曇りのちくもり
 メンバー  K田、T山、T世
 温泉  肘折温泉 黄金温泉(350円)

月山から肘折温泉へのツアーコースは知名度は高いと思われますが、実際に行く人となると・・・どんなもんだか。とにかくネックになるのが登山口と下山口が遠過ぎること。この問題が解消されないことには実行に移せません。登山口の姥沢から下山口の肘折温泉までは120キロもあるのです。公共交通機関を利用するにしても、バス⇒電車⇒バスと乗り継ぐことになり、荷物+スキー板を持っての移動は時間と忍耐を必要とします。今回は覚悟を決めて公共交通機関で挑むことにしていたところ、K&Tさんが計画に乗っかってくれ、アプローチの問題は車2台を使うことによって解決。

4月29日(日)  姥沢⇒月山⇒念仏ヶ原避難小屋  晴れのち薄曇り

前日は浅草岳。けっこう時間を食ってしまって、前夜泊の庄内みかわ道の駅に着いたのは夜11時。待ち合わせていたわけではないのに、偶然K&T組と合流することができました。朝5時に出発し肘折温泉に向かいます。肘折温泉に続く国道458号は夜間通行止めで、う回路の県道は朝6時に開通。それに合わせるように肘折温泉へ。まだまだ雪は積もってます。

月山スキー場リフト上(10:50)⇒牛首(11:55〜12:15)⇒月山山頂(13:20〜50)⇒千本桜付近(14:25〜15:00)⇒立谷沢川(13:25〜40)⇒念仏ヶ原西端(16:05)⇒念仏ヶ原避難小屋(16:40)

肘折小学校跡?に車を止めさせてもらい、今度は月山スキー場のある姥沢に向かいます。ナビをセットしてみると、距離がなんとまあ120キロ。西回りも東回りも似たような距離なので、交通量の少なそうな西回りで姥沢に向かう。なんだかんだで10時ですね。でも、公共交通機関を使った場合と同じくらいのスタートになるわけです。でも、肘折温泉に車があるので、バス等の時間を気にしなくてもいいのはありがたい話です。

 
姥沢の駐車場 まずは谷へと滑って・・・

今年は月山周辺も雪が多いようで、肘折温泉の積雪はまだ150センチの積雪。2006年よりも多いです。このコース本来なら4月の半ばくらいが適期のようですが、今年はGW前半なら適期に入るんじゃなかろうか・・・と決行。月山スキー場周辺も今までになく雪が多いようです。

 
シールを貼って牛首に向かいます 牛首から山頂を目指す

リフトで一気に1500m。ここが長いツアーのスタート地点です。天気は晴れだが、やや霞んでいるみたい・・・。ほとんどの人がトラバースで牛首を目指しますが、ボクらは谷底に向けてひと滑り。滑って距離を稼いでおいて、牛首に向けて一直線に谷底を登っていきます。どっちが早いかはわからないけど、谷底ルートの方が多分楽です。

 
右は品倉尾根 鍛冶小屋跡から上は雪切れ

牛首からひと登りで鍛冶小屋跡へ。ここからは山頂台地まではいつも雪が付いていない。板をザックにくくり付けての登りとなりますが、風が強いのも例年通りであおられます。台地に登り切ったところからも滑り込めますが、初月山のTピーがいるので山頂へ。建物を風除けにして休む。


斜面には雪しかありません

山頂から念仏ヶ原が見えております。避難小屋はさすがに見えません。念仏ヶ原は遥か彼方に見えますが、ほとんど滑ることになるので、みるみる迫ってくることでしょう。相変わらず風が強くてゆっくり休憩している気分ではないので、少しゆっくりするというK&Tより先に滑り出す。

 
下から 千本桜から尾根が細くなる

山頂から真っすぐに滑ると、最初は良い斜面ですが後半がトラバース気味になります。なので、先にラインまでトラバース。そして、いよいよ真下に向けてドーンと滑るのですが、ドーンと滑るほどの斜度ではありませんな。タラーッと気持ち良く流す感じです。荷物が重いので、重荷に優しい斜度って感じです。ただ、急ブレーキには注意が必要。まあ、これだけ広い無木立の真っ白けな斜面はそうないので、味わいながら滑りましょう。

