海谷三山+ついで雨飾山 日帰り縦走稜線の紅葉は終わり間近でした
今日は単独ということで赤線引き山行。海谷三山の鋸岳と雨飾山と金山を結ぶシゲクラ尾根の間が歯抜けになっているので、そこをつなぎに行くことにします。歯抜けの部分だけ歩くのも芸がないので、端っこの駒ヶ岳から鬼ヶ面山、鋸岳、あわよくば雨飾山まで歩いてやろうという魂胆です。時間的、体力的に厳しければ途中で降りればヨシということで。紅葉も良い時期のはずなので、そちらもしっかり楽しみながら・・・。
4時過ぎに家を出て、5時半ごろに根知谷に入る。まずは車で駒ヶ岳の登山口(大神堂)の偵察。地形図では少し登ったところから山道が付いているけど、登れど登れど登山口はない・・・。いいのかなあ・・・?と思うくらい登ったところで、「登山口は右」の標識が。さらに登ったところに登山口がありました。下りで計ってみると、距離にして約3キロ、標高差は約250mほどありました。これを下山後に残すのは精神的にも体力的にも厳しいので、朝のうちに歩いておくべきでしょう。
ということで、下山口の雨飾山荘に車を止めておき、自転車で林道分岐まで下り、分岐からの登りは歩くことにしました。雨飾温泉への道は舗装はされているものの段差や荒れているところが多く、ロード系の自転車では辛い下り。衝撃はすごいし、下りが急なので一瞬たりともブレーキから手が離せない。下りなのに平地を普通に漕いだ方が早いくらいでした。林道の分岐の看板に自転車をくくり付けておきます。
さて、歩き始めます。天気は新潟県は曇りのち晴れ、富山県は晴れ時々曇り。この海谷山塊がちょうど境目のようで、東側は曇り空で西側は快晴!予報からすれば時間とともに晴れてくることでしょう。この林道、さっき車で下見してあるので気は楽ですがキツイ道です。先が長いのでジックリと歩きたいところですが、林道でチョット力が入り過ぎたか・・・ふくらはぎが痺れ気味に。未だスタート地点に立てていないという焦りもあったかも・・・?距離3キロ、標高差250mだからなあ・・・。 いろい見てると駒ヶ岳への登り道は三峡からの方が主流のようです。こちら根知の方はどうかと思ったけど、全体を通してしっかり刈り払いされているし、要所要所にジオパーク絡みの標識も設置されております。ただ、地形図に載ってないのがねえ〜。これは国土地理院側の問題か。1本道なので迷う心配はないけど、落ち着かない・・・。
少し登り始めると紅葉してきました。下から見てても中腹から稜線にかけて色付いているのは確認できていました。駒ヶ岳の台上というんでしょうか、頂上の台地のブナの葉っぱは既に散り始めといったところでした。一段下がったあたりが、ちょうど見頃の高さだったように感じましたね。
駒ヶ岳は頂上が台地になっていて、その下に大岩壁があります。この大岩壁が駒ヶ岳の名物のようなものですが、半分ちょっと登ったところでその岩壁の基部に出ました。見上げるとすげぇ〜スケールで、思わず「おおおおーーーっっ!!」と声が出てしまうほど。岩壁に沿って斜めに登っていきます。「バンド」と呼ばれるあたりかな。高度感と威圧感はなかなかのものでした。
「バンド」が終わるところに展望台がありました。根知谷、戸倉山、北アルプスの眺めが最高です。ただ、少々シラ〜ッとしていてスッキリ感に欠けていたのが残念。高度感は相変わらずでしたがね・・・。ここで頂上台地のブナ帯に入りますが、ここから山頂までが意外と時間かかったな。駒ヶ岳の山頂は頂上台地の東端にあるからでしょうね。
もちろん駒ヶ岳山頂は無人。海川を挟んで対岸にはこれまた奇怪な山々、阿弥陀山と鉢山が見えます。東側はどんよりしているので、あまりパッとした景色ではありません。焼山とかは雲の中で、チラッと雪が付いているのが確認できました。目指す鬼ヶ面山方面もあまり良い天気ではないですね〜。歩いているうちに晴れてきてくれるでしょうけどね。きっと。
駒ヶ岳と鬼ヶ面山の間は難所が続きます。もちろん地形的な険しさもあるけど、整備不良による険しさの比率も高いような・・・。ハシゴやロープや鎖はあるにはあるけど、いつ付けられたかわからないような代物で、支点の灌木とか枯れているのもチラホラ。できるだけロープなどには頼らないようにし、頼らないと通過できないところ(結構ある)は、ちゃんと支点や強度を確認してから使うってもんですな。
難所もそうだけど、アップダウンが激しいのも駒ヶ岳〜鬼ヶ面山の特徴。最初の林道がオーバーペースで、1200mくらい一気に登ってきたので、すでに足にきてしまった感じ。先は長いのに大丈夫かいな・・?鬼ヶ面山のの北峰(1592m)は巻き、その先のピークも巻いていはいるが、ピークへの踏み跡があるので立ち寄る。ここの眺めは最高なんですが、どうも天気は良くなるどころか、雲が増えてきているような・・・。
