二児山 山スキー 南アルプス前衛の山へ黒川牧場と中央アルプス
日本海側もそこそこ晴れそうな日曜日。あえて大鹿村から黒川牧場経由で二児山へスキーで登るというマニアックなことをしてみました。2時間半の林道歩きの末に辿り着いた黒川牧場が、思わず「わぁ〜!」と声が出てしまうナイスロケーションだったこと。2日前の雨で牧場斜面はアイスバーンとなり、登りも下りも苦労したこと。6時間近くかけて登頂した二児山がたいしたことなかった・・・ということ。なかなか思い出深い山行となりました。
一夜漬けでリサーチ。雪のない時期は牧場上部まで車で登ることができ、そこからわけなく二児山山頂へ行けるとのこと。問題はこの牧場までの林道。雪のありそうな今の時期、いったいどこまで入れるのか・・・?ネットで冬に行った記録は1つのみ。スキーではなくツボ足で、行程も違うけど、牧場まで行っていたので大いに参考にさせていただきました。最終集落から最高に長くて3時間林道を歩けば牧場に着きそう。林道3時間は苦痛ですが、スキーなので帰りは楽かな・・・と。出たとこ勝負的な計画ではありますが、ダメ元で行ってみるとしましょうか。
そんなこんなで当日。朝から良いお天気です。松川IC付近からは、これから向かう牛模様が見えています。雪が多いと林道の奥まで入れないし、少ないと車は奥まで入れてもスキーが使えなかったら困りますし・・・。結果、冬季閉鎖ゲートのかなり下までしか入ることはできませんでした。今年は南岸低気圧が何度も通って雪が多かった上に、2日前の春一番の雨が凍って林道は極悪の状態でした。ジムニーとかでも厳しかったでしょう。ある程度のところで諦めて車を止め、ここから歩き出すことに。
黒川牧場まで2時間半の林道歩きです。雪はわずかに途切れているところが1ヶ所。登りはシールなのでスキーのまま舗装路を、帰りはさすがに手に板を持って通過。大池高原やヒマラヤの青いケシの畑など観光地?を横目に見ながら歩きます。林道が着実に登ってくれてるのが救い。ほとんど滑って戻れそうです。ヒマラヤの青いケシの少し先に冬季閉鎖ゲートがありました。例年の雪だとここまで入れるのかもしれません。ここまで入れればかなり楽。ケシ畑まで最近のツボ足トレースがありました。関係者かな。
林道歩きというものは、あまり楽しいものではありません。でも、今日は天気が良いし、わりと周囲の雰囲気も良かったので気分よく歩けました。時折見える中央アルプスがキレイです。三伏峠あたりも見えていました。笹山からの尾根を掘り切りで回り込むと、初めて黒川牧場と二児山が見えました。まだ遠いなあ〜。林道が谷を横切るところではデブリが出ていました。2日前の雨によるものでしょう。掘り切りから先はほぼ平坦になるので、帰りはシールかな。
黒川牧場に到着。わあああーーーっ!何とも言えない景色です。牧場だけに牧歌的。言葉で表現するには能力が足りないので写真を参考にして下さい。写真も能力不足ですけど・・・。車道の下にボウル状斜面が広がっています。思わずシールを着けたまた滑り降りました。最高に気持ちよかったけど、アイスバーンにシールだったので、コントロール不能で成り行きまかせ。斜度が落ちて自然停止といったところです。
これから稜線まで登るのですが、2日前の雨で牧場の斜面は全体がカチンコチン。滑ったら下までツーッと落ちてってしまうでしょう。こういう時にスキーアイゼンがあれば役に立つんでしょうが、あいにく持ち合わせておりません。ちょっとヤバいので樹林の中に逃げ込みました。樹林の中の雪が柔らかくて助かりますが、ちょっと密林過ぎて大変でした。結構苦労しつつも稜線へ。なんだか現在位置がわかりにくぞ!稜線付近は窪地があったりで奇妙な地形でした。登り切ったところから見下ろす牧場と、そのずっと向こうにある中央アルプスが素晴らしかったです。