 
千本桜右には堰堤状の岩壁が さらに右には良い斜面も

木もない岩もない雪だけの斜面なので、いい加減飽きてしまいそう。だんだんと斜面が細くなって千本桜の降り口へ。緩斜面から急斜面に切り替わるところなので、大きなクラックが入っています。わずかな隙間を長い横滑りで抜けます。時期が遅いと、こういうところに影響が出てくるのかもしれませんね。雪が多いと逆にクラックが深くなったりして・・・。


千本桜の急斜面


千本桜の少し下で休憩

急斜面を降りたとこの丸いピークで休憩。とっても雰囲気の良いところです。月山の台地状が落ち込むところが一望でき、なかなか雄大な眺めです。落ち込んだあとも魅力的な斜面が谷底まで続いています。アプローチさえクリアできれば、あちこちウロウロしてみたいところです。朝に比べて若干空が白んできた感じ。


同上


南側には癒し系の斜面が広がっています


これから辿る尾根筋

ここからは尾根滑りになるのかと思いきや、快適な斜面が続くじゃないですか。斜度も雪質も上々です。背中の重さにもだいぶ慣れてきて、テレマークターンにも思い切りが出てきました。そんな頃に立谷沢川へと滑り込む斜面。平均30度くらいの斜度です。荷物がなければ一番楽しい斜度ですが、ちょっと荷物に振られながらの滑り。それでも後半はハーフパイプ状で面白かった。

 
意外と快適な斜面でした 立谷沢川へと下る斜面
 
ハーフパイプ状の楽しい斜面 立谷沢川の沢底

立谷沢川に降り立ちます。夏道に架かる橋は埋没しててわかりません。ここから念仏ヶ原への登り返し。尾根の末端から確認していた唯一雪がつながっている谷を詰めます。念仏ヶ原までは標高差約150mってとこでしょうか。登りやすい谷でした。で、斜度が緩くなり、念仏ヶ原に登り上げます。あまりののどかさに”おおおーっ”と声が出ます。月山方面が逆光でしら〜っとしてたのが少々残念。翌朝に期待!

 
念仏ヶ原へ登り返し 月山を背に念仏ヶ原を歩く
 
広い念仏ヶ原  小屋まで30分かかった 念仏ヶ原避難小屋

広い広い念仏ヶ原。歩けど歩けど小屋は近付かず・・・。念仏ヶ原に出てから小屋まで30分以上かかりました。いいとこなんですが、本日の最後の最後なので長〜く感じました。右カーブする頃から小屋が見え始めます。先客が小屋前をウロウロしているのが見えます。大混雑だったら・・・と少し心配してましたが、そんなことはないようです。まあ、トレースの数からして少ないのはわかっていましたが。

1日目
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GPSの軌跡ではないのでご注意を!

先客は3名の様子。2人組と単独。2人組は肘折温泉から登ってきたとか。単独の人が2階にいらっしゃいましたが、1階にいる2人組の方へと移動していただきました。感謝感謝です。まあ、うるさそうな4人組が来たら、ボクでも動くかな・・・。なんと布団が完備されていました。銀マットを忘れてきてたのでありがたい話です。掛け布団は使わずに、敷布団と寝袋で快適な夜を過ごさせていただきました。

4月29日(日)  姥沢⇒月山⇒念仏ヶ原避難小屋  晴れのち薄曇り

明るくなって目を覚ます。外に出ると空が白い。日が昇ると青くなっていくのでしょうか・・・?山小屋の朝は楽チンですな。2階占拠なので尚のこと。準備がはかどります。快適なだけに余計にノンビリしてしまったりして・・・。朝メシの雑炊を頂いて出発となるわけですが、どうやら日が昇っても空は白いままのよう。

念仏ヶ原避難小屋(6:35)⇒小岳から(7:35〜8:15)⇒赤沢川’8:35〜55)⇒978m(9:15〜35)⇒778m(9:55〜10:10)⇒大森山手前コル(10:25〜11:00)⇒大森山(11:30〜55)⇒肘折温泉(13:10)

少し前に黄砂が飛んでくるような話があったけど、もしかしてそれ・・・?せっかくの晴天に黄砂は腹立つぞ。昨日の夕方は逆光で月山がシラ〜っとしてて今朝に期待だったのですが、スッキリとは晴れてくれなくて残念であります。ちゃんと見えてるので贅沢言っちゃいけませんが・・・。