鋸岳に向かう途中で年輩の方とスライド。雨飾山荘の駐車場にいた人と思われる。あとでわかったことだが、この方は北峰(1592m)へヤブを漕いで登ったとのこと。雨飾山荘から鬼ヶ面山の往復のようで、目的はこの鬼ヶ面山の北峰だったようですね。海谷高地の分岐まで来ます。2006年には山峡から登って、ここから海谷高地へと降りました。紅葉とか名所が多いのはこのルートでしょうね。
海谷高地への分岐を過ぎると、鋸岳へは徐々に高度を上げていきます。振り返ると鬼ヶ面山に雲がかかっているじゃありませんか!なんか晴れてきそうな雰囲気がないなあ・・・。そうこうしているうちに、鋸岳手前の難所に差し掛かります。ここらへんで崩落があったんでしょうかね・・・。足元が落ちているところがありました。メチャクチャ厳しくはないけど、一般登山道と考えると難所といえるでしょうね。
山頂の1つ手前のピークにロープが張ってあり、駒ヶ岳方面に行かないようにしてあった。ちょうどここに雨飾山荘への下降路がありました。鋸岳山頂へは尾根通しの道をわずかに進みます。鋸岳の山頂には看板さえなかったなあ・・・。眺めは良さそうだけど、あいにくほぼ全面ガスガスとなってしまいました。良い景色を見ながら開けるはずだったビールを開けます。粘りたいところだけど、時間もないし晴れる見込みもないので出発しますか・・・。
鋸岳から先はコースタイムと残りの時間・体力を気にしながら進みます。鋸岳からの下りはじめは急斜面の裸地にロープのかかる難所。じきに樹林帯に入り、見ごろのブナが迎えてくれました。太陽が当たってないので華やかさはないけど、しっとりとした濃い色の紅葉を楽しめました。コルまで下って一段登ったところが雨飾山荘への下降路。
天気が良ければ足止め食らったところも多かっただろうに、天気が良くないので止まる場面も出てきません。ダラダラと登っていくが、シゲクラ尾根が見えない。分岐はまだか・・・。女の人の声がしたかと思うと、そこが分岐だった。シゲクラ尾根に乗りました。分岐は水場になっており、女の人2人が休憩中でした。どっちに行くんだろう・・・?ワタクシは休む気もなく歩き続ける。ここからは2年前に通った道。記憶にございません・・・。笹平に出て雨飾山の銀座通りと合流。相変わらずガスガスで展望なし。山頂に行っても仕方ないかな・・・。でも、時間は残っているし、ここまで来て山頂に行かない手はないかな。直前まで来てるのに雨飾山に登らないってのはね・・・。ルート的に締まりがなくなってしまう。
紅葉シーズンの雨飾山は平日であろうが交雑混雑するイメージがあります。しかしながら今日は寂しい感じです。いつもはごった返している雨飾山の山頂には外人さんが2人いただけだった。お客さんがいないのは天気が悪いのもあるけど、時間的に遅いこともあるかな。
展望は諦めていたけど、一瞬で山頂や稜線付近のガスがなくなった。パッと開けるけど、ちぎれ雲みたいなのがあちこちに空を漂っているので全開には程遠い。見えないよりはずっといいけど、どうせ見えるなら鋸岳あたりで景色を見たかったなあ・・・。雨飾山からの景色は何度も見ているのでね・・・。シゲクラ尾根の水場にいた女の人2人がこっちに向かってきていた。外人さんとしゃべって山頂での時間を過ごしていた。
時間は2時過ぎ。わりと早い時間に降りることができそうです。雨飾山荘への道は雨飾山にしてはマイナーな道。でも、さっきまで歩いていた道と比べると整備の行き届いた道です。ハイペースで下ることができます。天気はだいぶ持ち直したようで、雲の間から鋸岳とか見えます。斜面や谷間の紅葉も素晴らしいです。
今日は肝心な鋸岳から雨飾山の間がガスガス。歩くには歩いたけど、歩いただけで景色とか楽しめていません。今度来るとしたら雨飾山荘をベースに鋸岳から雨飾山への周遊で十分だな。駒ヶ岳と鬼ヶ面山はやはり海谷高地と絡めるのが効率良くて楽しめます。どちらにしても今の紅葉の時期がベストでしょうね。ただ、紅葉の時期は行きたいところが一杯あるので、ここに順番が回ってくるのはいつのことやら・・・?とりあえず目的のところに赤線を引くことができた。あと、このへんで残っているのは金山〜焼山〜影火打の間だ。一気に縦走するのが手っ取り早いが、細切れにつなげていくのも楽しそう。
糸魚川の山というのは個性的で変わった形の山が多くて、四季を問わず楽しむことができます。黒姫山、明星山、海谷三山、阿弥陀&烏帽子、鉢山・・・焼山もそうだし。糸魚川の人たちは生まれた時からずっと見ているので、これらの変わった形の山が普通の形の山なんでしょうかね・・・?松本の人は生まれた時から北アルプスを見て育っているので、北アルプスに何も感じないのと同じことでしょうね。
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