さてさて、ここからは稜線歩きで二児山へと向かいます。横移動なので二児山まですぐだと思っていたら、これが意外と時間を食ったなあ〜。針葉樹の密林が手を焼く一番の原因だったかな。雪質も悪かったし・・・。アップダウンが緩かったのは助かったんですが・・・。針葉樹の密林なので当然ながら展望もナシです。時間的にも厳しい感じたったので山頂はどうかとも思いましたが、次があるかどうかの二児山ですので、頑張って行くしかないでしょう。
地形図を見ると二児山への最後の登りは、取り付きが痩せ気味の尾根で、最後が急傾斜になっている感じ。ツボ足でもそんなに埋まらなさそうなので、スキーを置いてツボ足で行く。これが失敗で、途中でズボズボ股まで埋まるように・・・。厳しいなあ・・・。スキーの方がずっと楽だったな。途中から密林が切り開きになって、スキーでも何とでもなりそうだったし。しばらくでスネ程度の埋まり具合に戻って、着実に進めるようになってホッと一安心。最後の登りは立ち枯れ混じりで、木々が薄っすら着雪したナイス景色。最後だけ気持ちよかった。
山頂は中央アルプスの方角が伐採されていて視界が確保してあります。南アルプス側も仙丈ヶ岳と白峰三山は伐採してあって展望があったけど、塩見岳から南は濃い針葉樹に阻まれて見えず・・・。残念。仙丈ヶ岳と白峰三山は距離が近くて迫力がありました。温存してあったビールを飲み、ダンゴを食って下りのパワー注入。行動時間が長かったわりに、あまり喉は乾いてなかったなあ・・・。
二児山の山頂で折り返し点。片道10キロ余りの道のりでした。黒川牧場から二児山まではあまり見どころがないので、歩く意義は少ないように感じましたね。往復で3時間もかかってますからね〜。そのぶん牧場周辺をウロウロした方が有意義でしょう。あとは黒河山の方を歩いてみるとか。牛模様を滑り尽くすとか・・・。アプローチの林道が冬季閉鎖のゲートまで車で入れて、牧場の散策程度なら、わりとお気軽に楽しめるかもしれませんね。
下りはスキーも早いけど、ツボ足も早いです。スキーを履いてからの方が苦労したかもです。とにかく雪が悪い。シャリシャリの表面が薄っすらモナカで曲がれない止まれない・・・。密林じゃなければまだ・・・。何度か軽く木にぶつかる始末。まあ大変でした。シールをはずすポイントと尾根から離れるポイントをストックで雪に書いておいたのですが、記憶力が著しく低下中の頭には使える技ですね。雪降り中と風がある場合はダメですけど。
黒川牧場の上まで戻ってきました。お楽しみの牧場滑りといきたいところですが、登る時アイスバーンでしたのでね。下りもアイスバーンでした。滑るとガガガーッとうるさいうるさい!転んだら下まで滑落しそうで怖いし・・・。たま〜に表面の氷が割れてしまうのが、さらに難易度を高めていましたね〜。下の方まで降りてくると、若干緩んだ感じにはなりました。もちろん降りるのが精一杯で、今日もテレマークは封印となりました。
牧場から林道に滑り込み、最初のデブリのある谷でシールを着けました。笹山からの尾根の掘り切りまでシールを着けて歩きます。この先はコンスタントに傾斜があるので、かなりのスピードで降りることができます。ただ、林道の雪質も悪いので、気を抜くとコースアウトしてしまいそう。途中で1ヶ所雪の切れたところは板をはずします。今日は一日天気が良かったので、林道の雪も少し減った様子。掘り切りから駐車地まではあっという間でした、総延長20キロにおよぶ長い行程の長い一日でした。
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