出発準備

念仏ヶ原避難小屋から裏の斜面を適当に登ったら1185mポコへ。タラーッと下って左折し、1199mへの登り返し。このあたり広々としていてとても気持ちいいです。月山の眺めが雄大なのですが、如何せん空が・・・。贅沢言っちゃいけませんが。それにしても暖かい朝です。この時期の晴れた朝だと雪が堅いのが常ですが、今日は朝からソフトな雪でシールもよく効いてくれます。


月山を背に小岳へと向かう


小岳への稜線は広くてマッタリしている

小岳に登り上げました。地図上では小岳の山頂でシールをはずしても大丈夫そうですが、念のため赤沢川に滑り込む斜面が見えるとこまで進んでみましょう。ちょうど風がなくなって休憩には好都合。稜線すぐ左の沢を滑っても大丈夫そうですが、その左の台地状の小尾根が快適そうです。991mへと向かって滑りましょう。

 
1199mへの登り 赤沢川へは小尾根を辿る
 
その小尾根より 赤沢川

このあたりはどこも雪が豊富なので、どこをどう降りようが問題ナシです。小岳から赤沢川に降りるまで結構な距離ですが、滑るとあっという間ですね。降り着いた正面の斜面を登ると978mのポコです。標高差は100m弱、時間にして20分ほどの登りでした。小岳からここまで、地形を生かした巧いコース取りです。

 
978mのピーク ネコマタ沢への急斜面

978mポコからは少々複雑な地形となっております。なにしろ778mの尾根に上がる必要があります。滑り出しは急斜面で楽しめました。夏道の尾根を乗越し、スキーのまま778mの尾根に上がれないかと期待したが、全然ダメ・・・。観念して板を持ってツボ足で登った。

 
778mへはツボ足で 大森山基部まで延々トラバース

778mからは大森山の西に広がる台地に向けて滑り込むつもりでいました。ところが入念なリサーチをしてきたKさんによると、稜線左をトラバースすると大森山の基部直前までシールなしで滑り込めるとのこと。トラバースすると確かに大森山直前まで進めましたが、カニ歩きや微妙な登りがあったりで体力を消耗します。どうせ先でシールを着けるのなら、潔く台地に滑り込んだ方が楽に感じます。ただ、大森山の登りをツボ足で登るのならば、シールを着ける手間を省けるので有効かも。なんにしても規定のルートというのは、ルート通りに進まなくてはいけないという縛りが煩わしいと感じました。

 
大森山基部の登山道 登山道にはイワウチワが咲いてました

大森山への登り。南側斜面は雪がつながっていそうだったのでシールで登ることにしました。K&Tは最初から板背負ってツボ足。斜面は雪でつながってはいたけど、木の穴やらで難易度高くT世さんも途中で断念。まあ、ツボ足で登るのが無難だったでしょうね。

 
大森山  肘折温泉方面 大森山からの急斜面

長いツアーもいよいよ最後のピーク大森山となりました。手前の山が邪魔して肘折温泉は見えませんが、まだまだ随分距離はあります。ただ、顕著な登りはもうないので気は楽です。大森山直下は木の穴だらけの急斜面。いったん尾根に乗り、林道に向けて滑り込みます。

 
林道へと滑り込みます 朝日台で除雪した車道に
 
朝日台 小学校跡?でおしまい

林道は滑れない部分がけっこうあってダルかったなあ。朝日台に降り着き、除雪してある車道に出ましたが、わざわざ対岸に渡って再び板を履きます。そして朝日台の末端まで行くと小学校が見えました。なるほど、こういう終わり方か・・・。このへんは入念なリサーチが成せる技ですな。

 
黄金温泉 舟形町の蕎麦屋
 
とりそば 板そば

肘折温泉のいでゆ館が土砂崩れの影響で休業とのことで、黄金温泉のカルデラ館まで足を伸ばす。350円と東北価格ですな。座敷の休憩所がないのがマイナスポイント。そのあとは蕎麦。Kさんリサーチの舟形町の「重作」という蕎麦屋へ。どうもこのあたりは蕎麦のメッカらしい。なかな美味しい蕎麦でした。鶏も旨かった。

2日目
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GPSの軌跡ではないのでご注意を!

蕎麦のあとは姥沢までの長いドライブ。さすがにこの時間になると姥沢の駐車場もガラガラですね。翌日、温泉で新聞を読んでると、月山スキー場への車道が雪崩で通行止めになり、姥沢が一時孤立したそうな。ウチらが去ってほんの1〜2時間後の出来事だったようです。食らわなくてよかった・・・。

 


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